| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

原作に介入=生 不介入=死 何だ!この世界は!

作者:zinn
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

12話

 
剣が夕の家を訪れてさらに1ヶ月たったが夕は誰にも倒されていなかった。攻撃こそ入るようになったが、夕の異常な力と回復力に阻まれ倒せずにいるのだ。それに加えて夕を何度も戦っているメンバーの戦い方をある程度、理解してきているので剣達の勝利は遠退くばかりだった。

 今日は夕に勝つ対策を考えるため、予定が空いている剣、なのは、フェイト、はやてが集まっている。今回はこの4人に加え、別視点の意見が欲しくてすずかとアリサにもきてもらっている。

「それで、三河に勝つための作戦を考える集まりってわけね」
「うん。アリサちゃん、すずかちゃん。力を貸して」
「お願いや~」
「そんなに頼まなくても力を貸すわよ」
「役に立てるか分からないけど、私も頑張るよ」
「ありがとう。アリサ、すずか」
「用意できたよ」

剣がテレビを持ってきて(管理局に映像を渡さない条件で夕に頼んで記録させてもらった)映像が流される。前回の夕の戦闘の映像である。 映像は一時間程。

「この映像、どっきりとかじゃないわよね?」
「そやったらどんだけ嬉しいか…」
「三河君って本当に人間なのかな?」

アリサやすずかでなくてもそう思うことだろう。それほどに夕は出鱈目なのだ。
その後、他の対戦映像も見たが弱点と呼べるものは見つからなかった。

「異常な身体能力に回復力……化け物ね」
「本人曰く強化人間だそうだよ」
「それに加えて、様々武術も使いこなしているから動きに無駄がないし…唯一の弱点は強力な遠距離攻撃を持たないことくらいかな?」
「遠距離というとなのはね」
「うん。だけど砲撃を使おうと魔力をチャージするとその隙を突かれて倒されちゃうんだ」
「あのスーパーボールやノッキングガンも厄介だよね。あれのおかげで私逹も何度も痛い目にあったし」フェイト
「体力切れで動きを鈍らせるのはどう?」
「あの異常な回復力があるからね難しいと思うよ」剣

その後も攻略法は発見されなかった。

「あ~あのゲテモノ好きめ~!どんだけ出鱈目なんや」
「ゲテモノ?」
「何の話?はやて?」

ゲテモノ好きに反応するすずかとフェイト。

「三河は毎回、水筒持ち込んどるやろ?」
「そういえばそうだね」
「気になって前回の対戦日に三河に少し飲ませて欲しいって頼んだんや。自分の分が減るって断られたんやけど。無断で飲んでみたんや…ってみんなそんな冷たい目で見んといて!」

 無断で飲んだの部分で剣逹の目線が冷たくなっていたのだ。

「もういいわ。それでその飲みものがまずかったのね」
「…はい」
「三河が下手物好きなのはわかったけど意味はなさそう「まってアリサちゃん」どうしたのすずか?何か気になるの?」
「うん。だからちょっと調べたいことがあるんだ。時間をもらっていい?」
 すずかの調べたいこととはいったい?


 対戦会議の次の日。
夕はすずかの家にいた。

「どうして俺は月村の家でお茶しているんだ?」
「私が連れてきたからだよ」

ことの起こりは30分前、夕が学校の帰り道を歩いていると目の前に車が止まり、中からすずかが出てきたのだ。状況についていけずに呆然としていた夕をすずかは車に入れて自宅に連れてきたのだ。

「それて月村はなんで俺を連れてきたんだ?俺とあんたはほとんど面識が無かったはずだが?」
「なのはちゃんが三河君に勝つのに手伝いをしようと思って」
「なるほどな。それでどうやって手伝うつもりだ?」
「三河君を観察することにしたんだよ」

 魅力的な笑顔ですずかは笑う。勘違いしてしまいそうだ。しかし、夕はすずかが自分に好意をもっていないのは百も承知なので何も感じない。

「観察ね~…月村一人なのは意外だな。それならバニングスも来そうなものだが」
「なのはちゃん逹に聞いた三河君の性格だとアリサちゃんとは相性悪そうだから」
「言えてるな」

 感情の起伏が激しいアリサと常に淡々としている夕ではアリサがすぐに怒りだして会話にならない。

「それで俺は何をすればいいんだ?」
「今日1日、私に付き合ってくれればいいよ。だめかな?」
「それはここに連れてくる前に聞いてくれ…まぁ今日は暇だからいい」
「それじゃあよろしくね」

 その後、夕はすずかにつれられて町を回ったりしてた。服屋にも連れていかれ、服を選びも手伝わさせられた(剣に選んで貰えといったが他の異性の意見が聞きたいとのことで押しきられた)

そして現在は月村家で夕食を食べていた。

「うまいな」
「よかった。後でファリンにも言ってあげて。頑張って作っていたから」
「了解。それで俺の弱点は見つかったのか?」
「予想の段階だけど見つけたよ」
「そりゃよかった。次の模擬戦が楽しみだ」

