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鉄槌と清風

作者:deburu
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56部分:55:新人は休暇、他は?


55:新人は休暇、他は?

 新人達が良彦に質問に来てから大体2週間くらいが過ぎた、今日はなのは、ヴィータ、フェイト、良彦がそれぞれ一人ずつを指導し、ばてばての新人達が地面に腰を下ろしている。

 「皆お疲れ様、其れで実は今日第2段階クリアの試験だったんだけど」

 「「「「えぇ!?」」」」

 なのはがいう驚きの事実に声が上がる、それを苦笑して聞きながら

 「皆どうだった?」

 「合格」

 「ま、良いんじゃねーか」

 「問題ねーだろ、合っても困る」

 と、簡単にフェイト、ヴィータ、良彦からの返答。

 「はやっ」

 「私も大丈夫だと思うから、それじゃ皆、第2段階終了ね、合格おめでとう」

 スバルの一言にも苦笑だけ返し、お祝いを告げる。

 「デバイスのリミッターも解除すっから、シャーリーの所行っとけよ」

 「んじゃ、又明日だな」

 「え、明日?」

 ヴィータが指示し、良彦が付け加える、そして、4人の疑問を代表してティアナが問う。

 「訓練再開は明日からだ、今日の午後は休暇だな」

 「私達も隊舎で待機する予定だしね」

 ヴィータの言葉になのはが答えフェイトが頷く、そして

 「やったー、お休みだ、ティアどうしよっか?」

 「ちょ、スバル抱きつくんじゃない暑いってば」

 と、喜ぶスバルとティア、エリオとキャロも

 「どうしようか、何かすることあるかな?」

 「そうだね、どうしよう」

 と、まぁ休みの過ごし方をあまり判ってないッぽいが嬉しそうではある。

 「おし、んじゃ休める時はゆっくり休んどけよ、俺らみてーになんぞ」

 「よしくん、それは言わない約束だよ!」

 「事実だしなー、知られたんだ隠す意味もねー」

 良彦になのはが突っ込むが、ヴィータに追い討ちを食らっている。

 「うぅ、フェイトちゃーん」

 「よしよし」

 フェイトに抱きつくなのはを、皆が笑ってみていた。



 で、新人達はクラナガンに出て遊んでくる事にしたらしい。
 なのは、フェイトは待機、シグナムは聖王教会へ、ヴィータ、良彦は陸士108部隊で教導の予定だ。
 良彦は教導資格を持ってないがヴィータの助手及び、標的役だ、対AMF戦闘の教導なので、良彦の『凪』を通す攻撃が出来れば、問題ないからだ。

