つぶやき |
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つぶやき小説……まだ滅んでいなかったのか。 書くのが久々過ぎて自分で考えた設定が飛んでたらどうしよう……。 = = 幸いというべきなのか――翌日午前六時の集合時間まで、学徒たちは何の指定行動も強いられてはいない。就寝時間も食堂の利用時間も、全てが自由だ。当然ながら私闘や破壊行為など明らかに呪法師として不適格な行為をすれば話は別だが、『欠落者』というのは問題を起こさないか、もしくは問題しか起こさないかの二択であることが多い。 つまり、問題行動を起こす者はまずいないし、起こす人間はあらかじめ予測がついているから被害をコントロールできる。むしろこの大陸では『無欠者』の方が突発的に事件を起こすものだ。その事実がまた欠落者の選民的な思想を助長している。 少し癪だが、サンテリア機関で欠落者に囲まれてきた自分にとってもこの部分に関しては首肯せざるを得ない。それは無欠者が悪いというより欠落者が分かりやすすぎるのが原因だが。 (その点、ギルティーネさんはどう判別すればいいか分からないから困るんだけどね……) 自分とステディに割り当てられた部屋に連れ込んだギルティーネの髪を梳かしながら、内心でごちる。 彼女は疑いようもなく欠落者だが、言葉を持たない彼女は本当に何を考えて行動しているのかが分からない。故に今まで協会もコントロール出来ないと判断していたのだろう。 実際問題としてトレックには一つの懸念があった。 彼女は先の戦いで外灯の上から攻撃を受けた際、すぐに護衛対象(トレック)を抱えて撤退を開始した。つまり彼女は外灯の上の呪獣には現状勝てない、或いはトレックが無事な状態で撃破することが困難と判断している可能性が高く、もう一度戦いに行ってももう一度同じ光景が繰り返される可能性が高い。 ギルティーネが御せる存在であると証明するためには、この前提を覆す必要がある。 必勝の策、或いは安全を確保する策が欲しい。 「必要なのは情報収集、必要ならば新たな装備品の用意、出現位置の把握、砦の呪法師に気付かれずに現場に行く方法……」 くしゃくしゃになっていたギルティーネの髪を梳き終えたトレックは、櫛をテーブルに置いてギルティーネと対面する形でソファに腰かけた。彼女の顔色は、相も変わらず無表情で窺い知れない。 しかし、彼女の思考能力を信じるならば、彼女の行動には必ず意味と意図が存在する筈だ。 彼女は例の上位種と思われる呪獣に抱いた印象や特徴を喋ることが出来ない。 しかし、こちらが彼女の当時の行動の記憶を遡って情報を引き出すことは可能だ。 彼女はあの時どのように行動したか。 (まず、ギルティーネさんは上を見ていた。犠牲になったと思われるガルド・ルドルクが攻撃を受けるか、もしくは受ける直前のことだった。恐らく呪獣がアクションを起こす気配を察知したんだ) 呪獣の気配を察するのは難しいが、さりとて出来ない事という訳でもない。出来る人間は人並み以上にそういった気配を察するのが早い。恐らくギルティーネは従来の察しの良さに加え、地形的に呪獣が上から仕掛けてくる可能性を憂慮していたから気付くのが早かったものと思われる。 (この直後、ギルティーネさんは俺を捕まえて撤退を開始した……) これに関しては先述の通り戦闘に勝利することが難しかったか、もしくはトレックを護衛しつつの撃破が困難だと判断したことが考えられる。また、敵の呪獣の情報も極端に少なかったために不確定要素の大きい戦闘を行うリスクを避けたかったのかもしれない。 敵が強いから逃げたことと、敵の能力が不明だから逃げたことは意味合いが大きく異なる。 敵との戦力差故に逃げるのは、状況と戦力を鑑みて相手を倒せない状況のとき。 対して能力が不明だから逃げるのは、仕掛けるには判断材料が少ないとき。 前者は敵が手ごわいことの証左だが、後者は相手の能力の強弱さえ不明だ。 つまり、対策を立てることが出来れば討伐が容易である可能性が残されている。 (一つ気になる事もある。ギルティーネさんの逃走ルートが解せない……あの時も思ったが、敵は外灯の上方から攻撃を仕掛けてきていた。ならばわざわざ高低差で不利になる外灯の真下じゃなくて外灯から離れて移動すればよかったんじゃないのか?) ギルティーネがパニック状態になってその事実に気付けなかったか、その発想に咄嗟に至らなかった可能性はある。また、あの場にはドレッドとステディもいたことから、移動で出遅れた方に敵が行くという公算があったのかもしれない。もしそうならば、その狙いは大いに外れていただろう。あの敵は少なくとも途中まではこちらを追跡してきた。 失敗だと言ってしまえば話はそれまでだが、本当にギルティーネが判断を誤ったのかどうかは確認の仕様がない。本人は弁明するための意思表示を一切できないようだし、本当は正しかったとしても具体的な理論は本人しか分からない。 現在の情報から浮かび上がる敵の情報は以下の通りだ。 外見は黒と紫の斑模様であること以外不明。 柱の陰に隠れられることからサイズは中型か小型と推定。 外灯と外灯を正確に飛び移る跳躍力と俊敏性を持ち、リーチは最低でも6メートル。 攻撃方法は不明だが、状況からして事実上の一撃必殺と推定。 恐らくは待ち伏せ型で派手には行動しないが、目についたターゲットの追撃は行う。 発砲した銃弾が掠った際に悲鳴を上げたため、『鎧の呪獣』のような防御手段を持つ可能性は低。 「………情報が足りないな」 ソファにもたれかかりながら指をを組んで考える。 考えない呪法師は早死にする。判断の遅い呪法師も早死にする。 既に作戦を考え始めてはいるものの、不確定要素が邪魔をして形にならない。 常にあの場にいるのか、それとも少しは移動しているのか。 攻撃対象の優先順位は存在するのか。 ペトロ・カンテラへの耐性はどの程度あるのか。 攻撃方法は具体的に何で、被害者はどう死んだのか。 緻密な作戦を練るには余りにも情報が不足している。 人間の作った遮蔽物を利用する戦略性を持った呪獣がこちらからの攻めに対してどう対応するのかも未知数だ。そう考えて、ふと脳裏に引っかかりを覚える。 「ていうか、待てよ。あの呪獣はどう考えても待ち伏せタイプだし、他の学徒だって外灯の真下を通って戻ってきた筈だ。被害はどの程度出てるんだ?いや、そもそもあの呪獣はいつからあそこに出現している?」 ある日突然出現したのなら不幸としか言いようがないが、もしも前からあそこに出現するのならば当然砦の呪法師はそれを承知の筈だ。だとすれば、砦の呪法師はあの呪獣の情報を持っているのではないか? もしそうだとしたら是非とも拝聴したい――その呪獣を今の今まで放置して犠牲者を出した挙句に学徒に情報を隠匿し、むざむざ犠牲者を増やした理由とやらも含めて、だが。 「……調べなきゃならない事が山ほど出来たかも、な」 呪法師は治安維持活動も行うためにこの手の調べものをする訓練も受けている。 時間がひっ迫している今、訓練の成果を発揮することに躊躇う理由もない。 被害者たるステディにも、協力してくれるかは不明だが一応詳しい話を聞く必要がある。 トレックはソファから立ち上がり、部屋の扉に目を向ける。 行動指針が決まった以上、行動あるのみだ。足を進めて扉の前に立ち、ドアノブを握る。 と、そういえばギルティーネにまだ何も指示をしていない事を思い出して振り返る。 「ギルティーネさ……ってうおぉぉぉッ!?」 「…………………」 振り返ったその空間に、既に席を立っていたギルティーネの整った顔が至近距離で待っていた。 音もなく立ち上がり、剣を装備してついて来ていたらしい。全く気配を感じられなかった。 その表情は相変わらず無表情だが、そこはなとなく「私は指示されなくても動ける女なので」みたいな自慢げな態度が漂っているような気がするような、しないような。 しかし、もしもそう考えているのだとしたら誠に申し訳ないことを伝えなければならない。 「……ギルティーネさんは『鉄の都』では札付きだよね。聞き込みの邪魔になる可能性があるから、その………」 「…………………」 動かない。ギルティーネが無表情のまま動かない。 指示が不明瞭なのか、ショックを受けているのかは不明だが、動かない。 「……この部屋で大人しくしててくれる?この部屋は一応ステディさんと相室ってことになってるけど、彼女はほぼ確実に自分からこの部屋には戻ってこないと思うし……」 「…………………」 ギルティーネは是も非も言わず、静かに先程座っていた椅子の方へと戻っていった。 その背中は見間違いか、いつもより小さく見えた。 (いや、全然落ち込んでない可能性も多分にあるけど………一応、後でなにか差し入れをあげよ) 念を押しておくが、彼女が実際に何を考えているのかは分からない。 彼女の感情をいくら推し量っても、それはトレックの勝手なイメージである。 = = おまけ(※本編の心理描写とは微塵も関係ありません) トレック「行くぞー!」 ギルティーネ「(`・ω・´)」 トレック「あ、ギルティーネさんは留守番ね」 ギルティーネ「(´・ω・`)」 |
ぶっちゃけ―トーク、それすなわち今日もどうでもいい話。 昔に書いたことがあるんですが、日記形式の小説は書くのがものすごーく「 楽 」でした。 もう一度言いますが、書くのがものすごーく楽でした。(※あくまで当社比ですが) 補足:日記形式とは……小説の内容が登場人物が実際に書いた日記のような形式にしてある小説の事。 あの形式の何が楽って……正直なにもかも楽でしたよ。 1話かかるような話を20行以下に圧縮できますし、日にちで分ければ1話分に思いついたネタを好きなだけぶっこめます。日記という形式なのであくまで主観でとらえた部分しか書く必要がないですし、長く書きたいときだけ長く書けばいいし、他人の視線は他人の日記で語れるし……。サクサク書き進められるので非常に執筆者に優しいのです。 しかも読みやすい。言ってしまえば日記形式というのはベリーショートストーリーを連ねたようなものです。サッと読めて、頭に入りやすく、読み返しやすい。執筆者だけでなく読者にも優しい仕様なのです。 ガチンコな内容を書きたいならさておき、こんだけ書くのが楽な形式なら流行るだろ!と思っていたのですが、暁では全く定着しませんでしたね。ハーメルンとかではいまだに見かけますけど。 以上、先見の明がない海戦型でした。オチなし。 |
EVAの持ってるプログレッシブナイフっててっきり振動(高周波)ナイフなのかと思ってたんですけど、実際にはもっと高度な技術を使ってたんですね。「高振動粒子で形成された刃により、接触する物質を分子レベルで分離する事で切断する」……まぁある意味振動ナイフだけど、振動ナイフと超振動ナイフは違うし。というかそんな武器でぶっさされても一撃で壊れない使徒のコアってなんやねん。 SEEDのアーマーシュナイダーやフルメタの単分子カッターもそうですけど、ロボットの持っているナイフって小型モーターとかパッテリーとか内蔵してると考えると異様に小型ですよね。 |
