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久遠の神話

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第百九話 戦いが終わりその八

「言った傍から」
「いやいや、綺麗な人を褒めることはな」
「いいっていうの?」
「悪いことか?それは」
「そう言われると」
 どうかとだ、樹里も咎める顔ながらもこう言った。
「別にね」
「ああ、そうだな」
「悪いことじゃないわ」
「そうだろ、しかもな」
「まだそういうことはなのね」
「樹里の言葉は聞いたよ」
 結婚に関するそれは、というのだ。
「だからな」
「結婚は、っていうのね」
「付き合うこともな」
 そのレベルの段階で、というのだった。
「しないからな」
「だから私別に再婚はね」
「いいんだな」
「じっくり考えてね、けれどすぐに女の人に見惚れるのはね」
「それは駄目か」
「いやらしいから」
 女の子から見た目だ、もっと言えば娘から見た目である。
「気をつけてね」
「ああ、わかってるさ」
「だったらいいけれど」
「とにかくですね」
 上城が父と娘の話が終わったと見て言ってきた。
「ハンバーグも焼いてまして」
「こっちもスパゲティにね」
 樹里も上城に言ってきた。
「今おソース絡めてるから」
「何のスパゲティなの?」
「イカ墨よ」
 それだとだ、樹里は弟に答えた。
「あれに烏賊を切ったのと大蒜、トマト入れたから」
「それなんだ」
「あんたも好きでしょ」
「ああ、それもさ」
 そうだとだ、彼はこう姉に答えた。
「好きだよ」
「皆好きだしね、上城君もお父さんも」
 二人共だというのだ。
「ただ。問題は」
「私達も好きですから」
「何でも食べるわよ」
「しかも美味しく」
 ここでだ、その聡美達が答えてきた。
「ですからご安心を」
「楽しみましょう」
「今から」
「わかりました、それじゃあ」
 聡美も応えてだ、そして。
 三人は用意された席に着いた、そしてだった。
 料理とワインが用意される、しかし。
 ここでだ、上城が心配する顔でこのことを言った。
「ただ、ね」
「中田さんね」
「あの人大丈夫かな」
「どうかしら、妹さんの送迎に行かれてるらしいけれど」
「来られるといいね」
「そうよね、早くね」
 樹里はソーセージも出した、これも茹でていたのだ。
「本当にね」
「バイクには乗って来られないそうだから」
 酒を飲むからだ、流石に飲酒運転はまずい。
「だからね」
「遅くなるかも知れないわね」
「間に合えばいいけれど」
「お料理が温かいうちに」
「特にスパゲティがね」
 これが特に、というのだ。
「のびないうちに」
「来てくれればいいわね」
 こう話しているとだ、ここでだった。
 家のチャイムが来た、すると。
 また弟が迎えに言った、そして来たのは。
 中田だった、彼を見てだった。
 上城と樹里は笑顔になった、それでこう言ったのだった。 
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