転生とらぶる
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スーパーロボット大戦OG外伝
0545話
ヤルダバオトとビレフォールの戦いが終わってから30分程。ハガネとヒリュウ改からそれぞれの代表者達がシロガネへとやって来た。
来艦したメンバーは、レフィーナ、テツヤ、キョウスケ、カイ、ギリアム、レーツェル、イルム、アヤ、リョウト、ブリット、フォルカ、ラミアの合計12人。当初はもっと人数を多くしたいと向こうも言ってきたのだが、もし何かあった場合に対応出来る者がいないと困るという事でこの人選となった。
レフィーナ、テツヤ、レーツェルはそれぞれの艦の艦長として。キョウスケとカイは実戦部隊の指揮官として。ギリアムとイルムはアドバイザーとして。アヤ、リョウト、ブリットの3人は俺との念動力の共感の理由を話す為。ラミアは向こうの中で一番シャドウミラーという存在を知っている為だ。
俺としてはラウル辺りが来るかと思っていたのだが、何やら別行動中らしい。そう言えば、本来の歴史ではつい先程終わった戦いがあった後にエマージェンシーが入って、ラウル達を助けに行く流れだった筈だが……その辺、どうなってるんだろうな? まぁ、恐らく俺がマグナスを前もって倒しておいた事により、時間的余裕が出来たんだと思うが。
「さて、敵になったり味方になったりと色々あった俺達だが、こうして無事に会談を開けたようで何よりだ」
シロガネの中にあるブリーフィングルーム。現在俺達はそこに集まっている。
もちろん、ヒリュウ改やハガネ側のメンバーだけではなく、シャドウミラー側からも幹部連中は全員ここに集まっている。オウカ辺りは向こうと顔を合わせづらいだろうからブリッジにいてもいいと言ったんだが、自分の行動の結果は受け止めると言ってスレイの隣に座りながら、どこか居心地が悪そうにしながらも顔を上げてきちんと向こうと連中と向かいあっている。そんなオウカを見て、一瞬だけだがカイが嬉しそうな顔をしたのを俺は見過ごしてはいない。
幹部達が全員ここに来ている為、シロガネのブリッジでは現在量産型Wが周囲の警戒をしているだろう。
「……ご託はいい。それよりも話を始めよう」
俺の向かいに座っているイルムが押し殺したような声で口を開く。
「そうだな。どちらにしろそれ程に時間がある訳でも無い。素早く済ませられるのなら、それに越した事は無いだろうしな」
「……何? 時間が無い?」
呟かれた俺の声に反応したのはキョウスケ。そのまま俺の心の底まで見透かしてやろうとでも言うように強い視線を送ってくる。
そんなキョウスケに軽く肩を竦めつつも、マリューが人数分持ってきてくれたペットボトルの紅茶を口へと運ぶ。
「そんなに殺気を滲ませなくても、きちんと答えてやるよ。……この会談の様子はヒリュウ改やハガネの連中にも流れているんだろう?」
「ええ。そうでもしないと皆さん自分が行くと言って聞かなかったものですから。もちろん向こうは受信専用となっているので、こちらに声を送る事は出来ません」
「そうか。さすがにヒリュウ改の艦長をその年齢で勤めているだけのことはある。……ま、そっちも戦闘が終わったばかりで喉が渇いているだろうし、飲んでくれ。エルザム……もとい、レーツェルの淹れる紅茶に比べれば比べものにならないだろうが、それなりの味は出していると思うぞ」
「……ええ、頂きます。それで早速お話に入りたいのですが、それよりも前にやはり色々とはっきりとさせておきたい事があります。その内容次第で私達も貴方を信用出来るかどうかを判断しようと思っていますから。特に今回はこの前のヘルゲート攻略作戦のような時間が無い、ある種行き当たりばったりと言ってもいいような戦いではありません。しっかりとこちらも準備を行った上での作戦になる以上は、背中から撃たれないという確信が欲しいので」
レフィーナの言葉に頷き、周囲を見回す。
他の者達もそのレフィーナの言葉に同意見なのだろう。特に異論があるようには見えない。
「まぁ、いいだろう。さて、じゃあ何から聞きたい? 言っておくが、俺だって何でも知ってる訳じゃない。答えられることと答えられないことがあると言うのは前もって言っておくぞ」
「それで構わん。……そうだな、アクセル・アルマー。お前は何者だ? という所から始めようか」
