仮想空間の歌う少年
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22夜想曲ーa capriccio(奏者の自由に)
前書き
最近『さよならワンダーノイズ』にはまっている作者です。
いろんなネタが多く入っています。
それでも問題ないぜ!という方はどうぞ!
回廊を抜けるとそこは…まあ当たり前だがボス部屋の前だった。
「これよりボス部屋に入る。我々は必ず勝利する‼︎」
ヒースクリフが士気を上げる言葉を放つと、おお!という歓声があがりボス部屋が開く。僕達はこれから戦場になるであろうボス部屋に入っていった。
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「敵は…?」
「本能寺にいるの?」
「スノー…真剣に行こう。たまには。」
キリトが呆れながらも僕にツッコミを入れる。そんな中アスナが叫んだ。
「上よ!」
上を見ると大きな大きな刃を二つカチカチならす骨組みムカデがいた。頭が人間の頭蓋骨です。側頭骨について述べて下さい。それだけ?他には?…何言ってるんだ僕は。
そんな中その骨組みムカデーーースカル・リーパーはいきなり落ちてきたと思うと、僕達の方へ向かって来た。
「うわあああ⁉︎」
その形相をみた攻略組は一斉に散り散りになるが…
「くたばれ○○♪くたばれ○○♪だよ!」
○は自主規制です。僕はいきなり落ちてきたスカル・リーパーに『チャリオットドライブ』を放とうとするが…
「ばか!」
逃げ遅れた3人がいた。僕がソードスキルを放つ前にスカル・リーパーの無慈悲な腕の刃が3人を引き裂きーーー
「一撃…?」
「無茶苦茶だわ…」
「そんな…」
「まずいな…」
「こんなの近寄れないぞ…?」
この部屋が静まり返った。いくらボスとはいえ攻略組が一撃。しかもこの絶望的な敵から逃げられないのだ。ボス部屋内が大混乱に陥るが…
「スノー⁉︎」
キリトがそう叫ぶ内に、僕はスカル・リーパーに突っ込み
「それゆけチャンスだ!みんな♪bis!」
真っ正面から向かっていき『チャリオットドライブ』×2を決めていた。スカル・リーパーが少し怯むすきに…
「隠し球いくよ!僕達を導け!不死鳥♪ スタッカート!(その音の約半分の長さで演奏する。)」
そう言うと僕の武器『サウンド・デスサイズ』が分離して今までの大鎌『アリオーソ』とPOHの『友切包丁』が左右に握られていて、
「スターバーストストリーム…なんてね♪」
短剣と大鎌の2本による剣舞。ソードスキルのアシストはないが狂気的な乱舞がスカル・リーパーを襲いーーー完璧な隙が出来た。
「今だよみんな‼︎」
その隙に右の刃にキリトとアスナが、左の刃はヒースクリフが抑えに言った。残りの人達は側面を攻撃し、僕は…
「踊るぜスノードロップは♪ter!♪」
3回連続の『マジシャンイリュージョン』や
「そのパワー今ぶつけろ♪Grave♪」
重々しくなった『チャリオットドライブ』8連撃でキリト、アスナ、ヒースクリフをサポートしていた。
「いっけえええええ‼︎」
僕は無我夢中で大鎌を振り続けた。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「終わった…」
誰かがそう呟くとスカル・リーパーがいなくなっていた。
「何人死んだ…?」
「14人死んだ…」
と、お通夜のような空気の中僕はヒースクリフを見ていた。まず戦闘中。ヒースクリフはまるでスカル・リーパーの攻撃手段がわかっていたかのような動きだった。それに…
「まるで神様目線だね…」
今プレーヤーを見てる目はまるで慈悲深すぎる目だった。
ーーーまさかーーー
僕の疑念は確信に変わった。その瞬間、キリトがヒースクリフに突っ込んだのはほぼ同時だった。
キリトの攻撃は全て弾かれるが…
「ほら、貴方の後ろから♪」
「⁉︎」
『マジシャンイリュージョン』をヒースクリフの背後から放った僕がみたものは…
「immortal object…やっぱりそうだったか…」
