つぶやき |
---|
もうこうなったら……続きは手書きで執筆するしかないですね。スケジュール的にもう、周囲の目を盗んで昼に手書きするしかないんだ。 春休み?そんなものはありません。夜更かし?愚かなる選択です。 いつか春休みではしゃいでいる皆にも分かる日が来ますよ。 |
体調不良に付き執筆サボリ中にござります。という現状報告でした。 |
「Remains -リメインズ-」の手直しが粗方終了しました。とは言っても加筆は主に前半だけだったので、精々前まで7話分だったのが12話に増えただけなのですが。 ファンタジー小説かつ初めてのオリジナル長編ということで試行錯誤が多いですが、順次公開いたしますのでお暇がありましたらお目通し願います。 |
「Remains -リメインズ-」の手直しのために暫くこの小説を非公開にします。そのうち手直しが終わったら再公開です。 |
パッと目に入ったラノベを立ち読みして、取り敢えず読めるから買ってみました。帰ってから何度か読み返して、特に面白い所が無かったので今は部屋の隅で埃被ってます。 なんというか、取ってつけた様な変人設定の主人公が実力見せつけて格好つけるラノベでした。難しい設定がないから理解は早いし無駄もないけど、代償として夢中になって読むほどの見どころもないという感じ。ラストの戦闘シーンなど読むのが面倒なので適当に飛ばす程度の価値でした。 今時のラノベってこんなものなんでしょうか。あの内容で優秀賞取れるんならこのサイトの面白い人が本気出せば勝てそうな気がします。 そしてそれとは対照的に一緒に買ってきた漫画「僕のヒーローアカデミア」はアホみたいに読み返しまくるというマンガ大好きぶり。もう一生マンガ読んでればええんとちゃうか?と誰かに言われた気がしました。 本人が用意した文章が面白くなければそれ以上面白くなるとも思えないんですが……それはさておき。 ○○賞みたいなのは基本的に買うか買った後に調べた後に知る情報なので、基本存在しない物として扱います。今回買ったのはたまたま目に入って、とりあえず読めるものだったからです。 我が家は本にアタリハズレのような概念を抱かないので買う事には全く抵抗がありません。買った結果ゴミが増えるかどうか、と言う価値観です。選ぶ理由は世間の評判と、あとは「なんとなく」で十分ですから。 絵が綺麗かどうかとか、キャラのデザインがどうかとか、ギャグが面白いかどうかとか、そういうのはなんとなく感じる物なのでなんとなく重視です。この世の全てはなんとなくです。感性に訴える物に理屈で勝負するのは無粋ですので。 漫画もそうなのですが、編集の力は必要でしょう。 最初の読者ですしね。ここがしっかりしていないとどうしようもない作品が出来上がって来る。 私はもう○○賞では本を買いません。大して高いレベルを要求する訳ではないけど、あらすじで手に取って、数ページは立ち読みしてみます。 それでも一回読んで終わり……と言う作品も結構有りますが。 面白いと思う点は人それぞれですから。 ただ、絵が綺麗だから。これが理由で小説は買いません。これぐらいかな。 |
リメインズなんですけど。第一話を見直してこりゃ足りないと思って色々と書き直してたら、1話が3話分に増えたんですよ。最初の一話どんだけ内容スカスカだったんでしょうね?こりゃどんどん書き直さないと駄目ですわ。 |
実は今投稿してる「リメインズ」、色々と問題点が浮き彫りになったので既に書き直しを始めてたりします。という訳でそのうち今ある文章は消しますねー。 |
