転生とらぶる
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スーパーロボット大戦OG外伝
0521話
「……奴等が修羅だと?」
通信画面の向こうでイザークが苦々しげな表情を浮かべている。
いやまぁ、それは無理もないだろう。顔の半ば以上を白いマスクで隠した男達が好き放題に暴れているのだから。その様はイザークの知ってるような統一された軍隊と言うよりも、頭の悪いチンピラが暴れているようにしか見えなかったのだろう。
ベトナムにあるイスルギ重工の工場。レイディバードで少し離れた場所まで移動し、そこから出撃してきた俺達が見たのは修羅兵達が好き放題に暴れている光景だった。工場の中から機械を表に持ち出しては、燃やしたり破壊したりを繰り返している。
……通信で聞いたミツコの様子から考えるとそれなりに金を掛けた工場だったんだろうに。まぁ、イスルギ重工の恨みがこっちに向く訳じゃないから俺は別にいいんだが。……まさか動くのが遅かったとか言われないよな?
「落ち着けイザーク。……見ろ。確かに中で騒いでいる奴が殆どだが、1機だけ周囲を警戒している機体がいる」
ラピエサージュを操縦するコーネリアの示す方へとエルアインスのモニタを向けると、そこには猫型と言ってもいい修羅神の姿があった。
「ビンゴだ」
あの機体の名前はシトリー。女の修羅が乗っている機体で、メイシスの部下の専用機的な扱いをされている機体だ。そして工場の近くにはカメレオン型のボフリィが2機に、コウモリ型のハルパスが1機、牛型のフラウスが1機の合計4機存在している。ただしその4機はピクリとも動かない所を見るに、恐らくパイロットは乗っていないんだろう。
「全機、聞け。あの猫型の機体は決して撃墜しないように。その他の敵は……まぁ、出来れば撃破しない方がいいが、そっちに関してはなるべくで構わん」
「……いいのか? 一応交渉が目的なんだろう?」
ムウの言葉に小さく頷く。
「基本的にだが女の修羅は指揮系統がはっきりしていて、その上司も話の分かる奴だ。だが男の修羅は、それこそその場で適当に暴れるだけしか考えていないからな。……これが幹部級の修羅。いわゆる上級修羅にでもなれば話は別なんだろうが、ここから見る限りだと全員が下級修羅の証明とも言えるマスクを被っている以上は交渉を持ちかけても無意味だろう」
もっとも、上級修羅にもフェルナンドのような猪突猛進気味な戦闘狂や、オツムの出来が残念なマグナスのような奴もいるから一概には言えないが。
「ふんっ、何が修羅だ。こうして見る限りでは単なるチンピラではないか」
あの程度の相手をする為にわざわざ俺達が出て来たのが気に入らないのだろう。イザークが不機嫌そうにそう告げる。いやまぁ、イザークは大抵不機嫌なので修羅が原因かどうかは分からないが。
「それよりもアクセル、奴等の機体は鹵獲出来そうだが……いいのか?」
コーネリアの言葉に小さく頷く。
「奴等の機体はオリジナルの劣化コピーだしな。そもそも修羅神というのが奴等の乗る機体の総称、つまりPTやAM、MS、KMFのような名前なんだが……そのオリジナルの修羅神がそもそも色々と欠点の多い機体だから収集する価値はあまりない」
「欠点が多い?」
「ああ。そもそも、奴等の機体は動力炉という物が存在していない。なら何で動いていると思う?」
俺とコーネリアの通信を興味深そうに聞いていたムウへと視線を向けて尋ねる。
「……動力炉が無いんなら普通は動かないんじゃないか?」
「そうだ。俺達が知っている常識で言えばそうなる。例えばムウやイザークが良く知っているバッテリーや核分裂エンジン。コーネリアの知っているエナジーフィラーのようにな。だが修羅神にはその類の物がない。その代わりに覇気というもので動いているんだよ」
