万華鏡
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第六十六話 ゲリラライブその七
「じゃあいいわね」
「ええ、それじゃあね」
「それじゃあよね」
「そう、それでいいわね」
「カレーは何でも好きよ」
実は彩夏の大好物だ、エスニック風の趣の家にいるだけはあるということか。
「それじゃあね」
「ええ、楽しく食べてね」
「そうさせてもらうわね」
「カボチャは身体にいいし」
「そうなのよね」
「そうよ、とてもいいのよ」
身体に、というのだ。
「美味しいだけじゃなくて」
「固いけれどね」
「そこは小さく切ってじっくりと煮るから」
だからだというのだ。
「心配しないでいいわ」
「考えてるのね」
「そうよ、カボチャにも料理法があるのよ」
そのやり方がだというのだ。
「固いだけにね」
「そこをどうするかなのね」
「それが肝心なのよ」
「お母さんよく言うわね」
「カボチャを作る時はね」
「カボチャは美味しいしね」
それにだというのだ。
「しかも栄養の塊だから」
「是非食べるべきだから」
「そう、お料理の仕方は考えて作るのよ」
「余計に美味しく食べる為に」
「そういうことよ。じゃあいいわね」
「ええ。今日はカレーね」
「あとパイも作ったから」
それもだというのだ。
「パンプキンパイね」
「それデザートよね」
「そう、それも作ったから」
だからだというのだ。
「食べてね」
「わかったわ。それじゃあね」
それも食べるとだ、彩夏は母に納得した。
「そっちも楽しみにしてるわね」
「それと今度煮付けも作るから」
カボチャのそれをだというのだ。
「和風のね」
「それもなのね」
「そうよ。もう冬が近いから」
「冬にカボチャ?」
「冬はカボチャでしょ」
何故かここでこう言った母だった。
「やっぱり」
「冬はお鍋じゃないよ?」
「いやいや、カボチャもよ」
「それ初耳だけれど」
「カボチャはビタミンが多いでしょ」
そうした意味で栄養の塊なのだ、栄養学的にカボチャはかなりいいものなのだ。それでだというのである。
「だからよ。冬は肌荒れとかあるし」
「風邪の予防にもなのね」
「そう、カボチャもよ」
「食べるべきなのね」
「わかったわね。まあお酒にはあまり合わないけれど」
「ちょっとね。あの甘さがね」
どうにもとだ、彩夏も答える。
「違うのよね」
「日本酒にもビールにも合わないわね」
「ええ、ちょっとね」
「けれど身体にいいから」
「だからなのね」
「そう、食べるのよ」
冬にこそというのだ。
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