私と言えばどうでもいい話、どうでもいい話と言えば私。今日もどうでもいい事をつらつら書き連ねようと思います。明日早いのでいつもと違って短くできたらいいな。 これはごく一部の吸血鬼作品好き界隈の話なのですが、『月姫』に登場するシエルと『HELLSING』に登場するアンデルセン神父はどっちが強いのかという不毛すぎる議論が存在します。 二人とも色々と違いはあれど設定や戦闘スタイルに似ている所があるんですが、設定的な能力ではぶっちゃけシエルに軍配が上がっています。しかし、それでも争いは続いている……というか、アンデルセンならその不利もひっくり返せるんじゃないかという思いを抱いてしまう人が負けを認めません。 私はHELLSING大好きなのでアンデルセンの方が好きだったりしますが、設定を見ると確かにこりゃ理論上は負けるな、と思っています。しかし、それでも反論する人たちの気持ちが分からないかと言うとそうでもありません。 それは何故かと言うと、実際に漫画やアニメで見たアンデルセンという男の猛烈な存在感がそう思わせるからです。キャラの強さとは設定に宿るものではなく、実際にそれを見聞きした人が「こいつ、強い!」と確信できるインパクトがあるかどうかでまるっきり見方が変わってきます。 その意味で、アンデルセンという男が「AMEN」と唱えた瞬間のシーンから吸血鬼と戦う姿、言動の一つ一つに膨大なまでの「こいつは強い」と思わせるエネルギーが込められていたから、アンデルセンが勝てると人に思わせるのです。 シチュエーション的な格好良さ、台詞の決まり具合、キャラの表情に込められた情念……そこには設定で語る事の出来ない「ここ」というエネルギーが凝縮されています。その瞬間に込められたエネルギーの量が、強キャラの格を決めているのかもしれません。 この格が足りないとなんとなーく強いやつでも「頑張れば倒せそうじゃね?」と思ってしまう。多分その辺は小説も同じです。だから強いヤツを書きたいなら、こいつは強いという根拠だけぺらぺら並べるのではなくて、瞬間に「強さ」を込めなければいけないと私は勝手に考えています。 私もなるだけ「ここを凄くしたい」と思った文章にはありったけエネルギーを込めているつもりですが、果たしてちゃんと籠っているのやら……。 余談ですけど、漫画の「うしおととら」に登場するキャラの表情はまさにこのエネルギーが半端ないと思います。あんなに顔面に情念を凝縮出来る藤田和日郎さんってすげぇ。 いつも劇画調な人だと必ずしも当てはまりませんが、そいういこともあると思います。メリハリですね。 これまた余談ですが、金色のガッシュで清麿があまりにキレ過ぎてヤバすぎる人外顔になっていたシーンを見たときは雷句誠さん天才だなと思いました。あのシリアスの流れでギャグをぶっこみつつ本当に清麿キレてるんだなーと思わせるあの激情は流石としか……。 設定だけでは語れない深み?が感じられますよね、自分も或いはと思うぐらい。 余談だがそれって劇画調だと伝わり易い事みたいな・・・いや藤田氏の作品はいまどき少なくなった熱い作品だが。 |
「はて迷」のお気に入り数が前触れもなく急に数人増えたから不審に思って調査したところ、NEVERまとめのダンまちおもしろSS的なところで名前が出てたみたいです。 こういうのを見てよく思うんですが、こんな辺境の地(←コラ)にある趣味全開の辺鄙な小説(←おい)をよく発見できるなぁと不思議に思います。だってこれ、そんなに目立つような小説じゃないよね? ぶっちゃけ「はて迷」は余りに内容が趣味に走りすぎてクドい部分も大きいので、大衆的にはウケの悪い小説だと思っています。私は書いてて楽しいけれど、他人が読んでて評価に値すると考えるのかは全然わかりませんし、自信もあんまりないです。 一部の人はたまにコメントくれたりするので一定の期待はされてると思いたいですが……。 それは不審ですね(←おい)人の目は何処にあるのか分からないので注意してください!^p^ 評価されるものは評価されるということかな?(・ω・`) |
『はて迷』の最新話を書きかけのまんま投稿してしまうという以前のミスの焼き増しをしてしまいました。 もう読んでしまった人、半端な内容で申し訳ありません。まだ読んでいない人、もう少しお待ちください。 なんでスマホから入ると非公開設定が公開設定に変更されるんや……。 |
スーパーロボット大戦Vという余りにも意外すぎる形で、25周年という記念すべき形で――俺達の『ヒュッケバイン』がスパロボに帰ってきたぞオオオオオおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!!!!!! もう新しいマジンガーとかなんとかどうでもいいわ!(←よくないです) (マジンエンペラーは)ゲッターエンペラーとは関係ない、と念押ししてましたね。 プロはもう無印Z以来か……(厳密にはちょいと違いますけど) 旧作のオリジナルロボット参戦は個人的にはこれからもやってほしいぐらいですが、ここでヒュッケとグルンガストをチョイスしたのが見事としか言いようがないです。発売は来年2月か……こんなものスパロボファンにとっては待ってるうちにすら入りませんね。 よっしゃあ!(喜) まさかのヒュッケバイン参戦には驚きましたね!パイロットもかつての『スパロボF』のリメイクと思わせるようなパイロットスーツも着ていたし。 そして、グレートマジンガーと戦闘のプロ、久しぶりの参戦ですね。Z編のほうだけど。 マジンエンペラーG…まさかグレートマジンガーがゲッター線を浴びたとかじゃないだろうか…?マジンガーZが浴びてマジンカイザーになったみたいに。そうなるとグレートマジンカイザーはどうなるのか… クロスアンジュの戦闘シーンの最後、完全にキリコでしたね。発売が楽しみです! |
死にたいと思ったことは、誰にだってあるかもしれない。 問題はそこから本当に死へ向かう勇気があるかどうか。 それが自殺者と惰性に生きる人間の違い。 靴を脱ぎ、マンション屋上の柵を越えてコンクリートの淵に裸足の足先が触れる。 風が頬を撫ぜ、髪がはためくいて視界を遮る。 これから死ぬというのに恐怖は覚えなかった。 元より自分で決めた道なのだから。 別に、死のうと思う理由は一つだけじゃないし、突発的なものでもない。 ただ、理由が一つ、二つ、三つと枯葉のように積み重なった。 それがいつの間にか自殺に足る量となっていただけだった。 父親に相談しようとは思わなかった。だって父親も理由だから。 母親に相談しようとは思わなかった。だって母親も理由だから。 教師に相談しようとは思わなかった。だって教師も理由だから。 友達に相談しようとは思わなかった。だって友達も理由だから。 だけど行き場のない感情は膨らみ続け、心を少しずつ蝕んでいく。 ぶつける相手も逃げ込む場所も見つからない。 そうするうちに段々と考えることさえ億劫になってゆく。 最期に頭の中で一番輝いている非常口のランプは、死という名の脱出口だった。 体をゆっくりと、ゆっくりと、夜の闇を必死で振り払おうとする外灯に照らされた方へ。 高さ20メートルを越えた四角い牢獄から、天国の門に化ける分厚いコンクリートの一枚板へ。 体が重力に従い、スローモーションの世界を駆け抜けるように落下していった。 わたしがわたしから解放されるまで、あと少し。 痛いのは一瞬で、後に残るのは永遠。 これで――。 わたしは――。 ―――。 ―――。 ぐぎゃり、と。 自分の首の骨がへし折れる音がした。 『冥府の女神よ、彼の者の瞬きを現世へと呼び戻せ!――『リバイバル』ッ!!』 ぱちり、と目が開いた。 首の後ろにズキズキとした痛みが走り、体はとても硬くてゴツゴツした場所に投げ出されている。 直後、けほっ、と喉から空気が漏れて、自分の呼吸が続いていることに気付かされる。 咄嗟に後ろを振り返ったら、自分が飛び降りたマンションが興味なさげに私を見下ろしていた。 外灯は相も変わらず臆病に暗闇を乏しい光で満たそうとする。 通行人に無関心な車たちは自分の車線だけ見つめて排気ガスを吐き出し続ける。 わたしの世界は、何一つとして変わっていなかった。 なんで、どうして。 20メートルの高さから地面に叩きつけられた程度では、この華奢な体すら壊せないというのか。 困惑ばかりが頭をぐるぐると駆け回るなか、わたしを見ている人間がいることにふと気付く。 その男は――。 「大丈夫かい?いや、びっくりしたよ。古代都市の地下遺跡にまさか人が住んでて、しかもこんなに文明が栄えていたなんて思いもしなかったのもびっくりだけど……建物から急に落ちてくる人がいるんだもん!暇な時間に覚えておいた回復魔法で怪我は治しておいたんだけど、どうかな?」 その男は、額当てを装備し、ガントレットと軽そうなレザーの服と気障なブーツを履いて。 腰に古めかしい革のポーチとRPGの勇者が持つような剣をベルトからぶら下げ。 マントをはためかせ、目に痛いごてごてとした指輪やリングを手に嵌めて。 目に痛い黄緑色の頭髪を揺らし、橙色の瞳でわたしを心配そうに見下ろしていた。 「……………………」 「どう、かな?」 「……………………コスプレの人?」 「こすぷれって言葉の意味は分からないけど、多分違うよ。だって俺は――!!」 彼の者、誰よりも眩い勇気の刃で深淵の闇を切り裂き、世界に光を齎せし希望。 人は彼を――勇者と呼んだ!! 「ふざけてんの?」 「えっ」 「いや、なんで町の中を勇者コスプレで歩いてるの?恥知らずなの?親に恥ずかしくないの?」 「いやいや、だって俺本当に勇者だったんだって、本当に!!」 「それって誰がどうやってなるの?職業名鑑に載ってる?給料は誰が払うの?お母さん?」 「母親にたかったりするかいっ!!勇者云々はそういう家系だからしょうがなかったの!!」 「お父さんもそんななんだ。ふーん。親がそんなで恥ずかしくなかったの?」 「お願いだから俺の話を聞いてくれよぉぉぉーーーーッ!!」 盛大に自殺の邪魔をした不審者が本当に人知を超えた力を持つ『異邦人』だと気付くまで、あと8時間。 ※改めて読み直して微妙にシチュエーションが曖昧だったので追記したり。 死ぬと人の魂や意識は別の世界に旅立つという言い伝えが世界的に見られます。 実際日本でも他界って言いますよね。現世とは違うどこかに行くから、他の世界で他界です。 とはいえ大抵は死後の世界に繋がっている訳ですが、そも、死後の世界がどんな場所かなんて分からない。 分からないんなら、ひょっとすると異世界に繋がってるのかもしれませんね。 駅に入ってきた電車に飛び込んで、消えた女の子の話を…… 異世界に行ったんだろうか… |
