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鉄槌と清風

作者:deburu
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55部分:54:良彦への疑問


54:良彦への疑問

 名前:八坂良彦 性別:男性 年齢:18
 現所属:ウィンド分隊隊長・ウィンド01 元本局航空隊1321部隊所属
 階級:三等空尉

 魔力光:青 変換資質:風 希少技能:『凪』
 魔法術式:古代ベルカ式 魔導師ランク:空戦AAA+

 【特技・特記事項】
 高い格闘戦能力と防御力、移動速度を誇り、航空隊ではヴィータ三尉とのコンビで前線のトップとして活躍。
 料理が得意でレパートリーは広い。

 特記
 聖王教会教会騎士団所属の騎士カリム・グラシアの特務騎士であり、管理局へは派遣と言う形で入局。
 騎士名:清風の騎士 また、古代ベルカ時代【風王】直系の子孫である。
 八坂流合気術継承者 【風王流】継承者 対軍魔法所有

 「うーん…なんというか、驚きだわ」

 「どうしたのティアー…って、これ良彦三尉のデータ?」

 「あ、スバル、エリオとキャロまで」

 「こんにちは、どうしたんですか?」

 「良彦さんのデータですよね、それ?」

 覗きこんだスバル、エリオ、キャロが問いかける。

 「ん、この間の話しとか聞いて気になってね、後映像でおかしいなって思う所が合ったんだけど、そっちは判らなかったわ」

 「そなんだー、えーと……教会騎士団の騎士で」

 「古代ベルカの王の直系…」

 「この継承者が2個なのって」

 ティアが見せるデータにスバル、エリオ、キャロが言葉を失う、ちなみに年齢は皆が18歳って本当何だと思っていた。

 「逆に判らない事が増えた気もするわね、模擬戦もあまりしないから、魔法とかも実際良く判らないし」

 「なら、直接聞いてみたらどうでしょうか?」

 ティアナの言葉に、キャロが提案する。

 「それがいいよティア、時間あるし、聞いた方が早いし、納得できそう」

 「僕もそう思います」

 「ん、それもそっか、よし、じゃぁ良彦三尉に質問に行くわよ」

 「「「おー!」」」

 4人は良彦を探しに部屋を出て行ったのである。



 で、海上訓練スペースで自分の修行をしていた良彦の前に4人が来て、質問があると言われ、じゃぁ此処でよければと、現在廃墟のデータを使ってる訓練スペースに車座になって座る。

 「それで、何が聞きたいんだ」

 「はい、まず教会騎士団って本当ですか、後古代ベルカの王の直系とか」

 スバルが手を挙げ質問。

 「ホントだな、清風の騎士八坂良彦、西風のゼピュロス…これが正式な名乗りだ、王のほうも事実ではある、そっちの血よりも日本人の血のほうが濃いと思うけどな」

 それに答え、次はと促せば

 「あの、八坂流合気術と【風王流】の継承っていうのは?」

 「あぁ、そうだな…【風王流】は文字通り【風王】一族が使っていた流派だ、魔力変換資質と高い魔力制御、この2つの才能がいるんで、一族でも使える人が少なかったんだけどな」

 「それじゃ、八坂流は?」

 「【風王流】から魔法部分をなくして、体術部分を抜き出した流派だな、いくつかの奥儀がある」

 キャロ、エリオに答える。

 「それじゃ良彦さんの魔法は【風王流】なんですか?」

 「だな、そうなる…さっき言った2個の素質を持つ人間は何故か、射砲撃の才能が皆無なんで、普通の魔法体系じゃ実力が発揮しきれないんだ」

 ティアナが聞いてくるのを、苦笑しつつ答え。

 「それってどんなのがあるんですか、模擬戦とかあまりしてないんで判らないんですけど」

 「あー、そか…シスターとかシグナム、ヴィータとするときは教会だしな…んじゃ、いくつか教えとこう、実戦で使ったの中心な」

 スバルの問いにそういって、立ち上がりセットアップ、青の光りに包まれた後騎士甲冑姿に。

 「『凪』は前に説明したな…まずそれの応用、見やすいように不可視設定外してやるぞ」

 そういうと良彦を中心に青の魔力で出来た球体が大きくなっていく。

 「これも『凪』だ、但し…感知能力に特化させて、魔力の相殺とかが一切出来ない上に自分は動けない、一人じゃ使えない技だな」

 「大きさどのくらいまでなるんですか?」

 「一応2km位まではいけるぞ」

 エリオの問いに答え、魔力光で出来た球を消していく。

 「んで…そうだな、ティアナ、射撃魔法適当に何発か打ってくれ」

 「え…良いですけど」

 ジャケットを着ずに、クロスミラージュを構え、5発ほどの射撃魔法を良彦へ打ち込むティアナ。
 『凪』に入ってきた射撃魔法を、両手で集め…橙の一個の球体にする、さらにそれが青へと変わって行ったあと、近くに放り投げる。

 「今のも応用、相殺しないようにして、魔力を集め、それを利用できる、ただ…これは実戦では使えない」

 「何でですか、便利そうだけど」

 スバルに苦笑しつつ。

 「色が変わるのが自分で使える魔力になった証だ、数秒かかってたろ…実戦で数秒は、だめだろ、しかも変換中はやっぱ動けないし、魔力損失が2割位出る、普通に殴った方が早いだろ?」

