天使舞う、この世界
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NO.5 邂逅
前書き
総合評価500突破・・・・・・。
夢ですか?なんですかこの伸び。
とにかく、ありがとうございます!
ハロー。天使に生まれて良かったことは全ヵ国が喋れるようになったことだと思っているレイナーレですよ。
リアルアーシアちゃんは可愛かったです。娘にしたいのもわかりますね。オーフィスと仲良くなれたらいいな。
「レイナーレ、グンテリアって何?」
相変わらず花より団子ですね。グンテリア?韓国版ハンバーガーみたいなものだよ。具としてジャムがあるけど。
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「やっと家が完成したわね」
「ん。めでたい」
「家具が全くないにゃ・・・・・・」
そりゃできたばっかりだから。
家の作りは二階建て。二階にはそれぞれの部屋もある。広い家だ。
「で、白音はどうだったの?」
「元気そうだったにゃ。一先ず安心にゃ」
「まあ、一応、悪魔の中でも情愛のあるグレモリー眷属だったからね」
今会うのは危険だと判断して、様子を見るに留めたらしい。
「もしも巫山戯た主だったら・・・・・・フフフ」
目が笑ってねぇ!初めて恐怖を感じた!なんとか話題を変えよう!
「そういえば黒歌、空間の仙術の調子はどう?」
「フフフフフ・・・・・・っえ?あ、まあ、良好にゃ」
こいつは白音のことになるとスイッチが入るらしい。殺る気スイッチが。
オーフィス以外はトレーニングを続けている。俺は『絶滅天使』だけで戦うこと。『神威霊装・一番《エヘイエー》』を出すとどうしても出力が強くなるから、被害が大きくなる。何より、毎回毎回いちいち霊装を顕現させてたら、俺の心が折れる。
「で、いつ家具を買いに行くの?」
「そうね。ここ一週間の内には行きましょう。それまでは私の手作り布団よ」
まあ、裁縫が大して上手いわけではない俺が作った布団だけど。寒さが凌げりゃいいんだよ。
さてと、夕飯だが・・・・・・。
「またコンビニで買ってきたものかにゃぁ?」
「仕方ないでしょう。まだこの家に冷蔵庫は無いのだし、キッチンもまだ準備できていないわ」
「だからといってこれじゃあ栄養が偏るにゃ」
「大丈夫よ。死にはしないわ」
「死にはしなくても肥るにゃ・・・・・・」
フム。確かに一理ある。流石に俺も肥るのは御免だ。
ツンツン。
ん?オーフィスが俺をつついてくる。
「定食屋に行けばいいと思う」
「「・・・・・・」」
俺と黒歌は二人して口をポカンと開けてしまった。その手があったか!
こうして、一日が終わった。
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翌日のお昼。
家具を買うついでに外食に出掛けることにした。服装には気を使う。流石に着物は・・・・・・なぁ?
というわけで、俺は上下ジャージ。女のファッションなんざわからんからな。
オーフィスは無難に黒色のスカートと半袖の服。
「どうしてこうなったのかにゃ!?」
黒歌が吠えていた。
「どうしてって、ファッションセンス皆無の二人が着飾ったらこうなるわよ」
「その言葉に納得する自分が憎いにゃ!」
「ああ、後、語尾の『にゃ』ははずしなさい」
「わかってるわよ!」
俺の女子力?は掃除洗濯炊飯に偏っているんだよ。服装には無頓着なんだ。別にシンプルでええやん。
あ、腕時計忘れてた。
「とりあえず、買い物に行くわよ」
「はぁ、まあいいわ。今は買い物ね」
「どこで昼御飯食べるの?」
ご飯には食い付きがいいですね。そのうち食べ物に釣られて「幼女愛好家」に騙されそうで怖い。目を離さないようにしないと。家のオーフィスちゃんは渡しません!今は夜々か。
「千代、そろそろ行こう」
「そうね。まあ、家具は何度も行くと思うけれど」
車ないから全部徒歩で持っていかなきゃならないんだよね。
外に出て目的地である大型のスーパーに向かう。とりあえず、いるものを揃えることから始めよう。
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繁華街に出向いて昼食をとった。俺は無難に親子丼、黒歌は焼き魚の定食。オーフィスは大盛りチャーシュー麺。この店の料理のジャンルなんだよ!色々と節操ないな!
