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戦国†恋姫~黒衣の人間宿神~

作者:黒鐡
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十三章 幕間劇
  蹴鞠×恋人(愛妾)

「ふあぁ・・・・」

穏やかな二条館の昼下がり。詩乃の口から思わず漏れたのは、小さなあくびが一つ。

「ふふっ。詩乃、お疲れですか?」

「・・・・流石に、あれだけの戦いの後ですので。良い日和でもありますし、未だにに疲れが抜けていないそうで・・・・お恥ずかしい」

「けど、大変だったからしょうがないよ」

「そうそう、一真様も言ってたじゃない。休める内に休んでおけって」

「ここを出ればすぐに近江に越前だしね」

久遠の制圧行は、二条館で一時休息となったが、この先鬼退治による大戦が待っている。厳しい戦いかもしれんが、俺達がいるから問題ないだろう。

「そうですね。ではお言葉に甘えて・・・・ふぁぁあ・・・・」

「あ、あの・・・・ちょっと、鞠ちゃん・・・・っ」

「皆ー!皆も蹴鞠するの!雫も一緒なの!」

「あれ?雫ちゃんも・・・・?」

「あはは・・・・こんにちは、皆様」

「蹴鞠かー。そういえば、皆でするって久しぶりだね」

「なの!ねえねえ、双葉ちゃんも蹴鞠するの!」

「私も・・・・良いのですか?」

「もちろんなの!・・・・だめ?」

「いえ・・・・。ふふっ。皆さんと蹴鞠遊びが出来るなんて、夢のようです」

『蹴鞠、私達も混ぜてもらっても構いませんか?』

いきなり上から声が聞こえたので、何かなと思ったひよ達。そしたら上から降ってくる三人であるが、ひよ達は鞠達を下がらせたら急降下から急停止をした。

「もしかして沙紀さんですか?」

「ええ、お久しぶりです。ひよさん」

沙紀達は、ISを解除して待機状態であるドッグタグに戻った。服装は軍服だったけど、まあこれはこれでいい。

「うわー!空から人が降りてきたなのー」

「あなた方は?」

「初めて会う人もいるので紹介します。私の名は沙紀と申します。あと同じ隊員の桜花と結衣です」

「沙紀さんとは、堺で会って色々と教えてくれたんだよ」

「桜花さんや結衣さんも先日の戦以来ですか。ところでどうしてこちらに?」

「地上を見ていたら、皆さんが蹴鞠をするので私達もしたいと思って来たのですよ。それに詩乃さんが言いかけたのって、休める内にしっかりと休めるようにでは?」

「ええまあ。で、そう言おうとしたら沙紀さんたちが来たので」

「私達もちょうど運動したかったので、それに軽く運動してから寝ると身体はよく休まりますよ」

「それは一真様の進言ですか?」

「いえ私達も、疲れてる時は運動してから寝ると疲れは取れますので」

詩乃も加わる事になってから、鞠からスタートする事になった。鞠から行って今度は双葉だったが、幽に教えてもらってるらしいから上手だ。幽は何でも知ってるんで、書や武芸にそれと茶の湯から絵。

