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天使舞う、この世界

作者:金猫
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NO.11 レーティングゲーム

 
前書き
色々と忙しく遅くなりました。 

 
どうも、段々と新勢力になりつつある家族の一員のレイナーレです。ヒエラルキートップを自負しております。
外見的には長女、黒歌。二女、レイナーレ。三女、ルフェイちゃん。末っ子オーフィスって感じですね。

「白音を傷つけたら殺す・・・・・・っ!」

いきなり物騒ですいません。このバカ姉はシスコンにもほどがあります。


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レーティングゲーム会場、レプリカ駒王学園。
天翼(マルアク)』でも数十分かかる。かなり遠かった!

「さてと、仙術仙術」

「にゃ」

俺と黒歌は仙術で完全に気配を周りと同化させる。これでよほど感知に長けている者がいない限りわからないはずだ。

「今回のレーティングゲームは魔王の妹の初陣みたいね。『超越者』兼『紅髪の魔王《クリムゾン・サタン》』のサーゼクス・ルシファーもいるわ。となると、『銀髪の殲滅女王(クイーンオブディバウア)』のグレイフィア・ルキフグスもいるから、介入しないでね?死ぬわよ」

「その時は当てにしてるにゃ。オーフィスのところに逃げ帰ればこっちのもんにゃ」

確かにそうだけど、逃げ切れると思ってるの?俺だけなら行けると思うけど。

「あのね、そんなことしたら三大勢力とテロリストから一気に狙われるわよ。オーフィスのところに行くのはあくまで最終手段。追っ手は自分でまきなさい」

「はぁ、わかったにゃ。流石に狙われる理由を増やしたくないにゃ」

本当に大丈夫かな?

「さてと、漸く始まるみたいね」

仙術で気配に敏感になったため、レプリカ駒王学園の二ヶ所に悪魔の反応が現れたのがわかった。十六人の集団と、六人の集団。
焼き鳥ことライザー・フェニックス眷属と魔王の妹、リアス・グレモリー眷属。

「これって初めから勝負が決まっているようなものじゃにゃいかにゃ?ただでさえ『(キング)』の実力で劣っているのに、人数差がありすぎにゃ」

確かにな。実際、原作では負けたからな。ただーー

「奇跡が起きるかも知れないわよ?」

なんせ、『形を成した奇跡』があるんだからな。
さてと、見物だな。


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試合が始まってすぐ、両者に動きがあった。
リアス・グレモリー陣営は、『女王(クイーン)』の姫島朱乃が自分の陣地の森に霧と幻術をかけ、『騎士(ナイト)』の木場祐斗と『戦車(ルーク)』の塔城子猫(白音)がトラップを仕掛けはじめた。

「あの霧、大したことないにゃ。精々方向感覚を乱す程度にしか使えないにゃ」

「あのね、それはわかるけどもう少しオブラートに言いなさいよ」

辛口やなぁ。仙術も使える黒歌と比べたらただの霧なぞ価値はないだろ。でもさ、お前一応最上級悪魔並の力は持ってるんだぞ?この前三秒程だがTHE・WORLDが使えたらしいじゃねぇか。俺よりよっぽどチートだよ。

「白音~!頑張れ~!」

「ちょっと声量を落としなさい」

いや、あっちには聞こえてないのだが。それでも、なんか届きそうで怖い。何より、近くで聞いている俺の耳が痛い。

「何故!?なんで白音の可愛さがわからないの!?」

「それと声量は関係ないわよね!?」

まあ、それはさておきライザー・フェニックス陣営。
こちらは体育館に『兵士(ポーン)』三人と『戦車(ルーク)』を一人、運動場に『兵士(ポーン)』三人、『戦車(ルーク)』、『騎士(ナイト)』、『僧侶(ビショップ)』を投入してきた。『女王(クイーン)』は遊撃みたいだ。

「焼き鳥は随分と余裕ね。眷属の質はグレモリーが勝っているのに(トラップ)の一つもないなんて」

「その代わり、あっちには『フェニックスの涙』があるにゃ。それに、『(キング)』が不死身だから余裕なんでしょ?」

まあ、原作通りということか。違うのは、イッセーがすでに聖水を用意しているところだ。意外だな。

「さて、どうなるかしらね?」

「とりあえず、白音をリタイアさせた奴は八つ裂きにするにゃ」

「シスコンにもほどがあるわよ!」

「冗談にゃ。一厘は」

「それって九割九分九厘本気じゃない!?」

99,9%本気だった。とりあえず、ユーベルーナさんに神の、じゃなくて魔王の加護があらんことを。一応言っておくが、堕ちないよ。

「漸く動き始めたみたいにゃ」

祈っている最中に黒歌がそう言ったので、会場に視線を戻す。イッセー、白音は体育館に向かい、木場は単独で運動場に向かう。よく見ると、三人を霊力が覆っている。『破軍歌姫(ガブリエル)』の『行進曲(マーチ)』か?使えるようになったんだ。心なしか、動きが速い感じがする。
アーシアが万能サポート型になっている。『聖母の微笑み《トワイライト・ヒーリング》』よりも応用がかなり利くからな。判別できなければ諸刃の剣となるが。