今回は呟いちゃおう。ということで……逆お気に入り登録数が200人に届きました。逆お気に入り登録をしてくださっているみなさん、ありがとうございます。 まぁこれはたまに減ったりするのでそのうち200以下になるかもしれませんが……それはさておき、これだけ多くのユーザーさんにお気に入りを貰えるというのは感慨深いものがあります。200人が多いかどうかは知らないんですが、少なくとも私にとっては驚くべき人数です。 最近は二次創作も碌にやらずに自分が書いてみたくなった短編ばかり書いている身ですが、これだけの人に見られていると思うと身が引き締まる思いです。これからも精進しつつ、たまには昔のノリに戻ってはっちゃけた物を作りたいなぁと思います。 これから小説更新ペースはまったく保証できないのが現状ですが、これからも執筆をつづけていきます。 |
JAXAがとうとうソーラ・レイ構想の第一歩に踏み込んだそうです。 まぁざっくり言ってしまえば人工衛星がソーラーパネルで集積した電力をマイクロ波として地上に送信し、それを地上で受け取って電力に変換するシステムを作ろうとしているとのことです。テレビによるとマイクロ波を電力に変換するシステムは一定の成果を見せたとのこと。 前にここ→(http://www.akatsuki-novels.com/manage/mutters/view/7068)でちらっと話した宇宙での発電施設を本気で作るかもしれないと。地上のピンポイント狙撃機能が作られるかどうかは知りませんが、どっちにしてもすごい。これからはガンダムXごっこができる時代になりますね。 |
ちょっと会話をささっと作成してみて、こんな会話を作ってみました。 「どういうつもりなんだ……なんであいつがンパカパポコルペヌられる必要がある!?」 「何故だと?言うまでもなくそれはお前自身が分かっていると思ったがな。彼女は危険すぎる。手が付けられない存在はンパカパポコルペヌる。それだけだ」 「彼女は好きでああなったんじゃない!それを俺達の理屈で勝手にンパカパポコルペヌるのはおかしいじゃないか!」 「若造がべらべらと。ならお前は一度でもあの女の暴走を止められたのか?下らない正義論をかざす前に、彼女がンパカパポコルペヌられないにはどうすればいいか考えるのだな!」 うーん、一単語を別の言葉に置き換えただけでこの意味不明具合。 ンパカパポコルペヌるという言葉には一応意味があるのですが、その事を知りもしない人にこの会話はどう映るんでしょうか。 というか、私は大丈夫か。寝不足だ。寝よう。 ネリリし、キルルし、ハララしているんじゃないかとクラムボンが言っています。 ……いや、火星人だったかな。 |
宣伝する気があるなら毎話やれよと自分で自分に突っ込んでしまいつつ、更新です。投稿ついでにあらすじを考え直しました。タグも増やしたいけど特に思いつかなかったので取り敢えずヒロインのタグを一つ追加です。 今のところ十余名の読者さんがいるようなのでもっと増えろと思わないでもないですが、読者が増えないのも私の精進不足なのであまり贅沢なことは言えません。うーん……あ、誤字。修正しなければ。 |
第二弾PV、来ましたわ。……キマシタワーーーーッ!! 現れたる敵はもう一つの地球に住まう「星間連合サイデリアル」。おお、聞いたことある。 そして当然の如く開☆戦。当然の如く連邦軍押し負け。そして地球の半分くらいの勢力圏奪取。 地球は今日も平常運転だ! そして襲撃してきた連中が掲げた新たなる秩序……「新地球皇国(ガイアエンパイア)」!! だ……だせえええええええええええッ!!(歓喜) 立ち上がる戦士たちの雄姿がPVで暴れ狂う。 まだ地球にいたらしいミケーネの神!まさかの復活!?ガイゾック! 唸る振動地雷、死にそうな日高のり子さん!!出し惜しみない作画が荒ぶる!! ホモとシンジが交わる時、サザンカの命運が決まる!?そしてとうとう戻ってくるスフィア所持者たちと、グリリバなあいつ!!そして再集結される貧乏クジ同盟ッ!!果たしてゲス顔スズネ先生の正体は!?そして何より――地球は粉砕されずにいられるのか!? 地球(これアカン奴や) 月(またクレーター増える) 雷王星(労災下りるかな) ………はい、取り乱しました。4月2日発売予定です。話についてこれた人は買いなさい(強気)。 |