「覇気? 何だそれは?」
こちらの会話が気になったのだろう。イザークが多少興味深そうに尋ねてくる。
「そうだな、生命エネルギーとか気と言えば分かりやすいか」
「気、だと? ネギま世界で使われている気と同じ意味か?」
「そう思って貰って構わない」
まぁ、気と言う意味ではトリニティゲインやヴァイサーガも同様なんだが、生体エネルギーを補助としているそれ等とは違って完全に生体エネルギーのみで動かしているんだが。
「そして、その消費量が半端じゃないと言うのも特徴だな」
「……半端じゃない、だと? おいっ、それはもしかして」
「正解だイザーク。ようは修羅神に乗るには過度の生体エネルギーが必要な訳だ。最も分かりやすく単純に言えば、修羅神に乗る度に命を縮めるって訳だな」
「マジかよ」
さすがに驚きの表情を浮かべるムウ。
そう、それ故に未知の技術の収集を目的とする俺達シャドウミラーだが、修羅神には手を出す予定はない。
何しろ迂闊に近付いただけで周囲の者からも生命力を強制的に吸い取る可能性があるのだから、危なくて使えた物じゃない。
「と言う訳で、あの機体を奪取する事は考えなくてもいい。……さて、じゃあそろそろ出撃するぞ。W1からW5までは援護に徹しろ。ここから逃げ出すような敵がいた場合、猫型の機体以外なら撃破しても構わん」
「了解しました」
量産型Wの返事を聞き……
「戦闘開始だ!」
その言葉と共に、俺、ムウ、イザークの乗るエルアインスからG・レールガンが発射され、同時にコーネリアのラピエサージュのO.O.ランチャーからは弾丸が放たれる。
俺の乗っているエルアインスから放たれた弾丸が、フラウスへと命中。だがさすがにHPと防御力を重視した機体だけあり、エルアインスのG・レールガンでその装甲を貫くというのは無理だった。もちろん幾らかの損傷は与えているが、装甲にヒビが入っている程度で小破にすらなっていない。
「ちぃっ、さすがに固いな」
短く吐き捨て、素早く周囲を見回す。
幸い空戦用のハルパスは空を飛ばずに地面へと着地していたので、大した苦労もなくコーネリアのO.O.ランチャーから放たれた弾丸がその装甲を貫き、爆散している。ボフリィに関しても運動性はシトリーに次ぐ性能を持っているのだが、ハルパス同様にまだ起動していなかった為に姿を消すという特殊能力を使うまでもなく2機ともそれぞれがムウとイザークのG・レールガンにより撃破されていた。
そして1機だけ離れた場所で周囲の警戒をしていたシトリーに関して言えば、テスラ・ドライブによって上空から素早く接近した量産型ゲシュペンストMk-Ⅱ3機がネオ・プラズマカッターの切っ先を突きつけており、その背後では残り2機がメガ・ビームライフルの銃口を突きつけて既に確保している。
「コーネリア、頼む!」
「任せろ」
その一言で俺の言いたい事を理解したのだろう。O.O.ランチャーからビームを放ち、フラウスの装甲へと着弾し……次の瞬間には爆散させる。
「これで全機クリアだな。残りの修羅達は……」
エルアインスのモニタで周囲を確認すると、機体のほぼ全てを失った修羅達は四方八方へと逃げ去っている。
「……まぁ、いいか。俺達の目的はこの工場の奪還だしな」
さすがにこうも四方八方に分散されては1人ずつ確保するのは非常に手間だ。
それにどのみちシトリーに乗っている女修羅に関しては手紙を渡した後に解放するのだから、その時になれば恐らく戻って来るだろう。
「W1からW3は周囲の警戒に向かえ」
シトリーへと向かい、ネオ・プラズマカッターを突きつけていた量産型Wへとそう命じる。
自分に切っ先を突きつけていた3機がいなくなった事でチャンスだと思ったのだろう。一瞬シトリーが動こうとするが……
ドゥンッ!
