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鎧虫戦記-バグレイダース-

作者:
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第13話 中国は環境最悪で病気になるというのは偏見だ

 
前書き
どうも蛹です。
最近、中国はPM2.5の影響でとんでもない環境ですが
この世界ではだいぶ自然の力で浄化され
アスラたちが普通に戦えるくらいの状態にまで回復しています。
今回の題名についてはそれが説明したかっただけです。
はたして、アリ軍団の戦闘力とは?

それでは第13話 始まります!! 

 
 ガシャシャシャシャン!!

3人は"鎧骨格"を換装した。

「油断するなよ‥‥‥コイツ等は並の"侵略虫"よりも強いぞ」

迅の警告にアスラは苦笑いをするしかなかったが言った。

「いいさ、オレだって修行で強くなってるってことを見せてやるぜ!」

全員は背中を合わせた。
迅、アスラは剣を構え、マリーは口器を伸ばし、ホークアイは銃を向けた。

「いいか、お互いがお互いの背中を守り合え。
 オレたちならいいかもしれないがマリーやホークアイは
 近距離での戦闘に慣れてないからな」
「分かった、背中は任せろ!」
「うん!任せる!」
「俺は主に相手の動きを押さえるからな」
『か‥‥帰りてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!』

迅は大きく息を吸った。そして叫んだ。

「行くぞォッ!!」

「ギィィィィィィィィィィィ!!」

アリ型が襲いかかって来た。

 ザンッ! ザクッ! ドンッ! ズババッ! バシュウウウゥゥゥゥゥ!

迅が斬り、アスラも斬り、ホークアイが撃ち
マリーが断ち、リオさんが主に足元を凍らせた。

「うおぉぉぉぉぉッ!!」

 ズバババババババッ!

迅が一瞬で何体もいたアリ型を真っ二つに斬り裂いた。

「えいっ!」

 ヒュンッ  ズババッ!

アリ型の胴体が切れた。
しかし、その程度では倒れないらしく
地面に傷口を引きずりながら向かってきた。

「わわわ‥‥‥‥」

マリーは少し後ずさりした。

 ドンッ! ドンドンッ!

ホークアイの弾丸がアリ型を貫いた。
今度こそ動かなくなったが、まだピクピクしている

「オレもノロい的なら狙えるぜ」

 ボシュウゥゥゥゥゥ!

アリ型の足元が凍り付いた。

「おらぁ!」

 バキャァァァン!

リオさんの拳がアリ型の顔面を破壊した。

 ザクッ!

アスラは戦いながら思っていた。

「ギィィィィィィィ!」

アリ型が聞いた以上に弱いのではないかと。

 ザンッ!

アスラの日本刀さばきを前にアリ型が無力なのか。
それとも全員のコンビネーション力の方がアリ型たちよりも上なのか。

『何だ‥‥‥いくらなんでも弱すぎる』

迅はわずかながら悪い予感がした。

 ボシュウゥゥゥゥゥゥ!

アリ型の動きを凍らせて完全に止めた。

「今だ!マリーちゃん!」

マリーは口器を大きく振った。

「え~~いッ!」

 ヒュンヒュンヒュンッ

 ズババババババババババババババッッ!!

横に並んでいたアリ型の身体をバラバラに斬り裂いた。

 ドチャッ ドッ ドチャチャッ

「はぁ、はぁ‥‥‥終わったの?」
「あぁ‥‥‥多分ね」

全部で200匹はいたであろうアリ型は全滅したようだ。

「はぁ、はぁ、大丈夫か?アスラ」

 バシュウッッ!

アスラは換装を解いた。

「はぁ、はぁ、はぁ、そっちこそ大丈夫か?迅」

アスラも迅もだいぶ疲弊しているようだ。
短時間ながら前後左右からくる奴らを相手にしたのだから当然だろう。

 バシュウッッ! バシュウッッ!

