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ロザリオとバンパイア 時空の狭間で

作者:圭人
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第6話 地下の先祖

娘たちの笑顔みながらの至福のときだった

そのさなか一茶はアカーシャねに小声ではなした

「……君の教育の賜物か、存外仲良く育ったものだ……。少しいいか、アカーシャ。話がある」

「――? ええ」

その瞬間だけ写輪眼を開き、口の動きだけで会話を理解できた


なんだ?話?
少し怪しいが、分身をつかわせるか…

一瞬、迷彩隠れで姿を消し影分身を作り、オリジナルは元にもどり分身は迷惑のまま行動させた

ただの好奇心だが、それ以外にもなにか匂う雰囲気だった

2人が部屋に確認すると時空間で部屋に飛び、天井に張り付いて話しをさぐる

昔偵察任務でしたことがなつかしくおもう

「話というのは他でもない、例の預け先のことだ。先方とはすぐに話がついた、快諾してくれたよ」
もうすぐ別居中の玉露が館に戻ってくる。あいつは何かとお前と萌香を毛嫌いしているからな。動くなら早いほうが良い」
「そうですか、よかった……」

玉露?確か刈愛と心愛の実母だったな…
あの人を見下す目つきは覚えている 人間なんてって目つきだ
娘と大違いだったのが大きな印象にある


「はい、それにあの娘には地下の“アレ”とは関わりのない人生を送ってほしいですから……」

地下の?やっぱり思った通りだ
なにかある




その頃モカと亞愛

「なあ姉さん、ここって母さんから絶対に近づくなって言われていた場所じゃあ……」
「なに、怖いの萌香?」


 姉さんがもう一つプレゼントをくれるというからついて来てみれば、向かった先は地下の【開かずの扉】だった。ここは厳重に施錠されており、母さんと美優姉さんから決して近づくなと厳命されていた場所だ。

姉さんはあっさり鍵をバラバラに破壊して扉を開けると、ランタンを片手に先に進んでしまう。私は置いて行かれないように後に続いた


 螺旋状の石畳の階段を下りながら姉さんが唐突に口を開く。灯りは姉さんのランタンだけなので周囲は薄暗く、どことなく嫌な空気が肌を刺激していた。

「モカは真祖って知ってる?」

「ああ……諸説は色々あるが、私たちバンパイアの祖先の事だろ? その力を引き継ぐものを真祖というらしいが……」

「そう。でも引き継ぐといっても遺伝じゃない。血液を媒介にしてのみの継承……即ち、真祖の血を吸い尽くして始めて、次の真祖に成ることができるの、血を摂取するほかに
覚醒する人もいるそうだけどこれもあまりしられてないわ」



「な、なんで今ここでその話を?」

「……じゃあ、こういうのは知っている? かつてとある真祖がたった一人で人間を滅ぼそうとした。真祖はその身に数多の妖を取りこみ強大な力を手にした。その攻撃はたったの七日で大陸を火の海にしたという」


「だから、その話が一体――」


「彼はやがて倒されちゃうんだけど、その骸がもし、朱染家のこの地下に眠っているとしたら?」


 なにを言っているのか一瞬分からなかった。大陸を火の海に沈めた魔物が、この家の地下にいるだと!? そんな――、

「その話を聞いて私も半信半疑だったけど、これを目にして考えが変わったわ」

 階段を下り先に続く長い廊下を歩くと、開けた空間に出た。そして、そこに鎮座するモノを見てしまう。

「じ……じゃあ、これがその――」

そう。真祖アルカード。最古のバンパイアの一人と呼ばれた男のなれの果てよ」


 そこにいたのは強大な怪物だった。見上げるような巨体はヒトの身体ではなく、まるで映画に出てくるエイリアンのような身体をしている。


 姉さんは振り返ると、嬉しそうに手を広げた。


「見てよモカすごいでしょ! 彼はもう死んでいるけど、死んでもなお際立つこの荘厳さ! 真祖は強さも能力も普通のバンパイアを遥かに凌駕する。私はどんな手を使っても、あらゆる手段を使ってでもこの力を手にしたいの」


「ね、姉さんはこんなものを手にいれて、何がしたいんだ……」


 震える唇から紡いだ言葉に姉さんはただ一言こういった。


「――世界」



 気が付けば自室にいた。どうやら無意識のうちに部屋に戻っていたようだ。

 姉さんがなにを考えて世界などと言ったのかは分からない。そう、分からないんだ。

 姉妹なのにまるで姉さんのことが分からなかった。世界を手にして一体何をするのだろうか。

「モカ!」
扉を開け放ってお母さんと美優姉さんがやって来た。その顔は焦燥感に満ちており、普段のお母さんが浮かべている表情とは一線を画している。


「お、お母さん? どうしたんだ、そんな血相を変えて――」


 ――パン!


 ジンジンと熱を帯びる頬。お母さんと姉さんの目から涙が伝うのを見て、初めて叩かれたのだと気が付いた。


 あまりの出来事に呆然としているとお母さんが私の両肩を掴み捲し立てる。
横で同じ様に姉さんも立っていた
「見たのね? 地下の… 地下のアレを…」
姉さんがなきながら問いかけてきた
 「なんてことをしてくれたのあなたはッ! あれは……あれはッ!!」

お母さんは急に私の肩から手を離すと、戸棚から服を物色し始めた。手当たり次第に鞄に詰めていく。

姉さんは立ちつくしたままだった

「お、お母さん!? どうしたの? どうして急に私の荷物をまとめるの!?」

「見ての通りよモカ」
「あなたには明日一番でこの館を出て行ってもらうわ」

姉さんと母さんが私が出て行くと なんで?
「じ、冗談でしょ……。なんで私が家を出なくちゃいけないの? 私が地下のあれを見たから!? 言いつけを破ったから!?
 「違うわ。……このことは前から一茶さんと相談して決めていたことなの。すでに預け先も決めてあるわ」

どうして……お母さんと姉さんは私が嫌いなの……? 私が邪魔だから、そんなこと言うの……?」

お母さんはなにもいわずわたしの首からかかるロザリオに手を伸ばした

「美優からあなたに送った護りのロザリオ、これに私の妖力をいれればあなたの力になるばすよ」

でも、これだけは信じて。私はあなたを一度も嫌ったことも邪魔だとも思ったことは無いわ。私はあなたに普通の女の子として幸せになって欲しい……。だから、今はお別れをするしかのないの。いつか全部を話せる日が来るまで、今は何も聞かないで」


 そう言って私の手を握るお母さん。


 信じたかった。だけど、姉さんのことや地下の真祖のこと、さらにはお母さんに家を出るように言われたことで、私の頭はすでに一杯一杯だった。


 ――だから、私はお母さんの手を振りほどいてしまった。

「モカ!」

私は居てもたってもいられなくなり、部屋からとびだした
「待ちなさいモカ!」

姉さんと母さんが追いかける声がした
でも…
正直わからなかった私は 姉さんと母さんのホントの思いが 
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