インフィニット・ストラトス 自由の翼
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クラス代表戦と赤い傭兵 後編……ついでにコラボです。
前書き
突発的なコラボありです。誰なのでしょうかね(オイッ
○side???
アリーナに襲撃者が現れる10分程前のRCIの地下研究所がlevel5地区。
薄暗いそこにはリボンズと束の姿があった。
「篠ノ之束。いくら君でも次元干渉に手を出すのは流石に僕も感心できないよ。」
「む?リボくんは束さんの開発した<次元干渉くん>の性能が認められないのかな?」
「だからといって<あのシステム>に無断でアクセスしたのが感心できないと言っているんだよ、僕は。管理権限を持つのはあくまでも僕と君だけなんだ……話を聞いているのかい?篠ノ之束。」
リボンズの話に興味がない束は黙々と用途のわからないスイッチや計器を操り、次々と設定を更新していく。
「よ~し、設定完りょーうだじぇ。ぶいぶいっ!」
「は?」
リボンズは束の言っていることが理解できずに惚けた声を出す。
「あとはこのボタンを押せばどこかの世界とランダムに繋がるよ~い……んじゃポt―――」
「だあぁぁぁっ!よせ、篠ノ之束ッ!もしも危険な世界と繋がったらどうす(ポチッ)……え?」
リボンズは足元に落ちていたスイッチを踏んで押してしまう。恐る恐る足をどけてみると……
<発動承認!!>とボタンの周りに書かれた金色のスイッチを踏んでいた。
「た、束さん。このスイッチはなんなのかな?」
「う~ん……強制発動スイッチ?」
「なんで疑問系なのさ!?……ん?」
<次元干渉くん>がプスプスと黒煙を上げているのにリボンズが気がつき、それを見た束も顔面蒼白になる。
「ヤバイ……オーバーロードして暴走寸前だよ。ってあれ?安定してる?」
『なんだこれは。社長よ、これはどうなっている?』
「……声がするね。」
リボンズと束は思わず顔を見合わせる。世界が安定して繋がったのだ。
『ん?安定したのか?』
『安定しちゃったみたいだね。』
リボンズは何か決心したようによしっと拳を握る。
『「……誰かいますか(いるのかい)!?」』
『「……」』
二つの声が同時に重なり、暫し沈黙が訪れる。
『あー……なんだ、お互いに顔も見えない状態で話すのもアレだ。―――そっちに行ってもいいか?』
「……ああ。構わないよ。」
そして、暗い空間はぐにゃりと歪み少しずつ人のシルエットを描いていく。
そして、一人の少年がゲートから現れた。
「……声からなんとなく感じていたが、やっぱりそうだったようだな。」
「……どういうことだい?」
「一応、はじめましてだな。リボンズ・アルマーク、篠ノ之束。」
彼の顔を見たリボンズは驚いた。彼は……
●
○side第2アリーナ
外部と遮断されてしまったアリーナ内で春奈、鈴はunknownとの戦闘行為を開始する。
[行けよぉ、ファングゥ!]
敵機のリア・サイドから赤い牙のようなものが射出される。
「あれは、GNファング……あの機体はスローネツヴァイですね。」
「春奈、回避行動しなさいよ!?」
春奈、鈴に迫る6基のGNファングは赤いスパークを迸らせながら飛翔する。
「鈴ちゃん、私の後ろから衝撃砲での攻撃をお願い!」
「わかったわ。」
春奈はドラグーンを機動兵装ウイングより全基射出。それを指揮して半数を防御に、残りをGNファングの迎撃に当たらせる。
赤い牙と蒼い龍騎士団がお互いを討滅せんと激しい攻防を開始。春奈、鈴ペアも動き出す。
鈴は肩部武装の衝撃砲にエネルギーをチャージ。
バクンっと2つの龍砲が獰猛にその口を開く。
春奈は防御特化形態のドラグーンを連結して大盾防御形態を生成する。
それらを一基ずつ自身と鈴の周囲に浮遊させる。
[ああ?なんだそりゃ?]
「黙って喰らっときなさいよ!」
直後、不可視の砲弾が敵機の頭部ユニットに直撃して仰け反らせる。
[ぐぉっ!?]
「もう一発もオマケよっ!」
鈴が次に狙うのはバランスを崩している敵機の腹部。
[とぉころがギッチョンッ!―――てか?]
