ロザリオとバンパイア 時空の狭間で
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第5話 誕生日
あれからミナトは暗部として活動していた
敷地内の侵入者の排除と五人姉妹の身辺警護
はたまた姉妹たちと組手をするときも時折あった
「また負けたー どうして兄様はそんなにつよいの?ちょっとは手加減してよー」
「攻撃が単純すぎるよ 心愛、 本気なら何回も心愛はしんでるよ」
むむっと香り膨らます心愛
いつからか、一番歳上なせいか、皆兄様や兄さん呼ばわりである
正式に家族になった覚えがないがまあ悪くない
「次は私ね」
亞愛がかかってくる
「なかなかいい攻撃だよ だがこれなら?」
腕を掴み宙へ放り投げ空中で捕獲し一緒に降下する
表蓮華のように
そして仰向けにたおれた亞愛の顔の横にクナイを刺した
「まだまだ詰めがあまいね 亞愛」
「また負けちゃったー 強いな兄さんは 」
「じゃあ次は」
「おっと今日はこれまで これから任務(人間界)下界にいかなきゃならないんだ 悪いなモカ、
また明日だ」
「ええー 兄さん!」
「明日絶対相手してやるから」
そういわれると膨れ面をつくりながらも納得したモカだった
屋敷に戻りシャワーを浴びてスーツにきがえる
屋敷内では木の葉服にベスト、サンダルだが、さすがにこの格好では下界では目立つ
(モカにはあんなこといったがプレゼントなににしようか…)
ついこないだモカをのぞいた四人が誕生日プレゼントについてはなしているのを聞きちゃっかり日付まで聞いたミナト
そして時間が過ぎモカの誕生日パーティー
時刻は二十時。食堂では数多くのヒトたちが集まり、モカの誕生日を祝っていた。
「Happy birthday to you~♪ Happy birthday dear MOKA~♪」
「モカちゃん、十歳の誕生日おめでとう~!」
刈愛の声に合わせ盛大な拍手が鳴り響く。モカは照れ笑いを浮かべていた。
そういって刈愛が取り出したのは一抱えする程の大きさを持つ、お手製のヌイグルミだ。
動物――と思わしき造型をしているが、何の動物なのか分からない。熊にも仮想キャラクターにも見える。
「わぁ~い! 手作りくまさんだぁ!」
「一応、ウサギさんなんだけど……」
刈愛の次は心愛の番だ。ラッピングされた箱を目の前のテーブルにドンッ、と置く
「刈愛姉さまって以外と不器用なのよね~。あたしはもっと可愛いものよ!」
「ははっ、いつも喧嘩してる心愛からのプレゼントだなんて、なんだか照れるな」
包装を解き蓋を開けてみると、中から現れたのは愛らしい顔をした一匹の蝙蝠だった。
「あたしが捕まえたバケバケコウモリのこーちゃんよ! 特技は武器に変身すること。萌香お姉さまの式神にどうぞ!」
ハイテンションの心愛に合わせ西洋剣に変身する蝙蝠のこーちゃん。頭は良いらしいが?
「お、重――ッ!」
「そうそう。欠点は体重が百キロあることよ。ご飯よく食べるの」
試しにモカが持ってみると、あまりの重さにガクッと剣を取り落としそうになった。
バンパイアは力の大妖と呼ばれる種 されど100キロの重さではこどもでも
かなり負荷がある
心愛は例外としてw
「あ、ありがたいけど、遠慮しとくよ。こいつは私より怪力のお前向きだし、もうお前に懐いているようだしな」
声にならないショックを受けた心愛は体育座りをして落ち込む刈愛の隣に同じく座りこむ。ここだけ負のオーラに満ちているな……。モカもフォローする俺の身にもなって欲しい
「次はわたしー♪ 母さんと作った守りのロザリオ♪」
美優とモカは双子だが、日付の時間の都合で昨日は美優、今日はモカの誕生日だ
昨日も盛大にパーティーがありモカからもらったロザリオをつけている
モカのよりはちいさいがこれも護りのロザリオだ
「わあ♪ かわいい♪ ありがとう美優姉さん 、ロザリオだからお揃いだね♪」
モカは笑顔でロザリオをつけた
「ん~、じゃあ私のは気に入ってくれるかな~?」
じゃーん、と取り出したのは一着の深紅のドレスだ。思わず見惚れる萌香はさっそく試着する。
「萌香ちゃん素敵!」
「お姉さま、きれー……」
「モカ♪かわいい♪」
「可??! とってもよく似合っているよモカ!」
モカのドレス姿に見惚れる姉妹。確かに深紅のドレスがロザリオと、そしてモカの銀髪とよくマッチしており、本人の愛らしさを前面に押し出している。
「どう……かな、ミナト?」
なんの捻りもない言葉。しかし、そんな言葉にモカは嬉しそうに微笑んだ。再び胸の奥の何かをかき立てられる。
おっと俺もプレゼントを
「最後に俺だな。俺からのプレゼントはこれだ」
懐からラッピングされたケースを取り出す。ワクワクした顔で受け取った萌香は早速、包装を解いた。
「これは…指輪?」
中に入っているのは銀色の指輪に鎖を通したものだ。
「Por Tous Jours (ずっと / フランス語)と表にほられてあり、裏には
時空間クナイと同じ術式がしるされてある
ずっと護って行くという意味をこめて まあロザリオと被っちゃったけど、
大きくなったら指にはめたらいいよ サイズはすぐにかえれるから」
モカは愛おしそうに指輪を撫でた。
「ありがとう、兄さん、みんな……。とっても嬉しいよ、ありがとう……」
心の底から嬉しそうに微笑むモカの双眸には涙が溢れていた。亞愛たちが萌香に抱きつき頭を撫でる。
モカにとっては忘れられない誕生日だった
だがこの指輪と、ひきかえに親しく思う人があんなことになるとはと
思いもしない ただ今は
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