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VONGOLA TAIL

作者:メテオ
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第7話 鉄の森

次の日

「す、すいません10代目。腹の調子が治りませんでした」

「すまないが俺もだ。沢田、極限に任せたぞ……」

結局、腹痛が治らなかった2人は留守番となり、ランボも朝からイーピンと遊んでいるのでララバイ回収をするのはツナと山本とクロームになった。

「というわけだ。ツナ、山本、クローム。犯人は頼んだぞ。何か用があれば、ツナのヘッドホンを通じて連絡するからな」

「いや、肝心の犯人は誰なんだよ、リボーン!」

「あぁ、そうだったな。9代目によると犯人は闇ギルド『鉄の森』のカゲヤマという男らしい」

リボーンが顔写真と一緒に説明する。

「カゲヤマ……2人とも知ってる?」

「んー、わかんねぇ」

「私も知らない…」

「ちなみに、俺も初めて聞いた名前だ。だが、ララバイの封印を解いたということから考えて、弱い魔導士じゃないだろうな」

リボーンはツナが入れたコーヒーを飲みながら言う。

「だが、そいつより危ない奴がいる。鉄の森のエース、『死神のエリゴール』だ」

「死神!?」

「暗殺系の依頼ばかり遂行してきた
イかれた野郎だ」

「なるほど、それで死神とか言われてんのな」

山本は納得したようにうんうん、と頷く。

「まぁ、そういうことだ。犯人のカゲヤマっていう奴はバジルが追跡してくれてるからな。途中で合流して鉄の森をやっつけてやれ」

「バジル君が!?……わかった」

バジル。門外顧問組織に所属している1人でツナの友達でもある。

「じゃ、行ってこい。ちなみに電車に遅れたらバジルとは会えないから気をつけろよ。列車出発まで後5分だ。」

「そういうことはもっと早く言えよ!!早く行こう、2人とも!」

「おう!」

「うん」

そう言って3人はそれぞれの荷物を持って家を出て走り出した。








マグノリア駅

「ふぅ、何とか間に合ったよ……」

『ツナ。1番後ろの車両に乗っておけ。そこにバジルは来てくれるはずだ』

ヘッドホンからリボーンの声が聞こえる。

「了解。リボーンが1番後ろの車両に乗っとけだってさ」

そう言って3人は列車に乗り込んだ。

「しゃああぁぁ!燃えてきたぁぁ!」

乗る瞬間に聞こえた叫び声を聞かなかった事にして。










「……そういえばどの駅でバジル君は乗ってくるのかな?」

「さぁ?俺にはわかんねぇ」

「うん。私はバジルって人と全然喋った事もないから……」

「そっか、それもそうだよね」

あはは、とツナは笑う。

「あ、昨日から気になってたんだけどエバルーの依頼どうだったの?確か200万まで報酬が増えたんだよね?」

「あぁ。でも、報酬は受け取ってないぜ」

「えぇ!?何で?」

「依頼はその本を破棄するって話だったんだけど、その本を破棄できなかったから」

「………話が読めないんだけど」

「私も……」

「えっとな…エバルーの本を盗もうとしたら変な2人組が出てきて、そのあとルーシィが本の秘密に気づいてとりあえずエバルー達にいる奴全員倒して依頼主の家に行ったら本の文字がいきなり踊り出して」