「なっ!?」
そちらに集中していた鈴は飛来するGNビームダガーに気がつき、慌てながらターゲットを切り替えてそれを撃ち落とす。
敵機は仰け反った時に方のGNビームサーベルを引き抜き、それの出力を落としてダガーにして投擲という流れを披露してみせた。
機体の制御を戻した敵機頭部は……無傷だった。
[なんだぁ?今のはぁ?]
「―――なんで伝説の野菜人なんですか!?」
[なんとなくだよ。気にすんな……死ぬぜぇ?]
「―――ッ!」
春奈は油断してGNファングの接近を許してしまうが、物理シールドでそれを受ける。
鈍い音を立ててシールドに突き刺さるGNファング。
直後、嫌な予感がした春奈はシールドのコネクタを外して敵機に向けて投擲した。
[あばよ……ガンダムちゃんよぉ!―――って、のわっ!?]
「意外とマヌケですね。」
その声が起動キーとなったのか次の瞬間、GNファングがシールドを道連れに爆ぜた。
しかし、先に動いたのは春奈だったためにシールドは敵の前で爆散した。
煙の立ち込める中、暫くの不気味な静寂。
[マヌケはどっちだよぉ!]
煙を大型ブレードで切り裂きながら春奈に接近する無傷の敵機めがけて鈴は連結させた近接ブレードの<双天牙月>を投げる。
「させるわけ無いでしょうが!」
放られたそれはブーメランのごとく飛翔する。
標的に迫る途中でGNファングを2基撃墜したが、その勢いは衰えない。
[チィッ!]
敵機は切り込むのを中断してその手に持っている大型ブレードを盾にして飛来した双天牙月を派手な金属音と共に受け止めてやり過ごす。
弾かれた双天牙月は鈴の手に自動的に戻ると連結が解除される。
その隙に春奈はドラグーン全基をウイングバインダーに帰還させてエネルギーを供給しながら敵機から距離を取る。
「鈴ちゃん、よく聞いて。あの機体はおそらく無人機。そして、機体背面から放出されてる赤い粒子は有毒性の高い危険なものだと思う。」
「確かに尋常じゃないくらいに赤黒いわね、あの粒子。―――で、無人機っていう根拠は?」
「まず、バイタルスキャンで生体反応が無いことが一つ。次にISコアの反応が無いこと。
何らかの無人機って判断が妥当じゃない?」
春奈と鈴はプライベートチャンネルで戦いながらではあるが器用に通信のやり取りをする。
鈴が衝撃砲で牽制しつつ春奈はリアアーマーのクスィフィアスを展開して、敵の弱点部位と思われる関節部分に狙いを定める。
しかし、衝撃砲の見えない砲弾をひらりと躱してこちらに接近する無人機に牽制射撃で春奈は隙を作ると鈴に散開の指示を出して別々にその場から離脱する。
春奈は左ISアーマーに近接ブレード<カリバーン>を呼び出ししながら所々破損しているドラグーン達を再度射出、今度は全基を大盾防御形態で付近に待機させる。
「あの機体の攻撃を生身で受けたらどうなるかっていう予想ができない。だから、回避は紙一重ではよけないで。」
春奈は鈴にそう告げると機動兵装ウイングのVLを起動。青白い光の翼をウイングフレームから放出、展開する。
「なによそれは!?(チョットカッコイイじゃない!)」
「VLと言って光学スラスターだよ。それよりも……行くよ!」
春奈はVLの高機動かつ高速のビームライフルによる射撃を敢行する。
「勝手に動かないでよ!」
鈴も援護のために衝撃砲を起動。無人機を狙う。
[そうこなくっちゃなぁ、闘いを楽しもうじゃねぇか!ガンダムちゃんよぉ!]
そう言いながら無人機も残り5基のGNファングを展開して春奈を迎撃する。
そう、闘争の狂曲はまだ序曲。
相容れない者たちの銃撃のアンサンブルは激情のリズムを刻み続けるのであった。
●
○side天地
わけがわからねぇ。
俺の感想はそれだ。だってなぁ……
目の前には5/1スケール位のジオン公国のMS<グフ>がいきなり頭上から落ちてきたらそんな感想になるだろうさ。
モノアイが光ってないところを見るに待機状態だよな……いや、ややこしいフラグだよな?これ絶対に動くよな!?