「ころ、行きましたよ」

「おっと。っと、しまった」

珍しく蹴り損じたころの蹴鞠を追うのは、桜花だった。桜花は得意げにやってから、蹴り上げてから結衣に蹴ってから沙紀に行ってからひよに行った。

「三人とも一真様みたいにお上手なんですね」

「まあ私達がいた世界は、こういうのはよくやってましたから」

「それに私達より上手いのは、隊長ですし」

と話してると雫に行ったので蹴り上げた。

『雫も上手なの!』

と鞠が褒めてた。

「ですが、私まで混ぜてもらって良かったのですか?」

「皆で遊んだ方が楽しいの!」

「そうそう。気にしないでいいですよ」

「皆さんもですが、その・・・・」

「私も一真隊の皆様と同じです。気にせず、遊んでやって下さいませ」

「は、はい。光栄でしゅ」

噛んだ所が、朱里や雛里らしいな。今度は詩乃が蹴ったが、軌道が皆の輪の外に言ってしまったようだ。

「そんな事ないのっ!」

そういうや否や、小さな影が植木の幹を軽快に蹴り、力一杯宙を舞う。

「えーいっ!」

「さすが鞠ちゃん・・・・」

そんなこんなで、蹴鞠を楽しむ皆。ここで・・・・。

『双葉には負けないの!』

一瞬分からないらしいが、蹴鞠ではなくて双葉は一真の恋人だから、鞠も負けないのとか言ってた。

「そっか。もう双葉様、一真様の恋人なんですね」

「ちなみにですが、私達三人は隊長の奥さんですよ」

「ええっ!本当ですか!?堺ではそんな事言ってなかったのに」

「私達の左手の薬指にはめてるのが、婚約指輪です。ちなみにここでいうなら側室ですよ」

「へぇー、一真様の奥さんになるって、どんな気持ちなんですか?」

「そうですねー・・・・まあ照れますけど、ですが鞠さん達も恋人になれるじゃありませんか。久遠様のあの宣言で」

と言いながら蹴鞠を返す桜花。そして鞠に行ってから結衣にも順番が行った。

「そうなの?じゃあ一真の恋人になるの!」

「私達はどうなるのかな?正室は奏さんって言う人で、側室は先日会った劉備さん達に沙紀さん達」

「残りは愛妾だけど、今の所久遠様や結菜様に一葉様に双葉様だよね。でも愛妾は人数関係ないし」

「ふぇ?それって、何が違うの?」

「何も違わないですよ。ここでの形式ではそうなりますけど、隊長は側室や愛妾とかは関係無しに愛してくれますよ」

「鞠、一真の事大好きなの。一真の恋人になれるんだったら何でもいいの」

「真理ですね」

「だって、一真と一緒に戦うのは鞠なの。今までもこれからもずっとそうなの。・・・・よっと、詩乃、行ったのー」

「詩乃ちゃんはどうなの?」

「私ですか?私は既に、一真様に全てを捧げた身ですので」

「し・・・・詩乃殿!?」

「・・・・雫が何を考えているのか大体想像は付きますが、私はあの稲葉山で既に一度死んだ身ですから。この身も魂も既に、あそこで助けて頂いた一真様にお預けしています。叶えられたら愛妾でしょうが、この想いは何一つ変わりません。行きましたよ、雫」

へぇー、あの詩乃がそう思っているのか。それは嬉しい事だ、叶えられたらではなくもう叶っているのではないのか。雫は、慌てていたが蹴り返した。その後再び沙紀の方に行った。

「ころはどうなのー?」

「私はこんな身分だもん」

「ころさん、先日の指揮ぶりもお見事でしたが?」

「私はただの尾張の野武士だよ。祖母ちゃんよりも前の家系ですら、分からないくらいの家だから。縁があって、一真様にお仕えしているけど、一緒にいるだけで十分なんだけど。欲をいえば、久遠様と同じ恋人にはなりたいと思っているよ」

「ころさん・・・・」

「双葉様、行きましたよー」

双葉に蹴鞠が来た後に、雫に行ってから沙紀の方に行った。桜花や結衣は、上手くディフティングしてた。雫も聞かれたら、恋敵が増えたようだった。書物や報告で知った俺と実際に見た俺は、どうだったか?と聞かれたようで、答えは言ってなかったけど悟られたようだ。

「あれ?蹴鞠は?」

「行ったのー!」

「わ、話に夢中になりすぎた!」

「ひよっ!」

「さ、流石にあれは無理・・・・っ!」

必死に鞠が蹴り返した蹴鞠は、ひよ達の遥か外。いくらひよが身軽でも、早々追いつけるものではなかったが。

「お任せなさい!ちょいやー!」

「う、梅ちゃんっ!」

「ハニーのお話と聞いて!」

「うわぁ・・・・梅ちゃん、地獄耳ー」

「わーい!梅ちゃんも蹴鞠するのー!」

「あら、そちらの方はどなたですの?」

「沙紀さん達は、一真様の部下で妻だって」

「そうなのですの!」

ところでさっきまでどこにいたの?と聞かれた梅は、小鳥と遊んでいたと。ひよ・ころ・詩乃は、いくら友達が少ないからってねーと思ったと。小鳥というのは、例え話だったようだが。鞠まで本気になってた。ちなみに沙紀達は苦笑い。

「も、もぅっ!そちらに行きましたわよ!」

「あ、はい・・・・」

「ひゃ・・・・っ!?ふ、双葉様っ!?」

「ええっと・・・・えいっ」

「ころ、行きましたよ」

「はーい」

「ど、どうして双葉様がこのような所に・・・・!?」

「一真隊の皆様とは、その・・・・お友達ですので」

「鞠ともお友達なのー」

「はい。鞠とも・・・・ね?」

「ねー!」

「・・・・ま、まあ、鞠さんは今川家の方ですから分かるとして、ひよさん達は?」

「一真様からの紹介で、それから仲良しになったのです」

「まあハニーからの紹介とは、色々と縁があるのですね」

そこで納得してしまったが、俺から誘ったからな。あの時からな、ところでなぜ俺は、ひよ達の会話を聞いているのは盗聴器ではなく屋根上にいる。今の状態は、赤龍帝の籠手の禁手化で赤龍帝の鎧だ。

『なるほどな。そうやって相棒の恋人が増えて行った訳か』

『そういう事だ。ドライグが知らない所で、恋人や妻になったのも結構多いんだぞ。沙紀のようにな』

ドライグと喋っていたら、梅は俺の恋人にならないのかと聞かれていた。動揺していたが、悩まずに俺の恋人になると宣言していた。流石梅だなと。蒲生家としては愛妾のままでは微妙らしいが、久遠も結菜も一葉も双葉も愛妾だからか、問題はないはずだがプライドかなと思った。

