天使舞う、この世界
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NO.6 教会
前書き
総合評価850突破!ありがとうございます!
これからもよろしくお願いします!
ボンジュール。黒髪三姉妹(?)次女のレイナーレだよ。血も種族も違うけど。
「野良猫ネットワークってどんなことができるの?」
「まあ、情報収集を主に失せ物探し、あとはお金とか酒とか熊とかを拾ってくるにゃ」
黒歌の中ではライオンやチーターも猫らしいです。熊って誰がとってくるんだよ。それと、お酒って盗んでないよな?
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俺たちは今、教会の目立たないところに隠れて、イッセー、木場、白音を見守っている。一応、俺ら異端だしな。
SS級はぐれ悪魔に『無限の龍神《ウロボロス・ドラゴン》』それと神の不在を知っている天使。あれ?俺だけショボい?
まあいいや。今はイッセー達がキチガイ神父。外道と名高いフリード・セルゼンと交戦中。黒歌が介入しそうだ。全力で止めてるけど。
「(白音~!今お姉ちゃんが行くよ~!)」
「(止めなさい!あなた今指名手配中なのよ!?)」
消音結界で音を消して、黒歌を羽交い締めにして止める。落ち着けって!
「おい!アーシアはどこだ!」
「ん~。そこの祭壇の下に地下への隠し階段が隠れてございます。そこから儀式が行われている祭儀場へ行けますぞ」
「(オーフィス、ああいうのがダメな大人よ)」
「(バカ?)」
「(そう、バカよ)」
やっぱりフリードってテイ○ズ・オブ・イノ○ンスのハスタさんに性格そっくり。まあ、どこか憎めないハスタに比べてこいつはクズだが。
「神器ッ!」
イッセーの声に呼応して左腕に赤い籠手が装着される。
「(レイナーレ、やっぱりあれ、ドライグ宿ってる)」
「(ん?どういうことにゃ?)」
「(あれ、神滅具の赤龍帝の籠手《ブーステッド・ギア》みたいなのよ)」
「(随分と残念な宿主にゃ・・・・・・)」
散々な言われようだ。まあ、将来精神が病むくらいだからな。ドライグを労ってくれ。
木場も鞘から剣を抜き、白音は大きい長椅子を持ち上げ、
「・・・・・・潰れて」
フリード目掛けてぶん投げた。黒歌が興奮しているが気にしない。
「わ~お。しゃらくせぇ!」
しかしフリードは飛んでくる長椅子を光の剣で斬り裂いた。
そこに木場が斬りかかる。うん。オーフィスが早すぎて木場が遅く見える。
まあ、そのあとは木場が神器『魔剣創造』の魔剣、光喰剣を使ってフリードの剣を使えなくして、そこに『兵士』の特性のプロモーションを使ってさらに神器で身体能力を底上げしたイッセーの拳が頬をとらえた。簡潔にいうとこんな感じだ。
キチガイ神父はなんか怒り狂って閃光弾使って負け台詞を残して逃げた。別に追わんでもええやろ。俺の、俺たちの目的は別にある。
さて、イッセー達も地下にいったし、俺たちも行くか。
光喰剣、俺の滅光剣とどっちが強いかな?