俺は用心しながらOOを準待機状態で起動する。……いつでも抜刀できる状態にしただけだがな。
すると、すぐにオープンチャンネルでの通信が入ってくる。
『各教員と専用機持ちに告げる!現在IS学園内に熱源反応が50個以上確認されている。
教員諸君は2人1組でアンノウンの迎撃を、各専用機持ちの生徒は襲撃を受けた場合迎撃を許可する!それ以外の場合は他の専用機持ちとの合流を目指せ。
ただし、無茶はしてくれるなよ?―――教え子に死なれては目覚めが悪いからな。』
通信の発信者は千冬さんだった。
『諸君!敢えて言わせてもらおう……死ぬなよ!』
この聞き覚えのある声は……師匠!?
なんで師匠がここにいんの!?と野暮なツッコミはできんな。婚約者がいるところにグラハムの姿有りって千冬さんが言っていたからな―――ってそんなこと言ってる場合じゃねえ。
まぁ、こんなところで死ぬほど弱くはないつもりだ。
俺は目の前のグフから視線を外さないようにしながら後ずさる。
「無事か!?天地!」
「天地さん、無事でして?」
「一夏にセシリアか。そっちの状況はどうだ?」
「俺とセシリアは一緒に行動してたから問題はない。そっちは?」
一夏とセシリアの通信が俺に飛び込んできた。向こうは合流済みってわけか。
ついでに状況を伝える。
「俺の方は目の前に例のアンノウンがいる。これは有人機じゃねぇな。」
「な!?それってどういう……」
ヴン……キュルルル……
「悪い一夏、また後で連絡する。」
「オイッ天地!」
俺は一方的に通信を遮断すると振り向く。
[ザクとは違うのだよ、ザクとは!]
「……んなもん俺が知るかよ!」
ヒートサーベルを上段から振り下ろすグフの攻撃を俺はバックステップで回避しながら距離をとる。
するとグフは基本に忠実な低姿勢、摺り足で鋭い突きを繰り出してくる。
俺は若干焦りながらも右腕のISアーマーを部分展開、すぐにGNソード改を呼び出すとヒートサーベルの腹を切り払って鋒を逸らして回避する。
だが、動きが若干遅い。……無人機だなコイツ。高性能AIか、それともエース級のニューロか。
[む?今のを捌くか、小僧。]
「……エラそうなおっさんだな……っておっさん?―――まさか、あんたはランバ・ラルか!?」
「いかにも。ワシはランバ・ラルだ。よく知っているな小僧。」
<青い巨星>の異名を取る一年戦争の英傑……エース級ニューロか!
逃げてもそう簡単に振り切れなさそうだな。
「しゃーなしだな。」
俺は腹を括るとISを全展開する。
[む、貴様は連邦の開発した白い奴か!?]
「開発したのは地球連邦じゃないよ!それは別の白い奴だよ!」
……何なんだこいつは。
[性能は悔しいが貴様が上。ならば数で圧倒するまで……ザク隊、集合!]
ガシャガシャガシャ……地平より出ルは太陽ではなくMS<ザクⅡ>だった。
ランバ・ラルの駆る(宿る?)グフの後ろにザクⅡが規律正しく整列する。
[ゆけっ!]
ヒートサーベルを掲げる隊長の命令に従いザク達が突撃を開始する。
……完封させてもらおうか。
俺はGNソード改を収納して腰のGNソードⅡとGNビームサーベルを引き抜く。
そして、ビームサーベルの出力を落としてビームダガーにすると返す刀がごとくそれを先頭のザクⅡ目掛けて投擲する。
標的のザクは回避できず、その頭部ユニットにビームダガーが突き刺さり仰け反りながら転倒……そのまま沈黙した。
どうやら、このザクどもは思考回路を頭部に搭載しているようだ。
「ひとつ!」
次に沈黙したザクの隣でザクマシンガンとヒートホークを構えている奴に何故かイラっとした俺はGNソードⅡを両手保持の下段で構えながらGNドライヴを後方に向けて粒子を噴射して加速。
そのザクめがけて突っ込む。
敵機の撃ってきたマシンガンの弾軌道を見切り、回避……成功。
「ふたぁつッ!」
叫びながらザクの左脇腹から右肩に逆袈裟斬り。
斜めにズリ落ちるザクのマニュピレータから左手でマシンガンを奪いながら右手に持ち替えた剣を振り抜いた反動で体を捻ると同時にマシンガンを後続隊先頭に向けて乱射する。
剣の手応えから見てこのザクどもの装甲は貧弱だ。
……いかにも量産型つー感じだな、こいつら。
ザクマシンガンの弾薬が切れるとそれを穴だらけにした敵に放ってバラバラの瓦礫に変える。
「みっつ!」
[マングローブ?]
