ハイスクールD×D ~聖人少女と腐った蛇と一途な赤龍帝~
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第0章 平穏な日常と新たな家族
第8話 文化祭
皆さんお久しぶり。神裂火織です。
早いもので黒姉と白音が我が家の一員になっておおよそ5年の歳月が過ぎ、今私は中学二年生です。
本当に時間が過ぎ去るのが早かった。この5年間に特別に語るような出来事はなかったけれど、みんなで毎日楽しくワイワイやっていました。ホント退屈と言う言葉とは無縁の生活だったよ。前世の生活に不満があるわけじゃあないけれど、それでも今世の生活に比べるとどうしても見劣りしてしまう。それだけ今の私は幸せということね。
そうそう、この5年間でみんな容姿が大きく変わったよ。
まず私達神裂姉妹長女、神裂黒歌はスラっとした身長に長い黒髪を結い上げ、ボン・キュッ・ボンなメリハリボディを手に入れた。それはもう同性皆が羨むほどのね。原作の黒歌から妖艶さを少し抜いて可愛らしさ、もしくはあどけなさを足した感じといえば伝わるかな? イタズラ好きな性格はそのまんまだけど、邪悪な部分が見当たらずとても可愛らしい女の子に育った。ただし超絶のシスコン。その範囲は白音のみならず私や龍巳にまで及ぶようになってしまった。原作を知っている身としては娘にすることを即決したお母さんと、すぐに娘にするために謎の権力を行使したお父さんに感謝だね。
次に神裂家次女、神裂火織こと私は姉妹で一番身長が高くこれまた長い黒髪をポニーテールにしている。ぶっちゃけ禁書目録の神裂火織をそのまま幼くした感じね。……と言っても身長は多分もう追いついてる。去年から身長の伸びも止まったし。正直これ以上伸びても困るレベルよ。そのぐらい私の身長は高い。……けど成長は続いててほしいな~。というのも私の体のごく一部、まあぶっちゃけ胸なのだが、その胸が薄いのよ。確かに修行には大きいと邪魔になるけれど、私だって女の子。やっぱり大きい方がいい。それに禁書目録の神裂火織って黒姉ほどじゃないにしろ十分大きかったよね? 贅沢にあそこまでとはいわないけれどせめてもう少しは欲しいな~。
次は神裂家三女、神裂龍巳は私達の中で一番きれいな長い黒髪をしているけどその髪型は全く一貫していない。下ろしている時が一番多いのは確かだがその日の気分とお気に入りのアニメの影響を大きく受け、ポニー、サイドポニー、ツインテール、三つ編み……などなど毎日のように髪型をいじっている。一時期は某憂鬱な団長さんの真似をして毎日曜日ごとに縛る髪の数を変えたりもしていた。さすがにそれはやめさせたけど。ちなみに今日はワックスでオールバックにキメている。身長は比較的低くクラスで真ん中より少し低い程度。そしてその胸は……その身長からは考えられないほど大きい。バランスを崩すほどの大きさではないけれどそれでも黒姉より少し小さい程度ね。昔イッセーと約束した胸を大きくするというのを実践している。大きくするなら身長も高くすれば? と持ちかけたこともあるんだけど本人曰く「黒歌お姉ちゃんとキャラかぶる。それに我、妹属性のロリ巨乳でイッセーのハートがっちりゲット、の予定」とのことらしい。うん、もはやお姉ちゃんは何も言うまい。自分の好きなように生きてちょうだい。ただし人様に迷惑をかける様なことしちゃダメだからね?
そして神裂家末っ子、神裂白音。彼女の容姿は……原作と全く一緒である。そう、つまり3年後に始まる原作の容姿に既になってしまっているのである。……いや、絶望するにはまだ早い。原作の白音である塔城小猫は姉に捨てられたと思い、さらには多くの悪魔に責められ処分されかけたという経歴を持っていた。もしかしたらその時のストレスなどが原因で成長が止まっちゃったのかもしれないじゃない。だから今幸せな白音はこれからも成長を続けていくかもしれない……と信じたい。来年の身体測定、大丈夫かな? 白音の絶望した顔なんて見たくないんだけどこればっかりは……ねえ? でも原作と大きく違う点もある。それはその表情ね。龍巳と同じく気持ちを表に出すのが少々苦手であるのには変わりないんだけど、それでもよく笑う娘に育ってくれた。黒姉に抱きつきながらニコニコしている姿なんか本当に微笑ましい。家で家族だけの時はその表情でさらに猫耳をピコピコさせるもんだから、それはもう殺人級の可愛らしさよ。現に黒姉はたまに鼻血を吹いてる。あんたどんだけシスコンなのよ。