二次創作『俺達は何を求めて迷宮へ赴くのか』ではそろそろ原作ファンに怒られてもしょうがないと思うぐらいやりたい放題勝手な設定や世界観を作っているのですが、感想でストーリーの疑問や良く分からないワード、キャラの過去についてツッコミがほとんど入らないんですよね。 誰も気にしていないのでしょうか。それとも気にしてるけど口を出さないだけなのでしょうか。 前者だとしたら最悪スルーされてるか期待されてない可能性が高いので己が未熟を恥じるばかり。まだまだ修行しなければ……。 湯雲さんの気持ちは私も正直わからないでもないです。私もなかなか感想を書けない方ですから。 小説を書くときは読んだ後に「ここ意味わかんないまま流れてるんだけど?」って疑問を抱かれないように、疑問になるところは疑問だと分かるよう書いたりしています。でもそうすると逆に「後でまた触れるのかな?」と納得されて逆に誰も触れない、みたいな事が起きます。この辺もしょうがないのかもしれません。 原作ブレイクに関しては……私、逆にぶっ壊さないと書けないタイプだったり。 ぶっ壊さなかった場合、大筋で原作を辿る事になるじゃないですか。そうなると原作の内容きっちり覚えないといけないし、キャラの心理や行動にも必然的に制限がかかるんです。原作のラインを辿りながらオリキャラをそこに混ぜて最終的な流れの帳尻を合わせるなんて高等技術、よくほかの人は平気で出来るなぁと尊敬してます。 疑問点があれば質問しますが、キャラの過去やら伏せられた設定なんかは必要な時に書かれると思っていますし、原作読んでないので世界観なんかはツッコミ入れようが無いですね。 よくわからないワードは原作の物もそうだったりするかもと思ってあまり気にしない感じです。 私の中では海戦型さんの二次創作作品は原作ブレイクっぷりを楽しむ物になってます。 大体読んだだけで満足してしまうタイプなので、あまり感想書きません。 書いた方が作者様の励みになるとは解ってるんですがなかなか……。 それはそれで1話がミッチリ詰まりすぎという問題が無きにしも非ずですが……はて迷はギッシリ詰めるというコンセプトだし、しょうがないですね。主人公に限らず登場人物のキャラ立ては永遠の課題なので、出来ているならうれしい事ですね。 ……正直オーネストやアズが滅茶苦茶なことをやる奴で常識が通用しないというのは最初から描写しまくってきたことなのですが、個人的には割とハメを外し過ぎて(主に戦闘・能力関連とオーネストの香ばしい発言を)想定以上に滅茶苦茶にしてしまった回もあるんですよ。 でも「やりすぎたなぁ」と思ってたら読者の皆様は誰もツッコまないので、もしかしてやりすぎに誰も気づいてない?とか考えてしまったり。 読み応えがあるから時間がある時にゆっくり読んでいるので、最新話に追いついていないんですorz それと『俺達は何を求めて迷宮へ赴くのか』に限らず、海戦型さんの作品(全部読んだわけじゃありませんが)は主人公がしっかりとしたキャラなので、原作を軸にして読んでないのです。しっかりと言うかキャラが立っていると言うべきでしょうか。なのでキャラを軸として世界を見ているので、やりたい放題だからこそ余計に面白いと感じでいます。オリキャラに影響されて改編される原作キャラも良い感じですしね。 |
設定で考える「実はかなりヤバかったアインスト」の巻。こうなったらやけくそで語りつくせるまで語ります。本当はアインストより前にジュデッガとセプタギンについて喋ろうかと思ったのですが、連中のヤバさはキャラ会話やアニメ、漫画で十分出ているので割愛です。 アインスト、それは太古の昔に地球に命の種子を捲き進化を見守ってきた存在。その正体については結局わかりませんでしたが、OGシリーズでは次元転移でこちら側に干渉してきたシャドウミラーのせいで目覚め、ワカメ軍団のせいで崩れた静寂を基に戻すために色々動いていた……っぽい。 アインストのやったこと一覧 ・人間を調べるために士官候補生の乗ったシャトルに体当たり。 ・シャトルで死にかけのエクセレンを調べてダメっぽい現人類に変わる新たな種を作ろうとする。 (この際にエクセレンの体にアインストの因子が埋め込まれた。キョウスケも多少干渉されているが、割と無事だったせいで取り込んだ因子はさほど意味を為さなかった逆に「あちら側」ではキョウスケは死んでいたのかかなり侵食されたアインスケになっている) ・新人類としてアインスト・アルフィミを作り出す。 (女しか調べてない事とほかの何かしらの要因(詳細不明)があって結果的には失敗) ・超機人の力を自分の物にしようとするが、逆に怒らせる。 ・インスペクターのウェンドロをアインスト化させてホワイトスターを支配下に置く。 ・エクセレンの精神を支配し、ヴァイスリッターを強化する(のちに奪われる)。 ・アインスト空間から地球圏の戦略的施設へ無尽蔵に雑兵を送りまくる。 ・アインスト空間から漏れ出た因子的なもので地球生物をアインスト化させる。 ・次元転移システムを使って鋼龍戦隊をアインスト空間にご招待。 ・ホワイトスターに憑依して巨大ラスボス化。 ・後にアインストの末端の生き残りがイェッツトになり、話がこじれまくる。 アインストについての情報一覧(詳細不明な点が多い) ・自我らしい自我を持っているのは女王蜂のノイ・レジセイアだけで、アルフィミなどは例外。 ・ノイ・レジセイアが死ぬとアインスト全体が滅ぶ。 ・コアが存在し、コアがあるかぎり自己再生する模様。 ・地球を「始まりの地」と呼び、ひたすら地球を監視している。 ・アインスト世界の外で姿を安定させるためには自分の依り代となる『器』が必要。 (アインストが倒されると白化して地球上に存在しない物質に変化するのはこのせい?) ・平行世界にも存在して、似たようなことをしている。 ・何者かによって選ばれた、純粋な存在であるらしい。 (クロスゲートに関する事を知っているっぽいので少なくともカドゥム・ハーカームではなさそう) ・長い時を生き過ぎたせいで多少狂っているらしい。 ・T-Linkシステムが最終的に門の力に干渉するものであることを知っている? (T-linkシステムを鍵として使おうとしているから) ・人間の種子を撒くルーツはアインスト以外(ガンエデンがそれに当たる)にもあるらしい。 ・人類の進化を促す存在(カドゥム・ハーカームのような存在?)によって力を持ち、門(クロスゲート?次元転移は「扉」)に干渉して古の記憶を知ろうとする存在が静寂を乱すので排除する?(その辺は特に曖昧。人類うんぬんよりそちらが本命と思われる) ・今の人類のままでは「運命の刻」が訪れるより前に無秩序に宇宙を乱し、壊す可能性があるのでそれを防いでいるらしい。(アポカリュプシス?結局何なのかは喋らなかった) ・アインスト世界はそのまま現実世界を侵食し、アインストの世界を上書きすることが出来る。 ・現人類とアインストはもともと相互的に干渉しあう存在の可能性がある? (もしくはアインストが人類に用意された試練である可能性もある) ・「始まりの地の守護者」である超機人とは対立する存在。 (他世界からの干渉によって生まれる混沌を正す目的の為に守護者と対立していると言っているが、目的が相容れないのかそれともアインストが狂っているから対立しているのかは不明。少なくともバラルには明確な百邪(敵)と認識されていた) ・ギリアム曰く「単なる異形」で、太極へ至る存在ではないらしい。 (つまり御使いに関連するような『真戦』に至れる存在ではない?OG世界の太極とZシリーズの太極が同一であるかは微妙なので断言は難しい。御使いのような存在に創造された一つのシステムでしかないのかもしれない。太極の名前を聞いてから様子がおかしかった) さて、アインストのヤバさについてやっと本題です。これ以降ダークブレインやルイーナなどスケールが馬鹿でかい存在がわんさか出てきたせいで忘れられがちですが、アインストは恐らく「物量が無限大」と思われます。全世界に絶え間なく襲撃を繰り返していたことからそれはほぼ確実でしょう。これはアインスト空間に働く地球のそれとは異なる性質が原因と思われます。連中は情報的存在なので、親玉のノイ・レジセイアと、アルフィミやアインスケなどの特殊アインスト以外は好きなだけ地球に送り込めるようです。消耗戦に持ち込まれたら勝ち目なし!唯一弱点があるとしたら、活動範囲が地球周辺に限定されていることかな? しかもアインストは地球の兵器に擬態したり寄生したり真似たり新種を作ったりと以外にヴァリエーション豊富。つまり戦局に応じてより便利な個体を作り出すことが出来るということです。アインストゲミュートなんぞ特機クラスのパワーがありましたし、最終的にはレジセイア級が沢山出てくる事態にも発展しました。アニメ版のアインスケ襲来に至っては性能的にも近似値なSRXやサイバスターのコピーまで出てきています。 そして最悪なのがアインスト化です。ゲーム版では触れられませんでしたが、上記にあった通りアインストは空間を侵食して世界の性質をアインスト空間の物に塗り替えることが出来ます(漫画版でシュウが言及している)。この空間に入ってしまうと人間からネズミまであらゆる生命体がアインスト化します。アニメのジ・インスペクターではあと一歩で地球全土がアインスト空間化しかけました。もしこうなってしまうとアインスト大勝利です。地球はアインストパラダイスでツークンフトなことになっちゃいます。 地球人に残された術は生き残りによる太陽系外への脱出かな? 総合すると、物量無限、自分のテリトリーを拡大して敵をも味方に変貌させて、自己再生可能で進化する上に親玉倒さないと勝てないのに親玉が異世界にいるから次元転移技術がないとその時点で詰むのです。改めてみるとこいつ、地球限定であることを除けば強すぎる……。 最早シュテルン・ノイレジセイアが直径40キロメートルでデカすぎて倒せないとかいう話なんてしょーもない話だったということが良く分かりますね(←えっ)。 ……まぁ冷静に考えればあれもヤバイですけど。アレに比べたらウユダーロ級制圧砲艦の砲撃なんてそうめんみたいなもんだぜ!実際問題もしもあの火力で攻められたらバラルの園くらいは吹き飛ばせそうです。今回もオチなし。 漫画版では特に作者の八房さんのせいでどんどんクトゥルーな存在にされてる気がしないでもなかったり。連中ゲッターシリーズのインベーダーとかほど生き汚くはないので空間塗り替えさえ防げれば大丈夫……でもないか?ノイレジセイアの性格がバイド寄りだったら似たようなことは出来るのかも。 スパロボの世界には『一大劫』だのだの『総人尸解計画』だのたまにタオシーとか仏教とか出てきますね。あとヘブライ語関連とか。Zシリーズでは結局『太極』の正体が期待してたほどすごくはなかった感が否めませんでした。 太極太極と最近、宇宙や世界を揺るがす奴らは太極とかよく出すよねw 思い出したように東洋世界が出てくるな・・・次は解脱か? よく分った(´・ω・`) つまりアインストとはバイドの仲間か何かだな(おめめぐるぐる) |