「いや、ますます意味わからないから!!」

意味のわからない説明を繰り返す山本。そうしているうちにいつの間にかオニバスという街についていた。

「まぁ、詳しいことはルーシィに聞いてくれ」

「じゃあ、そうする事にするよ」

ツナはがっくりと肩を落とした。

「沢田殿、山本殿、クローム殿!」

3人はいきなり誰かに名前を呼ばれ振り向く。すると、そこには……

「ば、バジル君!!」

カゲヤマという男を追跡しているバジルが立っていた。

「お久しぶりです、沢田殿」

「本当に久しぶりだよ。元気にしてた?」

「はい。毎日親方様と元気してますよ」

ツナとバジルが握手すると、バジルは山本とクロームの方に向く。

「山本殿もお元気そうで」

「おう。俺は元気が取り柄だからな」

「クローム殿は拙者とあまり話したことがありませんね。拙者はバジルといいます」

「うん、知ってる。今日はよろしく」

「こちらこそ、よろしくお願いします」

バジルは深々とお辞儀した。

「で、肝心のカゲヤマって誰の事なの?」

「はい、拙者についてきて下さい」

バジルに連れられて車両をうつる。

「あいつです。あいつが鉄の森の魔道士のカゲヤマです」

3人はバジルが指差す方向を見る。そこには椅子に座ってるカゲヤマと……

「な、ナツ!?」

電車酔いで苦しんでいるナツがいた。

「あのカゲヤマと一緒にいる人は沢田殿の知り合いですか?」

「知り合いっていうか同じ妖精の尻尾の仲間だよ」

「何と!?では、沢田殿と同じく相当強いのでは?」

「うん。強いんだけど………あいつ乗り物酔いが酷くて、列車とかじゃ
まともに戦えないんだよ」

「では、すぐに助けないと!」

バジルが次の車両へうつる扉を開けようとした瞬間。

キキーッ!!