この前いいラノベないかなーと探してるときに友達に「そんなに好きなもの読みたいんなら自分で書けよ」って言われたんですよ。お前は何も分かってない!ってエガちゃんみたいなポーズで言い返しそうになりました。 読者視点で言えば、ハッキリ言って自分で妄想できるものを自分で書いても全く意味がない(←えっ)。読者が作品に求める物というのは、自分では想像もつかないようなストーリーやキャラなのです。自分に書けないし思いつかないような大冒険を見せてくれる作品こそ求める物でしょう。じゃないと楽しくないです。 それに、そもそも自分が好きなジャンルというのは時たま自分では書き辛いものです。なまじ知識があるから逆に思考に大きな制約を加えらて、思うように話を進められないってなったことありませんか?私なんかその筆頭です。ロボット物大好きだけどロボット物書けない。そういう人だからロボット物が好きな訳です。 で、ロボ関連の話で非常に印象的なものがありまして……どっかのラジオ番組にあのガンダムシリーズで知られる富野監督が招かれてたんですよ。ロボットアニメを昔から作っているロボットアニメ界の重鎮です。で、話の最中にまさかの一言。 「あの……OSって、何ですか?」 !? OSと言えばオペレーティングシステムの略。ロボット物ではよく出てくる、ロボをより効率的に動かすための操作システムです(うろ覚え)。リアルロボット物ではこのOSが非常に重視される作品もあり、ロボアニメ好きなら知ってて当然の知識です。が、富野監督これを華麗にスルー。 監督曰く、そんなことは考えてすらないとのこと。そんなものを考えてしまうと次から次へとツッコミを入れなければいけないので頭から排除しているそうです。で、細かいツッコミは後から続く連中がやればいいとのこと。 ガンダムの重量で町歩いたら道路が割れちゃうとか、ミノフスキー粒子の設定なんて細かく考えてないとか、宇宙戦闘での星の動きは実はおかしいとか……驚きの発言連発でした。 考えてみれば「聖戦士ダンバイン」「ブレンパワード」「キングゲイナー」等はロボットアニメの分類に置かれながらも既にロボットとは言い難い独特の設定を持っています。つまりロボットっぽいけどロボットではないという設定はまさに富野監督が編み出した絶妙な設定なんだなぁ、と個人的に思いました。 つまり造詣が深いから面白いものが作れるとは限らないと。 必ずしも好きなものが面白くなるとは限らないと、最近はよく思うのです。 ……だからって色々と試してみたくなってしまうのは悪い癖かも。まずはもっと文章力をつけなければ。 なんか改めて自分の意見を見ると相手に突っかかっていくようなスタイルに見えなくもなくてちょっと自己嫌悪しつつ、やっぱりこうして文章を送りつける形式のコミュニケーションは難しいと実感します。掲示板とか一生出来ない気がする。 なんだか他人の感想を見ていると自分が伝えたいことが伝わっていないか認識がズレている気がしてきて、どうにも沢山文字を打ち込んでしまうんです。否定されたと思ってる訳ではありませんので大丈夫です。 私は至極個人的な理由ですが、一次創作と二次創作を同列には扱いたくないですね。二次創作というのは一次創作を知らない人にはある程度わかり、知ってる人にはさらに分かるという構造があると思います。楽しみ方と楽しむ方法が違うのでパンとご飯みたいな。もしくは別腹と考えます。 ちなみに私はシェイクスピアの事を名前くらいしか知らないし、類型が出尽くしているから何がどうなるというのは恥ずかしながら発想の外です。言葉を借りるなら、シェイクスピアの事を知らないならば、その人にとっては存在しないのと同じ、です。(単なる無知とも言う) 自殺くらいなら本気で考えたことはあるけど、「死んだらスパロボできねぇ」と思い直しました。人間って単純。 それはすみませんでした。別に細かなツッコミを入れた訳ではないのですが。 ……と言うか、細かなツッコミと言うのは作品=小説やその他の創作物に対して、であって海戦型さんの意見に対してでは有りません。 