マリーとリオさんも換装を解いた。

「さすがにこの数は寝起きにはしんどいな‥‥‥」

マリーはバラバラになったアリ型を見ながら言った。

「縄張りに入ったのは私たちなのに何だかかわいそうだね‥‥‥」

ホークアイはマリーの頭を軽く叩いて言った。

「バカ、このままじゃオレたちがこうなってたかもしれないんだぞ。
 一番大事なのは他人より自分だろ。つーかコイツ等虫だし」
「でも‥‥‥‥‥」
「分かんない奴にはこうだ!」

 ムニッ

「きゃあッ!!」

ホークアイはまたマリーの胸を揉みまくった。

「いやぁ~~やめてぇ~~~~ッ!」

リオさんはホークアイのセクハラ行為を注意しつつ思った。

『‥‥‥いくらなんでも呆気なすぎないか?』

同じく、迅も思っていた。

『奴らのコンビネーション力が低すぎる‥‥‥でなきゃ
 200匹もいてこんなに短時間で倒せるわけがない』

アスラも迅の考えていることをなんとなく察したらしく、集中力を保っていた。

「はぁ、はぁ、はぁ‥‥‥‥‥もしかして」

「アスラ~~~!」

マリーがゆっくり歩いてきていた。

「マリちゃんッ!離れろォッ!!」

アスラは必死に叫んだが、もうすでに遅かった。

 ボゴォォォッ!

「きゃあッ!」

地面からアリ型の"鎧虫"が出てきて、マリーを捕まえた。

「マリちゃんッ!!」

アスラは日本刀を構えた。迅とリオさんも構えてはいる。
しかし、全員は息切れが激しかった。

「ギィィィ‥‥‥‥」

アリ型は多分、『動けばこの女を殺すぞ』的なことを言っているのだろう。
全員の体力は、さっきの戦闘でかなり削られている。
しかし、今出て来た奴らはさっきまで全く体力を使ってないわけだ。
しかもそれが10匹はいる。 とてつもないピンチだ。

 ガチャッ!

ホークアイは銃をアリ型の額に向けた。

 ツツ―――‥‥

アリ型はマリーの頬を少し引っ掻いた。血が少し流れ始めた。

「みんな‥‥‥ごめん‥‥‥‥」

マリーは恐怖によるものか、それとも不甲斐なさによるものか涙を流した。

「ギィ!ギィィィ!」

アリ型は多分、『銃を捨てろ』と言っているのだろう。

「‥‥‥‥‥クソッ」

 ガチャンッ

ホークアイは銃を捨てた。
みんなも武器を捨てた。

『このままじゃ‥‥‥‥‥やられる!』

迅は必死に脳をフル回転して作戦を考えた。
そして、一つだけ思いついた。
だが、この作戦には少なくとも一人 囮が必要だった。

『奴ら全員に見えているこの位置では何かしようとすればすぐにバレる
 ‥‥‥‥万事休すってヤツか』

迅が諦めかけていたその時!

 ボンッ!

アリ型の腕が謎の攻撃により、空中にはじけた。
マリーはその場に倒れこんだ。

『あれは‥‥‥‥蹴りだ!!』

何かの影がアリ型の腕を蹴り飛ばすところを迅は見た。
しかし、その影の色は黒ではなかった。 

「今のはアギトじゃない‥‥‥‥誰だ?」

迅がそうつぶやくと同時にアリ型が叫んだ。

「ギィィィィィィィィィィィ!!」

そして、マリーに大顎で攻撃を仕掛けた。
マリーは気絶しているようだ。

「マリちゃんッ!!」

アスラは叫んだが、誰一人として間に合うような距離ではなかった。

『ダメか‥‥‥‥‥ッ!』

アスラが諦めかけていたその時!

 ズザッ!

いつの間にか、迅がアリ型の後ろに回り込んでいた。

「誰かのおかげで‥‥‥ギリギリ間に合ったか‥‥‥」

 ザクッ!

迅はアリ型の首をいつの間にか拾っていた剣で斬り落とした。

 ボトッ  ドシャッ

アリ型はそのまま倒れこんだ。
その途中にいたアリ型たちもすでに斬られていたかのように
首が落ち、地面に倒れてしまった。

「あと数体は‥‥‥‥‥頼むぞ」 

 ボシュウゥゥゥゥゥ!!

冷凍ガスで残りのアリ型の全身を完全に凍らえた。

「ギ‥‥‥ギィ‥‥ィ‥‥‥」

ホークアイは急いで銃を拾い、引き金を引いた。

 ドンッ! ドンドン! ドドン! ドドドンッ! ドンッ!

 バキャアアァァァァァァンッ!!