……ボソリと聞こえたそれを無視しながら俺はGNソードⅡをライフルモードに切り替えて照準を合わせずに射撃。
ザク達を牽制してGNダガーを回収する。
ただ、マヌケなザクに牽制の射撃が直撃したようで偶然に動力部を撃ち抜いたのかそいつは隣の僚機を道連れに爆発四散した。
「いつーつ……いいのか、これで?」
[―――なんかすまん。]
「謝らなくてもいいだろ!?」
[なんとなくだ、気にしないでくれたまえ。]
変なところで律儀なランバ・ラルに突っ込みながら俺はGNソードⅡを剣に戻した二刀流で敵陣に切り込む。
挟撃を目論んだザク2機が正面と後ろにきたが構うことなく俺は正面の奴にさっきと同じようにGNビームダガーを投擲しながら突っ込む。
標的のザクは俺にマシンガンの銃口を向けていたのがたたったのか、GNビームダガーが右肩装甲に深く突き刺さり右腕がそのまま機能停止する。
俺は左手でダガーを引き抜きながら逆手に持ち替えたGNソードⅡを胸部に突き立てる。すぐさま引き抜いたGNビームダガーを再び投擲。後ろから迫っていたザクの頭部を破壊する。
「―――ななつ。」
残り3機か。
俺はGNドライヴのスラスターを全開にして距離を詰めながら真正面のザクにGNビームダガーとGNソードⅡを同時に投擲。
2振りの剣が頭部、胸部を貫いて停止する頃に俺はその柄を手にしていた。
ビームダガーをビームサーベルに変えてGNソードⅡとビームサーベルを左右に振り抜く。
そのままヒートホークを振り上げながら挟撃してくるザク2体の胴を同時に切り裂いて撃破した。
「―――連続10機撃破。残りはあんただけだぜ?ラルさん。」
……正直な話だが、ザク相手に遅れをとるような鍛え方はしてねぇよ。
[―――やはり、ザクでは太刀打ちできないか!ならば……]
その言葉と同時にラルさんは俺に鞭のような金属製のワイヤー、もといヒートロットを叩き付けんと伸ばして攻撃してくるが……痺れるのはゴメンなのでヒートロットをGNビームサーベルで切り裂きながら跳躍。
左GNドライヴのスラスターだけを全開にして車輪のように回転しながら、かつてガンダムエクシアが放った<ダイナミックきりもみ回転斬り(俺命名)>をGNソードⅡでグフに叩き込む。
ガキィン!
しかし、派手な金属音を鳴らしながらラルさんはヒートサーベルで斬り結び、堪えてみせた。
やはり、本家のGNソードとは違いGNソードⅡでは威力不足の様だが俺はGNドライヴの推進力を全開にしてGNソードⅡを押し込む。
[ぐぅ……ぬおぉぉぉッ!?]
「俺の勝ちだ!」
くしゃりとグフの右腕が負荷に耐え切れず、折れる。
俺はそのままGNソードⅡを押し込みながら着地。しかし、確かな手応えを感じなかったのですぐさまそこから離脱して様子を伺う。
胸に傷を負いながら、右腕を失いながらもそこにはまだ直立不動の<青い巨星>が立っていた。
[……小僧。名は何という?]
「七ノ瀬天地だ。」
[やはり、歴戦のオヤジでは若者に敵うことは難しいようだな。]
「……」
[我が生涯に悔いはない。―――天地君、最期の相手にふさわしい戦いを感謝する。……さらばだ!]
その言葉と轟音と共にグフは爆散した。
「ランバ・ラル。あんたのことは忘れない。」
俺はIS待機形態に戻して相棒に話しかける。
「刹那。GN粒子はどれくらい残ってるよ。」
[GN粒子残量は45%だ。まぁ2分後には全快するが?]
「了解だ。一夏とセシリアの方も気になる……位置分かるか?」
[わかった。2人の位置は……]
相棒は俺の目の前に浮遊する……いや、投影されてるだけだぞ?
