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転生とらぶる

作者:青竹
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スーパーロボット大戦OG外伝
  0522話

『今回は助かりましたわ。ありがとうございます』

 通信画面の向こうでミツコがそう言って笑みを浮かべる。
 とは言っても、その笑みは満面の笑みと言う訳では無い。どこか憂いの残るその表情の原因は……

「やっぱり施設の方か?」
『……はい。砂場で作ったお城を子供が面白半分に壊すような感じで機械を壊されてまして。工場の中にあった機械のうち、4割近くが使い物にならなくなってますの』

 バッテリーと言う、ある意味では新しく、そして古い。技術の再発掘とでも言うべき挑戦に着手する為の工場がその様だとミツコにしては……と言うか、イスルギ重工にしては痛手だろうな。
 もちろん壊滅的な痛手とか、致命的な痛手と言う意味ではない。純粋な損害として考えれば、それこそ蚊に刺された程度の物だろう。だがそれでも、ミツコにしてみればイスルギ重工が経済的な損失を被ったというのが我慢出来ないのだ。

「まぁ、そっちに関してはもしかしたらある程度は何とかなる……かもしれないな」
『それはどう言う意味ですの?』

 俺の言葉を聞くや否や鋭い視線を送ってくる。

「あくまでも可能性だぞ? 運が良ければ向こうとの連絡を取れる……かもしれないというな」
『なるほど。ではその辺を期待するとしましょうか。それでシロガネの件なのですが』
「ああ」

 そう言えばそもそも連絡を取ったのはそれを聞く為だったな。昨日の工場での戦闘で起きた被害についてはあくまでも事後報告的な感じだが。

『2週間程下さい。そうすれば新品同然のシロガネをお渡しできますわ』
「新品同然、ねぇ。そうなるともうシロガネに……いや、スペースノア級に関しての調査は完了したと見てもいいのか?」
『ええ、もちろんです。今回得たデータを参考にしてより高性能な戦艦を設計していますわ。……もしよろしければ、後でその艦のテストもお願いするかもしれませんわね』
「スペースノア級をさらに発展させた艦か。確かに興味はあるが……完成するのは随分と先なんだろう?」
『そうでもありませんわ。何しろ設計は既に最終段階ですし。それに名前に関してはもう決まってますのよ』
「へぇ、聞いてもいいか?」
『構いません。……クリスマス級一番艦、エア・クリスマス。そう名付ける予定です』

 クリスマス級? それに関しては完全に初耳だな。俺の原作知識にその名前は出てこない。となると俺がこの世界に干渉して起きた結果か……あるいはアクセルに転生した後で発売された原作か。
 まぁ、今更ジタバタと考えてもどうにかなるものでもない。

『どうかしましたの?』
「いや、クリスマス級というのはどんな艦になるのかと思ってな」
『少なくてもスペースノア級とは一線を期す性能であることは保証しますわ』
「ほう、自信たっぷりだな」
『うふふ。詳しい性能は後での秘密にさせて貰いますわ。さて、まだ色々とお仕事がありますのでこの辺で失礼します。シロガネの譲渡準備が完了したらまた連絡させて貰いますので』
「ああ、頑張ってくれ」
『では、この辺で』

 最後に再び笑みを浮かべて通信画面が切れる。
 さて。次にやるべきは……

「アクセル・アルマー。僕を呼んでると聞いたんだけど?」

 突然掛けられる声。どうやら向こうからその用事がやってきたらしい。

「ああ。悪いな、フェイト。何か軽く食べながら話すか」

 そう、そこにいたのは10歳程に見えるフェイト・アーウェルンクスだった。ネギま世界でブルーマーズ計画に勤しんでいて忙しいフェイトをわざわざホワイトスターまで呼び出したのは、言うまでも無くブルーマーズ計画に関して話があったからだ。
 そのままフェイトと共に移動し、転移区画の近くにある居住区画。その中の喫茶店へと移動する。
 ちなみにこの居住区画。ネギま世界とSEED世界の異世界間貿易を行う為の場所として整備されていたりする。どちらかの世界で話すと主導権が向こうに渡されると感じた両世界からの要望により作られた折衝区画とも言うべき場所だ。
 まぁ、作られたと言っても元々の建物自体は既に整備されていたんだから、そこに人を置けばそれでいいだけだったんだがな。一応ネギま世界、SEED世界からある程度の人数が派遣されており、会議室や食堂、あるいは喫茶店の類が経営されている。もっとも、派遣されている者達が自由に移動出来るのはこの区画だけであり、他の場所にこっそりと忍び込もうとすると量産型Wがその姿を現すのだが。
 一応ネギま世界の魔法使い対策として魔力を感知するマジックアイテムも警報機代わりに置かれているし、エザリアから近右衛門に魔法使いがスパイ染みた真似をした場合は重いペナルティを与えると警告はしてあるので、もし何かあったとしてもそれは自業自得だろう。
 そして俺とフェイトは今、そんな折衝区画にある喫茶店にいた。

