ハイスクールD×D ~聖人少女と腐った蛇と一途な赤龍帝~
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プロローグ
日本のとある地方都市、とある病院でその日新たな生命が誕生した。
「よく頑張ったな詩織! 元気な女の子だ!」
「ええ。あなたに似てやんちゃな娘になりそうね」
そう言って今日新たに母親になった女性は我が子を抱き上げた。
「ところであなた? この娘の名前は決まったの?」
「ああ! 俺の名前と詩織の名前から一文字づつ取ることにした」
そう言って今日新たに父親になった男性、神裂火叢は詩織の腕に抱かれた愛しき我が娘の顔を覗き込みながら言った。
「今日からお前の名前は神裂火織だ!」
☆
「今日からお前の名前は神裂火織だ!」
皆さんはじめまして。たった今名前を頂いた神裂火織です。……というか何がどうしてこうなった!?
私は今日もいつも通り学校から帰って宿題して漫画読んだりラノベ読んだりして、両親が帰宅したら一家団欒して風呂入って歯を磨いて眠ったはず。それがなんで気が付いたら赤ん坊になってるの!? 意味分かんない! しかも神裂火織ってあれだよね? 「とある魔術の禁書目録」に出てくる聖人の名前だよね? え? 何? 私もしかして二次小説でよくあるように禁書目録の世界に転生しちゃったの? しかも神裂火織として?
……しかしこういうのって普通転生前に神様に会ってお前は死んだのじゃ~とか言われてチートもらって転生するんじゃないの? そんな記憶無いどころか死んだ覚えもないんだけど? こんな唐突に、しかも強者うごめく世界になんの説明もなしに放り出すってどうなの? ねえどうなの神様!?
……まあ当然返事なんてないよね。
しかし神裂火織か~。聖人の女剣士でチート並みの強さ、天草式十字凄教のトップである女教皇と言えば聞こえはいいけど実態はさらなる強者がどんどん出てきてインフレについて行けていなかった。その上大勢の部下の命を背負う重責付き。もしここが本当に禁書目録の世界ならこれから私は部下と共に様々な戦いに巻き込まれていくことになるんだよね。イヤだな~。私ただでさえ争いごと苦手なのに、油断すれば即死亡するような世界に放り込まれるとは。トホホ……。
「どうしたのかしらこの娘? なんだか元気が無いわ」
「眠いんじゃないか? 子供はよく寝るものだし」
おっといかんいかん。両親が心配してるよ。
まあこうなってしまったのはしょうがないし、悩んでも仕方ない……かな? 幸い両親は優しそうだし「女教皇なんかなりたくない!」とか言えば天草式とは関わらず平和に暮らせるかもしれない。せっかくの二度目の人生だし、悔いの残らないよう楽しく生きよう!
まずは第一の目標、死亡フラグの回避から!
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