「それで皆さんはどうですの?」

「もう恋人にして頂きましたので」

「私も恋人にはなりたいなーと思っている」

「私もー」

「鞠は一真が大好きだから、そんなの関係ないの」

「私も既に、一真様に全てを捧げた身ですので」

「ちょっ!?詩乃さん、それどういう事ですの!あと行きましたわよ」

何か動揺した梅だったな。詩乃は全てを捧げてるからと言ったのか梅は動揺する。あとは勘違いでもあるし、捧げたからと言ってもまだ詩乃の初めてはもらっていない。

「梅さん。詩乃ちゃんは、稲葉山城で一真様に命を助けられてるから・・・・それでだよ」

「それは分かっています。問題はその先がどうなっているかですわ!」

「ああ・・・・それもご想像にお任せいたしましょう」

「な・・・・!ふ、不潔・・・・不潔ですわっ!」

「梅さん、どういう想像をしたんだろ」

「でもまあ、梅ちゃんだしねえ」

「不潔とか言ってるけど、私達は身体を重ねた仲でもあるのですよ。梅さん」

「妻である沙紀さん達からでしたら、不潔ではなく夫婦の営みですし。それに今現在の愛妾らは、久遠様や結菜様と足利家のお二人です。正室や側室でしたら、一真様に想いを寄せるのは如何かと思いますが、久遠様達も愛妾ですし順位はないと思われます。そこの所は、沙紀さん達はどうなっています?」

「私達は婚約指輪をはめてますし、最初から隊長の事は好きではありませんでした。ですが一緒にいる時間が多くなったのか、自然と私達から告白するようになりまして。無論隊長は、拒否した事はありません。女性隊員の気持ちを受け取ってから晴れて妻になれたのですね」

ははは。確かにそうだったな。いつだったかな、女性隊員が俺に告白するようになったのは。それに、梅も言っているが形式は関係ない。平等に愛せばいいのだから。

「でもホントになれるのかなぁ?」

「条件は鬼と戦う勇気があるかどうかだけだから・・・・大丈夫だと思うけど」

「折りを見て、久遠様に確認してみるべきでしょうね」

「私も皆さんと、早く家族になりたいです」

「そっか。もし私が一真様の愛妾になれたら、双葉様とも愛妾同士って事になるんだ」

「愛妾同士、もしくは奥様同士なら確かに家族と言っても、差し支えはありませんね」

「そ、そんな、双葉様と家族だ何て、恐れ多い」

「梅はお嫌ですか?」

「と、とんでもありません!ハニーの恋人あるいは妻になれるだけでなく、双葉様ともそのような縁が出来るなら、それこそ蒲生一族の誉れですわ!」

家族かぁ~。今は離ればなれだけど、たまに集まってパーティーする事はあるな。奏と優斗と一緒に食べて話し合う。でも今は、任務でこの世界に来てるから出来ない。

『相棒がいない時に、俺らで話し合ったぞ』

『そうか。それならいいのだが』

そしたら、家族なら鞠が一番下になる事が判明した。鞠の歳っていくつ何だろう。まあ朱里や雛里も唯や真留やはじめも鞠くらいだと思うが、妹と言う事で鞠は姉が欲しかったと騒いでいた。そしたら沙紀達を除いたら、梅が一番上の姉ではないかと。梅はお姉ちゃんって言われるのが嫌らしいから、蹴鞠で決めるとか何してんだか。

「鞠は別にいいの」

「まあ、序列なんて一真様には関係ありませんですし」

「・・・・でしたら、ハニーに想いを告げる順番もこれで決めるというのは?」

「・・・・!」

「それは勝てないながらも、死力を尽くして挑まねばならないようですね」

「ひよ・・・・」

「うぅ・・・・鞠ちゃんに負けるのはともかく、ころちゃんには負けないからね」

「私達には関係ないので、そこで座らせて頂きますよ」

「そうでしたね。では桜花さん達はそこで座ってて下さい」

何か知らんが、俺に想いを伝える順番を蹴鞠で決めるのかよ。雫もやるようだが、鞠も本気でやるようだ。おや?そこにいるのは久遠と幽か。

「・・・・」

「おや、蹴鞠ですな」

「ああ・・・・」

「あの様子ですと・・・・誘ったのは鞠様ですかな」

何か、ひよ達の様子を見ているようだ。まあ俺の想いを伝える順番だからなのか、目がマジになっていた。

「・・・・にしては、少々殺伐としておりますかな?」

「一真に想いを告げる順を決めるらしい」

「おやおや。それはまた流石は、一真様ですかな。男冥利に尽きますが、ところであそこに座ってるのは誰ですかな?」

「ああ。あれは一真の妻だそうで、左から桜花、結衣、沙紀と言う。本名は名乗っていないがな」

「妻とは。では側室なのですかな?」

「本妻は奏というらしいが、初めて会ったら緊張はしたわ。ここで言うなら、正室は奏で側室は先日の戦で会った劉備達や桜花達黒鮫隊の隊員達。愛妾は我や一葉らになる」

まあ確かにこの世界での形式ならそうかもしれんが、あちらの世界に帰ったら皆が妻だ。アグニやシャルロットもだが、元気にしているかについてはさっきドライグから聞いた。決着がつかない以上ここにいても時間の無駄だ。

そろそろ船に戻るか。久々に禁手化したからどうなるか思ったが、俺が船に戻った後の数十分後に桜花達が戻ってきた。俺が屋根上にいたのは気付いてた様子だが、決着つく前に戻ってきたから知らんと。 
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