二次創作を一つ書いていると、その間に「この作品とあの作品のクロスってどうだろう」とか考えることがよくあります。というわけでダンまち書きながら考えた内容。 ①王道RPGでゼノブレイドはどうだろう シュルク「僕達が望むのは――神無き世界だ!」 ヘスティア(アカン) リュー「穏やかじゃないですね(滝汗)」 この後滅茶苦茶誤解された。 モナドがどう見積もってもチート過ぎるし、そもそもゼノブレ世界のユニークって一部どう考えても三大怪物レベルの奴いるからゼノブレ側が強すぎる、という結論に至った。あと世界観までクロスさせるとかなりややこしい上に神の正体に説明がついてしまうから怖い。 ②超王道!ベルセルクで…え?結果見えてる? 神の正体が全部使徒とかいう悪夢しかない世界とか、神のもとにベヘリットが流れ着きまくってファミリアを「・・・げる」連発とか、夢が広がる(白目)。 ③ドラッグオンドラグーンで抗え、最期まで(ダンまち側が)。 DOD1の場合…契約=心臓交換の誤解+神=世界の敵という誤解で「おしまいだー!おしまいだー!」ってなる未来しか見えなかった。もしくはダンジョン内に夥しい再生の卵とか、ラキアが天使の教会の傀儡になって泥沼の全面戦争開幕。\オガーザァーン!!/ DOD2の場合…黒竜=ブラックドラゴン=レグナである意味ノウェは馴染めるのかも。ただ最終的には竜種が天界の神々を引きずり落ろす計画に発展してオラリオをエンシェント・ゴラゴンの群れが襲って阿鼻叫喚になるイメージしか沸きませんでした。\レグニャー!!/ DOD3の場合…主要ファミリアにそれぞれウタヒメがいて段々日常が狂っていくか、神勢力VSウタヒメ勢力で世界が割れて大戦争になると思う。どっちにしろツライ。 ついでにニーアの場合…とりあえずダンジョン内でマモノが発見されて、それの正体に気付いた神が悍ましさのあまりゲロ吐くところまで想像した。世界観混ぜるのはキツイからニーア世界がダンまち世界に浸食してくるパターンになる。誰も救われないじゃん……。 ……色々考えた結果、一番書けそうなのはDOD2という事が判明しました。 しかし上記で挙げた3つは殆ど小説がないし、あっても速攻で失踪するのが悲しい。というかそれぞれの作品が独特な雰囲気を纏っているので書くこと自体難しいのですが。 しかしよく見るとこの3作品、主人公もヒロインも総じてロクな目に遭わないですね。 シュルク「故郷が襲撃されて幼馴染が目の前で刺されたうえに神にいいように利用されました」 フィオルン「殺された後に機械に作り替えられて色々大変でした」 ガッツ「死んだ女の股座から生まれて父親代わりにケツ売られた挙句殺されそうになって……etc……」 キャスカ「あーうー………(トラウマで未だに物狂い状態)」 カイム「……………(数えきれないほどの不幸を思い出しているが契約のせいで喋れない)」 アンヘル「しれっと我をヒロイン枠に入れるな!!それに我は後悔などしておらんわ!」 ノウェ「俺の存在そのものが竜種の対神決戦兵器でした。っていうか俺のヒロインって誰だ?」 エリス「………(女神の封印の生贄にされたり主人公NTRれたりした人)」 マナ「………(神の干渉でラスボスにされた上に殺されたりした過去の戦犯)」 ゼロ「忌々しい花なんぞに寄生されたおかげで最後まで散々だったな……」 ミハイル「え?ボクもヒロイン枠なの!?ヒロイン枠なの!?」 ニーア「シロも失うし、ヨナも死んじゃうし、挙句自分の存在も消えるし、世界滅ぶし……」 白の書「ほーれやると思った我をヒロイン枠に入れるなぁ!!ヨナを入れろヨナを!!」 >① -この後滅茶苦茶誤解された-ネタとしてかなり面白そうですw >② 神の正体が全部使徒とか、その発想は無かった凄すぎる! ぬるいダンまち世界が地獄に直行、悉く女性キャラが悲惨すぎる末路になるエンジョイ&エキサイティングになるのかー(おめめぐるぐる) >③ 誰も救われないのは前述全部に言えるなヽ(´Д`;)ノ なんでオラリオ、スグ滅んでしまうん? クロス作品は全体的に好きだから、設定だけでも面白いです(`・ω・´) |
昔ハマった二次創作の作品に「【東方×DOD2】紅の封印が幻想入り」というのがあります。某笑顔が止まらない動画の作品で、動画というより読み物に近いですね。タイトルで大体わかるんですが、これは東方Projectとドラッグオンドラグーンのクロスオーバー動画なんです。今は残念ながら更新が止まっているんですが、最近ちょっと見直してます。というわけで今回はその二次創作――別名「東方竜人縁起」のお話。二次創作作品のなかではかなりのガチ勢です。 序盤の方はうろ覚えなんですがかいつまんで言うと、平行世界をスキマで覗いていたゆかりんがDOD世界を発見するのが始まりです。 最初は興味本位で覗いてたらしいゆかりんですが、DODと言えばゲーム界でも屈指のえげつなさを誇る怪作。その凄まじいインパクトと、そんな絶望的な世界で足掻く一組の人と竜にゆかりんは釘付けになります。簡単に言うと…… ①ゆかりん、カイム&アンヘルの大ファンになる(憧憬とか尊敬とか色々な感情含む)。 ②ゆかりん、『神』の途方もない力が幻想郷に及ぶ可能性に気付き対策を開始する。 ③上記①と②を加味した上で、DOD2のカイム&アンヘルの死亡場面にこっそり干渉して二人を幻想郷へ。 ……という感じ。別に幻想郷の大結界を女神の封印に変えようなんてことは考えていませんが、それにしても序盤から『神』を相当警戒してかなり忙しく動き回ります。まぁ当然でしょう。あんなん来たら幻想郷滅びますし、ゆかりん自身『神』のやらかす事のスケールの違いを直に見て、自分や幻想郷の大妖・神レベルでは対抗できないことを確信してます。カイムとアンヘルを幻想郷に迎え入れたのも、二人に報われるものがあってほしいという意志と『神』をぶっ殺せる可能性を考えた打算的な部分があります。 この動画のゆかりんは胡散臭さも残していますが、基本大真面目で時々うっかりさん。読者視点から見ても安定した視点で物事を見ている共感できる系ゆかりんです。 そして当のカイムとアンヘルはそんなゆかりんを胡散臭そうに見てはいるものの、凄まじくほのぼのと二人きりでノロケまくります。ギャグテイストではないですが、二人のたどり着いた安息は二人以上に視聴者がほっとするという謎の現象だったり。 そんなカイム&アンヘルが少しずつ幻想郷にその存在を知られていき、近くにいたにとりや雛と交流を持ったりしながら話が進むのんびりライフ…………なわきゃねーだろぉ!!ってな感じに話が一定期間進むと奴が幻想郷に干渉し始めます。勿論『神』です。 こうしてカイムとアンヘルは再び戦乱のさなかへ……あ、もちろんカイムは満面の笑みで敵を殺しに行きますし、アンヘルも暴れ足りんとばかりにノリノリですが……巻き込まれていく、といった話です。 原作愛がすごく、カイムとアンヘルはもちろん東方勢も一人一人の心理描写や動きが丁寧に書き込まれています。ちなみに舞台となる東方の世界は紅霧異変の発生よりかなり前で、まだレミリアが幻想郷内に来ていなかったりあっきゅんの前代である8代目が存命だったりします。 ざっくり序盤の登場人物をまとめてみると…… ・カイム:嫁(アンヘル)といちゃついてる元英雄。オリジナル笑顔がステキ。 ・アンヘル:カイムといちゃついてる年齢万超えのドラゴン。人をイジるのが好きっぽい。 ・ゆかりん:カイ×アン信者。『神』に対抗するために様々な方面に奔走してるが……。 ・藍:ゆかりんの式。忙しいゆかりんから色々と無茶ぶりされる苦労人担当。 ・にとり:アンヘルを「龍神様!」と微妙な勘違いをして信仰している河童。かわいい。 ・雛:にとりんの保護者と化したちょっと大人な厄神。厄すぎるカイム相手でもさわやか。 ・椛:竜の監視を任された天狗の下っ端。のちに先輩の文に振り回されたりする苦労人2号。 ・阿弥:オリキャラ。あっきゅんの先祖でちょっと内面が危うい。カイム・アンヘルと浅からぬ仲に。 話が進むにつれて登場人物は増えていきますが、序盤は大体こんなメンバーです。笑いあり、涙あり、愛と赤き血と毒と永遠復讐ふたつ犠牲母彼岸緋色祈り異端地獄孤独曇り空狂気女神世界天使扉わたくしたちありの濃密ストーリー。DODファンは一見の価値アリな素晴らしい作品です。 で、前置きが長くなったんですが、この動画には視聴者側に不思議な風習がありまして……「o/rz」という絵文字が使われるのです。これは何かというと、落ち込んでる時とかに使う「orz」の頭部の首を切断するという意味です。もとは確か本編のどシリアス場面で誤字ったりした作者さんが責任を取って斬首するという話だったのですが、ストーリーが高クオリティ過ぎて責めるのは申し訳ないということで何がミスがあると発見した人が作者の代わりに自ら「o/rzドブシャッ」ってな風に首を捧げる風習が出来たんですね。 DODの敵→帝国のダニ→王子に首を斬られて経験値になるのが仕事、という感じの発想で皆さん次々に首を斬っちゃって自らが経験値になっていくとは、業が深いというかなんというか。……私も2回ほど斬首したことがあります。ちなみに一般的に斬首をすると発生した経験値が作者に送られると言われています。ちなみに中には「o/r/z」と下半身まで捧げちゃった人もいましたけど。なんか懐かしい思い出ですねー。 ああいう謎の連帯感、最近はあまり見なくなりましたが好きなノリです。 以上、他作品の宣伝しただけでオチなし。 |
もしも「はて迷」のアズとオーネストがダンまち二次のキャラではなかったらシリーズ。 ①ゼロ魔にオーネストとアズが行ったら 「私の使い魔に……」 「俺の自由を束縛する存在かどうか答えろ。ノーなら首は切らないでおいてやる」 「じ、じゃあそっちの……」 「(背中から『死望忌願』を出しながら)え?何?」 「ナンデモナイデース」 コントロール不能デース。 ②東方世界に二人が行ったら 「やー、勇儀さんマジ酒強いねー!俺と飲み比べして一晩明かしたのはあんたが初めてだよ!」 「そういうアズも人間とは思えない肝臓だねぇ!あんた鬼に生まれてりゃ良かったのに!」 「ば、バケモンだあの酒豪二人……!!」 地底で鬼と意気投合するアズであった。なおオーネストはというと……。 「不老不死、ねぇ。俺の友達曰く、人は生きるから死ぬんだと。だから死のない月の民とやらはそもそも生きてすらねぇ。それは特権階級でも何でもない、その瞬間に永遠に閉じ込められた囚人だ。同情するよ」 「ここは蓬莱人として怒るところなんでしょうけど、何一つ否定する気にはならないわ。その言葉」 「死にたくなったら俺に言え。いい死神を紹介してやるよ、かぐや姫」 「ふふ……なにそれ、口説き文句?」 アズと一番相性悪そうなのを夜中に口説いて期せずに勢力を拡大しているのであった。 ③問題児シリーズ 「この中に一人、おもっくそ魔王がおる!!」 「白夜叉様!?」 「だれだろうなー。この中で魔王っぽいのっつったらオーネストしかいねーけど」 「いやいやおんしだおんし。アズライール。えっぐい気配するぞお主いったい何を持ち込んだんじゃ!?」 『死望忌願』がヒドすぎてペストが土下座するレベル。これだから厨オリキャラは。 ④リゼロに行ったオーネスト 「………くそっ、たれが」 守れなかった人と、守りたかった人と、殺してしまった人。すべての死をその背に受け入れて、オーネストはそれでも血みどろで前へ進む。