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仮想空間の歌う少年

作者:ケンケン4
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7ーリハーサル(序章)

 
前書き
シリアス回…かな。ついに30回だ!
それでも問題ないぜ!という方はどうぞ! 

 
ログアウトすると、俺は雪宮病院へ1人と向かった。実はこの雪宮病院。今だ目覚めないSAOサバイバーを受け入れている病院である。それを知ったのはちなみについ最近だったりする。
病院に着くと俺は特別面会証 (まあ院長の息子だからね!)をもらいある部屋へと入った。

「…」

その部屋に寝ていたのはキリトのゲーム内とはいえ妻にして、攻略組最強ギルド血盟騎士団の副団長ーーーアスナが眠っていた。

「いや、今は結城明日奈さん、というべきか…」

彼女はまさに眠り姫。起こそうとしても、隠れてみても起きない眠り姫。そんな眠り姫は医者のはしぐれの俺でも分かるぐらい衰弱していた。繋がれた点滴が痛々しく腕に注入されてる姿はあの世界にいたものとしては考えられなかった。

「このまま…このまま君が起きなかったら…♪彼はどうするのかな?」

歌うのを止め、ふとあの黒の剣士が脳裏をよぎった。
今僅かな可能性を信じ、彼女を目覚めさせるためALOの世界を飛び回ってる彼はいったい…?
そんな事を考えていると、この病室にスーツ姿の、いかにもエリート顏した男が入ってきた。

「君は誰だね?ここは関係者以外入れないはずだが。」

その男は傲慢な態度を隠さずに聞いてきた。偉そうでイラつくな…
だが俺は営業スマイルで話し始めた。

「すみません…私はこの病院の院長の息子の雪宮佳と申します。今、患者様の容体確認をしていたところです。」
「君のような子供がかい?」
「いえ、ほぼ見学の様なものなので…ただ私の様な子供の目線から見て学ぶべきこともあるかと思いまして…」
「なるほど…」

その男はいきなりアスナの髪を手で弄り始めた。…なんだこいつ。気持ち悪い…結城家の人じゃないみたいだし…

「失礼ですが、どちら様でいらっしゃいますか?」

質問するとその男はニヤニヤしながら

「僕は須郷伸之。彼女の婚約者さ。」

…!こいつがか。キリトから聞いていた。最近、警備員さん須郷伸之さんからこの病室に桐ヶ谷という人を入らないでくれと言われた。と言っていた。
キリトにアスナが近づかない様に脅しーーー恐らく彼女をあの世界に閉じ込めているのも…
なんとなくだが直感で感じた。
だが俺は笑顔を崩さないで。

「そうですか。」

とだけ答えていた。その後も須郷は彼女の髪の匂いを嗅ぐなど気持ち悪い事をやった挙句、満足したのか。または掃除したり、点滴の量を確認している俺が邪魔なのか、少ししたら帰っていった。
俺は他の病室も見て、帰ろうとしていると、争っている声が聞こえた。

「だからだめだって!」
「お願いします!」

あの見知った顔どうみても桐ヶ谷和人がその場にいた。
…うーん。あれはキリト、いや和人か。絶対あれだよね。締め出し喰らったパターンだよね。
…面会時間過ぎてるし。はあ、仕方ないな…
俺は和人のところに行き、警備員さんに話しかけた。

「田中さん!この子面会許可してあげてよ。せっかく来たんだし。」
「ですが…関係者の須郷さんからも入れるなと…」
「この人、俺の恩人なんだ。だからお願い!」

警備員さんはため息をつきながら

「佳さんのお願いなら仕方ないですね。…特別ですよ?面会証管理お願いしますね。」
「了解です!」

警備員さんはそのまま見回りに行ってしまった。
すると和人は驚きの表情で

「流石…院長の息子だな。」
「まあね。ほらさっさと行く!」

俺たちは、(俺は2回目だが)明日奈の部屋に向かった。
彼女がいる部屋は夕日が差し込んでいて、それに照らされた彼女は儚げな感じだった。
和人は一言、二言明日奈に語りかけるとゆっくりと明日奈の髪を撫でる。須郷の時の様な嫌悪感は感じられず、あるべき自然の感じがそこにあった。
俺は和人に気付かれずに病室を出た。

「ふふ、あのカップルはいいね。」
「…父さん」

部屋を出ると父さんが笑いながら腕を組んで壁に寄りかかりながらたっていた。

「さっき来た婚約者さんよりもずっと婚約者らしいじゃないか。」
「聞いてたのかよ。…そうだね…あの世界であの2人は夫婦だったからね…父さん。結城さんは目覚めないの?」

父さんは少し難しい顔しながら

「どうだろう…わからないな…いつ目を醒ますかもな。だがお前の事だ。何かやってるんだろ?」

父さんは面白そうな…いたずらする子供を見る様な感じで見てきた。

「僅かな可能性に縋ってる…と言っとくね。まだまだ♪て感じかな。」
「そうか…あの事件の後引っ越してこっちに来てからお前ショックで性格変わったと思ったら今度はまた戻ったな。」
「そうかな?」
「ああ、たぶんそれはいい意味でだ。」

そう言うと父さんは「面会証ちゃんと戻せよ。ばれたら後でめんどくさくなるからな。」とだけを言い、仕事に戻って行った。
それと同時に和人が病室から出てきた。

「…ALO何時からにする?」
「そうだな…8時頃にログインしてくれ。」
「了解。」

俺たちはそれを言うと面会証をちゃんと返し、病院を後にした。

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ALOへとダイブする前に少しご飯を買いにマンション近くのスーパーに行くと詩乃がいた。

「あれ?詩乃?これから夕食かい?」
「あ、佳。そうだけど…」
「なら一緒にしようぜ。手間省けるし、あ、もちろんワリカンね。」
「奢ると言わないところがしっかりしてるわね…」
「お金は大事だよ〜?てね」

漫才の様な会話をしながら適当に麻婆豆腐の材料を買って2人でマンションに戻る。もちろん荷物は俺持ち。女の子こういう時は便利ですね。帰り道ふと思い出した様に詩乃が口を開いた。

「ねえ佳。」
「なーに?」
「…高校どうするの?」
「…SAOサバイバーだけを集めた高校ができるみたい。そこに入るのかな…。」
「そう…」
「だけど他の高校に編入も有りみたいだし。そうしたら詩乃の通ってる高校行くよ。」

詩乃が驚いた顔で俺を見てきた。

親友(詩乃)がいるほうがやっぱ落ち着くし…それに…」
「それに?」
「お前を守らないとな…詩乃専用アルソックだしね!」

俺は詩乃頭を撫でながら笑顔で詩乃を見る。そうすると詩乃は顔赤くしながら呟いた。

「バカ…なんでそんな恥ずかしい事言えるのよ…」

その言葉は俺の耳に届かなかった。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

詩乃の部屋に入ってまたも一緒に調理する。…なんか慣れてきた。2回目だけど。
麻婆豆腐を食べて俺は自分の部屋に帰った。

早めにダイブするか…

そう考えると俺は仮想空間に行く魔法の呪文を唱えた

「リンク♪・スタート♪!」

歌う様に言っても行けるらしい。


 
 

 
後書き
作者「ホーンデッド・キャンパス読んだどー」
スノー「甘酸っぱくなってるところ悪いんだけどなんか言う事ないの?」
作者「は⁉︎そうだった!えーと…いつも感想ありがとうございます!中には僕の作品読んで二次創作を描き始めた人がいるとか…本当にありがとうございます!まだまだスノーの活躍!ご期待ください!それでは!」
作品&スノー「「次回もまたお会いしましょう‼︎」」 
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