 「…あっちは休みでこっちは仕事か、まぁ、ナカジマ三佐には世話になってるしな」

 「そういう事だ、あちらの好意で捜査協力もしてもらっているのだしな」

 「まー、おめえにしてみりゃ『凪』の修行にもなんだろよ」

 「まぁな、あそこの隊員はやる気もあるし、気合の入った攻撃してくれるんで、修行にはなるな」

 「ならば、文句はあるまい」

 「なんで修行になれば問題ないって言い切れるんだ?」

 「「修行バカ、だから(な)」」
 
 良彦の呟きに、シグナムが苦笑しながら答え、ヴィータがフォロー、そして良彦の問いに、二人揃って答えてくれる、何時ものやり取りだ。

 「まぁ、事実なんだが…っと、なのは、フェイト、新人の送り出しか?」

 「あぁよしくん、うん4人とも出かけたよ」

 「エリオとキャロは大丈夫かな、街は危ない所もあるし」

 「…フェイトは過保護だな」

 「にゃはは」

 苦笑で答えるなのは、フェイトは本当に心配そうだ。

 「あ、でも3人はおでかけ?」

 「私は教会にな」

 「あたしらは108に教導だ」

 「つーことだ」

 シグナム、ヴィータ、良彦がなのはに答え。

 「そっか、頑張ってきてね、私とフェイトちゃんは待機してるから」

 「おう、つかなのは、お前は仮眠しとけ、どうせ疲れ溜まってんだろ、仮眠がいやならシャマルにマッサージでも頼め」

 「うっ…よしくん、、気付いてたの」

 「いや、気付かれて無いと思ってんのお前だけだぞ」

 その言葉になのはが、他の3人を見ると、皆が揃って頷く。

 「ワーカーホリックに修行バカ、新人も大変だな」

 「シグナム、バトルジャンキーにそれを言われると、あいつらも困ると思うぞ」

 シグナムが苦笑しながら言うのを、ヴィータがどかんと叩き潰す。
 全員の笑いが一瞬合わさり

 「んじゃ、いくとしますか…あ、シグナム、シスターに今度模擬戦よろしくって言っといてくれな」

 「あぁ、引き受けたその際は私も同行しよう」

 「偶にはあたしもな、おっし良彦、車頼むぞ」

 良彦、シグナム、ヴィータが話しながら隊舎の外へ。
 なのは、フェイトも待機する為にか奥へ入っていった。

 ちなみに良彦の車は、地球のミニクーパー…所謂旧ミニである外見は、中身はミッドの物に改造されている…である、基本乗るのは良彦とヴィータくらいなので、小さいので十分なのだ。
 走らせることしばし、108部隊隊舎の駐車場に車を止め、部隊長であるナカジマ三佐に挨拶へ向かう。

 「失礼します、機動六課から出張教導にきた、ヴィータ三等空尉と、八坂良彦三等空尉です」

 ヴィータが珍しく真面目に挨拶するが

 「おう、ってちびっ子コンビじゃねーか、元気だったか?」

 「おっさん、ちびっ子言うなっ!」

 「そうだ、あたしらはまぁ身長は低いけど、チビいうな!」

 ゲンヤ・ナカジマ三等陸佐は、二人をちびっ子コンビと笑い捨てる、それに反応し、突っ込む二人。

 「ははは、いいじゃねーか、毎度毎度すまねーな、終わったら飯食ってけや」

 「あいよ、んで今日は何人くらいいるんだ?」

 「そうだな、ギンガ以外はほぼいるはずだぜ」

 「ギンガは、捜査か…それじゃ仕方ねーな」

 ゲンヤに人数の確認などを済ませ、ヴィータと一緒に訓練場へ、六課のような海上訓練スペースではなく、陸の上の広場に見えなくも無いが。
 武装局員が整列するなか、前にある台に立って軽く挨拶、毎度の事なので隊員からは気軽な挨拶が帰ってくる。

 しっかりと柔軟を行った後で、コンビ、小隊、部隊、と単位を大きくして訓練していく。
 一人という事は無い、平均の魔導師レベルが陸士は高くないので一人でガジェットを発見した場合は、報告義務がある程度だ。

 ある意味でAMFより厄介な『凪』を打ち抜く為の訓練が始まる、AMFは膜のようにガジェットを覆っている為、その膜を破ればガジェットに魔力弾なりを届ける事が出来る、これは複数人数であれば、同時一点集中で何とかなる。
 『凪』は膜ではない、良彦の腕が届く範囲を全て覆っている分厚い壁のような物なのだ、これが抜けるならAMFも恐くは無いだろう。

 シグナム、ヴィータ、なのは、フェイトは普通にこれを抜く攻撃をもつ、シスターシャッハは速さと鋭さでこれを抜く、そして、はやては攻撃範囲が違いすぎ…一方的に広範囲魔法でやられるか、一瞬で近づいて殴り倒すしか結果がない…て話しにならない。
 一般隊員の場合は、ほとんどこれを抜く方法は少ない、が…良彦も完璧ではない、隙を突かれれば、許容量以上の攻撃を受ければ『凪』も破られる、そのため相手は考える、どうすれば隙をつけるか、破れるか。
 それに対応して良彦も考える、どういう手で来るか、何処までが完全に消せるか、だからこそ自分の修行にもなっているのだから。

 訓練は数時間続く…本来なら終わるのは夕方だ、だがその日は途中で、ヴィータと良彦のデバイスに緊急で全体通信が入った為、中断になる。
 それは街に出ていた新人達からで、事件の新たな局面を知らせる連絡でもあった。
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第2段階終了、新人は休暇へ、良彦ヴィータは108で教導です。

次回は、地下での攻防の辺りでしょうか、以前も書きましたが良彦視線がメインなので、ヴィータと駆けつける事になると思います。
 
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