それに、私は二次だろうが、一次だろうが、『すべて小説』と言う括りで考えています。 そもそも二次創作だって、原作を知らなければ、その人物に取っては一次創作です。 私は古いロボット物は知りません。入ったのはスパロボからで、其処から先に進んで居ないので、マジンガーやゲッターなどは二次使用のスパロボがオリジナルに等しい状態と成って居る状態。実際、こんな例は幾らでもあると思うのですが。 こんな感じですか、少し言葉が足りなかったかな。私だって日常をグダグダと続ける物語など初めからスルーです。其処に冒険は感じませんから。 そもそも俺の人生自体がジェットコースターだから。自分が大病で入院中に……ある人と電話で話した翌日に二度と会えない所に旅立たれた、などと言う経験をした人間などそうはいないでしょう。 一カ月後に追い掛けて行きそうになったけど、その人との約束を思い出したから辛うじて戻って来られた、と言う結末付きで。 オマケ。物語の類型はシェイクスピアによって既に出尽くしている、と言う言葉もあります。 読むジャンル偏ってるせいじゃないですか?それに元ネタが存在しようがしまいが面白いものは面白いものです。要は「次は何が来るんだ?」「これからどうなってしまうんだ?」というワクワクや雰囲気がない物は嫌なんです。 出尽くしてると思ってるのは、言葉は悪いけど思い上がった発言です。 若しくは私の考える解釈や感性と黒猫大ちゃんさんの考える物が一致してないのかもしれませんが、そんなものを討論したらきりがないし答えが出ないので打ち切り。 想像もつかない世界というのは、そういう意味じゃありません。度肝なんて抜く必要は全くないですし一発芸のマンネリラノベを指す言葉ではありません。 作品内読んでいるうちにどんどん内部の世界の形が分かっていくような冒険気分が欲しい。そしてその中で人間関係を築くキャラクターたちがこれからどこに行くのかをワクワクして読めれば、それが想像できない世界です。冒険がない=物語や世界的な進展がない、という解釈です。(ちなみにこの解釈だと安定性のある日常系作品は壊滅的になってしまうのですが、そこはそれ私の好みの話なので) あと、あくまで「とは限らない」というだけです。そうであることも多分にありますし、その多分の中に私の好きな作品もあります。 それとカン違いさせてしまったなら申し訳ないんですが、念のため言っておくと二次創作の話とこれはあまり関係ありません。 かなり高いレベルの要求ですな。 色々と読んで居ると、これって元ネタアレじゃね? ……と思う物が腐るほど出て来ると思うのですが。 ……と言うか、ありとあらゆるパターンは出尽くしていて、創作と言うのが以前の焼き直し、二番煎じの積み重ねと成って居る、と考えて居るのですけどね、私は。 それに度胆を抜かれる内容って、基本出落ちが多くて、むしろオイラとしては敬遠している作品の方が多いのも事実。それよりはむしろ、読んで居て安定している作品の方が好みですけどね。 まして『あまり考えて居ない』と『まったく考えて居ない』とは違う。 おっと、ヤバい方向にずれて居るな。 まぁ、あまり細かなツッコミを入れるのはどうかと思いますが、その内容を物語のネタにしようとするのなら、その内容に関してはある程度の造詣は必要だと思いますけどね。 イカン、軌道修正した心算だったけど、まったく修正されていない。 基本出落ちは読まない。物書きはすべてに造詣が深い必要がある……とまでは言わないけど、コイツ、まったく調べ物もせずに書いているんじゃないのか、と思わされた作者の作品も読まない。 後は自分で妄想出来る、……と言うか、共感出来る部分がなければ読んで居ても苦痛にしかならなくなる、ぐらいですか。 あまりにも自分と考え方が違い過ぎると流石に理解出来ませんから。 こんな感じですかね。あまり書くとヤバい方向に内容がずれて行きそうなので、これにて失礼します。 |