最後に私達の幼馴染にして黒姉、龍巳、白音の想い人、イッセーこと兵藤一誠。彼はなんというかまあ彼らしくなった。やっぱり乳龍帝になるのを止められそうにはないよ。だってエロいんだもん。だけど自分で自制できるようにもなってきた。これは我が家のイッセーラバーズによる功績が大きい。まず常に私達姉妹のうち誰かが護衛で彼に張り付いているために、周りを見渡して女の子あさりをすることが少ない。そして周りをエロい目で見ようものならイッセーラバーズに容赦なく折檻される。イッセーの体には周りをエロい目で見れば痛い目にあうってもう刷り込まれてるんだろうね。それでも欲望に抗いきれずエロいことするのはさすがだけど。そのせいもありたまにボロボロになったイッセーを目撃するよ。だんだんみんなイッセーを痛めつけることに関して自重しなくなってきたね。そんなに好きならもう告白しちゃえばいいのに。お姉ちゃん応援しちゃうよ? あともう一つ原作イッセーと違う点がある。それはちょっとイッセーが凛々しくなった点ね。私が小学六年生の時、剣道の全国大会小学生の部で優勝した後、私と一緒に剣道の道場に通うようになった。理由を聞いてみたら顔を赤くして目を逸らしつつ「優勝した時の火織が・・・」とか「火織より弱い俺じゃ・・・」とか「俺も強く・・・」とか言っていた。いかんせん声が小さかったから細部までは聞き取れなかったけど要するに女の子より弱いなんて嫌だから強くなりたいってことでしょう、多分。今では私と一緒に剣道部に在籍して竹刀を振るってる。その時の顔は普段の彼に比べて引き締まっていて、剣道を始めたとき不機嫌そうにしていた黒姉たちも今ではたまに見に来ては顔をほんのり赤くしている。でも普段が普段なのでやっぱり一般生徒にはもてていない。まあ自業自得よね。でもそのほうが倍率も下がるし黒姉たちのことを考えればそのほうがいいのかな? ……ところでなんでイッセーが剣道を始めた時黒姉たちは不機嫌だったのかしら? まあ大方一緒にいられる時間が減るとかそんな理由だとは思うけど。
さて、私達の話が済んだところでそろそろ目の前の状況に意識を戻そうかしらね。
今は10月、文化祭2日目、午後5時、つまり文化祭のクライマックスよ。今私たちがいるのは体育館。そこでは全校生徒が皆立って体育館の壇上で繰り広げられていることに熱狂している。そしてそんな中私、神裂火織が何をしているかというと
体育館の壇上でベースをかき鳴らしながら歌っていた。
正直な話めっちゃ恥ずかしいよ! 全校生徒がこっち見て熱狂してるんだよ!? 私もともと人前に出るのあまり得意じゃないのに! これもみんな少し離れたところでギターを弾いてる龍巳のせいだ!
時は少し戻って二学期が始まってすぐの頃、龍巳の一言から始まった。
「我、バンドやりたい」
いきなり何を言い出したのかと思ったよ。詳しく聞いてみればその時龍巳たちがハマっていた軽音楽部のアニメの文化祭ライブを自分たちもしたくなったらしい。私は楽器は全く弾けないし、人前に出るのもあまり得意ではないので反対したんだけど、同じアニメにハマっていた白音が猛プッシュ。そしてシスコンの黒姉はあっさり陥落して結局私に拒否権はなくなった。そしてイッセーまでも巻き込んで即席バンドを結成したのである。
文化祭ライブが決まってからは大変だった。軽音部に機材借りに行ったり、借りたはいいけど全員楽器はちんぷんかんぷんで結局準備に忙しかっただろう軽音楽部部員に一から教えてもらったり、部活や修行時間をなくしてひたすら練習したり、体育館使用申請をすれば私達のファンだった文化祭実行委員長が文化祭のクライマックスに他を押しのけて使用時間を設定したり、そのままいきなり私達4人に告白してきたり、断る前にイッセーが委員長に殴りかかって大騒動に発展したりと大変だった。
まあそんなこんなで私たちは全校生徒の前でバンド演奏している。まず中心にギターを弾いているイッセー、壇上から向かって左側に同じくギターを引いてる龍巳、反対の右側にベースを弾いている私、右後ろにキーボードを弾いている黒姉、左後にドラムを叩いている白音と、某軽音アニメと全く同じ配置である。これでそれらしい曲を歌うならサマになるんだろうけど龍巳と白音のたっての希望で間に幾つかアニソンも混ぜているので、なんというか締まらない。バンド風にアレンジしているからまだマシだけど。それに龍巳と白音が漫画研究部に所属していて大のアニメ、漫画好きとして有名なのもみんなに受け入れられている理由かな?
ホント2人共キャラ変わりすぎだよね? 白音は原作からそれらしい感じはあったけど、多分これほどじゃなかったし龍巳にいたっては口調と感情が出にくいということ以外昔の面影が全くない。これがいいことなのか悪いことなのかは判断に困るところね。お母さんにコアラ抱っこで泣いていた純情な頃の龍巳が懐かしいよ。でも……
「じゃあ次の曲行くぜ~~~!」
「次、我の自作。自信作」
感情を出すのが苦手なくせに今日は眩しいほどの笑顔で壇上で歌ってるのを見れば、まあこれはこれで良かったのかなって思うのは姉の贔屓目じゃない……よね?
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