 「なるほど」

 「んじゃ、『凪』はこのくらいだな…で、【風王流】なんだけど、基本は相手の力を利用した投げや反撃、風を使った拳打、脚撃からなると思ってくれ」

 そう言いながら、拳を構え、魔力と風を纏わせる。

 「拳打の基本、風拳…魔力と風による威力上昇した拳だな」

 「攻撃を弾くときとかに使ってる技ですよね」

 スバルに再び答え。

 「あぁ、そうなる…で、攻撃用のがまず、風拳・嵐…纏った風を当たった瞬間に増幅風の刃を一定範囲に発生させる」

 「あ、確かⅢ型に使ってた」

 「そうだな、でこれはホテルで使った…風拳・一刃、貫き手に纏った風を刃にする」

 「確かに使ってましたね」

 エリオ、キャロがそれを見て頷き。

 「風拳・烈風…練りこんだ風を強化し相手を吹き飛ばす、まぁこないだはヴィータの加速に利用したけど」

 「あはは、あの時ですか」

 苦笑するティアナ。

 「後は投げと同時に使う…風拳・圧だな、これは当たった後に圧縮した風が衝撃になって相手に伝わる」

 「なるほど、それで投げはどんな感じになるんですか?」

 スバルが聞いてくる。

 「ん…陸戦では地面にたたきつけた後、間接を極めるか、相手が多いときは、足を使う」

 「足?」

 「首や、その他急所に魔力を纏わした踏み付けを加えて、寝かすって事だ」

 「な、なるほど」

 ティアナが引きつりながら頷く。

 「空はたたきつける場所がないからな、シールドを位置ずらして其処にたたきつけてるな、投げ飛ばして距離とる時もある」

 「そうなんですか、結構大変ですね」

 「それでも、投げに対応できる魔導師はほとんど居ないから結構有効だぞ」

 エリオの言葉に苦笑しつつ、ぽんと頭を叩く。

 「とりあえずは、流派はこんな感じかな、第2段階終わったら模擬戦参加するから、後はその時な」

 「「「「はい」」」」

 「他にはあるか?」

 「あの、良彦三尉」

 「ん、どうしたティアナ」

 「昔の映像といまだと、その髪とか目が…」

 「あぁ、それか…んー、何でかわからねーんだけど、お前らに見せた事件以降、こうなって来たんだよな…【風王】の遺伝子が強く活性化したんじゃないかってシャマルは言ってたけど」

 「そうなんですか…すいませんでした、変なこと聞いて」

 「良いって、気にもしてないしな…他は?」

 「あ、はい」

 「キャロ、何だ?」

 「あの、対軍魔法ってなんですか、広域殲滅とかとはちがうんでしょうか?」

 「そうだな…広域殲滅は魔力ダメージのみとかも選択できるよな、対軍はただ相手を倒す、というか殺す魔法って言う括りになるな」

 「そんな魔法があるんですか?」

 「古代ベルカは戦乱の時代だったからな…結構多いんじゃないかね、ただそれが俺の資料に乗ってるのは、使ったことがあるからだな」

 「たしか、闇の書事件で、でしたっけ?」

 エリオに答え、スバルが更に問う。

 「だな、あれはかなり抑えた方だけど」

 「抑えないと、どうなるんですか?」

 「数キロ範囲がプラズマで焼き尽くされる」

 ティアナにそう答え、やらないけどな、と苦笑。

 「さて、こんな所か?」

 「あ、後一個」

 「んじゃ、スバル」

 「ヴィータ副隊長とは何時結婚するんですか」

 「予定じゃ、来年の6月だ」

 「「「「え?」」」」

 「聞いといてなんで皆で疑問を浮かべる」

 「答えてもらえると思えなかったんで」

 ティアナが代表して答える。

 「そうか、まぁ…予定してるのは事実だし、その手の話も慣れたからな」

 にやりっと笑い、騎士甲冑を解除、普段の着崩した六課制服へ戻る。

 「んじゃ、書類もあっからいくぞ、またな」

 「はい、ありがとうございました」

 「「「ありがとうございました」」」

 ティアナに続き他の3人も一礼して見送った。



 「っていう事があってな、新人に結婚予定いっちまった」

 「おめえな、まだはやてとなのは、フェイトにしか言ってなかったろそれ」

 「いいじゃねーか、ほぼ確定だし、でもあっちは言ってないぞ」

 「あっち?」

 「結婚までは、あれだせkk「だーっ」おぶっ」

 そういった瞬間、真っ赤になりながら

 「それ他の誰かにいったら、ゆるさねー」

 げしげしっと脛を蹴られまくる。

 「だから言ってねーって、せkk」

 「だー、言うな聞かれてなくても言うな!」

 どずんっと、腹に拳一撃。

 「おうふっ、わ、わかったから、マジ攻撃はやめろ」

 「うっせ、この馬鹿…信じらんねー、全くよー」

 「今日オムライスにしてやっから、な、許せ」

 「…今度翠屋のシュークリームも」

 「おっけーだ、買ってこよう」

 「んじゃ、ゆるす」

 とすんと良彦の肩に頭を預けるヴィータ。
 その頭をぽんぽんと優しく叩き、顔を向けさせて軽くキス、立ち上がり食事の準備へ入るのだった。
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新人の疑問を利用した、魔法とかの説明です。

次回は、休暇のお話だと思います。
 
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