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地下に行くにつれて堕天使の気配が強くなってきた。一応電気は来ているらしい。一本道だから隠れる場所がないが、そこは黒歌の空間仙術を使っています。
最初は渋ったが、
「白音を見守れないよ?」
って言ったら快く引き受けてくれました。チョロい。
「(奥に堕天使とエクソシストが大勢)」
「(まあ、予想はしてたわ。ありがとう、オーフィス)」
「(ん。撫でる)」
最近オーフィスが可愛い。デレ期ですか?とりあえず頭をナデナデ。おい、目を細めて気持ち良さそうにしないで。目覚めかけるから。
そうしている間に一番奥の扉の前に来る。
前にいるイッセー達が扉を開けようとすると、扉の方が勝手に開き始めた。
「いらっしゃい。悪魔の皆さん」
恐らく首謀者であろう堕天使がやって来た。ショートカットで黒髪の堕天使だ。どっかで見たような気がしたな。
あ、戦争のとき俺に嫌みを言っていた天使の一人だ。堕ちたんだな。
奥の十字架には、アーシアが貼り付けにされている。
「アーシア!」
「イッセーさん!」
感動の再開だったが、その時、アーシアが突然光始めた。神器の摘出の儀式だ。
アーシアを助けようとするイッセー達。
「邪魔はさせんぞ!」
「悪魔どもめ、滅べ!」
しかしそれをエクソシストは邪魔をする。そして、アーシアの体から抜け出た緑色の光を堕天使が掴む。
「これよ、これ!私が長年欲した至高の力!神器!これさえあれば、私は至高の堕天使になれる!私をバカにしてきた連中を見返すことができる!」
ああ、あいつも戦争中の時はヒエラルキーはかなり下位だったのだろう。俺をバカにして自分を保ってたのか?自分は弱い存在じゃないと。で、何らかの理由で『堕ちて』堕天使の組織、『神の子を見張る者《グリゴリ》』に入って、バカにしてきた天使に仕返ししようということか。残念なやつだ。
イッセー達はそれを無視してアーシアの方に向かう。
アーシアはぐったりとしている。神器を抜かれた者は死んでしまう。
イッセーと堕天使が初めてのデートの時のことをいう。
イッセーにとっての初めてのデートは、堕天使にとってはただの遊び。
そんなだから堕ちるんだろ。
イッセーの怒りは、既に限界を超えていた。
「レイナーレェェェェェェェッッ!!」
「アハハハハ!腐ったクソガキが私の素晴らしい名前を勝手に呼ぶんじゃないわよ!」
・・・・・・あいつ、何勝手に人の、じゃなくて天使の名前を名乗ってるんだよ。ふざけんな!
神が与えた名だが、勝手に名を奪われるのは我慢ならん。
「(ねえ、あの堕天使、あなたの名前を名乗ってるわよ?)」
知ってるよ黒歌。俺だって怒ってるんだ。
神に名付けられた名前を奪って楽しいのか?それで自分が至高の存在に、特別な存在になったと思っているのか?
「(レイナーレ、イッセー達、こっち来る)」
そうか、一本道だから、邪魔にならないように上に上がろう。
急いで地上に向かって階段を上る。
そこで俺は一つ思い出した。
ディオドラだ。ディオドラはここであの堕天使を殺してアーシアに駒を与える予定だったんだ。だから、邪魔してやろうと思う。
「(オーフィス、ディオドラ・アスタロトって知ってる?)」
「(知らない)」
まあ、それは仕方ないか。オーフィスが直接蛇を渡したわけじゃないし。
「(なら、この町の中で駒王学園にいた魔王の妹並の魔力を持つ悪魔はどこかにいる?)」
「(それなら、あっちとそっちに)」
二人いるのか。片方はソーナか?
「(じゃあ、男性か女性かわかる)」
「(それなら、あっち)」
オーフィスはとある方向を指した。オーフィスの感知範囲はとんでもなく広い。
「(オーフィス、黒歌、私はその男性悪魔の邪魔をするから、ここは頼むわ)」
「(ん。わかった)」
「(わかったにゃ)」
「(オーフィス、黒歌が暴走しないように押さえてね?)」
それが心配だ。さて、俺は教会を出て、少し伸びをする。そして、自分が持っている『形を成した奇跡』の名を呼ぶ。
「『絶滅天使』」
霊装は顕現しない。俺は夜空へと翼を広げた。
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暗闇に包まれた空を『天翼』を使って高速で飛ぶ。あ、勿論認識阻害とかをかけて一般人には見えないようにしている。目立つんだよな、俺の『天使』。顔とかも隠して、正体をわからなくしてある。
かれこれ三分飛んでいる。と、その時、前方から悪魔の気配が感じられた。
とりあえず、ここで倒すか?イッセーに譲った方がいいかな?
