原作に介入=生 不介入=死 何だ!この世界は!
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14話
前書き
今回は短いです。今回で空白期が終わります。
アースラの医務室
夕はベットの上で目を覚ます。
「ここは医務室か?」
夕は周りを見回し、次に自分の右腕を見る。そこには何もついていなかった。
「そっか………ようやく解放されたのか………あぁ体が重い。なにより腹減った~」
近くにあった自分の荷物からスーパージェル状デロドロンドリンクを取りだして飲む。
「ぷぱぁっ。エネルギー充填完了………けど相変わらず微妙な味だ」
「聞いた通り、美味しいわけではないのね」
シャマルが入ってくる。
「おはようござます。それと治療ありがとうございます」
「どういたしまして、と言っても私は栄養剤入りの点滴をつけたくらいしかしてないのよね。本当にすごいわね、あなたの体の回復力は。常人なら数日は起きないはずなのよ?」
「それが武器ですから………それであの後、どうなったですか?」
時計を見ると夜の11時を示していた
「あなたが意識を失った後、剣君に移動しようとしたロストロギアをフェイトちゃんが封印したわ。剣君もすぐに意識を失って医務室に運ばれたわ」
シャマルが仕切りを開けると剣が眠っていた。
「剣君は最低でも丸一日は眠り続けるわね。なのはちゃん達はクロノ君が家に帰らせたわ」
「そうですか。それで俺はどうすればいいですか?」
「医者としてはもう少し休んでほしいところね。でも、あなたは普通とは違うから、判断はあなたに任せるわ」
「そうですか………先生に悪いですが帰ろう思います。遅くなりすぎると親に心配かけますから」
「わかったわ。クロノ君に伝えてくるからあなたは帰る用意をしておいて」
「了解です」
そのあと、クロノ提督の許可が下りて俺は転送ポートの前に来ている。
「先生、起きたら剣に伝えておいてください。俺を倒してくれてありがとう。ようやく解放されたって」
「ええ、伝えておくわ」
「それでは失礼します」
夕は転移していった。
俺はようやくロストロギアから解放され、もとの生活を取り戻すことに成功する。普通の学生ライフを送り、普通に生きていく。それを目標だ。
「また来たのか…何のようだ?」
「友達の君に会いにきたに決まってるじゃないか」
「俺はあんたとそこまで仲良くなった覚えはないんだがなぁ神谷」
「僕としては拳を交えた大切な同胞だと思っている」
ちっ、このイケメンは本気でそう思っているから質が悪い。来るなって言っても来そうだな。
「ならばこれを完食してみよ!」
剣の前に真っ赤で見かけからしてまともな辛さではなさそうなカレーが置かれる。
「こっこれは辛そうだね」
「これを完食した暁にはお前を友人として認め、何時でも我が家にくることを許可しよう」
明らか友人する気がない人間の行動である。
「さあ!(食せるものなら)食せ!」
5分後
「ごちそうさま。辛かったけど美味しかったよ」
なん…だとあれを完食したのか。剣は完食した。全身を汗だくにし、唇は腫れ上がり、手は微かに震えていた。それでもイケメンスマイルは維持している。何がそこまでこいつを頑張らせるんだ。
「はぁ~もう好きにしてくれ。ただし高町逹に家に来てることは言うな。騒がしいのはごめんだからな」
「あはは、わかったよ」
この後、剣は月に6回程の割合で夕の家に訪れるようになる。 雑談をしにきたり、原作に関する相談をしに来たりと何かあるとすぐにやってくるのだ。
試しに他の男友達はいないのかと聞いてみると、高町達、美少女にいつも囲まれているため男子に睨まれ、男友達ができないらしい(本人曰く、悲しいことに男に飢えているらしい。彼を突き動かしていたのは男性の友人への渇望だったのだ)こいつも苦労しているだなぁと初めて思った夕だった。
高町達はたまにやって来ていたが、適当に相手をしていたら来なくなった。それでもシグナムは模擬戦をしに押し掛けてくるし、フェイトもシグナムから夕と模擬戦をしていると聞いてからくるようになった。体が鈍らないようにするには丁度いいので相手をしている。
原作キャラから完全に逃げることはできないがそれ以外は平凡な日常を送れるようになった。
平凡は人によっては当たり前で人によっては何よりも得難いものである。
空白期 完
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