………というか、オーネストがどんだけボロクソになっても死に切らないし事実を事実として受け入れちゃうのでRe:しない。物語の根幹粉砕。 ⑤アカメが斬れない! 「アズ、皇帝のところに行くぞ。この国は不愉快だ、宰相の名前が俺に似ているのが殊更不愉快だ。政治中枢を徹底的に磨り潰す」 「ういーっす。まぁこの腐敗加減だと流石の俺も止める気にはなれんさなぁ」 「ええっ!?無謀にもほどがあるぞお前らぁ!?」 「まどろっこしいのは嫌いでね。国の後の治世にも興味はないし、この国には今日、今から、キレイさっぱり潰れてもらう」 どう考えても危険種より危険な連中が、来る。(精神関係を気合で無効化できる上に素でレオーネ並かそれ以上の身体能力な馬鹿力マン+ガー不可攻撃で絶対殺すマン) ⑥この素晴らしい世界に祝福を求めない変態二人を発見。 「「俺達に祝福はいらない」」 「物語冒頭で話が終了っ!?」 駄女神が駄目な部分を披露する前に話を終わらせる鬼畜生。 ⑦リリカルまじかる……あ、駄目? 「ごめーん!無機物だから大丈夫かと思ってジュエルシードを『殺し』ちゃった♪」 「ノオオオオオオーーーーーーーーッ!!」(←プレシア) 無印、完。 「闇の書だぁ?プログラムのエラーなんだったら手書きで書き替えればいいだろうが」 「古代のロストテクノロジー舐めてんのかお前はぁ!というかその手の改変が現状を招いて――!」 「俺なら、出来るが?」 納期内にきっちり仕事を終わらせる何でもできるマンによってA's完。 「スカさんって天才とかなんとか言う割には技術の素体が人間だったり計画の頼みが古代兵器だったりしてオリジナリティないよねー」 「ぐおおおおおおおおーーーーーーーーッ!?!?」(アイデンティティ崩壊) ストライカらない。完。 自分の作ったキャラがいかにヒデぇ奴らか再確認しました。 二人ともあの世界にきちんと収まるんだなぁ、などと再確認できました。 オネ「は?石ころに願って死んだ娘を生き返らせる?人生ナメてんのかこのいかれババァ」 アズ「石ころも石ころでいらんことしぃだし、これ『殺し』た方が後の世のためな気がする」 オネ「俺が許可する。本人の意志を勝手に飲み込むポンコツなどこの世に必要ない」 アルフ「いいぞもっとやれ」 フェイト「やめてそれだけは!」 オーネストは管理局とは仲悪そうだけど、聖王教会とはもっと仲悪そうなイメージあります。というかあいつが宗教関連の人と仲良さそうにしているイメージが浮かばない……。スカさんはアズとはあっさり友達になりそうだけど、オーネストだと滅茶苦茶怒らせるか不干渉を決めるかの二択だと思います。そして娘の数名は悪い虫(オーネスト)に引っかかる。 オールド・オスマンは割り勘か代金オスマン持ちなら全力拒否でしょうね。でもまぁアズも加減は利く方なので大丈夫かな? 正直、面白そうと思うのが大半でしたけど、やはりダンまちが一番似合ってると思いましたね。 ツッコむとすれば、リリカルならプレシアにジュエルシード破壊を伝えたのはワザとでしょう?w あとスカさんとは後々和解してそうw オリジナリティも何もスカさん自体がクローンの様なモノだし。娘がいっぱいだから、その辺も仲良くなれそうな要因? そしてオーネストは管理局と仲悪そう。でも辺境の自然保護とかの部隊とは仲良さそう。 ゼロ魔なら、オールドオスマンとは二人とも酒飲んでそう。当然召喚者が誰であろうと使い魔にはならないんでしょうけどね。 |
現在モチベーションが0%なので本当にしょうもないことしか出来ません。 シリーズ全部はやりきってないのでOGだけ。鋼龍戦隊が死んでないのが不思議な戦歴をご覧ください。 (※今回はアニメや漫画の設定重視でゲームシステムはあんまり考慮しない) ・最初の試練、ヴァルシオン 公式チートの何でも出来るマンことシュウさえ尊敬するスパロボシリーズの天才科学者にして超親馬鹿ことビアン・ゾルダークが駆る「究極ロボ」。スパロボ知らない人なら「究極とか自分で名乗っちゃうのか(笑)」とか「ぼくのかんがえたさいきょうロボ(笑)」と思うかもしれませんが、このオッサンが名乗ると洒落にならないのです。 まずこのヴァルシオンという機体の出来た経緯や来歴をば。 このヴァルシオンは元々、外宇宙からの侵略者が近い未来に現れることを予見していたビアン博士が「地球圏を護る剣」として、また侵略者対策が遅遅として進まない連邦軍に取って代わる新勢力「ディバイン・クルセイダーズ(DC)」の看板として開発したものです。開発者はビアン博士。そしてDCの総帥もビアン博士。操縦者はもちろんビアン博士。なにそれこわい。 しかし怖いのは博士だけでなくロボットもです。外見からして滅茶苦茶威圧的なのですが(というか異星人を威圧するためにそういう外見にしているらしい)、地球圏ではビアン博士とシュウしか作れないであろう超高度な重力制御装置搭載しています。もうこの時点でヤバイ。 地球連邦軍が所持する重力系技術は、この時期には実質的にゼロに近いです。重力関連の技術は軍需企業マオ・インダストリーが独占状態だし、その技術も以前暴走事故で基地が一つ吹き飛んだせいで開発が遅れています。(確かヴァルシオンとの戦いの時点では重力兵器と呼べる代物を搭載したロボットは宇宙でやっとこさロールアウトされたヒュッケバインmk-Ⅱと封印同然の初代ヒュッケバインだけだった筈) しかもその重力技術は異星人由来の技術(EOT)であり、そもそもそのEOT技術を地球人でも理解できるよう解析した技術を連邦軍に渡していたのがビアン博士。なにそれこわい。 重力技術の先駆けだったブラックホールエンジンを暴走させたせいで技術の全面改修を迫られているマオ社を尻目に、ビアン博士はその天才的頭脳を以ってして重力技術をあっさり安定化させて機動兵器に組み込んでしまったのです。いかんこの人チートすぎる。 更に鬼畜防壁「歪曲フィールド」も搭載。これは文字通り周囲の空間を歪曲させることで物理干渉から機体を守るバリアです。射撃攻撃だと弾道が歪んだ空間に沿って反れるので、正攻法では弾とバリアが接触することすらありません。これまた技術的に扱えるのはビアン博士とシュウのみ。このバリア、滅茶苦茶硬いです。漫画版なんかを見ると特機(スーパーロボット)級の攻撃力で袋叩きにしてやっと局所結晶化を引き起こして割ることが出来たので、まっとうな攻め方では突破不可能レベルでしょう。どうしろと? さて、それを踏まえた上での戦闘能力はというと、当然というか鬼畜生です。 まずこのヴァルシオン、サイズが57メートルと相当デカイにも関わらず重量が滅茶苦茶軽いです。連邦が所持する当時の標準人型兵器の量産型ゲシュペンストmk-Ⅱが20メートル級で約72トンあるのに対し、ヴァルシオンの重量は55トン。サイズが2倍以上あるのに重量が20トン近く軽いです。そして軽いという事は、それだけ俊敏な機動を取ることが出来ます。つまりデカイ=鈍重という欠点を克服してます。 しかし軽いからパワーがないということは全くなく、機体の出力はむしろ並の特機クラスを凌ぎ、接近装備の片刃剣「ディバインアーム」で近づく敵をぶった切ります。そのパワーは言うに及ばずサイズ通りの強烈なもの。相手は死ぬ。 そして接近戦が駄目なら長距離戦で倒そうというのが素人の発想。しかしビアン博士は天才なので抜かりはありません。ヴァルシオンの左腕の甲には「クロスマッシャー」という射撃武器が搭載されているのです。このクロスマッシャー、詳細な設定は不明ですが相当ヤバイ兵器です。まず明らかに見た目ビームっぽいのにビームではないので、アンチビーム性質の防御を何事もなく貫通します。次に、発射機構の小ささに反比例して出力が戦艦の主砲並かそれ以上で、しかも射程距離も滅茶苦茶長いです。さらに言うと弾道が直線ではありません。恐らく意図的にある程度弾道を変えることが出来ます。つまり、ビーム兵器の上位互換状態です。博士、アンタ何を作ったんだ。 ちなみに左手にクロスマッシャーが搭載されている理由は右手でディバインアームを振ることが前提だからだと思われます。つまり左手さえ潰せばクロスマッシャー攻略だ!……と思ったあなたは凡人で、ビアン博士は天才です。なんとこのクロスマッシャー、背中のユニットからも発射可能なのです。馬鹿めこちらが本体だ!相手は死ぬ。 そして長距離も近距離も駄目だからどうしようと困っていると、ならば死ぬがよいと言わんばかりに最強の重力兵器「メガグラビトンウェーブ」を撃ってきます。この兵器、指向性の重力波を周辺に放つ技なのですが、その応用性が恐ろしい。そのまま局所的重力偏差場を使えば大抵の兵器は圧に耐え切れずに圧潰します。更に自機を重力偏差場の中心にすると周辺の機体を強制的に自分に近づけさせることもできます。近づけさせてどうするのかって?胸部当たりから猛烈なエネルギー波をぶっぱなして消し炭にするんです。相手は死ぬ。 ちなみにメガグラビトンウェーブ使用中はわずかに歪曲フィールドの防御が緩むという弱点がありますが、この弱点を突くために重力偏差場を強引に突っ切らなければならないので、突っ切れるだけの性能の機体とそれを操る腕利きパイロットが複数必要になります。 更に言うとヴァルシオンは素の装甲による防御力も当然高いので、半端な威力ではバリアを突破できても止めを刺せません。刺せなかったらどうなるかって?斬られるか撃たれるか消し炭にされるか押し潰されるかの4択です。相手は死ぬ。 なお、どの武器も極めて燃費が良いので持久戦でエネルギー切れを待とうなどと考えていると逆にこっちがじわじわなぶり殺しにされます。攻防共に隙がなく、数の有利を覆す広域破壊兵器を搭載したまさに決戦兵器。究極ロボを名乗っても納得の性能です。 ………ところで、EOTとは現代の地球人では自力での開発が不可能な代物という定義があります。そしてビアン博士はこのEOTを解析して自分のものにしちゃってます。つまりヴァルシオンは異星人の技術を完全にモノにしているので、搭載されているシステムはEOTに含まれません。EOTに含まれないってことは、「地球人が自力で量産可能」ということ。要するにこのヴァルシオン、この時点で決戦兵器でありながら量産する予定があります。 考えてみればヴァルシオンに搭載された兵器はサイズの割にたったの3つで、まだまだ拡張性があります。実際この後複数のヴァルシオン派生機が開発されていろんなところで大暴れしました。立つ鳥跡を濁しまくってる件について。……博士は連邦軍に勝ったらこれを量産して地球全土に配備する予定だったそうですが、その方が地球強くなったんとちゃいますかね。 EOT未搭載の純地球製ロボの中では現代に至るまで間違いなく5指に入る傑作機を無印の前半の山場で倒さなければならないとか冷静に考えると頭おかしいですね、スパロボ。ビアン博士があえてDCの総力を上げずに「どちらが地球圏を守る剣に相応しいか勝負!」と鋼龍戦隊側にも勝ち目のある布陣を敷いてくれなかったら終わってましたね。 今回はこれまで。次回に続かない。 |