「……へぇ。この豆はSEED世界のものかい?」
「はい。私の出身がオーブですので」

 コーヒーを口に運んだフェイトが、いつもは無表情なその顔に若干の感嘆を込めて喫茶店のマスターへと尋ねる。
 ……世界が違うとやっぱりコーヒーの豆とかも味が違う物なのか? まぁ、紅茶派を自称しつつも自販機で売ってるような紅茶で満足している俺には分からない世界なんだろうが。

「フェイト、一応念の為に認識阻害を」
「……魔力の消費が激しいからこっちであまり魔法は使いたくないんだけどね」

 そう言いつつも、素早く魔法を使用するフェイト。

「さて、これでOKだ。で、僕を呼び出した理由は? まぁ、僕としてはこの1杯が飲めただけでもここに来た甲斐があったと思ってるけど」

 香りを楽しみながら呟くフェイトのコーヒー好きに若干呆れつつも、自分用に頼んだシーフードピザへと手を伸ばしながら話を始める。

「ブルーマーズ計画に関してだが、このまま上手く俺の計画が進めば火星のテラフォーミングに使える人材を大量に見つけられるかもしれない」

 ……ん? このシーフードピザ上手いな。さすが島国のオーブ。魚介類に関しては質のいい物が揃ってるらしい。まぁ、ここに店を出す以上はオーブの威信を背負ってると言っても過言ではないから、下手な料理は出せないんだろうが。

「使える人材? それは君がOGs世界とやらに顔を出しているのと関係があるのかな?」
「ああ。向こうの世界に修羅という集団が姿を現したんだが……こいつらが、魔法世界にいる拳闘士や賞金稼ぎ、トレジャーハンターの同類みたいな奴等でな」
「つまりは脳筋なんだね」
「……いや、確かにそうなんだが。折角俺がオブラートに包んでだな」
「表現を変えたとしても真実は変わらないよ。それはいいから、早く続きを」
「分かったよ。で、その修羅なんだが覇気というのを使って俺達が使っているような機動兵器を動かしている。そしてその覇気というのは一種の生命エネルギーで、恐らくお前達の世界で言う所の『気』のようなものらしくてな。そいつらの機動兵器は宇宙でも全く問題無く動かせる上に、ある程度の人数もいる。そして何よりも重要な事だが、そいつらは自分達が住める世界を探し求めてOGs世界に姿を現したんだ」

 もっとも、修羅神に乗るだけで命を縮める程に生命力を消耗するというのを考えると、ネギま世界で言われている気をより濃縮したようなものというのが正しいのかもしれないが。

「……なるほど。君の説明を聞く限りでは確かにかなり有望だね。何しろある程度の数がいて、今の火星にそのまま出てテラフォーミングの作業を出来ると言うのが素晴らしい」

 まぁ、基本脳内が世紀末の修羅兵だ。テラフォーミングの作業をきちんとやるかどうかと言われれば微妙な所だが、上級修羅達が監督していれば問題はないだろう。ついでに魔法世界の闘技場で好きに暴れられるという飴でも与えておけば、結構真面目に働いてくれるような気がする。特に拳闘士として闘技場に出れば強い=人気者だからな。もっとも、闘技場で勝てるかどうかは本人次第だが。フェルナンド辺りなら機神拳とかで結構いい所までいけるか?

「ただし、まだ向こうとコンタクトを取る為に一手を打った状態でしかない。後は向こうがどうこちらを判断するかの結果待ちだ」
「一応、修羅とかいう者達の詳細を教えて貰えるかな? こっちでもその辺は把握しておきたいんでね」
「そうだな。まず修羅には上級修羅と下級修羅がいる。簡単に言えば修羅と言う組織の幹部と兵隊みたいなものか。絶対的な弱肉強食でその地位が決まっている。簡単に言えば組織のトップに立ってる奴が最強であるという感じだな」
「最も強い者が組織のトップに立つ、か。随分と分かりやすい集団だね」
「ああ。その分、上級修羅と呼ばれている者達は相当の腕を持つ。……とは言っても、基本的に修羅というのは修羅神という機動兵器を使っての戦闘を前提にしているからな。生身でも相応の力は持っているが、やはり修羅神を使っての戦闘が本領だろう」
「で、その修羅神というのが気を使って動いているんだね?」

