インフィニット・ストラトス 自由の翼
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幻想の痛みを抱えた戦士……コラボです。
前書き
と言うわけでコラボ回です。
では、漆黒の翼を背に、飛翔せよ―――ノワール!
○side第2アリーナ
[ガンダム……だと?]
サーシェスは見たことのないガンダムタイプのISに驚いていた。
顔までも覆う黒い全身装甲に黒い背部の翼。
そして、鋭いブレードアンテナとフェイスカバーはサーシェスの駆るツヴァイと同じガンダムタイプである。
「まぁ、お前が詳細を知るわけがないか。俺はこの世界の住人じゃないからな……おい、鈴。」
「え?」
「そこで伸びてる女子を連れて離脱しろ。コイツの相手は俺が引き受けてやる。―――率直に言おう、足手まといのお守りをするほど俺は優しくないからな。」
「誰が足手まといですって!?」
「……鈴ちゃん……彼の……言う通りだよ……。」
鈴の腕の中で気を取り戻した春奈は彼女に従ったほうがいいと提案した。
「春奈?意識が戻ったの!?」
「……う……ん。私たちが、人質になるリスクを……下げるためにも……離脱しよ?」
「……わかったわよ!一夏、ちゃんと後で話を聞かせなさいよ!」
[行かせるかよぉ!って!?]
サーシェスは逃がさんと言わんばかりに背中のスラスターを全開にして春奈たちに迫る―――しかし、それはできなかった。
「貴様の相手はこの俺だよ―――サーシェス!」
そう言いながら黒いISの操縦者は左手をサーシェスに向けるとISアーマーからアンカーランチャーを射出してツヴァイの右肩に打ち付け牽引する。
ワイヤーを巻きとりながら近づくツヴァイの背中を思いっきり蹴飛ばして地面に叩きつける。
蹴られた時にツヴァイのコーンスラスターが変形して破損する。
[グフォッ!?]
「まだまだこんなもんじゃねぇよ。おらよ!」
叩きつけたツヴァイに引き抜いたビームライフルショーティー2丁で光弾の雨を喰らわせる。
穿つビームは容赦なくツヴァイの粒子コーティングを剥ぎ取り、装甲強度を奪っていく。
[ぐぅ……チョーシに乗ってんじゃねぇよ、青二才が!]
激昂と共にサーシェスは粒子スラスターを全開にして黒いISに突撃する。
[行けよぉ!ファングゥ!]
サーシェスは残りのGNファングを展開して援護させる。
「ああ、名乗るのが遅れたな。」
ガンダムタイプの少年はGNファングを撃ち落としながら名乗りを上げる。
「俺は異世界の織斑一夏、相棒はストライクEだ……今はストライクノワールだがな。」
そう言いながら、先刻投擲した対艦刀の<フラガッハ3>を地面から引き抜きながらビーム刃を展開してツヴァイのGNビームサーベルと切り結ぶ。
「こんなものなのか?アリー・アル・サーシェスと言う傭兵は。」
[舐めんなあぁぁぁ!!]
ブチ切れたサーシェスは切り結ぶビーム刃を押し込むように力を込めるがビクともしない。
「所詮は機械の体だろう。……そんなに負荷をかけてもつのか?」
[黙れよぉ、ガンダムゥ!]
至近距離で左マニュピレータ固定装備GNハンドガンを構えると発射しようとする。しかし、一夏の方が対応が早かった。
GNハンドガンをビームライフルショーティーで左手ごと撃ち抜いて破壊。余波で仰け反ったツヴァイの腹部に蹴りを叩き込み吹っ飛ばす。
「これで止めだ!」
吹っ飛ぶツヴァイの背部に回った一夏はアンカーランチャーを撃ち込み固定、牽引する。
引っ張られたツヴァイのコーン型スラスターを一夏は再び蹴り飛ばして完全に破壊する。
ワイヤーを巻き取り、再度牽引。そして……ギィィィン!
破壊していた左手をフラガッハ3で切り飛ばし、アンカーのロックを解除しながら頭部ユニットを空いていた右手ISアーマーで殴りそのまま宙返りして腹部に廻し蹴りを叩き込んでツヴァイの機体を宙に浮かす。
[てめぇ!―――のわあぁぁぁぁ!?]
右のアンカーランチャーを撃ち込み、振りかぶる。そして、ツヴァイの機体をそのまま地面に叩きつける。
「終幕だ!」
ワイヤーを牽引して途中で放す。そして、ノワールストライカーから引き抜いたフラガッハ3を2刀で構え慣性に従い近づくツヴァイの胴に一閃して切り抜ける。
[覚えてやがれよ、ガンダムゥー!!]