これにも異論は無いのだろう。特にアヤ、リョウト、ブリットの3人は、それこそが念動力の共感の理由を知る事が出来る為の物だと本能的に……あるいは念動力で理解しているのか、嘘や誤魔化しは許さないとばかりにじっと視線を俺へと向けている。
「俺は俺。アクセル・アルマーだ……そう言いたい所なんだが、別にお前達が知りたいのはそんな事じゃないだろう?」
「当然だ」
「ならそうだな。お前達が一番知りたい念動力の共感が何故起きるのか、という問いから話すとするか。俺には生まれつき幾つかの特殊能力があってな。その中の1つにこんなのがある」
パチンッ、と指を鳴らすと空間からスライムの触手が数本程姿を現す。
その姿を見たシャドウミラー以外のメンバーは、予想外の展開であるその触手に息を呑むが、それに構わずに話を続ける。
「スライム、と便宜的に名付けている能力だ。このスライムには幾つか特殊な能力があってな。その中の1つに、対象を吸収するというものがある。その能力が初めて発揮されたのが俺がまだ12歳くらいの事だったか。食事に出掛けた先で政治家同士の下らない権力争いでテロに遭い、店の瓦礫に埋もれた時にこのスライムを使ってそこから瓦礫やら何やらを吸収して抜け出したんだが……その時に、テロ行為の巻き添えで死んでいた店の住人達も共に吸収してな。そしてそんな死体の中に、俺より少し年下の子供がいた。その子供の名前は……」
そこまで告げ、予想外の話の成り行きでどこか戸惑っている中から1人の人物へと視線を向ける。
「リョウト・ヒカワ。向こうの世界のお前だ」
「僕!?」
「ああ。そしてお前を吸収した結果、お前の中にある念動力は俺へと引き継がれた」
「……ちょっと待ってくれ。それはつまり、アヤ大尉や俺も向こうの世界とやらで……」
ブリットの、どこか信じたく無いとでも言うような言葉に頷く。
「特脳研で、人工的な念動力強化処置を施された結果意識不明になって脳みそだけを取り出されていたアヤ・コバヤシを。ベーオウルブズ……いや、アインストに感染したベーオウルブズのメンバーとしてシャドウミラーと戦いになったブルックリン・ラックフィールドをそれぞれ吸収した結果が、恐らくこの地球圏で最も強力な念動力者である今の俺、アクセル・アルマーな訳だ」
そこまで言い切ると共に、テーブルの上に置いてあるペットボトルを念動力で持ち上げて手元に引き寄せる。同時に、再び指を鳴らしてスライムを空間倉庫へと格納する。スライムに関してはともかく、空間倉庫については教える必要は無いだろう。
「だからこそ、こんな風にサイコキネシス染みた真似も出来るんだがな。……さて、お前達が以前から知りたがっていた念動力の共感が起こる理由としては、向こうの世界のお前達の念動力が俺の中にある。それが理由だ」
『……』
その、あまりと言えばあまりの内容に静まり返るブリーフィングルーム。
ヒリュウ改やハガネのメンバーだけではなく、シャドウミラーでもスライムの能力に関して詳しく知らなかった者は驚きの余り絶句している。
「さて、お前達の知りたかった内容についてはこれで理解して貰えたと思うが?」
そうは言いつつも、ショックを受けている者達――特にアヤが酷い――の様子を見ながら、周囲のムードを多少でも和ませようと話題を変える。
「とにかくこれで俺の秘密についてはある程度分かっただろう。なら話を……」
「待て」
ソーディアンの攻略作戦についての話をしようとした俺の言葉を遮ったのは、キョウスケだった。
「何だ?」
「お前がそのスライムとやらの力で念動力を手に入れたのは理解した。だが、それだけでは説明が付かない事もあると思うが? 例えばインスペクター事件でお前が取っていた行動だ。シャドウミラーという部隊に所属していながら、そのリーダーでもあったヴィンデルとは全く違う行動方針を幾度となく取っていたな? 本来であればお前1人で俺達を全滅させる事も可能な機会が幾度もあったが、その度に色々な理由を付けてその場から去っていった。そして、アインスト空間で俺達と別れた時のあの言葉。『よくアインストに負けないでいてくれた。おかげで俺も生き残る事が出来た』この言葉の意味は何だ?」
「……良くそんな細かい所まで覚えていたな」
キョウスケの様子に苦笑を浮かべつつ、ペットボトルの紅茶を口へと運ぶ。
「そうだな。その件についても話しておいた方がいいか。まず、俺の目的だ。あの当時の俺の目的は至極単純。『生き残る事』だけだ」
「……生き残る、事?」