「『天使』を順調に使いこなせ始めてるわね」

「でも、レイナーレの方が上手いにゃ。勘だけど」

それは当たり前だ。俺は『絶滅天使(メタトロン)』を何年も使ってるし、何よりアーシアは霊装を顕現できていない。矛しか顕現できていないのだ。盾も顕現できている俺とはかなり差がある。

「白音~!お姉ちゃんがついてるよ~!頑張れ~!」

体育館で戦闘が開始したらしい。木場は隠れている。流石に六体一は厳しいみたいだ。
イッセーが『赤龍帝の籠手《ブーステッド・ギア》』を起動して焼き鳥の『兵士(ポーン)』三人を一気に相手する。そして、白音は『戦車(ルーク)』同士の戦いに入った。

イッセーは『兵士(ポーン)』三人を一人で捌いている。ブーステッド・ギアの倍加も問題なく進んでいる。
白音は・・・・・・ごり押しだな。同じ『戦車(ルーク)』同士だが、元々白音の方が力が上、さらに『行進曲(マーチ)』のパワーアップもついているから、相手になっていない。

まあ、こんなものか、と思ったら、俺は自分の目を疑った。
白音の中に赤い『Ⅴ』と書かれた結晶が見えた。

霊結晶(セフィラ)

まさか悪魔も宿す可能性があるとはな。番号と色からして『灼爛殲鬼(カマエル)』みたいだな。にしても、前教会で会ったときは見えなかったのにな・・・・・・。相変わらず謎の多い力だ。

そんなことを考えていたら、突然雷が落ちたような轟音が鳴り響いた。レーティングゲーム会場に視線を戻すと、体育館が吹っ飛んでいた。ああ、朱乃が雷で体育館を吹っ飛ばしたところか。
俺は黒歌をいつでも拘束できるように準備する。

「『絶滅天使(メタトロン)』、『光剣(カドゥール)』」

「あ、あの、レイナーレ?なんで『天使』を顕現してるのかにゃ?」

暴走(シスコン)を止めるために決まっているだろう。

そして、その時は来たーーーー

ドォンッッ!

爆発音が響く。辺りに煙が舞い上がる。その煙が上がっている場所にいたのはーー

「白音・・・・・・っ!!」

「待ちなさい!黒歌!救済処置があるから大丈夫よ!」

俺は『光剣(カドゥール)』を展開しながら黒歌を羽交い締めにする。くっ、いつも以上に力が強い!元々黒歌の方が力が強いのに!

「放すにゃ!邪魔をするな!」

「わかるけど!今は落ち着きなさい!」

クソ!やっぱりオーフィスをつれてきた方がよかったか!?

『ふふふ、獲物を狩るとき、獲物が何かを成し遂げた瞬間が一番隙だらけになり狩りやすい。随分と楽に倒せたわ』

ブチッ。

そんな音が聞こえた気がした。その瞬間、黒歌は俺の拘束を振り払い、会場に一直線に向かっていった。

「待ちなさい!黒歌!『光剣(カドゥール)』ッ!『牢獄(プリズン)』ッ!」

光の光線による檻で捕らえようとする。しかし、捕らえる瞬間、黒歌の姿が消えた。
そして、少し先にテレポートしたように移動していた。時間停止か!