その言葉を最後にツヴァイは爆散した。
「逃がしたか。……この程度とは、つまらん奴だな。」
一夏はそう言いながら上昇してあらかじめリボンズに渡されていたある物を放る。
それは、ボシュッと言う音と共に赤い粒子を撒き散らす。
「使ってみると便利なもんだな―――<GNステルスフィールド>は。」
その言葉を最後に一夏はIS学園から離脱する。
彼がどこから来たのかを知る者はここにいない。
ファントムペイン―――後に彼につけられる識別名である。
●
○Noside
一夏とセシリアは遭遇した無人機と闘いを繰り広げていた。
先に緑色の雑魚を全滅させていたが、殿とも呼べる黒い3機がしぶとく二人に食らいついていた。
「ちっ!セシリア、フォロー頼む!」
「わかってますわ!行きなさい、ビット!」
セシリアがブルーティアーズのビット全機を射出して攻撃を開始する。
[来るぞ。オルテガ、マッシュ。]
[了解です。]
[おう。]
地表をホバー移動する敵無人機は<ドム>である。その機体を駆るニューロが黒い三連星がの異名を持つジオンの3人集ことガイア、オルテガ、マッシュである。―――エース級ニューロだ。
機敏に小回りを効かせてレーザーを回避する3機に一夏が不知火を撃ちながら突っ込む。
[オルテガにマッシュ!あのISにジェットストリームアタックを仕掛ける、続けよ。]
[御意]
[おう。]
ドムたちは左右にホバー移動しながら銃弾を避け、展開する。
「チィッ!ちょろちょろしやがって!」
ガイア機が青白く光るヒートサーベルを構えてその後ろに72mm炸裂砲<ジャイアントバズ>を構えたオルテガとマッシュ機が続く。
ガイア機の胸部ハッチが開き拡散ビームを発射、一夏を牽制する。
やむを得ず白磁でビームを受けるが、そこまでの威力はなかった。
「―――ッ(しまった!陽動かよ!)」
一夏は不知火を棄てて急速後退すると、雪片弐型を抜刀、ガイア機のヒートサーベルと切り結ぶ。
日本刀特有の反りを利用してヒートサーベルを流し、そのまま胴に一撃を加えようとするもガイア機の後ろからオルテガ機の放った炸裂弾が迫る。
行動をキャンセルしてギリギリ、紙一重で砲弾を躱す一夏。
そこにマッシュ機がジャイアントバズを至近距離で構えていた。
「しまった!」
[墜ちろぉ!白いの!]
「させませんわ!」
セシリアも黙って見ているわけではない。マッシュ機のジャイアントバズをスターライトMk.Ⅲで撃ち抜きながら、そのメインカメラを偏光制御の曲げたレーザーで撃ち抜く。
[メインカメラ!?]
「だらっしゃあぁっ!」
隙が出来たマッシュ機のドテッ腹に雪片弐型が食い込み、そのまま横一文字に両断。
[マッシュ!?]
[ガイア隊長ォォォ!]
その断末魔とともにマッシュ機が撃墜された。
[おのれぇぇぇ!]
[よせ、オルテガ―――]
「「これで終わりだ(ですわ)!」」
2機の見せたすきを逃すほど一夏とセシリアは優しくはない。
零落白夜/弐式を起動した一夏はオルテガ機のヒートサーベルを断ち切り、右肩から左脇腹への浅い袈裟斬りを放ち、踏み込んで深く一閃―――ISによる燕返しを放ってオルテガ機を撃破。
セシリアはガイア機の機動を完全に見切り、アサルトシフトのビット1~4とビット5、6で追い詰める。
[バカな……こんなことが……のわあぁぁぁ!?]
「チェックメイトですわ!」
浮遊するセシリアはあさっての方向にロングレンジシフトに切り替えたビットレーザーを放つ。
スターライトMk.Ⅲによる狙撃、そしてビット5、6のミサイルが正面から迫る。さらに後方、左右よりレーザーが迫る。
ガイア機は正面に気を取られて回避もままならぬままレーザーに貫かれた。
[終わりか……]
その言葉を最期に動力部を打ち抜かれたドム2機は爆散した。
「ふぅ……セシリア、怪我はないか?」
「当たり前ですわ。わたくしはセシリア・オルコットでしてよ?」
「それもそうだったな。―――んじゃ行くか。」
「ええ、そうですわね。」
一夏とセシリアは第2アリーナに足を進めた。先ほど遮断シールドを破り、突入していった謎のISの反応を確かめるために。
●
○sideアリーナ観客席
「ふむ、あらかた片付いたかな?」
そう言いながらグラハムはRS<スサノオ>を待機形態に戻す。
「それもそうだな。―――さっきの奴は一体何だったのだ?」
「あの機体は何かはわからないが、心当たりはある。」
千冬の疑問にグラハムは答えた。
「……みなまで言うなよ?エーカー。」
「―――抱きしめたいなっ!ガンダム!」
「はぁ……お前という奴は」
千冬とグラハムの近くには多数の残骸が転がっている。その全てはなめらかな切断面ばかりで<斬られて>撃破されていた。
千冬も自身の専用機である<暮桜>を待機携帯のブレスレットに戻すと黒い影が離脱していった方向を見る。その視線の先にはRCIの会社が見えた。
「リボンズめ……今度は何をやらかしたんだ―――はぁ。」
世界最強の女にすら手に負えない二人の天災に人知れず悩まされる千冬であった。
後書き
異世界の来訪者をもてなすために春奈と天地が奮戦する。
次回インフィニット・ストラトス 自由の翼
戦いのあとはスイーツ日和!?
ご期待下さい。感想、評価も待ってます!!
と言うわけで、コラボ回、出演はIchika様の作品「インフィニット・ストラトス・アストレイ」より、主人公の一人の一夏くんに来ていただきました。
ではこのへんで。
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