CBの青いノーマルスーツを着たそいつの名は<ニューロ体/刹那・F・セイエイ>。
相棒曰く、自分の存在理由はわからないらしい。
[……天地2人の位置がわかったぞ。]
「OK。ガイドを頼む。」
[了解だ。西に20メートル先を……]
俺は相棒の先導で歩き出した。
コイツがいてくれればどこでもいけそうな気がするぜ……なーんてな。
●
○side第2アリーナ
「こんなことがあるわけないって言いたいけど……コイツ、強い。」
「そうですね。手も足も出ないなんて……。」
[もう限界かい?ガンダムちゃんよぉ?]
春奈と鈴は完全においつめられていた無人機の動きは春奈、鈴の技量を遥かに超えている。
春奈のシールドエネルギーは20%を下回り鈴も同じ程度である。同じくISアーマーも欠損や破損でダメージ震度がCとなっており危険域に近づいている。
「鈴ちゃん、私が遮断シールドを破るから、千冬姉に連絡を……」
「何言ってんのよ!?」
「私にならできる……いや、やってやろうじゃん!」
その言葉がトリガーとなり装甲が淡く輝く。
(残りエネルギーは20%……フリーダム、私に力を貸して!)
春奈の願いに答えるように胸部装甲内部に設えられたクリスタルハートが暖かな奔流を生み出した。
ドクン……
湧き上がる勇気
ドクン……
燃え上がる勇気
「はあぁぁぁっ!―――クリスタルハート、最大出力!」
[あぁ?なんだそりゃ?]
無人機は完全に侮っている。しかし、春奈はそこにつけ込んだ。
「バラエーナ展開!ハイパーバーストモードで最大出力!」
春奈の機動兵装ウイング第一翼が展開して天衝くようにバラエーナが砲口を覗かせる。
そして、その砲身が上下に展開してそこから激しいスパークが迸る。
[まさか……させるかよぉ!行けよ、ファング―――!?]
「あんたの覚悟は分かった……でも、あたしにも何かさせなさい!春奈だけが背負うのは卑怯よ!」
鈴は両手を突き出すように構えて両手のISアーマーのトゲのようなものを逆立てると勢いよく射出する。
これはクラスターニードル<龍爪>。発射された針には高性能炸薬が積まれている。
刺さった直後に雷管が破裂して着火。爆発を起こす物だ。
無人機はそれを大型ブレードで受けたのが祟りそれに刺さった龍爪が突き刺さり爆発した。
「エネルギーを全出力!―――いっけー!」
春奈は心のトリガーを引く。が臨界状態に達して一気に解放された高密度エネルギー体が天を衝く。―――ハズだった。
「……え?」
春菜は何が起きたのかがわからなかった。気がついたときには全身に強い痛みを感じた。
放つ瞬間にGNファングが右のバラエーナに突き刺さり爆発したのだ。
左のバラエーナは無事だったので遮断シールドに直撃したが、突き抜けることはなかった。
「春奈!?」
鈴が駆け寄ってきたが春奈は気を失っていた。
[嬢ちゃんよぉ……さっきのは効いたぜ―――まぁお前さんは生かしておいてやるよ……じゃあなガンダムちゃんよぉ。]
「春奈ッ!」
GNファングが春奈に向けて射出されて彼女を貫かんと迫る。鈴は春奈を無意識に抱きかかえると背中を向けた。
捨て身の盾で春奈を庇う鈴。そして―――
「友を庇うか……いいだろう、その心添えに応えて手を貸してやる。」
鈴にはそんな声が聞こえた。
バリィィィンッ!!
遮断シールドが砕かれ新たな影が突入してきて何かを投擲した。
「クックックッ……なかなか楽しそうなことをやってるじゃねぇか―――サーシェスさんよぉ?」
ガスンッとGNファングを貫いたのは対艦刀。
鈴が恐る恐る振り向くとそこには漆黒の翼を持つ何者かがいた。
[何もんだ……何故俺を知ってやがる。]
「俺か?俺は―――」
「通りすがりのガンダムだ。」
その顔はフルフェイスカバーに覆われて分からない。黒い全身装甲そして、特徴的なブレードアンテナ。しかし、その声は鈴がよく知っている男子のものだった。
「……一夏……なの?」
後書き
赤い傭兵を討ち取らんと奮戦する黒い機体の正体とは?
次回インフィニット・ストラトス 自由の翼
幻想の痛みを抱えた戦士
ご期待下さい。感想、評価も待ってます!!
突発のコラボ回です、はい。
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