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戦国†恋姫~黒衣の人間宿神~

作者:黒鐡
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十三章
  戦(4)

「まぁあの公方と幽さんはあれで良いんだよー。だってあの二人、鬼強だもん。って訳で~、我ら公方直属の鉄砲隊、鈴木孫一烏重秀お姉ちゃんと、私、鈴木孫三郎雀重朝が率いる八咫烏の面々も、突撃するので失礼しまーす!」

先程現れた少女達と共に、五十人程の鉄砲隊が公方達を慕い突撃したんだと。黒鮫隊の女性隊員である桜花と沙紀は、地上に降りてISを展開のまま俺の代わりに兵に指示を出していた。そこに、二人乗りの馬が来たかと思ったら、その尻倉に乗っていた少女が颯爽と飛び降りて私達の前に立っていた。

「貴方様は、織田上総介の恋人である織斑一真様の部下ですね?」

「そうですが、あなたは?」

「我が名は小寺官兵衛孝高、通称は雫でございます。播州御着より、将軍家並びに織田家への援軍に馳せ参じ候。ただいまの鉄砲組の横撃、そして時機を併せた二条館からの突撃により、鬼の隊列は崩れに崩れておりまする!今こそ反撃の好機!」

雫と名乗った少女が言った事は、本当のようだ。

「真上にいる部隊の皆。私達も反撃に行きます!中遠距離の者は、狙撃態勢で、それとビットで反撃。ここにいる皆さん!私は織斑隊長の代わりにここの指示を任されました、桜花と申します!」

「同じく私は沙紀と申します。皆の者!私達の言葉は織斑隊長の言葉だと思いなさい。援軍が来たので参ります。一緒に来てくれますか?」

「ここまで来たんだ!あなた達の言葉信じましょう!」

「公方様を守るためなら、いつでも命を張ってご覧入れますよ!」

「ありがとうございます!皆さん」

幕府直属の皆さんがこう言ってくれている。士気も上がっている。これなら行けるかもしれない。私は兵達を集めて指示を飛ばす。やがて背後から複数の足音が聞こえてきた。

「桜花さん!沙紀さん!」

「沙紀さーんっ!」

振り返ると援軍を連れてきたのは、ひよさんと詩乃さんの姿でした。何でも、南の方は黒鮫隊の射撃班と鉄砲隊による連携で何とかなっていると。あとこれは隊長の指示で来たのだと。