 コーヒーの香りを楽しみつつ尋ねてくるフェイトに頷く。

「ただしさっきも言ったが、修羅神に乗り込むと命を縮める程の気を消耗するらしい。そう考えると、純粋に俺達の知っている気と同じかどうかは微妙だがな」
「……なるほど」
「ちなみに現在の修羅達を率いている存在、いわゆる修羅王は相当に強力な力を秘めているらしいぞ。会った事はないから正確な所は分からないがな」
「力に従うと言うのなら、君がその修羅王とやらを倒せばいいだけなんじゃないのかな? 造物主すらも倒したんだ。どうにでもなるんじゃないの?」

 そんなフェイトの言葉に、小さく首を左右に振る。

「確かに今の修羅王は自分と戦って勝った相手がいれば、その人物に王の座を引き渡すだろう。そして新たな王の命令にも文句無く従う。だが、あくまでもそれは自分を倒したのが修羅ならば、だ。修羅の一族でない者が自分を倒したとしても恐らく自分達が従う者としては認めないだろうな」
「……厄介な相手だね」
「それだけに、一度協力関係を結べば信頼は出来るさ。それに俺が連絡を取ろうとしている相手はその修羅王じゃない。修羅達の中でもその修羅王に次ぐ強さを持つ人物だ」
「その相手は脳筋じゃないの?」
「まあな。どちらかと言えば外に向ける目を持っている。ただし、そいつは病に侵されている」

 そう告げた瞬間、何故かどこか呆れたような視線を俺に向けてくるフェイト。

「君、もしかして病気の人を治療して回る趣味でもあるの? フィリオ・プレスティとか言ったっけ? 彼もそうだし、SEED世界からも何人か連れてきてたよね?」
「……そう言うつもりはないんだがな。SEED世界についてはレイ以外は俺がネギま世界に転移させられてからの話だし。それにどういう訳か、有能な者程不治の病に掛かりやすくなってるんだよ」

 例えばギアス世界の黎星刻。こいつもスザク並の身体能力にルルーシュ並みの頭脳を持つ希有な人材だが、不治の病を患っている。
 まぁ、フィリオと違ってもし病を治療してやるからシャドウミラーに入れと言っても天子の蒋麗華に骨の髄まで忠誠を誓っている人物だからまず無理だろうが。
 ……ただ、中華連邦にあるギアス響団の本拠地を探す時には接触せざるを得ないんだろうが。あるいはその辺は原作通りにルルーシュに任せるべきか。

「アクセル・アルマー?」

 そんな風に考えていると、フェイトに声を掛けられる。
 っと、そうだった。今はギアス世界に関してよりもブルーマーズ計画と修羅に関してだったな。

「いや、何でも無い。ちょっと考え事をしていただけだ」
「……シャドウミラーは君という存在があるからこその組織なんだ。変に体調を崩したりはしないでくれよ。病気持ちの人材ばかりを拾ってきて、その結果君が病気になったりしたら本末転倒だよ」
「その辺は問題無いさ。今の俺は人間じゃないんだしな」

 精霊の掛かる病気とかがあったりしたらどうなるかは分からないが。

「それはともかく、その修羅とかいう人達に関しては君に任せるとするよ。話を聞いてる限りだとブルーマーズ計画に関しては有用な人達っぽいし」

 コーヒーカップに入っていた最後の1口を飲み、どこか残念そうな顔をしながら言うフェイトが頷く。

「分かった。ならこっちに関しては任せて貰う。ちなみに、ブルーマーズ計画に関して表側の世界ではどんな風に受け止められている?」
「魔法使いからの接触のおかげで、各国政府からは概ね反対は出ていないよ」

 魔法使いの接触って、ようは圧力なんだろうな。
 各国の上層部にしても魔法。特にいざという時の回復魔法とかは十分に魅力的だろうし。まず一般人には入手不可能だろうが、時の指輪のように不老になるマジックアイテムとかもあるしな。
 それに反対はしていないとの話からすると、別に賛成もしていないと見るべきか。
 もっとも、地球各国にしても魔法世界が崩壊して数え切れない程の難民が来る可能性とかは考えたくないと言うのもあるんだろう。

「まぁ、ブルーマーズ計画自体は概ね順調と言ってもいいだろうね。こっちの事は僕に任せて、君は君のやるべき事をやりなよ」

 パチンッと指を鳴らし、認識阻害を解除するフェイト。

「あ、マスター。ブレンドをもう1杯」

 ……まず最初の言葉がコーヒーのおかわりっていうのはフェイトらしいと言えばらしいんだがな。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:40
PP:300
格闘:270
射撃:290
技量:280
防御:280
回避:310
命中:330
SP:478
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    ギアス(灰色)
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    ???

撃墜数:447 
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