最終調整中の話を間違って30分早く投稿してしまっていたようです。我ながらなんとつまらないミスを……もし修正前のものを読んでしまった方がいたら申し訳ないです。 |
記憶を失った傭兵(マーセナリー)の男、ブラッドリー。彼はリメインズと呼ばれる超大型遺跡の調査を生業としていた。そしていつしかそんな生活にビジネスパートナーと称して付いてくるようになった少女(?)のカナリアと共に、彼は少しずつ過去を思い出してく……という感じのストーリーです。 新作というか試作品なのですが、ファンタジー小説のつもりで書いたオリジナル小説です。始まったばかりな上に拙い作品ですが、お暇がありましたらお目通し願います。 |
用意した設定の一部を紛失してる、だと?ほんの一部かつ頭の中にある程度入っていたとはいえ、ちょっと管理が甘かったか……。 |
飯食べぬ。というか晩御飯を食べるタイミングを逸してしまった。こんなことがあっていいのか、私よ。欲界からの解脱はまだ早いぞ。 ※ ※ ※ 長い長い一日だったな、と一人ごちた。 アビィの訪問から始まった一連の大騒動は一先ず幕を下し、アビィの安全は漸くながら確保された。現在の俺は、天専の手配した車に乗って事務所――はぶっ壊れているので知り合いの家に向かっている。法師とティアは事務所に生活空間を作ってそこに暮らしているため、現在家がない状態なのだ。アビィを休ませるにも家が必要だった。 ホテルを使えと思うかもしれないが……懐が厳しいをで察して貰えると助かる。事務所の他数名は自分の生活空間を持っているが、三人の人間を住まわせる余裕はどこもない。 件の知り合いもまた事務所メンバーと同じく学生時代からの付き合いで、別荘とか持っている気前のいい友達だ。代価としてタダ働きさせられるかもしれないが、少なくとも事務所の修理が終わるまでは泊めてもらえるよう取り次いだ。 アビィは疲れていたのだろう、今は俺にもたれかかって小さな寝息をたてている。 「くぅ………くぅ………」 無防備に寝息をたてるアビィを起こしてあげようかと手を伸ばしたが、そのあまりに心地よさそうな眠りを覚ますのは少々気が引けたので手をひっこめた。彼女にとっては緊張や疲れの連続だったはずだ。起こすのは今すぐでなくともいい。 「目的地に着くまでは寝かせておいてあげるか」 「それがいいです。目的地までは御嬢さんを休ませてあげましょう」 運転手の女性がミラー越しに同意した。 この人も天専の人間で、名前を田楽(でんがく)伊咲(いさき)と言うらしい。 ボブカットで少々小柄。年齢的には後輩に当たるらしいが、彼女は対異能専門学校、つまり一般の出なのでベルガーではない。そもそも天専の人間の中でベルガーは1割に満たないので珍しい事でもないが。 アビィに関する連絡事項は全部この人を通してやるそうなので、これから長い付き合いになるだろう。 「ではお嬢さんが深い眠りについている間に、少しお話が」 「……彼女のこれからの生活についてですか?」 「はい。……とは言っても彼女の保護先に関しては既に天専側で決定してありますが。詳しくはこちらを」 彼女はハンドルから手を離すと助手席の鞄から封筒を取り出して手渡してくる。 「ども………って運転手が運転中にハンドルから手ぇ離すなよ!!」 危うく何事もなかったようにスルーして封筒を空けそうになってしまった。 ハンドル両手離しなど正気の沙汰ではない。こんな所で事故に遭ってお陀仏など御免だ。咄嗟にハンドルに手を伸ばそうとするが、その行動は田楽の言葉によって引き戻された。 「そうは言われましても……この車は自動運転システムなので運転手は半ば飾りですし」 「飾りなの!?」 「運転免許は必要ですが、まぁ事実上のペーパーですわ」 「天専の人事どうなってんだコラぁ!!」 というか、記憶が正しければ車の自動運転システムは安全性が立証されてなくて採用見送りになったと聞き及んでいる。