いつでもどこでもどうでもいい話をする私の、心底どうでもいい話。 小説のキャラクターは何のために喋るのか。誰の為に喋っているのか。そんなことをちょっと考えさせられることがあって、考えています。 まずなんで喋るかっていうと、単純にしゃべらないとそのキャラの内面や立ち位置を表せないからというのがあります。会話はヒトの持つもっとも文化的かつ原始的なコミュニケーション手段の一つであり、コミュニケーションとはつまり自分の意志を相手に伝達する手段なわけです。(といっても小説の場合は伝達手段は文字ですけど)。 小説の中の世界に人物がいて、その人物が誰かもしくは読者に何かを伝えようとしてるから、小説のキャラは喋る。うーん、だから何だって言われそうなくらい普通……に見えますが、「物語内の誰か」に伝えることと「読者」に伝えることでは全く意図が変わってくるなぁとも思うわけで。 前座が長くなりましたが、つまりキャラクターは喋っているのか、それとも喋らされているのかという事が本題になります。(ちなみにきっかけは某所でキャラの発言が不自然だと指摘したら「今後の展開上仕方ない」と言われたことです) よく物語を作る人たちが感じる「作品内で、キャラクターが自分の手を離れて勝手に動いている」という感覚、分かりますか。あれは作者の中で作品内の世界観やキャラ付けが出来上がっていて、彼らならばこうするだろうという予測が立つからそういうことが起きる訳です。このとき作者はシミュレータであり、シミュレート結果に沿ってあちこち着色しながら文字に打ち出す装置と化しているとも考えられます。 これは自分が頭の中で思い描いた空想の世界のルールに則って書くわけですから、作者が何か前提条件を忘れてしまったりしない限り、その世界のキャラたちは作者の干渉をほとんど受けずにキャラに沿った行動と発言が許されるわけです。 厳密には物語である以上全力で作者の干渉を受けているとも解釈できますが、少なくともキャラクターたちはそういった環境下では作品内の性格や設定に沿った、「らしい」行動を取り続けることが出来るのです。だからこういうとき、キャラクターは作品内の世界に向けて言葉を発しています。 じゃあ喋らされている場合はどうなのか。 代表的なものを挙げると、「○○はそんなこと言わない」というネットスラングのように物語内のキャラと実際の言動が一致していない場合は、だいたい作者に喋らされていると考えていいでしょう。或いはその人の頭の中ではそのキャラはそういうことを言う人なのかもしれませんが、普通キャラクターを真面目に考察したら他人から「○○はそんなこと言わない」なんて言われないでしょう。 (ちなみに「あいつはなんであんなことを言ったんだろう」と物語内で他のキャラが考えさせられるような展開というのは上記の「喋らされている」とは違います。その場合は物語上明確な理由があっての発言なわけですからね。) じゃあなんで作者はキャラに沿わない発言をキャラにさせたのかというと、そんなことをする理由など一つしかありません。作者がそのような発言をさせ、作者の思うように物語を進めたいからです。まぁ小説が自分の書きたい物語を書くのはある意味普通の話ですけど、キャラが喋らされているとなると話が変わってきます。 ホントはこのキャラはそんなことは言わない。或いはここまで突拍子のないことは言わない。そんなことは分かっていても、物語の展開上こうしたい。そのまま世界設定に沿わせて喋らせているだけではどうしても自分の理想とする展開に自然に運び込めない。そんなときの最終手段が「無理やり喋らせる」です。 当然というか、作者が都合のいいように喋らせている部分は話の流れ的におかしかったとしても物語内の他のキャラクターがそれに違和感を覚えたり非を唱えることはまずありません(メタファー的な部分は別として)。あからさまに不自然な部分を盛大にスルーしてしまいます。物語内では絶対者たる作者が黙らせればもうキャラクターは「らしい」行動を取れませんから、そこは通ります。 問題は、そんな文章を読んだ読者が違和感を覚えない訳がないということです。喋らされている発言というのは、逆を言えば「無理やりにでも喋らせないと出てこない言葉」という事です。もうその時点で無理があると私は思います。 この場合、キャラクターは誰のために喋っているんでしょうか。 物語内のキャラクターに喋っているのか、読者へ作者の言い分を代弁しているのか、それとも作者がそう喋れと命じたから喋っているのか。どっちにしろそんなものはキャラの意志や世界観を無視した一方的な現実の歪曲です。そんな言葉は誰にも向かっていない……と、少なくとも私はそう思います。 キャラがキャラらしく振る舞えるように、そこに至るまでの積み重ねと道筋を整えるのは作者の仕事です。そのしわ寄せをキャラに背負わせるのは責任の押し付けと同じこと。駄目だと思ったら駄目な部分をさっぱり消して書き直すべきなんじゃなかろうか。 作者は親なんだから、子供の為に手間を惜しんでは駄目でしょう。 以上、今日も今日とてしょーもない海戦型の持論でした。 確かに出来ているという確信はありませんね。無意識のうちに変なこと言わせてるかもとは思います。特に過去作なんかは探せば色々とあるかも……。 私の場合、取りあえずその場の雰囲気と空気にそぐわないことはさせないようにしています。雰囲気一辺倒という訳でもないですけど。意表を突くときは突きますし、崩せる部分は崩しますし、発言や行動で逆に流れを変えるということは当然ありますが、それも含めてあまりにも脱線しすぎた場合は容赦なくボツです。 あと私、単純に自分の意図をキャラに喋らせるのが苦手です。展開決めてから書くと全然筆が進まなくて……。 商業作家でも御都合主義や深く考えもせず思い付きで動かして、その部分から物語が妙に成っている例もありますからね。 書く際に 1:キャラの目線で書く。 2:その行動するキャラを動かしている作者の視点で書く。 3:読者の視点に立って読み返す。 この3つがバランス良く出来て居たらかなり回避出来る事なのですが。 まぁ、商業の場合はあまり文字数が増えすぎるのも問題があるので、もしかするとテキトーな処で折り合いを付けているのかも知れませんが。 そう言えば昔、PBMでGMをやった時に他のマスターに言った言葉がありますね。 「お面を被るな。そのキャラのお面を被ったオマエがリア(行動結果を小説風にした文章)の中に登場しているぞ」……とね。 当然、その部分は全面リテイクでした。 尚、エラそうな事を書いて来たけど、上記のような事が自分で完璧に出来ているかどうかは分かりません。気を付けているのは間違いないのですが……。 ちょうど、今書いている部分もソレが理由で何度もリテイクしている最中ですから。 それではリアルに戻ります。 御機嫌宜しく。 |
読者に何も言わずに欠落持ち→欠落者・普通の人→無欠者に変更する人間の屑。時間できたら過去の文章も書き換える。 = = 前に心理学の授業で聞いた話だが、かつてこの大陸でアルバートという『欠落者』の学者がこんな説を提唱したらしい。 『人間の第一印象はその殆どが視覚的・感覚的印象に依拠し、発言内容などの聴覚的情報が及ぼす心理的印象は少ない』――だっただろうか。これを極めて簡単に解釈すると、人間の第一印象は見た目で決まっているという事になる。 この説は、『欠落者』の性質によって理解できるかできないかが二分され、理解できる側に属する存在は諜報・捜査機関である『追走する豹』の適正が高いらしい。 というのも、この説はアルバートが当時人口を2分するほどに増えていた『無欠者』をひたすら観察して立てた説であり、逆を言えばこれはアルバートが『無欠者』の心理を理解できる珍しいタイプの『欠落者』だったことを意味している。そして『追走する豹』は『欠落者』、『無欠者』を問わず危険因子や潜在的配信者を調査・追跡する存在であるために一定の感情に対する理解力が必要になるため、必然的にこの説に納得できる人間でなければ『追走する豹』には適さないという理屈だ。 さて、その理屈に則るならばギルティーネ・ドーラットという少女は人間が人間を判断する基準の一部が欠落しているということになる。或いは言葉を省き、すべてが外見的特徴で判断されると言った方が正しいのだろうか。学者ならぬトレックには判別のつく話ではない。 トレックには、未だにギルティーネという女の人物像が把握できていない。 もしかすると、彼女が言葉を発しない限りは永遠に不可能なのかもしれない。 だが、それでも共に行動していた間に垣間見えたほんの僅かな人間味が、頭にこびり付いて離れない。 彼女が何を考え何を望むのかはトレックには分からない。 ただ、彼女にとってはあそこにいるより外に出ていた方が都合が良い筈だ。その方が、あの教導師が口にしていた「あのお方から与えられた機会」を有効に利用することが出来る。彼女を連れて何をするかまでは朧げにしか決めていないが、彼女を連れることによるメリットはある。……美女を侍らせることが出来る、などという俗なメリットではない。断じて。 結局、彼女は誰かの都合で動かされている。 トレック自身も恐らくそうなのだろう。 だからこそ、その誰かの都合の中で出来ることを探さなければならない。 トレックはもう一度、『断罪の鷹』の護送車の檻の鍵を開けた。 外の陽光が嘘のように闇に塗りつぶされた空間に光の道が通り、その道が再び鎖に繋がれたギルティーネ・ドーラットを照らす。突然の光を感じ取ったギルティーネの重苦しい鉄仮面が微かに上を向いた。 第一印象と第二印象は全く違うな、とトレックは思った。 最初はこの拘束衣に包まれた鉄仮面の犯罪者の得体がしれず、恐怖ばかりが先行していた。 しかし今はそうではない。この鉄仮面に無理やり髪を押し込められた一人の少女がいることを、トレックは知っている。矢張りアルバートの説は時と場合によっては当て嵌らないものだな、と内心で小さく笑いながら、今度は淀みなく彼女の拘束を一つ一つ外していく。 鉄仮面を外すと、昨日あれだけ梳いたのにまたくしゃくしゃに乱れてしまった黒髪が中からずり落ちる。後でまた梳くか、と考えながら、猿轡を外した。以前は拘束が解かれた途端に立ち上がっていたが、今回は少し待っても立ち上がらなかった。 どうしたのだろう、と首を傾げ、はたと思う。以前トレックが来た際は既にあの教導師に一通りの説明を受けていたのだろうが、今回は突発的な話だ。彼女は事態が飲み込めていないのかもしれない。外した拘束具を床に置き、ギルティーネの目の前へ移動する。相変わらずの無表情の筈だが、トレックにはその表情がどこかきょとんとしているように見えた。 「ギルティーネさん、立って。悪いけどまだ仕事は終わってないんだ」 「……………………」 「はい、鍵。先に外に出てるから、法衣着て武器持って出てきてね」 本来は渡してはならないのだろうが、ギルティーネが鍵を悪用して脱走などすることはないだろうと思ったトレックは、彼女の手に鍵を渡して外に出る。前は突然目の前で着替え始めるものだから精神的に大変だったが、来ると分かっていれば恐れることはない。 ………恐れるって何をだ?などと自分に疑問を抱きつつ、トレックは牢屋を出て、馬車内のソファに座る。牢屋の中から布のこすれる音と鍵を開ける音が聞こえ、少しの間を置いて扉が開く。 視線を向けると、そこには昨日出会ったあの時と同じ法衣を身に纏い、サーベルを帯刀したギルティーネの姿があった。いつもの無表情化と思いきや、外の眩しさに少しだけ目を細めている。 トレックの姿を見つけたギルティーネは、自分の命運をも拘束する鍵束を躊躇いもなくこちらに突き出してきた。トレックはそれを無言で受け取り………そして、少し躊躇いがちにギルティーネの頬を手のひらで撫でた。まるで彼女の存在を確かめるかのように。 手の平から伝わるのは、女性的な柔らかさと確かな人間の温かさ――こんな暖かさを持った人間が、いつまでも冷たい牢獄に幽閉されるのは間違っている。そう、自然と思った。 「ごめん、しくじって。今回のチャンスでどこまで挽回できるかは正直分からないけど、俺を信じて着いて来てくれないか」 「……………………」 ギルティーネは首を振らず、声も出さない。ただ、その目線が少しだけトレックの手のひらに落ち――視線はトレックの顔へと戻った。その視線が了承の意を示しているのか、それとも拒絶や飽きれを示しているのかは今のトレックには判別できない。 ただ、考えが少しずつ形になってきたことは確かだ。 今から自分がやる事。ギルティーネの為にやる事。死んだ仲間の為にやる事。それら全てがバラバラのようで、一つの目標を浮き彫りにさせる。 「全てのケチの付き始め――外灯の上に佇む上位種を俺達で討伐する」 それが、納得できる道だから。 |