「団長これは…?」
アスナが、震えながら聞く。僕は笑いながらヒースクリフが喋る前に答える。
「え?いやだな〜?アスナわかってるでしょ?こいつの正体!じゃじゃじゃ〜ん‼︎今明かされる衝撃の真実〜‼︎」
某カードゲームのゲスのあの人の真似をしながら
「なんと〜SAO最強プレーヤーと呼ばれるヒースクリフは〜… 茅場晶彦でした!ということだよ?」
「…一応何故その答えに辿り着いたか聞こうか?」
ヒースクリフ…いや茅場は無表情で話す。茅場の質問に答えたのはキリトだった。
「確信に変わったのはあんたとのデュエルの時だよ。…あの時のあんたの動きは速すぎた。」
「僕が気づいた理由はそれに、さっきのスカル・リーパー戦での動きだよね。まるで次の攻撃が分かってるような動きだったからさ♪」
「なるほど、キリト君の時はつい、システムアシストを使ってしまったのが仇となったみたいだな。スノー君の場合はもう気づきかけていたみたいだが…」
ヒースクリフはそう言うと一息ついて
「キリト君の持つ『二刀流』スキルそしてスノー君の持つ『アリオーソ』および『サウンド・デスサイズ』についてる『奏剣』スキル…
『二刀流』はこのゲーム1の反応速度を持つ者に、『奏剣』もユニークスキルではないが…最高のリズム感覚がないと使えない代物なのだよ。このスキルを使う者が私の前に立つと思っていたが…」
そう言うヒースクリフに襲う血盟騎士団の団員がいた。まあ、襲うのは仕方ないが。
だがヒースクリフは普通右手で行うシステムを左手で何かを行った。
そうするとキリト以外の全員が一斉に倒れこんだ。
「く、⁉︎」
ヤバイ、体が動かせない。必死にもがいていると頭の中で声がした。
ピンチ襲来みたいだな。
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ヒースクリフとキリトのHPが調整され、一撃で死ぬHPまで調整された。
「では、キリト君がデュエルで勝ったらこのゲームのクリア…プレーヤーを解放しよう。」
「分かった。」
「キリト君!」
アスナや他のプレーヤーが体が動けず助けに行けずざわめく中。どうみても1プレーヤーがゲームマスターに挑むという絶望的な状況になったキリトに、そして表情には出さないが勝ちを確信しているゲームマスターのヒースクリフにも、いつもは綺麗な歌声でーーー今の状況では透き通りすぎる声が聞こえた。
「だったらそのデュエルに僕を混ぜてくれないかな?」
その場にいる人全員が一斉にその声のする方に目を向ける。そこには先ほどは倒れ伏していたスノードロップが立っていた。
「スノー⁉︎」
「ヤッホー!みんな!何しけた顔してるの!ゲームが終わるチャンスだよ!僕達を応援しなきゃ?アスナもキリト信じなきゃ?大事な夫でしょ?」
「スノー…分かったわ。あなたを…キリト君を信じる!」
先ほどまでざわざわしていた空気が消え、僕とキリトの応援に変わる。さっきまで泣いてたクラインや暗い顔していたエギルも必死に僕達に声援を送っていた。そんな中ヒースクリフは驚きながらーーーどこか嬉しそうに呟いた。
「システム麻痺をどうやって…?」
「ん?ヒーローは逆境の中で真価を発揮するもんだぜ?そう答えておこう!なあ、ヒースクリフ僕も参加していいだろう?そっちはソードスキルの軌道が分かるんだからさ!」
「…何故動けるかは聞かないが…いいだろう。2人同時にかかってくるがいい。」
そうするとヒースクリフは僕のHPも調整し、剣と盾を構える。
「悪いけど僕…いや、俺は甘くないぜ?」
「絶対殺す…」
僕はサウンド・デスサイズをキリトは2本の片手剣を構え、
この世界の明暗を左右する戦いが始まった。
後書き
次回予告
「俺はようやく自分全てを思い出したんだ♪」
「さらばだ…スノー君。」
「エンドロールは…どの曲で?」
「俺が消えても音と未来への想いは残る」
次回SAO編最終回
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