天専の異常なまでに高い実力と超法規的な行動範囲を考えれば不思議には思わないが、重要人物の護送にはある程度荒事のこなせる人間を回すのが普通だ。それをペーパードライバーとは、本気で人事を疑う。 この人は本当に大丈夫なんだろうか、と急に頼りなく思えてきた。当の田楽は心外だと言わんばかりに鼻を鳴らす。 「これでも護衛課のエースですから大丈夫ですよっ!『天之門(ヘブンズゲート)』の称号だってもぎ取った身なんですからね!?」 「………それ、本当ですか?」 「本当です!!」 半ばムキになる田楽さんだが、疑った俺を怒らないで欲しい。 何故なら『天之門(ヘブンズゲート)』の称号は、天専の最高戦闘員と認められた証なのだから。 『天之門』とは、元々は対異能戦闘の基礎をたった一人で構築したとされる伝説のエージェントのコードネームだ。実際の『天之門』が誰なのかは未だに明かされておらず、岩戸機関の構成メンバーだった事以外には何も分かっていない。だがそのノウハウは岩戸機関のベルガー受入れ基盤になったと言っても過言ではない。 そしてその偉業にあやかって、天専では特に優秀な戦闘員に岩戸の番人たる『天之門』の称号を与えるという伝統が存在する。世界でも最高練度を誇る対ベルガー戦闘員の更に頂点。それが『天之門』なのだ。 「しかもベルガーでもなしに『天之門』なんて……凄いですね」 ベルガーにはベルガーをぶつけて対処するのが基本になりつつある今では、異能者でもなしに『天之門』の称号を与えられることはまずない。天専がまだ岩戸機関だった設立前なら山ほどいたろうが、設立後となると10人にも満たない筈だ。それを考えれば素直に賞賛に値する。 田楽はそうでしょうそうでしょう!とうんうん満足そうに頷いた。 「大変だったんですから……イザ天専に入ってみたら私の周りは9割くらい異能者で、新人研修では死ぬかと思いましたよ……!おじいちゃん譲りの特異体質がなけりゃ辞職出してたレベルです!」 「はぁ……そ、そうですか。心中お察しします。………ん?」 いい加減に相槌を打っていると、いつのまにか目を覚ましていたアビィが田楽をじぃっと凝視していた。騒ぎ過ぎて結局起こしてしまったらしい。悪い事をしたなと思い謝罪する。 「ああ、ゴメンゴメン。起こしちゃったかな……アビィ?」 「……………」 ――様子がおかしい。 アビィが返事を返さない。それどころか、まるで氷漬けになったように田楽を見つめたままピクリとも動かない。 「アビィ?どうした、気分でも悪いのか?」 「……………ッ!」 「うわっと!?」 肩をゆすると、アビィは弾かれたように俺に抱き着いた。その手は今日の内に何度も見たそれと同じく怯え、手汗で濡れている。何か怖い夢でも見たのかもしれないと思った俺は、彼女の背中を優しく撫でた。 「どうしたんだい?俺はここにいるいるよ」 「ノリカズ……!あの人、『覗き見』が出来ない!」 「え?覗き見って……確か視界と聴覚の情報を読み取るアレが?」 アビィは震えながらこくこくと頷くと、また俺に抱きついて震えだした。何故怯えだしたか分からずに田楽が困った表情を見せるが、アビィは身をよじって彼女から離れるように移動した。彼女の事を警戒しているようだ。 ――どういうことだろうか。この車はアイテールをジャミングする類の物をアクティブにしていないし、運転手の彼女はベルガーではないので異能の力を自力で阻害など出来ない。調子が悪くて異能を上手く使えていないのだろうか。 それもと――その考えに行きつくと同時に懐に素早く手を入れた。 「出来のいいスパイ、なんていまさら言いませんか?田楽さん」 彼女の顔に驚愕の表情が浮かぶ。だが、それさえも演技かもしれないので照準はしっかりと彼女の胴体に合わせる。 「い、言わない言わない!言わないからその警戒たっぷりの目線と霊素銃下げて!それ当たると結構痛いんだから!」 「さてはて、結構痛いで済みますかね……?」 