ホークアイの弾丸がアリ型の残りの身体を粉々に砕いた。

「ふーーッ、終わったぁ‥‥‥‥」

ホークアイは地面に思いっきり倒れこんだ。
リオさんも膝をついた。

「危なかった‥‥‥‥でも能力を使いすぎてフラフラだよ」

アスラは急いでマリーに駆け寄った。

「マリちゃんッ!マリちゃんッ!!」

アスラはマリーを大きく揺さぶった。

「うーーーん‥‥‥‥アスラ?」
「よ、良かったぁ‥‥‥‥」

マリーは少し寝ぼけていたが、すぐに記憶が戻って来たらしい。

「あっ!みんな、本当にごめんなさい!!
 私‥‥‥みんなの‥‥グスッ‥‥‥足手まといに‥‥なっちゃって‥‥‥うぅ
 ウエェェェェェェェェ~~~~~~ン!!」

マリーは顔をクシャクシャにして泣き始めた。
アスラは最初はあたふたしていたが、すぐに落ち着いて
マリーの頭を優しく撫でてあげた。
 
迅はその姿を、あの時のレイラと重ねていた。

「マリちゃんは足手まといなんかじゃないよ。
 実際、オレたちの中で一番アリ型を倒してたのはマリちゃんだしね。
 むしろ、一番良く頑張ってたとオレは思うよ」

マリーは泣きじゃくりながら訊いた。

「本当? 私‥‥‥‥みんなの足手まといじゃなかった?」

アスラはマリーの涙をバックから取り出したタオルで拭きながら言った。

「あぁ、初めての長期戦なのに大したもんだよ」
「わぁ‥‥‥嬉しいな。アスラに戦いでほめられた♪」

マリーは顔を真っ赤にして照れた。

迅はそれを暖かい目で見守っていた。
それと同時に考えていた。

『あの蹴りをかましていった奴は何者なんだ?
 見た感じオレたちより大きかったが‥‥‥‥一体‥‥‥‥』

考えても仕方がないので、迅はそのまま地面に倒れこんでしまった。
みんなも疲れていたためかそのまま眠りこんでしまった。



    **********



『‥‥‥‥あれ?オレって何で寝てるんだっけ?
 ‥‥‥‥確か、朝起きて修行してその次に‥‥‥‥‥‥ハッ!』 

「森の中で寝ちまったらヤバい!!」

オレは急いで体を起こした。
しかし、そこに森はなく、コンクリート製の壁があるだけだった。

「ここは‥‥‥‥どこだ?」

アスラはベットの上に寝ていた。
周りを見回すと、4人も他のベットで寝ていた。
ここは見た感じ、医務室のようだ。

「とりあえず‥‥外へ‥‥‥」

アスラは体を起こしたが、かなり重たく感じた。

「まるで身体が鉄になった見たいだ‥‥‥‥」

アスラは壁に沿って、部屋の入り口に向かった。

『"侵略虫"のアジト‥‥‥‥はないな。
 中国の村か?それとも‥‥‥‥‥』

考えることに夢中で前にあるものが見えていなかった。

  ボフッッ!

何か柔らかいものがアスラの顔に当たった。
それにはじかれて、アスラは後ろに倒れてしまった。

そこに立っていたのは、何と女の人だった。
しかも‥‥‥‥‥‥‥‥かなりデカい。 いろんなところが。
その女の人は小さい声でアスラに訊いた。

「大丈夫ですか?あまり無理をしない方がいいですよ」

彼女はオレの身体をゆっくり持ち上げて、立たせてくれた。

「あぁ、ありがとう。えーーっと‥‥‥‥‥‥ここは一体どこなんだ?」

彼女は小さな声で答えた。

「ここはですね、山の中にある小さな村です。
 森の中で倒れているあなた達を見つけたので、ここまで運んだんです」

それを聞いたアスラは小さい声で言った。

「よ、良かったぁ~~~~~~~~ッ」 
 

 
後書き
小説の戦闘シーンはかなり難しいですね。
私が思った通りに話が伝わったでしょうか?
(そんなこと知るわけない)
あの影は一体何者なのか?彼女は一体何者なのか?
気になることが盛りだくさん!

次回 第14話 中国はありとあらゆるものが雑というのは偏見だ お楽しみに! 
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