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東方幽々曲

作者:茅島裕
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第4話 晩御飯

「...ん......」

目が覚める。目を手で擦り隣を見る
スースーと寝息を立て眠る桃色髪の少女。幽々子がいる
あまりにも可愛らしい寝顔で、スヤスヤと気持ち良さそうに寝ているので起こさないように動くとする

幽々子「...ムニャムニャ.....もぉ~食べられませぇん♪....ムニャムニャ」
と寝ながらお腹を抑える

ん~...夢の中でたいへん大層なモノを見ていることだ
っても実際あれから(だんごのとき)何も食べていないしお腹空かして起きるだろう。オレも腹へったし
よし、その夢を正夢(まさゆめ)にしてやるか

オレは出来るだけ音を()てず台所へ向かった
現在 午後8時

夜な訳だが晩飯(ディナー)を用意していない始末だ。だから作るのだがな
さて、何を作ろう...?
今日買ってきた物はそこまで大層な物ではないからな
でも幽々子が(うち)にきたんだ。パーティーらしく豪華に仕上げよう

青年料理中・・・

現在午後9時

「よし。出来た!!」

メニューはこんな感じだ
主食はお米(これに時間を費やした)
主菜はハンバーグ、鶏の唐揚げ
副菜はポテトサラダ、コーンサラダ
汁物はミネストローネ

とりあえずあるもので良いものを最善に作った

さて、幽々子を起こしに行くか。台所を後にし、幽々子が寝ている居間に向かった
(ふすま)を開けようとしたとき

幽々子「ん...おはようございます」
と幽々子が起きてきた

「おはy...今、夜だな」

オレがそう言うと幽々子は手で目蓋(まぶた)を擦り、外そ見た
幽々子は外を見るなり何か(ひらめ)いたのか手をポンッと叩いた
すると幽々子はクルッとこちらを向き、オレに近づき...

幽々子「お腹空きました!!」
と自分の腹を(さす)って言う

起きて二言目にそれか。まぁそうだろうと思って飯を作ったんだ

「ご飯できてるよ」

すると幽々子はパァ~と目を輝かせて食べたい食べたいと言わんばかりに口を開ける

「どうぞ、食べてください。幽々子の為に作ったんだぜ」
幽々子「えぇ!?」

「う、うん」

びっくりした、風圧を感じる程の声だった。一言で言えばうるさかった

幽々子「私の為に!?」

「うん。食べておいで」

幽々子は鼻を頼りに飯のある宝庫(台所)へ向かった

「さて、お風呂でも用意してくるかな」

オレが風呂場に向かおうとしたとき

幽々子「幾斗さぁ~ん!!」

幽々子がオレを呼ぶ声が聞こえた

「はぁーい?」

風呂場を後にして台所へ向かった

幽々子「お箸って何処(どこ)に?」

「あぁ、そっか」

オレは皿の置いてある棚の引き出しを開け箸を取った
一人暮らしだったもんで箸なんて一組しかない。それも可愛らしい物でもないシンプルな箸

「不恰好で可愛くもないけどこれでいいかい? ってもこれしかないし」

幽々子「はい!! でも幾斗さんはどうやって食べるのですか?」

爪楊枝(つまようじ)か何かで刺して食べるよ」

幽々子「じゃあこのお箸使ってください♪」

すると幽々子はさっきオレが渡した箸を突きつけてくる

「幽々子はどうするんだ? 間接キスとか嫌だろう?」

オレがそう言うと幽々子は困った顔をする
そして何か閃いた顔をして、箸を使いハンバーグを食べる

さて、一件落着ってとこか、風呂を入れてこよう

幽々子「幾斗さん♪」

「はい?」

幽々子はハンバーグを一口サイズに切り、箸で掴む
掴んだハンバーグをオレに向ける。そして幽々子は笑顔でこう言った


はい幾斗さん、あぁ~ん♪


オレはその光景を目にし、泣きそうになったが涙を(こら)えてハンバーグを食べる

「美味しい」

 
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