彼女が自力で異能を妨害するか、ピンポイントで精神感応系の異能をレジストする装備を持っている可能性がある。しかも、こちらに何の断りもないしに、だ。 警戒しすぎだと自分でも思うが、絶対にないとは言い切れない。例えば本物の田楽とすり替わっている何者かが天専の人間のふりをしている可能性もあるし、国内のベルガー争奪戦のイザコザかもしれない。 自分の肉体に発動させる異能はアイテールを内部で動かすため、能力を使っていてもベルガーの基本であるアイテール感知に引っかかりにくいという特徴がある。絶対に大丈夫と安心することは出来ない。 沈黙。静かな車内には暫く自動で動くハンドルやブレーキの音だけが響いた。 その沈黙を破ったのは―― 『あーあー……聞こえますか法師くん?ちょっと伝え忘れていたことがあるので取り敢えず銃を下してください。彼女がスパイの類でない事は私が保証しますから、ね?』 車内のモニタに表示された中村先生の呑気な声だった。 |
最近、二次創作の書き方忘れてきました。ちょっとマズイかも? = = 日本近海――海上自衛隊の警戒の目を潜り抜けたその潜水艦は、密かに中国本土へと航路を向けていた。 暗い海の底を国籍不明の潜水艦がうろついているなどぞっとしない話だが、それは確かに存在する。周辺の海では冗談交じりに「幽霊鯨」と噂されているそれは、実際には中国マフィア『虎顎』の幹部が持つ「個人の所有物」。ソナー、アイテール探知などの様々な警戒網を突破できるようにカスタマイズされ、その幹部の独自理論で設計されたワンオフ艦。 その最新技術の塊の内部では、十数名のクルーが緊張した面持ちで初老の男に報告を行っていた。その表情は緊張に加えてどこか恐れを含み、声はかすかに震えている。 「――結果として先行した大風、洪水両名は任を果たせず、我々の回したフォローも失敗に終わりました。素体は既に天専の庇護下に落ちたとみて間違いないでしょう」 そう言い終えて、報告したエージェントはその初老の男――師父と慕う男の言葉を待つ。 師父は彼らに背中を向けたまま、しばし沈黙したが、やがて重い口を開く。 「その大風と洪水は……今は?」 「大風は日本のベルガーに後れを取って敗れた後、アライバルエリア内の無許可医に預けられているのを洪水が発見しました。この状況下では本人の傷もあって動かす方が危険と言う事で、洪水と他数名を日本に残しています」 師父は再び沈黙した。その背中を見るエージェントたちの緊張も頂点に達する。 師父は優しく、人が良い。マフィアより学校の教師でもしていた方が似合いそうな程に善の思考を持ちながら、子供のように純粋に夢を追いかけている。そんな人物だ。他者を叱責したり個人的な私情で部下を処罰したりはしない。 そのように情深く理想高い彼だからこそ、周囲は彼を虎顎の次期首領に祀り上げようと誓っている。 だが、彼らは知っている。彼は純粋すぎるが故に、時折抱く負の感情の扱いに慣れていない事を。 彼がいかに優しかろうと、自分たちがどれほど信頼を得ようと、どうしようもない事態が存在する事を。 かつて、師父は失態を冒したエージェントにねぎらいの言葉をかけながら――何の前触れもなくその頭蓋を握りつぶしたことがある。 余りにも奇妙で恐ろしい、まるで手だけが悪魔に憑りつかれたように、子の頭をなでるような自然な動きでその悍ましい光景は起きてしまった。滴る血液と落ちる肉片。頭蓋から零れ落ちる―― 言うまでもなく潰されたエージェントは即死だった。 彼の直属エージェントの中でも最強と謳われた者だった。 大風、洪水兄弟に戦い方の基礎を教えた偉大な戦士だった。 死んだエージェントを見た師父は一瞬ポカンとして、まるでその行為を自分がやったとは思っていないかのように自分の手を見た。そして、漸く自分の手が血塗れであることを認識した師父は、声を殺して静かに泣きながら殺してしまったエージェントに謝り続けた。 自分が目の前で殺した子に首を垂れ、何度も何度も。本気で子の死を悼んでいるにも拘らず、決定的に歪な姿だった。 