まずい!速く止めないと!
そう思って『天翼(マルアク)』を展開しようとした瞬間、黒歌が止まった。
なぜなら、

『・・・・・・残念ながら、まだ負けていません』

その声と共に、煙の中から直径50センチぐらいの岩がユーベルーナに飛んできた。

『なっ!?ガハッ!』

『・・・・・・アーシア先輩のおかげですね』

見事命中して、ユーベルーナは地面に落ちた。
白音はリタイアしていなかった。服が所々爆発の影響で破れているが、それでも立っていた。
どうやら、『行進曲(マーチ)』の強化のおかげで爆発に耐えきれたらしい。そして、隙を見つけ岩を投げつけたみたいだ。

『ッ!今だ!朱乃さん!子猫ちゃん!』

『ええ!』

朱乃の雷が降り注ぐ。流石に先ほど放ったものよりは威力は低いが、それでもダメージは大きい。
しかし、ユーベルーナは懐から小瓶を取り出した。フェニックスの涙だ。それを飲もうとしたが、

『・・・・・・させません』

白音の正確無比な投石が瓶を割った。結果、ほんの少ししか回復できなかった。その事に狼狽するユーベルーナ。

『そこだ!喰らえ!』

そこにイッセーの手が服に触れる。

『弾けろ!「洋服崩壊(ドレスブレイク)」ッ!』

瞬間、洋服がバラバラになってしまった。

「・・・・・・なんて残念な宿主にゃ・・・・・・」

ついさっきまでぶちギレていた黒歌が落ち着きを取り戻していた。落ち着いた理由が洋服崩壊(ドレスブレイク)というのは色々と複雑だが。

『ふふふ、あなたこそ油断しましたわね。これで終わりです!』

隙だらけになったユーベルーナに朱乃の雷が再度降り注ぐ!そしてーー

「ライザー・フェニックス様の『女王(クイーン)』、リタイア」

最強の駒を討ち取った。


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「白音~!よく頑張ったにゃ~!」

黒歌のテンションが最高にハイってやつになっている。

「はいはい、落ち着きなさい」

全く、時間停止を使ってくるとはね。こりゃ止めるのにも一苦労しそうだな。
女王(クイーン)』を討ち取った後、イッセーは運動場に向かっていった。白音は朱乃と一緒にリアスの元に戻っていった。回復してもらうつもりらしい。

「ライザー・フェニックス様の『兵士(ポーン)』三名、リタイア」

さらに木場が『兵士(ポーン)』三人を倒したらしい。
これで焼き鳥の眷属はライザーを入れて八人、リアスの方は全員健在で六人。

「『天使』ってすごいわね・・・・・・」

まさかこんな風になるとは思わなかった。アーシアちゃん大活躍。

ゲームは進んでいく。木場は相手の『騎士(ナイト)』を、イッセーは途中から来た『戦車(ルーク)』とやり合う。
戦車(ルーク)』の(比較的)重い攻撃に耐えながら、倍加を溜めるイッセー。
魔剣創造(ソードバース)』を使い『騎士(ナイト)』の武器を無効化していく木場。

「あ、黒歌、仙術をかけ直しておきなさい。漏れかけてるわよ」

「おっと、いけないにゃ」

さっきぶちギレて仙術が疎かになっていた。まあ、バレなかったみたいだからいいか。

そんなやり取りをしている間に・・・・・・

『「洋服崩壊(ドレスブレイク)」ッ!』

イッセーが洋服崩壊を決め、『戦車(ルーク)』のイザベラを魔力の波動を放った。

「ライザー・フェニックス様の『戦車(ルーク)』一名、リタイア」

こうなってくると「圧倒的じゃないか我が軍は」とか言いたくなるよね。俺TUEEEでも可。

木場が相手に謝っている。イッセーの性欲は死んでも治らない。
運動場にライザーの残りの眷属、『兵士(ポーン)』二人、『僧侶(ビショップ)』、『騎士(ナイト)』が来る。で、なんでかリアスはライザーと一騎討ちをしに行った。バカだ。まあ、朱乃とアーシアがついていっているからまだマシか。ん?白音は?あ、白音は運動場に来ているのか。

そして戦闘が始まる。木場はまだ倒していない『騎士(ナイト)』を、白音はもう一人の『騎士(ナイト)』と『僧侶(ビショップ)』を、イッセーは『兵士(ポーン)』二人を相手にする。残りの眷属は『僧侶(ビショップ)』のレイヴェルが戦わず観戦。

ここに来て人数差が影響してきた。木場は『騎士(ナイト)』のカーラマインを相手するのに精一杯で、白音も『騎士(ナイト)』のシーリスの速度と『僧侶(ビショップ)』の魔法を捌くのに精一杯だ。イッセーは二人の『兵士(ポーン)』のニィとリィにいいように殴られている。全員が劣勢で、お互い助けに入ることができない。そしてレイヴェルは高笑いをする。