電車が急停止した。

「わっ!」

いきなりの衝撃でツナは近くにいた誰かの腕を掴みそのまま床に倒れこむ。

「痛た……みんな大丈夫」

ツナが1番最初に起き上がった。

「何ともないぜ、ツナ」

「拙者もです……沢田殿、クローム殿が……」

「えっ?」

起き上がったバジルがツナを見る。ツナは周りを見渡し下を見るとツナに押し倒されるような体勢でいるクロームがいた。

「……………」

「ボス、腕痛いから離して欲しい」

「えっ…あ、ごめん!!」

ツナはクロームの腕をはなして、起き上がり、クロームを引っ張り起こすために手を差し出す。

クロームはその手を握って起き上がった。

「本当にごめん!大丈夫だった?」

「びっくりしたけど痛くなかったから大丈夫」

「そう……なら、よかった」

お互いに顔を赤くして下を向く。

「そ、そうだ。カゲヤマは!?」

ツナは我に返ってカゲヤマ達を見る。

『お返しだーー!!』

ナツは炎は纏った拳でカゲヤマを殴っていた。カゲヤマは何どかバウンドして床に転がった。

『ハエパンチ!』

『て、てめぇ……』

カゲヤマがナツを睨みつける。

『先ほどの急停車は誤報によるものと確認できました。間もなく発車します。大変ご迷惑をお掛けしました』

『マズっ!』

ナツは自分の荷物を取って列車の窓ガラスを割って外へと飛び出た。

『ちっ、ハエの野郎が……今度あった時覚えてろよ』

そう言ってカゲヤマはナツの座っていた席に座り込んだ。

「……沢田殿の仲間は列車を飛び出して行きましたが大丈夫なんですか?」

バジルが列車から飛び出たナツを心配する。

「あぁ、大丈夫だよ。ナツは凄く頑丈なやつだから」

「だな。それにあいつが1人で列車に乗ってる訳がねぇ。おそらくハッピーにおいてかれたんだろ」

「…ボス、これからどうするの?」

「うーん……とりあえずあいつの隣の車両で様子を見よう。何か動きがあったらそれにあわせて行動って事でいいかな?」

「ツナがそれでいいならいいぜ」

「大丈夫」

「問題ありません、沢田殿」

3人の了承を得た後、ツナ達はカゲヤマのいる隣の車両で待つことにした。









しばらく4人で話していると、駅に列車が止まる。すると、大勢の人がぞろぞろと列車の中に入ってくる。

『乗客は全員出て行け!この列車は鉄の森が乗っ取る!』

隣の車両からそんな大声が聞こえてくる。

「い、いきなりなに!?」

「何か列車乗っ取るとか言ってるな」

山本が背中に背負っている竹刀を抜く。

「あ、あいつは!!」

バジルが隣の車両をみて驚く。

「あいつです!あいつが鉄の森のエース。死神のエリゴール!」

そう言って物凄くでかい鎌を持った奴を指差す。

「あ、あいつが!?」

ツナがそれをみて驚く。すると、ツナはあることに気づいた。

「あれ?どうして俺達に誰も気づかないんだ?」

そう。ツナのいる車両にも鉄の森のメンバーは入ってきた。なのに、その誰もがツナ達の存在に気づいていない。

「そういえば……どうしてだ?」

「ボス……私が」

クロームが控えめに手を上げて言う。

「私が霧の幻覚であの人達に私達の姿を見えないようにした」

「そうか!その手があったんだ」

ツナは納得したように手のひらを打つ。

「流石はクローム殿の幻術ですね。これだったら拙者達も気づかれません」

「うん。このままあいつらの様子を見よう」

エリゴールの隣でしばらく様子を見ているとエリゴールがいきなりカゲヤマの両耳を斬った。

「何!?」

「あいつ…自分の仲間を……」

『妖精なんかに感づかれたところでこの計画は止められやしないでしょうがっ!』

『当たり前だ。しかし邪魔はされたくねぇ。わかるな?』

「この計画……?」

「とは一体なんでしょうか?」

「どうにかして知る方法があれはいいんだけどなっ」

男子3人がうーん、と呟きながら悩む。

「クローム、何かいい案ない?」

考えが思いつかなかったツナはクロームの方に向く。

「えっ?…………思いつかない」

「だよなー。何かいい方法……」

ツナの言葉が途切れる。そして、クロームをもう一度見た。

「ねぇ、3人共。ちょっといいかな?」









オシバナ駅

「急げ!ホームはこっちだ」

グレイがそう叫ぶ。エルザ、グレイ、ハッピー、ルーシィとルーシィに背負われてるナツはオシバナ駅のホームへ走る。

「やはり来たな、妖精の尻尾」

そこで待っていたのはエリゴールと鉄の森のメンバーだった。

「な……なに、この数……」

「貴様がエリゴールだな」

エルザがエリゴールを睨みつける。

「貴様らの目的は何だ?返答次第ではただでは済まんぞ」

「遊びてぇんだよ。仕事も無ェしヒマはもんでよォ」

そう言ってエリゴールは空を飛ぶ。そして、エリゴールは駅のスピーカーの方へ飛んで行きそれをコツンと叩いた。

「ララバイを放送するつもりか!?」

「ええ!?」

「なんだと!?」

ルーシィとグレイ驚く。そんな様子を見たエリゴールが楽しそうに笑う。

「この駅の周辺には何百………何千もの野次馬共が集まってる。いや…音量を上げれば街中に響くかな……死のメロディが」

「大量無差別殺人だと!?」

「これは粛清なのだ。権利を奪われた者の存在を知らずに権利を掲げ生活を保全している愚か者ども『エリゴールさん。それ本当なんですか?』!!?」

エリゴールが驚き下を見る。見ると鉄の森のメンバーの1人がエリゴールに呼びかけた。

「何?」

「だってそうでしょ。エリゴールさんの作戦はここで放送じゃありません。もっと、残虐的なことですよね?」

『おい、てめぇ何のつもりだ?』

「ちょっと黙ってろ。俺聞きましたよ。エリゴールさんの本当の目的は、今、定例会に行っているギルドマスター全員をララバイで殺害することだって」

「なんだと!?」

「じいさんたちが!?」

「嘘!?」

エルザとグレイとルーシィが驚愕する。

「つっ………てめぇら!その裏切り者を殺せ!あと、ハエ共もな!」

そう言ってエリゴールは窓ガラスを割って駅から出て行った。

『てめぇ、何裏切ってんだよ!』

計画をばらした奴に1人の男が剣で斬りかかる。

「クローム、もういいぞ」

「わかった」

返事をすると、計画をばらした男とこの周りにいた2人の姿が変わっていく。

「時雨蒼燕流、攻式八の型!」

「篠突く雨!」

姿が変わった男が剣で斬りかかろうとしていた男を逆に斬った。斬られた男は倒れる。

『て、てめぇら何もんだ!』

「妖精の尻尾の魔導士。そして、ボンゴレ雨の守護者、山本武」

「同じく、妖精の尻尾の魔導士でボンゴレ霧の守護者、クローム髑髏」

「ボンゴレ問外顧問組織のバジル」

時雨金時と三又槍とメタルエッジを構えて3人はそう答えた。



 
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