その足下へとG・レールガンを撃ち込む。
そのままエルアインスでシトリーへと近付いていきながら外部スピーカーのスイッチをONに。
「動くなよ。幾らその機体の運動性が高いと言ってもこの現状をどうにか出来る程ではないと言うのは分かるな? ……安心しろ。俺達はお前を殺そうとは思っていない。ちょっと頼みたい事があってな。取りあえずその機体から降りろ」
「……」
返ってくるのは無言。
まぁ、この状況で機体から降りれば万に一つあるかもしれない脱出の機会を見失うし、何よりも会ったばかりの俺の言葉を簡単には信じられない、か。
「そうだな、じゃあ取りあえず俺が機体から降りる。そうしたらそっちも降りて欲しい」
空間倉庫からメイシスを通してアルティスへと渡す手紙を取り出し、コックピットを開放する。
「おい、アクセル。そこまでしていいのか?」
どこかからかうようなムウの声だが、通信画面に映ったコーネリアは俺を信頼しているのか特に何を言うでもなくシトリーの様子を観察している。
「問題無い。俺がこの程度でどうこうなる訳がないだろう?」
そもそも修羅に限って言えば生身で相対する方が危険度は少ない。混沌精霊である俺の身体は、物理的な攻撃に対しては無効化する。だが逆に魔力や気の籠もった一撃ではきちんとダメージを受けるのだ。つまり、覇気という一種の気のようなエネルギーで動いている修羅神は俺にダメージを与えられる……可能性がある。何しろまだ実際に試した訳ではないから確実とは言えないが。
俺の言いたい事を理解したのだろう。ムウもまたどこか安堵したように小さく頷き、イザークは……何故か責めるような目付きで見ていた。……何だ? まぁ、その辺は後で聞けばいいか。
そう判断し、エルアインスから乗降ワイヤーを使って地上に降りてシトリーの前へと進み出る。
「……」
そのまま向かい会って1分程。俺にしてもシトリーに乗っている修羅にしても沈黙したまま時間が過ぎていく。
向こうにしてみれば何とか脱出の手段が無いのかを探しているのかもしれないが、現状ではどうにも出来ないだろう。何しろ量産型ゲシュペンストMk-Ⅱ2機がメガ・ビームライフルの銃口で狙いを付けており、ムウとイザークのエルアインスがG・レールガンで、コーネリアのラピエサージュがO.O.ランチャー銃口が向けているのだ。何らかの迂闊な動きを見せた瞬間、弾丸やビームが雨霰とばかりに降り注いで機体を瞬時に破壊するだろう。
あるいは動き回っている状態ならその高い運動性能を信じて万に一つの可能性に賭ける事が出来たかもしれないが、止まっている状態ではその薄い装甲が裏目に出る。
……それでもミロンガよりは装甲が厚いんだよな。
そんな風に関係無い事を考えていると、向こうとしてもやがてどうしようもないと覚悟を決めたのだろう。コックピットブロックが開いて1人の修羅が降りてくる。
さすがに修羅と言うべきか、あるいはそもそも修羅神には乗降ワイヤーの類がついていないのか、装甲を踏み台にして軽やかに跳んで降りてきた。
「私に何の用だ」
そう言ってくるのは、青髪の修羅。顔の殆どを覆っているマスク、あるいはヘルメットでどのような顔をしているのかは分からないが、その赤い唇と声、そして身体付きで女だというのは一目で判別可能だ。
「シトリーに乗っていると言う事は、メイシス・マルクの部下で間違い無いな?」
「っ!?」
さすがに地球人――今ではこの言葉もあまり当てにならないが――である俺が自分の機体名、そして上司の名前を知っているのに驚いたのか息を呑む。
「何故お前がメイシス様の名前を知っている?」
警戒を滲ませた声で言葉を返す修羅。
まぁ、その警戒も無理はないが今はこっちの用事を優先させて貰おう。
持っていた手紙を修羅の方へと手渡す。
「……これは?」
「見ての通り手紙だ。これをお前の上司に渡して欲しい」
「……この手紙をか? お前達からの?」
「ああ。この手紙の中にはお前の上司でもあるメイシスの未来が書かれている。絶望と希望。そのどちらを選ぶのかは任せるがな」
それだけ言って、さっさとエルアインスのコックピットに戻る俺。
修羅神はともかく、ソーディアンズ・ダガーは一応確保しておきたい所だが……いや、ここでこいつらのソーディアンズ・ダガーを奪うと帰れないか。そもそもソーディアンが修羅達と共にこの世界から消えれば使えなくなる代物だしな。
コックピットの外部スピーカーのスイッチをONにして再びシトリーへと声を掛ける。
「お前達はすぐにここから消えろ。これ以上ここに残っているようなら本格的に排除しなければいけないからな」
そう言い、離れた場所にいるレイディバードへと通信を取る。
シトリーがソーディアンズ・ダガーと共に工場から去っていくのを見ながら。
さて、これで修羅に対する手は打った。後は向こうがどう出るかの反応待ちだな。
後書き
アクセル・アルマー
LV:40
PP:300
格闘:270
射撃:290
技量:280
防御:280
回避:310
命中:330
SP:478
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
ギアス(灰色)
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
???
撃墜数:447
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