食事風景はカットさせていただく。ただ、オーフィスは食べ方がきれいだった。
「そろそろお金を節約し始めないとね」
「思ったけれど、そのお金ってどこで稼いでいるの?」
「夜々が温泉を堀当てたのよ」
因みに、温泉施設の名物お土産は蛇まんじゅう。蛇だけどキュートな見た目と食に目覚めたオーフィスのプロデュースでとんでもなく売れた。これ目当てで買いに来る人もいるらしい。懐が暖かくなるのはいいことだ。
けど、最近高い買い物を一斉にしたから、暫くは節約しないといけないと思ったんだ。
「今はあまりお金がないから、稼げる人は稼ぎなさい」
「そういう千代はどうやって稼ぐのよ」
「すでに内職をとってあるわよ」
「収入が少なすぎるわ!?」
オーフィスはアルバイトとかはやらなくていい。だって温泉で無茶苦茶稼いでるもん。
「そういう黒歌は勿論メイド喫茶よね?」
「なんでよ!」
「(ヘブライ語で)その猫耳はなんのためにあると思っているのよ」
「(韓国語で)少なくとも売り物にするためじゃないにゃ!」
わざわざ周りにわからないように言葉を変える二人。素が多少出ても大丈夫だ。
さて、俺たちは大型のスーパーに入る。そして、俺は家具コーナー、黒歌は服屋に向かった。そんなに俺たちのファッションセンスは酷かったか。
オーフィスは食品エリアの試食に向かおうとしてたが、食いつくしてはいけないので、俺と一緒に家具コーナー。
とりあえず大きいベッドと机を買う。他のものは後々でええやろ。あ、一応物干し竿(剣じゃないよ)も買っておかないとな。次に日用品コーナーでハンガー等を買う。なんだろう。俺、百均ヴァルキリーに似てきてないか?
一通り買った後、俺は一旦家に帰ることにした。そこで、偶然にもアーシアとイッセーに会った。
「あ、鳶一さんと・・・・・・誰?」
オーフィスも一緒にいるからな。
「この子は夜々よ」
「そっか。夜々ちゃん。よろしくな。俺は兵藤一誠、イッセーって呼んでくれ」
オーフィスは黙ったままだ。どうした?
「・・・・・・ドライグ」
「は?」
何を言っているんですかオーフィスさん!?
「あはは、たまに変なことを言うのよね。気にしないで」
とりあえず誤魔化す。そこに、アーシアが入ってきた。
「私はアーシア・アルジェントと言います。アーシアって呼んでくださいね」
「ん。アーシアとイッセー」
なんとか自己紹介は終わった。良かった。
「鳶一さんは何かの帰りですか?」
「千代でいいわよ。買い物の帰りよ」
黒歌はまだ服屋にいるのかな?まあ、しばらくすりゃ帰ってくるだろ。
「いたた・・・・・・」
「ん?どうかしたの?」
イッセーが突然痛がりだした。目立った外傷はないんだがな・・・・・・。
「イッセーさん、ケガを?もしかして、先日の・・・・・・」
「先日?先日に何かあったの?」
「あ、いや、ただ転んだだけだよ」
傷口があるであろう患部をよく見ると、光の残骸があった。ああ、そういやフリードにやられたんだっけ?現場にいなかったから忘れてた。まあ、光の残骸といっても目に見えるものじゃないけど。
イッセーがズボンをあげると、そこには銃痕があった。転んだって無理があるやろ。
そこにアーシアが手をかざし、以前見た緑色の光を発する。
治療が終わると、イッセーは元気に走り回る。
「以前から思っていたのだけれど、その光ってなんなのかしら?」
俺の質問に二人は黙った。
「まあ、話したくないのならいいわ。それじゃあね。帰るわよ、夜々」
「(コク)ん」
気を使って黙ってくれていたオーフィスに感謝。あとでアメをやろう。
それと、アーシアを観察していたが、神器を使うとアーシアの中にある『Ⅸ』と書かれた結晶から溢れていた力が押さえ込まれていた。あれなんなんだろう?