「小波さんから連絡があって来ましたが、一真様はどちらに?」

「あそこにいる鬼の集団にいます。ここにいる兵の指示を出したところです」

「そうですか。ところで沙紀さん、こちらの方は?」

私の隣にいる雫を見つめて説明を求めた。

「お初にお目に掛かります。拙者は播州御着の主、小寺の家老・・・・・」

「ああ、黒田の官兵衛さんですか。・・・・いや、今は小寺官兵衛さんと言った方が?」

「な、なぜ私の名前をっ!?」

「播州に賢人あり。その名は黒田官兵衛という噂をかねがね聞いてたんですよ。しかし将軍家と繋がりがあるとは知りませんでした。・・・・ご助勢、感謝致します」

「そういう貴方は?」

「織田上総介が恋人である織斑一真様。その織斑一真様直属の臣、竹中半兵衛重治と申します。以後、お見知り置きを」

「竹中殿というと・・・・まさかあの今孔明殿っ!?」

「むぅ・・・・またそれですか」

「え?・・・・あの」

「あちこちで言われてますが、本人はその呼び方はあまり好きではないのです。と、こんな事をしている場合ではありません!隊長達の援護に向かわないと」

「そうでした。では小寺官兵衛殿。我らの鉄砲組と合流して頂き、共に鬼を追い詰めましょう」

「分かりました。すぐに隊をこちらに連れてきます。では後程・・・・!」

詩乃さんの言葉に頷いた後、雫と名乗った少女はすぐに馬のとこに乗って走り去っていった。黒田官兵衛ですか、小寺官兵衛って名乗った時に分かりませんでしたけど。

「どうかされましたか?」

「何でもありません。詩乃さん、ひよさんの二人はここの指揮を頼みます。私達は隊長のところに参ります」

「参りますって沙紀さん!お頭達、鬼さんの真っ直中に入っちゃってますよっ!?」

「そうですが大丈夫です。忘れましたか?私達が纏っている強度について」

そう、まだ上洛の出陣前の夜にこの兵器の防御力を見ているはずです。私も桜花も、好きな人がそこにいるなら最後まで一緒にいると誓ったのですから。

「詩乃さん、頼みます」

「はい。お任せください」

「沙紀さん!桜花さん!ご武運を」

「では桜花!行きますよ!」

私達は鬼の集団に向かって飛んで行った。さっきまでいたところに、一応ステルスモードで飛んでいて詩乃さんたちの会話を拾っていましたけど。

『・・・・さて。ひよの働きが鍵を握ります。準備を』

『うん!えと、さっき詩乃ちゃんが言ってた通りにすれば良いんだよね?』

『はい。私の合図に合わせて、長柄組を並べて一気に突き進んで下さい。鉄砲の挟撃に合せれて長柄の一撃が入れば、多くの鬼を屠る事ができる』

『了解。あ、でもお頭達を巻き込まないかなぁ』

『気が付けば避けてくれるでしょう』

『ええーっ!?そんなので本当に大丈夫なのっ!?』

『大丈夫でしょう。・・・・そもそも鬼の真ん中に、たった四人で飛び込んで戦おうという、怖い物知らずの方達なのです。それぐらいはしてのけてくれるでしょう』

『心配だけど、今は信じるしかないね』

との事でしたか、これは隊長の耳には入れない方がいいですね。私達は、私たちでやるしかないです。

前後左右から間断なく鳴り響く鉄砲の音。その音が夜空に響くたびに、俺達を囲む鬼が次々と倒れていく。

「ほお、この暗闇の中、良く当てる・・・・小寺の鉄砲衆もなかなかやるが、やはり黒鮫隊の者の方が正確に当てておる」

「・・・・・・・・・・・・」

「烏達だって負けないもん!ってお姉ちゃんが激怒してます」

「・・・(フルフルフルッ!)」

「あ、間違えた。烏達だってすげーもんね!ってお姉ちゃんがブーブー文句言ってますよ」

「・・・・(コクッ)」

「ところで、君達は誰?」

「・・・・・・・・・」

「我ら公方直属の鉄砲隊、鈴木孫一烏重秀お姉ちゃんと、私、鈴木孫三郎雀重朝です。よろしくとお姉ちゃんは言っています」

「・・・・(コクッ)」

「そうか。俺は織斑一真。一真隊及び黒鮫隊の指揮及び前線で活動をしている。ところで君らは何でこんなとこにいるの?」

「主様の言うとおりだが、お主らの腕前は知っている」

「そりゃ公方様のお側の方が、活躍しがいもありますしー♪」

「・・・・・・・・・・・」

「あと、横撃は隊の若いのに練習がてら、やらせているから安心してってお姉ちゃんが言ってます」

「若いという事は、烏や雀たちより若いって事?」

「そですよ。八咫烏隊は若いのの集まりですからねー」

烏達より若い者って、・・・・考えてはならん。たぶんロリコン好きには、持って来いだろうし。

「とそこだ!」

のほほんと言ってる間に鬼達は動いてるが、俺のアサルトライフルで撃った。ここにいた俺達を囲ってた鬼達は全て俺が撃ってやった。有り難く思え。

「隊長!」

「よう、桜花に沙紀。ここにいるという事は、・・・・今頃」

「はっ!隊長の代わりの者を配置させました。詩乃さん達です」

「よし。お前ら、行くぞ!」

といい、俺達に近付く鬼達は白式と紅椿に乗る桜花と沙紀。一閃一閃で、斬ったりしていく。あとは、神の力で剣に乗せて斬撃を放つ。すると斬撃で斬られた鬼達は白い炎で燃え尽きる。

「ほわー・・・・ポワッ、ポワッ、って光ってて、なんだか蛍の光みたいなの♪」

「戦場に灯る蛍の光は、輝くたびに穢れた魂が浄化する・・・・何とも侘びた風情がありますなぁ」

「ははは。これは俺の力が呼応している。刀で斬るたびに浄化をしているのさ」

俺、一葉、幽、鞠の戦い振りはまるで、儀式のような崇高さを感じさせている。そして踊りのように、舞いながら鬼の命を絶っていく。鼓の代わりに鳴り響く鉄砲の音。音が鳴り響く拍子に合わせて、俺達は流れるように刀を振るい、異形の者達に無慈悲な死を振りまくる。俺達の死の演舞は、俺達を見る者にとっては見惚れるだろうな。桜花や沙紀は、ヤバいところに向かっては援護しながら向かっている。鉄砲が撃たれようが、俺達が刀を振るおうが、所詮は多勢に無勢。俺達の周りを囲む鬼達は、仲間が倒れてもその屍を踏んでまで進もうとしている。

「一葉、幽、鞠、伏せろ!!!」

俺は言った後に伏せた三人。俺は、大量のグレネードランチャーを創造し、鬼達に放った。周りにいた鬼達は、大きな爆音と共に全滅したけどね。

「何とかなったか」

「伏せて何をするかと思いきや、余の三千世界みたいに使いおって」

「でも、これで何とかなるな。それに俺達が前に進んだのはその場の勢いだし」

「うむ。何事も勢いは大事であるからな」

「あははっ!でもこうやって四人で戦うの、楽しいね、一真!」

「ああ。超楽しい。いい気分だぜ!」

と言っていたが、ふと振るっていた刀を止め、空を見上げた一葉。それと共に通信機に連絡が入った。

『隊長、まもなくゲートが開きます!』

「分かった。トレミー、拠点から連絡を入れろ。奏が乗るトレミー1番艦でヴァーリと桃香、愛紗、華琳、雪蓮、それと朱里と雛里で一緒に来いとな!」

『了解しました。すぐに連絡を入れます』

俺達が必死になって戦ってる時に拠点である次元の狭間では、奏とヴァーリはソファに座っていた。ヴァーリは、中にいるドライグが相棒である一真が助けろというのを、感じ取ったようだ。そしてケータイが鳴ったので奏は出る。

「こちら奏です。どうしましたか、リン?」

「3番艦からSOSです。すぐに1番艦にて一真さんがいる外史に来てくれと。あと桃香・愛紗・華琳・雪蓮・朱里・雛里とヴァーリと一緒に来いとの事です」

「分かりました。すぐに行きます。ヴァーリ、行きますよ。月、すぐに桃香・愛紗・華琳・雪蓮・朱里・雛里を呼んでください。服装は戦闘服で」

「承りました、すぐに呼ばせます」

家内放送にて呼んだ者達はメイド服から戦闘服に着替えてもらった6人は、リビングに集まった。愛紗・華琳・雪蓮は聖剣エクスカリバーを腰にある。そして一真が呼んでいるという事で、1番艦に乗って緊急発進。次元の狭間から宇宙に出た後、一真達がいる外史に向けてゲートを開き進んだ。1番艦にいる者達は一真の安否を心配しながら進むのであった。 
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