イッセーに譲るか。知らない方がいいかもしれないが、まあ、強くなってくれ。ここでこいつの邪魔はさせないからな。
「『滅光槍』」
かなり遠くにいるが、まあ、届くだろう。
俺は光の槍を作り出し、思いっきり投げた。
滅光槍は空気を唸らせ、前方の悪魔の気配に一直線に飛んでいった。
「なっ!?」
今さらになって気がついた悪魔は、急旋回してなんとか俺の槍を避けた。
「誰だ!?」
いや、俺はお前の近くにいないんだけどね。
悪魔、顔を見たらディオドラだった。うし、ビンゴ。
「貴様は誰だ!」
俺は無言で光の剣、『滅光剣』を右手に作り出す。あまり密度は濃くないが。
「天使か。ならば、死ね!」
そう言ってディオドラは魔方陣から魔力の弾丸を放ってきた。それを俺は光の壁で止める。
光が形を成したこの盾は、そう簡単には壊せない。
さて、どうやって退却させようかねぇ。
「『日輪』」
円環の形状にして、光の粒をばらまく。ただでさえ、破壊能力を持っているのに悪魔の天敵である光。悪魔相手になら無双できそう。
ディオドラは魔力障壁で防いでいるが、数が多すぎる。まだ蛇無しだからな。けっこう弱い。
「図に乗るな!天使が!」
まだ来るか。さっさと退却してくれよ。
「『光剣』、『牢獄』」
無数の光の光線を縦横無尽に張り巡らせ、一歩も動けない光の牢獄を作り出す。ここで俺は初めて声を出す。
「ここで死ぬか、逃げるかどちらか選びなさい。他の選択肢はないわよ」
「・・・・・・今は退こう」
そう、俺は『牢獄』を解く。
「バカめ!」
そう言って俺に特大の魔力弾を放とうとするディオドラ。それ、フラグ。
「『光楯』」
先程の光の楯を何重にもした防壁で防ぐ。大したことないな。
ディオドラは姿を消していた。倒せたらよし。倒せなくても目眩ましにはなったか。
さて、俺は教会に高速で戻った。
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俺が戻ってきて見たものは、倒れている堕天使と、ボロボロながら立っているイッセーだった。問題なく終わったな。
「(ただいま)」
「(ん、お帰り)」
家じゃないけど。それと、
「(なんで黒歌が気絶してるの?)」
「(暴れたから)」
ああ、黒歌。ちょっと我慢を覚えようか。
さてと、こっちの仕事もするか。正体がバレないようには既にしてある。
堕天使が必死に命乞いしているその場に俺は行く。
「・・・・・・私の可愛い下僕に言い寄るな。消し飛べ」
「ちょっと待ってくれるかしら?」
イッセー達は突然現れた俺に警戒する。
「そう警戒しなくていいわよ。あなたたちに危害を加える気はないわ」
そう言ったら、堕天使が少しだけ表情を明るくした。バカだな。俺はお前の味方とは一言も言ってないぞ。
「あなたは誰?名を名乗りなさい」
「生憎と名前を奪われているのよ。名乗りたくても名乗れないわ」
そう言いながら、俺は堕天使に近付く。ああ、思い出した。こいつの名前、レンフィルだったっけ?
「私がやりたいことは一つだけなの。悪いけど邪魔しないでくれるかしら?」
そう言いながら『滅光剣』を右手に作り出す。
その光景をみてより一層警戒を強める。まあ、無理もないか。
堕天使は希望に満ちた表情を浮かべる。仲間だと思っているのだろう。
「レンフィルさん」
堕天使の名を呼んだ。レンフィルは表情を歪めた。
「勝手に私の名を名乗るな!」
斬ッ。
剣を心臓に突き立てる。
「き、貴様ッ!」
俺は悲鳴を上げる堕天使にもう一本剣を作り出し、その体を斬り裂いた。堕天使は塵となって消滅した。
「さて、これで名乗れるわね。私はレイナーレよ」
そう言って俺は手を上に上げて、無抵抗の意思を示す。
「あなたは天使?」
「ええ、天使ね。でも、先程もいった通り危害を加える気はないわ」
「あなたは何が目的でここに来たの?」
「先程の堕天使、本名はレンフィルさん。あの堕天使が私の名を勝手に名乗っているって聞いたから、殺しにきたまでよ」
「わざわざ殺すの?」
「生かしてもあなた方が殺すでしょう?リアス・グレモリーとその眷属さん」
嫌みを言ってきた仕返しともいえる。復讐ではない。
「さて、私は帰りたいのだけれど・・・・・・ッッ!!」
そう言った時、アーシアから紫色の力の波動が吹き出した
後書き
次回に続く!
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