ハイスクールD×D ~聖人少女と腐った蛇と一途な赤龍帝~
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第0章 平穏な日常と新たな家族
第1話 聖人少女と赤龍帝
皆さんお久しぶりです。聖人少女改め普通少女(ここ重要!)の神裂火織、3歳です。なんで普通かって? それはもちろん私がどこにでもいる普通の女の子だからだよ。
どうやらこの世界は十字教なんてものはなく普通にキリスト教が信仰されているみたい。加えてうちはどっかの宗教団体にも所属していない一般的な中流家庭。宗教も普通に仏教よ。お仏壇もあるし。また、テレビなんかを見ても学園都市なんていう死亡フラグひしめく恐怖都市の情報なども全く見当たらない。
ここから得られた私の結論。ここは禁書目録の世界なんかじゃない! そして何より! 聖人特有の女の子にあるまじき怪力など私は持っていない! つまり私は普通の女の子!
いや~良かった良かった。一時はどうなることかと思ったよ。 前世で好きだったアニメとかが微妙に名前が違って存在してたから前世と同じ世界に転生したわけじゃないんだろうけど、それでも今私は平和に楽しく暮らしてる。これからも家族と毎日幸せに暮らして、いつか素敵な人見つけて、それで最後はたくさんの息子や娘、孫たちに囲まれて息を引き取る。そんな人生送れたらいいな~。
……なんて思ってた時期が私にもありました。これがフラグというものなのねorz
ある日のこと。
「火織ちゃ~ん。今日はお客さんが来るわよ~」
「きゃく~? だぁれ~?」
喋り方には突っ込まないで。3歳ならこんなもんよ。
「この間引っ越してきたお隣の奥さんとそのお子さんよ。火織ちゃんと同い年の男の子ですって~」
うわ~お。お隣で同い年の男の子。所謂幼馴染。アニメや漫画が好きな私としてはロマンを感じずにはいられないわね。恋愛関係になるかは別として朝は起こしてあげたり、一緒に学校行ったり、お互いの部屋をベランダ伝いに行き来したり……。うん! 夢が広がるね! これは楽しくなりそうだ! よっぽど変な子でない限り仲良くしよう!
「おなまえは~?」
「一誠くんですって。兵藤一誠くん」
「……」
え゛!? 今お母さんなんて言ったの!?
一誠? 兵藤一誠!? 兵藤一誠ってあの兵藤一誠!? ちょっと待ってちょっと待ってちょっと待って!! え? じゃあ何? ここってもしかしてあの世界!?
………………
………………………………
………………………………………………イ~~~~~ヤ~~~~~!!
なにそれ!? 平和な世界どころか禁書目録以上に死亡フラグが乱立しまくってる世界じゃない! しかもお隣がイッセーでお馴染み赤龍帝の兵藤一誠。この世界で最も多くの死亡フラグを(たぶん)抱えている原作主人公。幼馴染の関係になったら私にまで死亡フラグが立ちかねない! 神は我が身を見放した!!
……あ、この世界の神様死んでたっけ。
とにかく私の平穏な人生は終焉を迎えるわけか。いえ待って。落ち着くのよ神裂火織。この程度で取り乱しては聖人の名が泣くわ。私聖人じゃないけど。
私だって神裂火織なんていうラノベキャラと同性同名の看板背負ってるんじゃない。もしかしたらお隣の兵藤一誠くんだって赤龍帝とはなんの関係もない普通の男の子かもしれないじゃない。うん、そう。きっとそう。絶対そう。お願いだからそうであって!
「どうしたの火織ちゃん? さっきから一人百面相なんかして?」
「はっ!? な、なんでもないよ、おか~さん」
「そ、そう?」
なんかお母さんが心配そうに見せかけてかわいそうなものを見るような目で私のことを見てる。やめて! そんな目で見ないで! ちょっと取り乱しただけなんだから! っていうか3歳の実の娘をそんな目で見る普通!? とりあえず笑ってごまかそう!
「えへっ☆」
「うん。大丈夫よ。きっと一誠くんとも仲良くなれるわ」(ナデナデ
だからそんな目で見ないで~~~(泣)
ぴんぽ~~~ん
「あら、来たようね。お出迎えに行きましょ」
「……うん」
会う前からもう私の心は折れそうだよ、お母さん。
「こんにちは。あなたが火織ちゃんね? ほらイッセー、挨拶なさい」
「うん! ぼくひょうどういっせい! 3さい!」
……うん。ひと目で分かった。3歳だからエロ成分はまだ出てないけどそれでもしっかり面影はある。
「ほら火織ちゃん。あなたも挨拶なさい?」
「……うん。かんざきかおり、3さいです」
私達がいるのはハイスクールD×Dの世界で確定みたい。前世のお父さん、お母さん。火織はもう生きていける気がしません。そして今のお母さん。いくら私が死んだ魚のような目をして遠くを見つめているからといってそんな目で見ないでください。
私のライフはもうゼロです。
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