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万華鏡

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第六十八話 秋深しその十

「それもね」
「ただ読んで書くだけじゃないのね」
「そうなの。けれど私達読むことも楽しんでいたから」
 里香はこのことから話した、自分達のことを。
「それならそれでいいと思うわ」
「楽しく読めたら」
「それで」
「彼はまた凄かったわ」 
 野球、阪神への想いがだ。
「あれ位にはそうはなれないから」
「阪神愛ってやつだな」
 確かな顔で言った美優だった。
「それが書かせてくれたんだな」
「阪神だからね」 
 里香は美優にも応えた。
「人を熱狂的にさせるものがあるのよ」
「阪神はそこんとこ特別だからな」
「そういうことよ。私もね」
「里香ちゃんも阪神ファンだよな」
「そうよ、やっぱり応援するなら阪神よ」
 野球、それをというのだ。
「あの華がいいわ」
「阪神の華はちょっと違うからな」
「勝っても華があって負けてもね」
 ここでもこうした話になる。
「だからね」
「だよな、そんなチーム阪神だけだよ」
「本当にね」
「来年も日本一になって欲しいわね」
 琴乃はこの言葉は心から出した。
「そうしてお祝いしたいわね」
「全くだよ、けれどそれだけ想いがあったらな」
「それならよね」
「ああ、最優秀賞になれるよ」
 その座を勝ち取ることが出来るというのだ。
「そこまでだとな」
「ええ、それでだけれど」
 ここで話を変えた里香だった、その話はというと。
「十二月になったら」
「期末テストにね」
 ここで琴乃は学生ならば絶対に避けて通れないこの行事のことを話した。
「それに後は」
「クリスマスね」
 その時にというのだ。
「またライブよ」
「クリスマスライブね」
「そう、それね」
 こちらの話も為されるのだった。
「それもあるから」
「そうそう、それもね」
「そっちもあるのよね」
 五人共クリスマスライブの話に乗った、そしてだった。
 その中でだ、美優が四人にこう言った。その言うこととは。
「それでライブの後な」
「クリスマスよね」
「夜よね」
「あたし達彼氏いないからさ」
 見事なまでにだ、誰にもそうした相手はいない。
「一人ずつでも面白くないだろ」
「ああ、それでね」
「クリスマスにもよね」
「五人集まって」
「それでパーティーね」
「ああ、それしないか?」
 笑顔でだ、美優はメンバーに提案した。
「クリスマスだしさ」
「クリスマスパーティーね」
「それね」
「クリスマスも五人でさ」
 いつものこの顔触れでだというのだ。
「楽しくやろうな」
「そうね、何もないしね」
「ライブの後はね」
「それならね」
「もう楽しくね」
「いつものメンバーでさ」
 楽しもうというのだ。 
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