そんな話をしていると次の料理が運ばれてくる。

「お待たせしました。ファリン特製○○で~す」
「なん…だこれ?」

次に出てきた料理は下手物と呼ばれそうな見かけだった。

「はやてちゃんから三沢君が下手物好きだって聞いたからファリンにお願いして作ってもらったの」
「(あのエセ関西人。出鱈目な情報流したな)そうか…ありがとう」

夕は僅かに顔をひきつらせるがすぐに食べ始めた。すずかは表情の変化に気づいて

「やっぱり三河君はゲテモノが好きってわけじゃないんだね」
「八神が大げさにいっただけだ」
「そっか、それじゃあ試合の合間に飲んでる飲み物って三河君のオリジナルドリンクなの?」
「いや、市販のドリンクだ」
「美味しいの?」
「微妙だな。あれは俺を異世界で鍛えてくれた人が進めてくれたドリンクなんだ。こっちにも同じものがあったときはさすがに驚いたよ」
「なんて名前の商品?」
「○○○○だ」
「すっすごい名前だね」
「俺もそう思う」

その後、夕は(見かけ悪いが)美味しい料理を完食して帰っていった。

「あっなのはちゃん。うん。今、三河君が帰ったよ。たぶんだけど三河君の弱点は  だと思うんだ今度試して見て。どういたしまして。うん。お休み」


次の対戦日、今日はいつもと対戦の面子が違う。最後に剣がくるのは同じだが。先鋒はザフィーラ、次鋒にはなのはがでる。この二人との対戦回数は少ない。ザフィーラに至っては一度しか対戦したことがないのだ。
 因みに対戦回数が多いのは1位シグナム、2位フェイト、3位剣である。
1位2位がいるのに参加しない。何かを狙っていると見てまず間違いない。

「盾の守護獣、参る!」
「よろしくお願いします」

 先手は夕、ザフィーラに接近し破壊の拳を突き出す。ザフィーラはこれを完全に流して見せる。その後も夕が攻撃してザフィーラが受け流す状況が続く。ただし攻防のスピードはつり上がってきている。

「さすがはベルカの時代を戦い抜いた守護獣だ。こうも拳を流されると自信を無くしそうだ」
「心にもないことを言うな。まだまだ余裕だと顔に書いてあるぞ」
「ククッそうだな。だが前に戦ったときより俺のスピードについてこれてるな」

 前回の対戦ではザフィーラの対応できないスピードの攻撃で下したのだ。

「テスタロッサに鍛練の相手をしてもらっていただけだ」
「なるほど、ならこちらも技を使わせてもらう。乱脚 巨牙!」


横に広い巨大な空気の固まりザフィーラに向かって放たれる。受け流すことは不可能な攻撃だ。

「盾の守護獣を侮るな。この程度耐えて見せる!」

 常人なら壁に叩きつけられ、骨が砕けそうな一撃を防御シールドとおのが肉体で防ぎきる。
「次はこれだ」

夕は再度、接近し拳を繰り出す。拳のスピードは先程より僅かに遅い。ザフィーラなら避けるられる一撃である。 しかし先程の乱脚 巨牙により足に僅かにダメージがあるザフィーラはこれを受け流すことを選ぶ。拳は上手く流せた…はずだった。

「これは!?」
「考え事してる場合かぁ!」
 夕は特殊な乱打で放つ。避けられないザフィーラはこれを受けるしかない。10発ほど受けるとザフィーラの両の腕がだらりと下がる。
「くっ力が!」
「終りだ!」

 腕が垂れ下がったザフィーラでは夕の攻撃を防ぎきれず10分後、彼は倒される。10分もったのもザフィーラであったからだ。他の面子では3分持たなかっただろう。夕のやったことは拳の一撃一撃を振動波に変えてザフィーラの腕に叩き込んだのだ。伝わった振動によりザフィーラの腕はしびれて力が入らなくなり垂れ下がったのだ。

 試合が終了するとすぐになのはが夕の前に立つ

「次は私だよ。三河君」
普段なら意識のないザフィーラを運び、休憩を挟んでから次の試合が始まる。だが今回はザフィーラは運ばれていったが休憩を挟まず、すぐに次の試合が開始される。

「アクセルシューター!」

なのははいつもと同じように魔力弾を放ってくる。しかし、その数はいつも倍以上。なのはの実力も上昇しているのだ。

 夕は無数の魔力弾を回避したり、乱脚をぶつけては相殺したりと激しく動く。「面倒な。乱脚 巨牙!」ザフィーラ戦でも使った。巨大な乱脚で夕となのはの間にある魔力弾を吹き飛ばす。そのまま近接戦闘でなのはに勝利する。

だがここで夕の体にある異常が表れる。今まで一度も疲労を見せなかった夕の呼吸が僅かに乱れ、額から汗が流れる。

「三河、悪いけどこのまま続けさせてもらうよ」
「わかってる。このまま続ける」

剣と夕、本日最後の対戦が始まる。
 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