久しぶりに戻ってきたどうでもいいお話。 碌に参加したことのないアンケートを見に行った時に中二とはなんぞやと問いかけられた気がして自分の中で考えをまとめただけの文字の羅列です。あんまり為になるとか面白いとかそういう話にはならないかな。 考えてみたんですけど、中二、或いは厨二という概念を私は正直嫌っています。それは中二が悪いという事ではなく、自分の中での格好いいや面白いといった感情を抱く物が、周囲によって「=中二」と一方的かつ強引にカテゴライズされてしまうからです。 格好良さとか雰囲気についてこっちにはいろいろと思うところがある訳です。こだわりや趣味やロマンがある訳です。ところがそれを中二だ何だと単純な言葉で纏められてしまうとそれ以上こちらが口をはさむことも出来なければ理解してもらうことも、理解してもらえなくて引き下がることさえできません。 だって、こっちが話をしたのは中二の話ではないのに、相手が中二の話にしてしまうからこの時点で根本的に話が食い違ってしまうのです。 今、ロマンだの格好いいだのという感性は社会によって勝手かつ一方的に中二というワードによって一括りにされています。だいたいゲームや漫画などのサブカルチャーにまるで理解が無い人に限ってこういうカテゴライズをして無理やり話をぶった切ります。 私は正直、ネット界で中二と呼ばれる物にも好きなものとどうでもいいものがあるのでこの中二という概念が邪魔で仕方ないと思っています。こっちにはこっちの考えがあり、好みがあります。「じゃあこういうのが好きなんだろう」と勝手に思われても迷惑です。 無駄に格好いい響きの横文字とかは好きだけど、詠唱の類には興味が無かったり。 クサい言い回しにも格好いいなぁと思う物もあれば、ほぼ心に何も響かないものもあるし。 世間からすれば自分は中二寄りの感性を持っているんだろうとは推測できますが、私は中二が好きなんじゃなくて中二と勝手にカテゴライズされた広い括りの中で自分が好きだと思うものが好きなので、中二が好きなのとは違う。だから中二について語れと言われた時に私は全く言葉が浮かんでこなかったんだと思います。 レッテル張ったりってもろに言論弾圧ですよね。 オタク、差別的、ヘイト~、とか相手が悪いモノで自分達は良識者だ!的な勝手な上から目線とか胸が悪くなるよね、確かに平均と違う人を一々理解するのメンドイけどさ・・・・ 周りと同じじゃなきゃ駄目、悪い事みたいな感覚って方向の内外違うが日本も中国朝鮮と同じ特定アジアの血が流れてると感じる時良くあります、島国で農耕民族ってだけじゃ無い何かが・・・でもそういう他人と違う天才や創造的発想こそこれからの時代伸ばすべきと思うな!(・∀・) かつて会った漫画は劣悪文化、諸悪の根源は多分最後の名残が現在かな実際漫画やラノベが活字や文学駆逐する勢いだし(それはそれで文化の損失だけど)ザマァw つまり・・・コレからは俺たちや仲間の天下だきっと(・ω<)テヘペロ 今回の私の場合は単純に自分の好みに対して微妙に的外れなレッテルを張り付けられるのが気に入らないだけなので、中二の存在を否定する気はないんですよね。 ただ、近年どうも中二って言葉が際限なく独り歩きし始めてて、その境が前以上に不明瞭になってると感じます。だから本来はそんなに問題がなかったはずなのに、言葉に出してしまうと耳に触るもののように感じてしまうのです。かつてオタクという言葉が侮蔑用語だったように、現代ではオタク界隈以外での中二は限りなく侮蔑用語です。そこに人の好みを勝手にぶちこまれるぐらいなら中二って言葉がないほうがいいかな、というのが中二という言葉を嫌う理由になってしまってるのかもしれません。 十人十色ですな……万人が受け入れられるものを作るのは難しい…… 多分私が頑固でちょっとおかしいだけだと思うので、あまり気になさらないでもらえると助かります。通じる所もあるんです。でもやっぱり通じない所もあって、私は多分その境をさまよう迷惑な存在なのです。 それは失礼なアンケートを配信してしまいましたな……? 消してきます |
教導師の男性はその言葉を聞き、抑揚のない声で返答した。 「君はもう少し効率を貴ぶべきだと私は思うが、確認作業の重要性は認めよう。何が確認したのかね?」 「俺が交わした契約の有効期限について、まずは確認させてもらいます」 「私の認識では試験の合否が決定する夜明けまでが有効期限だと解しているが?」 「試験合格の正式な決定通知はサンテリア機関で行われることです。この砦で行われるのはあくまで試験まで……初日の夕暮れに試験を開始し、翌日は戻らない試験参加者の捜索と合格者の休息、そしてさらに翌日の朝に集合して学び舎に戻る。つまり試験は正確には三日を要する。そして学び舎に着いた後に改めて機関から『交戦資格』を得ることで試験は正式に終了する。ここまではいいですね?」 確かに二日目である現時点で合否はほぼ決まっているが、正式に呪獣などの敵と戦うことを許可される『交戦資格』――教導師の法衣の左胸部で輝く豹の図柄が刻まれた小さなプレートが配布され、それをもってやっと一連の試験過程が終了することとなっている。 「形式上はそうだ。それで?」 「つまるところ、正式にはまだ試験過程は終了していない訳です」 「それの何が問題だと言うのだ?君の合格は確定していることだ。そして今後、君が命を晒すような過程もドーラット準法師が必要になる場面も存在しないと思うが?」 「いいえ、あります」 実際にはない。そんな事は分かりきっている。これはギルティーネとの関係が一方的に終わってしまうことを避けるための苦しい主張だ。相手を頷かせる根拠がなければ最悪の場合は今後一切相手にされないだろう。だから俺は、考え付く精いっぱいの『それらしい理由』を用意していた。 まったく本心では必要だと思っていないことを必要だと言い張るのには神経をすり減らすものだ。それでも俺は、そんな内心の疲弊をおくびに出さずに喋る技能を不本意ながら持ち合わせている。表情には当然の常識を語るように、俺は自分を騙った。 「――『交戦資格』の授与は個人ではなくそれぞれのグループという区切りで行われます。機関長の前にたった一人で立っては、まるで俺が相方を犠牲にした未熟者のようではありませんか。先生には理解し難いかもしれませんが、こういった重要な儀式で頼りない印象を周囲に与えるのは法師の末席を汚す者として矜持が許さないのですよ」 犬に食わせても構わないちっぽけな矜持を、この一瞬だけ限界まで膨れ上がらせる。 矜持とは便利な言葉だ。『欠落者』の中では矜持を持たない者も多いが、矜持を極めて重視する者もいる。そしてそんな『欠落者』以上に一般人はこうした場面での自分の扱いに敏感だ。たとえこの発言をしているのが俺でなかったとしても、そういった台詞を吐く輩というのは本当にいる。 この男は俺のことは知っているだろうが、俺が矜持に拘るかどうかは知らないだろう。 だから自信満々に、厚顔無恥に、傲慢不遜にそうだとはっきり言いきってしまえばいい。 一般人ならばこの発言は鼻につくだろうが、俺が散々相手にしてきた『欠落者』ならば――。 「呪法師の矜持と来たか……理解できない話ではない。名門連中やエリート気取りの学者共は特にな」 (ほぅら、通じた……!) 息をするかのように無償の善言を吐く人間は胡散臭いから疑われるが、私利私欲を隠しもしない発言は嫌われこそすれ疑われることはまずない。善言は耳に心地よすぎるから裏を探ってしまうが、悪言はその内容こそが裏そのものだ。だからこそ疑われにくい。 「しかし、それがドーラット準法師である必要性はないな。それこそ君と共に行動していたメリオライトという女を代役にすればいいではないか」 「ステディ・メリオライトは有名な3人グループですし、彼女が儀式を受けるのは『鉄の都』ですよ。それに当の本人が俺の顔をじゃがいものようなふくれっ面にした張本人と来れば、俺の方から願い下げです。その点ギルティーネさんは従順で素直だ。隣に置くには丁度いい。ここで彼女の管理権を持っていかれるのは困るのですよ」 「罪人である彼女を横につれる方が余程見栄えが悪いと思うが?」 「俺の帰還先である『朱月の都』に彼女が罪人であることを知る者は殆どいない。だから彼女が罪人でも周囲は気付かない。貴方自身もそう考えていたと記憶していますが?」 「…………………」 教導師の男が黙りこくる。その沈黙は反論の余地を探しているのか、或いは俺の演技を疑っているのか。ここで騙しきれなかったら今度こそ話は終了だ。表情と態度を崩さず、俺は余裕たっぷりに「どうしました?」と声をかけた。実際には余裕など微塵もない。それでも、俺は騙り通した。 やがて黙考した男はゆっくりと顔を上げ、腰に装着していた鍵束を外した。 「予定外の行動は困るのだがな。しかし今回の契約においてどのタイミングで解約が成されるかは明確に決められていない。ならば君が彼女を最後まで利用するためにもう1日彼女を管理することには規則上何の問題もなくなる。………いいだろう、持っていけ」 ひゅっ、と軽い放物線を描いた鍵束が俺の手に収まる。ギルティーネの枷を解錠する重要な代物だ。どうやら彼は俺のことを「利用できるものはとことん利用する存在」として勘違いしてくれたらしい。俺にとっては理由は何でもいい。今回の試験の結末を納得できるものにするためには彼女の存在が必要不可欠だ。 それに、上手くいけば彼女の表での立場を確立させることが出来るかもしれない。