師父は自分でも全く意識していないほどに、普段は苛立ちや怒りと言った感情を表情の奥底に仕舞い込んでいる。自分自身が損な感情を抱いているという事実すら見逃しそうになるほどに自然に、だ。そして時折それが、破壊という名で表層化する。 一種の精神疾患か、抑えられない衝動のようなものなのだろう。自分の内部に負の感情を溜めこまないために、身体が勝手にそれを外に吐き出しているのかもしれない。あるいはそれが師父の持つベルガー能力だと言うものもいるが、真相は分からない。 分かったのは――彼を苛立たせると誰かが死ぬ、もしくは重傷を負うかもしれない、という恐怖だけだった。個人的信望と暴力による支配の二層構造――故に、有望なエージェントが殺されないように、替えが効かない能力者は師父からなるべく離れた位置から報告することになっている。 そんな事態が起きたでも、師父は恩師であり仕えたい人なのだ。 そのようなカリスマがあるのだ。だから、その道をなるべく失わないように彼らは敢えて大風たちを日本に残したとも言える。 やがて、師父はゆっくりと振り返った。 その表情にあるのは――ただ、この無事を知った安堵。 「よかった……姿を見せないものだから日本の警察に抑えられるか殺されてしまったのかと冷や冷やしましたよ。それでは今回の任務での死者と再起不能者はゼロですね?」 「え……は、はい!」 朗らかな笑みだった。少々面喰いながらも、エージェントは内心でほっとする。この調子なら何とかなりそうだ。周辺からも小さな安堵のため息が漏れた。 「幸い、皆の八面六臂の活躍のおかげで警察の動きを完全に封じ込める事が出来ました。おかげでAVIEシステムも無事ですし、システムはアビィだけが適応する者ではありませんからね。今回はそれでよしとしましょう」 AVIEシステムに組み込む素体としてアビィは理想的だった。だが、だからといってアビィでしかシステムを成立させられない訳ではない。ここは無理をして目先の宝を拾うより、将来的な可能性にかけた方がいい。幸いにも素体は「取り返しのつく失態」だった。 「大風は前から根を詰め過ぎる悪い癖がありましたからね。日本の内情を探るついでにゆっくりと療養し、不要な騒ぎは起こさないように伝えておいてください」 「明白了!」 「では……私は少し休みます」 そう言うと、師父はエージェントに下がってよいと手を振って自身のデスクに向かい合い――ベキリ、と何かが破壊される音が部屋に響いた。 師父はキョトンとした顔で自分の手元に目をやり、おや、と気の抜けた声を漏らす。 「おや……またやってしまいました。ああ、デスクと一緒に書類も何枚か破壊していますねぇ。我ながら嫌になりますよ、とほほ………」 手に平に広がる、最早元々はどういう物質だったのかも分からないほどに圧縮された滓(かす)を見つめながら、師父はため息をついた。 エージェントたちは背中から溢れる冷や汗と悪寒に身を震わせながら、運命の神に心底感謝する。 (ぎ、犠牲者が出なくてよかった……!!) マフィアと言う組織は、たとえどんな善良な人間がトップに立とうとも命懸けである。 |
勝てば登れる蜘蛛の糸、負ければ汚泥に真逆様……勝負だ。 ※延長戦中。 ※サドンデス中。 ※紙一重。 |
なんか妙にPC重いなぁと思っていると普段は作業の邪魔ばかりするウィルスバスターさんから緊急連絡。何があったのかと思ったら、「君のパソコン、スパイウェアに感染してるね。でも大丈夫!まとめて追い出しておいたよ!」とのこと。 スパイウェアなんぞ何所から入り込んだのでしょう。しかもここ最近は何一つインストールもダウンロードもしてないのに。うーん……怖いなぁ。 |
Page 14 of 24, showing 20 records out of 461 total, starting on record 261, ending on 280
2015年 03月 25日 22時 58分