「ああ。話は少し戻るが、先程も言ったように俺には生まれつき幾つかの特殊な能力があると言ったな? ついさっき見せたスライムしかり、生まれつき持っていると言ってもいいこの身体能力しかり。そして……朧気にだが、未来を見る事が出来る能力しかり、だ」
「まさか、予知能力か!?」
自分も予知能力をスキルとして持っている為か、最も反応が早かったのはギリアムだった。だが、そんなギリアムに首を振るう。
「似ているようでちょっと違うな。俺が見ているのは、俺が干渉しない場合の未来でしかない。つまり、俺が干渉すれば容易に……とまでは言わないが、かなりの確率でその未来は変えられる」
その言葉に、以前にも似たよう話をオーブで聞いたマリューやムウが小さく頷く。
俺が干渉しない本来の歴史と比べると、SEED世界は大幅に違う物へと変化している。それがどのようなものかを少しではあるが話した事があるからこそ、理解しているのだろう。
「貴方が干渉しない場合の未来、ですか」
いまいち理解出来ないのか、レフィーナが首を傾げながら呟く。
その言葉に頷き、視線をオウカの方へと向ける。
「例えば、もし俺が干渉しなかった場合オウカはアギラによって調整を繰り返され、ゲイムシステムの使用で寿命を削られ、最終的には記憶を取り戻すもアギラを道連れにしてアースクレイドルで死んでいた」
その言葉に、部屋にいた殆どの者の視線がオウカへと向けられる。
そして、オウカはその視線をまっすぐに受け止めて小さく頷く。
「アクセルさんの言っているのは事実です。実際に私はゲイムシステムに対応出来るようアギラ・セトメ博士に調整を受ける寸前にクエルボ博士がアクセルさんに助けを求めて、その結果助かりました」
『……』
周囲が黙り込んだのを見ながら、次に視線を向けるのはムラタ。
「例えばそこにいるムラタだ。そいつも本来の歴史であればただひたすらに人機斬りを楽しむだけの戦闘狂と言っても良かっただろう。そこに俺が……そうだな、こういう表現はあまり好みじゃないが、根性を叩き直した」
「……そうだな。確かに俺はアクセルに一度徹底的に叩きのめされたおかげで、血や機油に酔い、それを求めて戦いを求めるような真似はしなくなった。今の俺はただ純粋に強さを究めたいだけであり、望むべくはいつかアクセルに対して一矢報いたい。それだけだな」
「まぁ、お前達はムラタとはそれ程面識が無いだろう。だから、そうだな。ムラタの師であったリシュウ・トウゴウ辺りにでもこの会議が終わった後に話を聞いてみるといいかもしれないな」
その言葉に、ムラタとしても思う所があったのか小さく頷く。
「ご覧の通り、俺が朧気に知っている未来については介入が可能だった訳だ。そして、俺はその未来で何もしなければドルムで死ぬ可能性が高いだろう事を知った」
正確に言えばドルムではなくホワイトスター。そしてそこでの戦いもアルフィミィのおかげで生き延びる可能性はあったんだが……まぁ、それに関しては言わぬが華だろう。また、同様にラミアに関しても運命を変えているんだが、それは今は言わないでおいた方がいいか。
「その死の運命を覆す為にお前は俺達の前に立ち塞がったと?」
「正解だ、キョウスケ・ナンブ。お前達にとってはDC戦争の2の舞と言ってもいいのかもしれないが、残念ながら俺にとって最も効率的な方法がそれだったんでな」
「つまり、俺達がお前に鍛え上げられていなければアインストに、あるいはインスペクターに負けていたと?」
「さて、どうだろうな。そのままでも勝てたかもしれないし、あるいは負けていたかもしれない。だが、死ぬ可能性の高い未来を知っていた以上は、俺自身が生き残る可能性を上げるのに手を抜くような真似はしたくなかった。それだけだ」
その言葉を最後に、ブリーフィングルームの中は暫くの間静寂へと包まれるのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:40
PP:420
格闘:270
射撃:290
技量:280
防御:280
回避:310
命中:330
SP:478
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
ギアス(灰色)
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
???
撃墜数:471
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