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その日の夜。俺は家で家具の組み立てをしていた。
「ただいま~」
「あら、お帰り」
「ん。お帰り」
黒歌が帰宅した。少なくとも二桁はあるであろう服の入った袋を持って。
「・・・・・・いくらなんでも買いすぎだと思うのだけれど・・・・・・」
「何を言っているにゃ。ファッションセンス皆無が」
いや確かにファッションセンス皆無だけどさ。
「まあ、それは置いといて、町外れの教会で堕天使とはぐれ悪魔祓い《エクソシスト》が怪しい儀式をしようとしているらしいにゃ」
・・・・・・ん?
「もっと言えば、悪魔が数名殴り込みに行くみたいにゃ」
「随分と情報収集が上手いわね」
「野良猫ネットワークにゃ」
猫又すげぇ!猫同士の会話による情報収集か。黒歌、以外とできる子だったんだな。
「で、私達も見に行くにゃ」
「なんでさ!」
思わず突っ込んじまった!なんで!いやまあ俺も見に行くつもりではあったんだが、なんで黒歌も!?
「もしも白音を傷つけるやつがいたら・・・・・・フフフフフ」
スイッチ入ったー!シスコンだ!
「・・・・・・はぁ、わかったわよ。私も行くつもりだったからね」
「ん。我も行く」
オーフィスもついてくるのか。
「まあ、行くのはいいけど、バレないように気を付けてね?」
「ん。大丈夫」
「そこに関しては安心するにゃ」
オーフィスは元より、黒歌は仙術使えば殆どわからない。
さてと、俺、一番気を付けなきゃ。
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俺たちは教会が眺められる場所に立っている。勿論、何かと隠蔽して。
「白音~。お姉ちゃんが見守ってるよ~」
・・・・・・なんか怖いぞ。呪詛に聞こえなくもない。
「レイナーレ、なんで見に来たの?」
「ちょっと、アーシアに関して気になったことがあったのよ」
「そう」
オーフィスにとっては曖昧でもいいのだろう。
悪魔三人、イッセーと木場と白音は今現在図面で確認をしている。
「にゃああ、なんで白音は仙術を使わないのかにゃあ?」
「私が集めた情報によると、黒歌」
「なんにゃ?」
「あなたは仙術を習得して力に溺れて暴走し、主の悪魔を殺したとされていて、危険分子として同じ猫又の白音も殺されそうになったのよ。で、そこを助けたのがグレモリーのところだったってわけよ」
「・・・・・・」
俺の短い説明を、黒歌は黙ってきていた。
「異論、反論、訂正があるのなら聞くわよ?」
「・・・・・・あのクズ主は、約束を破ったのよ・・・・・・」
「約束、ね。あなたの性格から考えるに、白音に関する約束ね?」
「そうにゃ。あのクズ主は、白音に手を出さないと言っておきながら、手を出そうとしてたにゃ」
「まあ、いつか誤解は解けるものよ」
「そう言ってくれると助かるにゃ。それと一つ訂正、猫又じゃなくて猫魈にゃ」
まあ、知ってるけどさ。
さて、あっちのミーティングも終わったみたいだし、そろそろ俺たちも動くか。
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「さて、黒歌、儀式はどの辺でやってる?」
「地下にゃ。複数の堕天使が集まってるにゃ」
仙術便利ですね。
「むぅ~」
え?なんでオーフィスふくれてんの?
「我もできる」
・・・・・・もしかして拗ねてる?
「別にあなたを蔑ろにした訳じゃないわよ」
「レイナーレ、今度食べ放題」
「ハイハイ、わかったわよ」
実は今少しチョロいと思ってしまった。食べ物で簡単に機嫌が直るんだもん。
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