ロザリオとバンパイア 時空の狭間で
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第8話 話しあい
車が出てからどれぐらい経っただろうか
ミナトや姉、妹にもらったプレゼントの中私は泣きじゃくっていた
「美優姉さん……心愛……刈愛姉さん……亞愛姉さん……ミナト……お父さん、お母さん……」
「おかぁざん…… 止めて!」
咄嗟に私は運転手にさけんだ
「あれ?…ミナトからもらった指輪… 何処かで落としたんだ…
せっかくくれた指輪…無くすもんか…探さないと…」
館で無くしたのはわかっていた
あの時母さんと話したときに出て行った拍子に…
「あっ、いけませんお嬢様! モカお嬢様っ!」
運転手の声を振り切り車から降りて走り出す。脳裏には母さんと交わした最後の会話が繰り返されていた。
「モカ、あなたにはでていってもらうわ」
「いまやだよ…お母さん… 今まで1度も離れたことないのに!」
溢れ出る涙 それでも私は走った 何度つまづいても
「やっぱり、お別れだなんて嫌だよ……おかぁさん……!みんな!…!」
あの笑顔を 皆な笑顔を見たくての一心だった
両者が構え数分が経つがまだ動きはない
いまでてもいいだろうけど、様子を伺うか
ヤバイとなれば身体が勝手に動く 写輪眼でもだしとくか…
そして先手を取ったのは亞愛だった
手刀を構え、以前組手を組んだ時よりも速いスピードで
アカーシャの首めがけてしかける
まるで忍だな ふと思った
だがアカーシャは身体を捻りなんなくかわす
あの手刀が通路にあった鎧を両断した
あれは… あのときの… なんとか見切れたが、あれは時空間忍術と同じ原理か?
体術と時空間、 コピーは難しくないな
アカーシャは呆然として亞愛をみつめた
「あなた… それは…」
「私だってなにも無策で挑んだわけじゃないわ。確かな確勝があるから、こうしてアカーシャさんの前に立っているの」
手を横にスライドすると、鎧は何の抵抗も見せずに切断されていく。まるで、熱した刃でバターを切るかのようだ。
「これは結界術の応用で自分の存在する『次元』をずらし、あらゆる物体を透過するように破壊する秘術――崩月次元刀。三大冥王の一人、東方不敗が使った史上最強の刃」
やはりな… 俺の目でもたいていの術はコピーできる
俺がこの目が無きゃ、対処は難しいな、 雷遁でも少々
あれはきついからな
「……末恐ろしい子。あの人にしか使えないとされていた次元刀をその歳で身に付けるだなんて」
「私は幼い頃から中国の苗家に身を寄せていた。そこで殺し屋として大勢の敵を葬りながら、日々東方不敗の術を研究していたの。すべては貴女を倒し、真祖の力を得るために……!」
再び手刀を構えた亞愛が突貫し、腕を振るう。間一髪上体を逸らすことで回避するが、掠めたのか胸部が浅く切り裂さかれた。
「くっ」
後方に宙返りして間合いを遠ざけるが、視線の先には亞愛の姿はない。
いつの間にか背後に回り込んでいた亞愛はその首に手刀を叩き込む。慌てて頭を下げて躱すが、またもや薄く首筋を切り裂かれた。
跳躍して距離を取るお袋。その上空で、腕を交差させた亞愛は溜め(・・)に入っていた。
――こいつはヤバイ!