仮に罪人であったとしても、正式な教育機関で資格を受け取るのだ。彼女に与えられる資格が本当に用意されているのかは判然としない部分があるが、少なくともそうなればギルティーネの牢獄戻りを見直す流れを引っ張れる可能性が高まる。 何とか急場を乗り切った俺に、準法師の男が踵を返しながら小声で囁いた。 「御し切れるといいな」 「彼女は俺のためにしか動きません」 「………『断罪の鷹』の檻馬車を都に運ぶ手配をしなければならんな」 (……彼女はまたあの馬車の中か) 遠ざかっていく男の背中を見送って、俺も踵を返す。 考えなければいけないことが、山ほどある。 遠ざかっていく気配を感じながら、教導師の男は頭の中で取捨選択する。 トレックという男は論理的な言葉を口にしてるが、その根拠となる価値観には雑音とも言える微妙なずれが垣間見える。男の予測ではトレックは今日中に「取り決めに違反しない形で」何かをする意志があると感じ取れた。 それを止めることも考えた。現状で何かしらのアクションを起こすのはまったく非効率的であり、すり減らした精神と疲労を回復するために休養を取る事こそが効率的な行動というものだ。或いは自己鍛錬も度を過ぎなければいいだろう。そしてそのどちらにも、恐らくトレックの行動は当て嵌まらない。 しかし、男はこうも考える。 口で止めても動くときは動くのが人間という生物だ。それは欠落者、非欠落者のどちらでも起こりうる事象だ。故に自分が口出しをして制止することも無駄になり、効率を損なう可能性がある。 ならば、大事の前の小事として捨て置く。 トレックには多少危険の伴う事であれ好きにやらせ、代わりにギルティーネを傍に置く。こうすれば仮にどちらかに命の危険があったとて、ギルティーネは優先命令に従ってひとまず生きた状態で彼を連れ帰るだろう。結果的には二人とも手元に戻るのだから問題は何もない。 あまり外に出したくない貴重な存在ではあるが、先も言った通りトレックの言葉自体は合理的だ。合理的論理と合理的論理がぶつかり合ったとき、生まれるものは泥沼の論争でしかない。なら泥沼を回避する為に相手の意見を受け入れるそぶりを見せておけばそれでいい。 「保険はあるが……念には念を入れて、な」 生きて都に連れ戻りさえすれば、ひとまず男の役割は終わり、願は成る。 トレックの望みと、この月が照らす世界の誰かの願が重なり、本人の与り知らぬ盤上で回される運命が二人をまた引き合わせる。 = = 最近、仕事終わって帰ってきたらたとえ小説のネタがあっても面白く書き上げる余力が残ってないです。人はきっとこうして文字書きを卒業していくんでしょうね。 |
想像したけど書かない二次創作ネタ。 ①オーバーロード二次「親愛なる君へ」 リアルで死んでしまった親友を忘れたくないがためにNPCで親友の姿と設定を完コピしたら、ナザリック転移と同時に死んだはずの親友がまるで生き返ったかのように動き出す、というお話。自分の知る親友と彼は同じなのか、違うのか……そんな疑問を抱きながらも、今は亡き親友との邂逅というありえない状況を甘受してしまうちょっと切ない物語。 ②ゼロ魔二次「ゼロとチビスケ」 「私の眠れる才能よ!最強の使い魔を呼び寄せなさ~~~い!!」って頑張ったらドラゴンドライブのチビスケ呼び出して「すぴー……すぴー……」「本当に寝てる~~~~!!」ってやりたいが為だけに考えたネタ。案外いいコンビかもしれないなぁと思ったりもします。 ③ベルセルク二次「それでも神様はいる、と少女は言った」 ベルセルクアニメ放送記念に思いついたネタ。可愛いのに殺されてしまうコレットちゃんがテイルズオブシンフォニアのコレットちゃんだったらというお話。コレットが明るい分余計に闇の深い話になりそうで恐ろしいから手が出せなかったです。 小説を新規で始める余裕はほぼないので、書くことないでしょう。 >① そんなNPCは重くてやだー >② スマン、ドラゴンドライブ知らないんだ・・・・ >③ ベルセルクでやろうとか、やれたら勇者だわw 希望有りなら・・・・ GATE~自衛隊、異世界にて斯く戦えり~、うたわれるもの~偽りの仮面~とか希望したいなー(´・ω・`) クロスして無双状態に終止符うったり、シリアスをサクッて解決したり|ω・`)チラッ |
スパロボOGMD、やっと1週目が終了しました。言うまでもなく以降ネタバレ注意。 第二次OGの続編ということで今度は何をやらかすのかと思って蓋を開けてみたら………いや、驚きました。何に驚いたって、ザコどもの回避率と命中率の異様な高さです。これまでそれなりにスパロボをやってきましたが、ここまで回避率と命中率が安定しない戦いを強いられたのは初めてです。 正直このゲームにアルフィミがいなかったらやってられないレベルで命中率に苦しめられました。あの低コストとSP回復の2セット+SPドリンクのセットがなければとてもではないけどSRポイントを40以上手に入れる事はできなかったでしょう。 また、そのSRポイントも前半での条件達成が難しかったです。その主な理由が凄まじいまでの出撃枠の狭さ。面子が揃ってきても出撃枠があまりにも狭すぎて碌に出撃させられないメンバーが続出して心底辛かったです。いったい何度出撃枠を前に頭を抱えたことか……。 とにかく、改造と出撃枠増加が訪れるまで苦しかった記憶しかありません。揃った後はそんなに苦労はしなかったかな。 もう一つ加えるならラマリス殲滅ステージはもう二度とやりたくないです。地形も相手もしんどい部分しかなかった。………あとボス勢は正直大したことはなかったです。一番の不確定要素であるMAP兵器も味方を巻き込まない設定のせいか敵放置で対策出来ましたし。後半はHPが減るごとに精神コマンドをかけてくる御仁もいましたが、1ターン待てば全部解けるから意味は感じませんでしたね。SP節約職人のプレイヤーには屁でもなかったと思います。 さて、闇が深ければそれだけ光も強くなるのが世の常というもの。そろそろストーリーについて触れます。 まずスパロボGC/XO勢は……通ったルートのせいもあるかもしれませんが煮え切らなかったですね。アニメーションも良かったし敵勢力の詳しい事情など設定が増加したのはよかったですが、そんなに活躍している感がなかったです。ジーベ・ドライブもあれだけ引っ張った割には扱いが悪い……。それとも次の作品で更なる重要な役割が待っているのでしょうか。 しかし、いくらなんでもラブルパイラのあの扱いはひどい……完全にガウ=ラ・フューリアの前座で下位互換じゃないですか。おまけにガディソード人皆殺しだよ。ヴォートはまだ死んでないかもしれないけど。 あ、個人的な話ですがヘルルーガステージは全ステージで一番きつかったです。後ろから迫ってくるバラン・シュナイルの恐怖に若干ながら敗北を覚悟しました。逆にヘルルーガそのものは単なるザコでしたけど。フェアリさん、次回作から「アキミ(アケミ)様」って言ってくれ。 あとクロイツ・ヴァールハイトやクラウドハーケンなど……版権のせいで出せなかったらしいですね。楽しみにしてたのに……無念。 そしてJ。こっちは総合的に良かったと思います。原作以上にフューリーの内部事情が掘り下げられ、新キャラたちもいい味を出していました。味方勢も主人公だけあって細かい描写から大胆な姿まで色濃く描かれていてよかったですね。テニアとアラドの大食い無敵コンビが誕生したり、原作だと割かし空気だったシャナ=ミアがG・ドラゴデウスに乗ったり……あと一番盲点を突かれたのが時流エンジン復活の流れですね。いやーやっと戻ってきてくれました。そういえば皆さんご存知かと思いますが、グランティードと合体したあの竜、実はフューリーのご神体だったって設定はJ時代からあったんですよね。本編では1ミリも触れられませんでしたが設定資料にちゃんと書いてあって「そんな設定あったの?」と思ったのを覚えています。 しかし、絶望総代が冬眠装置のエネルギーを使ってしまうほどに狂ってなかったのはちょっとスケールダウン感が否めませんね。あのカットイン付きの「絶望せよぉおおぉおをを!」のインパクトが欲しかった――いやでも必殺技のアニメーションは鬼気迫るスケールでびっくりしましたが。 他、ダークブレイン残党。なかなか愉快な連中なだけに倒してしまうのが惜しい感がありました。スカルナイト、敵としてでもいいからまた会おうな。 しかし結局ラマリスって何だったんだろう……。悪霊……邪念……まつろわぬ、霊?い、いやまさかな。 次、ゴライクンル。結局ゴモウドッカが何者なのか分からずじまいで終わってしまいましたね。ただ、あの機体に乗っていたゴモウドッカは恐らく本物とは違うか、或いは本物という概念のない存在なのかもしれません。奴ともいずれ決着をつけなければなりません。 あとドゥバン。なんか条件満たしたら最終話で味方になってくれるらしいんですが、あいにく私は最終話でガイストに狙われた時のセリフで出てきたドゥバンを見て「生きとったんかワレ」と呟く程度にフラグ立ててませんでした。一週目は攻略サイトは見ないことにしているので致し方なし。 最後にゼ・バルマリィ帝国観察軍。久保、ジェルバ壊滅、雷鳳強化、バラルの園………第三次αの開始に必要な因子が集まりつつあります。 更に今回、ラストにみんながやらかしました。 シリーズ前代未聞、あのクロスゲートを真っ二つに粉砕!! いやぁ、今までまったくそういう発想が出てこなかったというかなんというか……まー気持ちよくぶっ壊してくれましたね。これもうα勢超えたかもしれませんね。クロスゲートがなくなった以上サルファと全く同じルートは辿れなくなったわけですが、果たしてそれが今後の物語にどう影響するのか気になるところです。 コメント全体を見れば不満が多いように見えるかもしれませんが、これでも私はOGMDをかなり楽しみました。隠し要素回収の為に2週目も遊びますし、見てないストーリーや3人娘それぞれのエンドも見たいですからね。 最後に一つ。 前作から思ってたけど空戦前提のビルトビルガーが空中適応Bって絶対におかしいよね!? スパロボとは選ぶものに非ず、買うものなりけり(※スパロボ学園は流石に除く)。 OGMDは他にも今後のスパロボにとってかなり重要になりそうな要素が少しずつあったし、何より魔装機神シリーズとの絡みからトンでもない事実が判明したりと、外伝っぽいながらかなり濃密な内容でした。難易度はキツかったですが値段分楽しめるモノだと思いますよ。 なんか直にアマゾンの広告で31%割引が出てたし・・・Vは兎も角ムーン・デュエラーズは元からするつもりは無かったが(・ω・`) >シリーズ前代未聞、あのクロスゲートを真っ二つに粉砕!! 正に神をも恐れぬ所業、イイゾモットやれ!(おめめぐるぐる) 自衛隊彼の地にて斯く戦えりのゲートみたいに時空災害とか真っ先に浮かんだ、スパロボファンなのに・・・ オチを含めて良作?感が出る感想でした。 |
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2016年 11月 22日 23時 37分