「・・・・・・」

なんか静かだな~と思っていたら、黒歌がまたキレかけていた。俺は『牢獄(プリズン)』を速めにかけておいた。今度は逃がさんぞ。

そして、イッセーが膝をつく。しかし、そこで奇跡が起きる!イッセーの神器(セイクリッドギア)、『赤龍帝の籠手《ブーステッド・ギア》』の形状が変わっていた。
イッセーは木場の神器(セイクリッドギア)、『魔剣創造(ソードバース)』に力を『譲渡』する。そして、辺り一面にさまざまな魔剣が生えた。その生えた魔剣に貫かれ、消えていく『兵士(ポーン)』と『僧侶(ビショップ)』、『騎士(ナイト)』。

「ライザー・フェニックス様の『兵士(ポーン)』二名、『騎士(ナイト)』二名、『僧侶(ビショップ)』一名、リタイア」

残るは不死鳥兄妹だけとなった。


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焼き鳥眷属を撃破したイッセー、白音、木場は新校舎の屋上へ向かう。勿論、イッセーはプロモーションで『女王(クイーン)』になっている。
そして屋上へたどり着く。そこでは、フェニックスの不死性に負けてはいるものの、確実に疲弊させていっているリアスと朱乃がいた。因みに、レイヴェルはイッセーに剥くぞと脅され来ていない。

「・・・・・・最初倍以上の差があったのにいつのまにか覆しちゃってるにゃ・・・・・・」

本当に、なにがどうしてこうなった!すげぇよ!これマジで勝てるんじゃね!?

「あ、そうそう。黒歌」

「なんにゃ?」

「白音に『霊結晶(セフィラ)』があったわ」

「・・・・・・拐う?」

「いやいやいやいや、そこまでやらなくていいわよ!」

無理に仲間に加えようとしなくていいよ!

「なんでよ!可愛い妹だし拐う理由ができたからいいでしょ!」

「私情がはいってやがる!」

突っ込みすぎで男口調が出ちまったぜ☆

『「破軍歌姫(ガブリエル)」ッ!「讃美歌(ヒム)」ッ!』

アーシアが『天使』、『破軍歌姫(ガブリエル)』を顕現し、曲を流す。讃美歌(ヒム)。その効力は一体。

『喰らいやがれ!アーシアが作ってくれた聖水を!』
「Transfer!!」

『がああああッ!』

イッセーがライザーに聖水をぶちまける。普通の聖水より効果が高い。わかった。讃美歌(ヒム)の効果は、『聖なる力』の増強だ。しかも譲渡つき。不死身じゃなかったら死んでいるぞ!

『止めよ!ライザー、消し飛びなさい!』

超効力の聖水を浴びたライザーに滅びの魔力、雷、魔剣が放たれる。
しかしそこは不死鳥。辛うじて生き残る。しかも、最後の攻撃で力を使い果たしたリアス、朱乃。
その時、ブーステッド・ギアが輝いた。

「Welsh Dragon Over Booster!!」

最後の最後で奥の手、腕を代償に仮の禁手化(バランスブレイカー)。そしてアーシアから十字架を受けとるイッセー。勿論、讃美歌(ヒム)の効力を受けている。

「とりあえず、ライザー・フェニックスに合掌」

「にゃ」

ドガッ!

「ライザー・フェニックス様がリザインされました」

グレモリーの完全勝利だった。


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さて、またまた後日談を始めよう。

「『贋造魔女(ハニエル)』ッ!」

ポンッ

ルフェイちゃんの『贋造魔女(ハニエル)』が廃棄寸前のカーペットを新品同様に変化させた。

「エコね~」

「エコにゃ~」

「ん。エコ」

「いやそこは反応するところじゃないですよね!?」

ルフェイちゃんが順調に『贋造魔女(ハニエル)』を使いこなせるようになってきた。これでリサイクルショップが開けるぜ!相変わらず霊装は顕現できていないが。

「ルフェイ、あなたは今我が家で二番手の稼ぎ手よ!」

「頑張って修行したのに喜ばれる箇所が違います!」

「ルフェイ、レイナーレは使えるものは何でも使うたちにゃ」

うん。そうだけど?斜め上だろうが使えるものは何でも使うぜ?

「さて、これからの方針は・・・・・・どうしよう?」

「また目標がないのかにゃ?まあ、どうせこの町にいるのでしょう?」

ん。そうだな。では、目標はこの町でのんびり平和に暮らしましょう!
そんなのが無理だとはわかってるけどね。


 
 

 
後書き
妹+後々白音モード(火車)になる+怪力幼女+和服が似合う、ぴったりだろう!
レイヴェルという選択肢もありましたが、こっちで。

これにて戦闘校舎のフェニックス終了です。 
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