「百刃繚乱!」
振るった両腕から真空の刃が放たれる。廊下の陰の隅に張りついていた俺は慌てて壁を蹴ってアカーシャの元に跳んだ。
轟音とともにホールの一帯が破壊され、衝撃で窓ガラスが割れる。亞愛はこちらを鋭い目で睨んでいた。
「あなた……」
俺はアカーシャを抱えて亞愛に振り向きゆっくりと下ろす
「ん~、どうして兄様(ミナト)がここにいるのかな?」
埃を払い俺は口をひらく
「別に立ち聞きは趣味じゃないが、あんな話しされて、継母といえど、刃をむけるとは
俺もだまっちゃいられない 暗部として」
肩を竦める俺に亞愛がさらに目を細めた。
「ということは…」
「察しの通りだよ」
俺は手甲をつけ、額当てをつけ、火影の纏いを羽織った
どこから出したんだ?ってツッコミたくなる2人笑
「その姿はミナトが任務の時に着る」
「あや~、これは流石に予想外ね。『暗殺者』とも言われ、忍の兄様(ミナト)をもう少し警戒するべきだったわね。……知られちゃったことだし、ミナトには悪いけどここでアカーシャさんと一緒に死んでもらうわ」
「――! 待ちなさい! 私はともかく、ミナトを巻き込まないで!」
「それは無理よ。私の正体も知ってしまったんだし、ここで殺すしかないわ」
「アカーシャ… こうなることを知って一茶さんは俺に任務たくした
裏切り者をなくすために 殺しはしないさ…」
「ふふっ ミナトは優しいんだね だけどあなたはここで死んでもらうわ」
「あなたの兄でもあり守ってくれていたひとなのよ?」
「でも人間よ。さっき言ったでしょ? 人間は嫌いだって」
俺を冷たい目で睨んできた 確かにその目からは人間に対しての怨みや憎しみが伝わってくる
「嫌いか… 嫌なことがあれば仕方ないな だけど君が組手をしていたときの目はそんな目じゃなかった
生き生きとな、だが今は死んでるな」
「…亞愛、あなたは自分で思っている程、冷徹な娘じゃないわ。あなたのほどの腕前とその次元刀があれば、私に今以上のダメージを与えられたはず。母親の私には分かるわ」
「な?傷が治癒っていく?」
肩口と胸部の傷を修復するお袋。その回復速度は普通のバンパイアと比べて異常な高さだ。
「辛かったら止めてもいいのよ、亞愛……」
一瞬、苦しそうに顔を歪ませる亞愛。しかし、次の瞬間には無表情を張りつけた。氷のような雰囲気を漂わせて。
「――もうじゃれ合いはここまでにしましょう。アカーシャさんとともに死になさい!」
手刀を構えた亜愛が地を這うように駆ける。時空間でアカーシャのもとへ回り込み、アカーシャを抱えて跳躍した。
下段から振り抜かれた手刀が床を易々と切り裂く。やはり、あの次元刀とやらが厄介だな。
間合いが切れたところに着地すると俺は質問した
「あれは、妖怪特有のなんかの技?」
「ええ。 妖術よ 。もうわかってると思うけどあれは厄介よ」
「じゃあ、あれを使うかな…」
「ミナト?」
「喧嘩にしちゃ行き過ぎてるからね それにまだ誰も死ぬとこじゃないから 離れててね」
「もうお話しはいいの?」
「ああ。」
(さっきと目が違う?三つの巴文から刃のように…)
「どうせ死ぬんだもの 少しくらい待ってもいいわ」
「あいにくここでは死者は出さない予定なんだ 後で話し合いだ」
「家族でもないあなたと?」
「確かに家族ではないが、友として話したい」
「友ね… 嬉しいけど あなたは人間 少しかわったね」
たしかに俺は人間だ この世界の人間とはかけ離れているが
「さて、久しぶりに修業をしてやる 九尾まではつかわないが、忍をなめるな?」
「……後悔させてあげる」
先に動いたのは亞愛だ 次元刀を構え振りかざす
「ふっ」
俺はなんなくかわす
先程よりも鋭い駆け出し。瞬く間に懐に入り込んだ亜愛は低姿勢から延び上がりながら首に抜き手を放ってくる。
首を傾けて回避した俺は転身しながら重心を落とし、足払いをかける。
「百刃繚乱!」
斬撃がミナトを直撃する
「な?すり抜けた?」
「さっきみたよ 次元をずらす術 俺の時空間も同じよいにすれば…」
「厄介な術ね それもその目のおかげ?」
「するどいなあ 正解だ それとあともう一つ…」
「?」
「みたものの術を自分の物としてもあつかえる こんな風に」
そういうとミナトは百刃繚乱を亞愛にむけた
「くっ! 私と同じ威力!」
「次の対応が全くだめだな」
組手を繰り出す
蹴り、突きが亞愛を襲う
が、彼女の戦法でもある中国拳法で対峙している
その言葉に反応したか、さらにスピードがはやくなった
さっきより早いな… 油断するとヤられるな…
そして見えない角度から刃が振り下ろされる
しまった…
「もらった」
次に戦慄が走るのは亞愛だ
完全に捉えたはずがいない
とおもったらわたしの手は抑えられ首にはクナイが突きたてられていた
「いまのはやばかったな 」
「な? どうしてそこに?」
私はすぐに振りほどき間合いを、切った
「なにを、したの……?」
「時空間忍術、飛来針の術、組手のときにきみの右肩にマーキングをした、
俺はそれに跳ぶことができる」
それをきいた亞愛は右肩をみた
「はっ?」
そこにはみたことない文字が印されていた
「まあ飛来針相手じゃ普通は逃げが勝ちだ どうする?」
たしかに速い 見えない相手と同じようだ
悔しそうな亞愛に目を何時もの目にもどしちかづく
そのときだった
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