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こんな私(俺)の物語

作者:金猫
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第十一話 八雲紫の物語、そう、俺の物語

 
前書き
祝!十万文字!
評価してくださった方、お気に入り登録してくださった方、この小説を見てくださった方、

ありがとうございます!
これからもよろしくお願いします!





今回は東方成分多いかも。 

 
(おれ)はなる。妖怪賢者、神隠しの主犯、幻想の境界、八雲紫に。




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レーティングゲームが終わった。
俺は自分の力の無さを痛感した。勝つことはできる。一回勝てというのなら、ほぼ百パーセント勝てる。
だけど、勝ち続けることができない。
どこの鑢七実だよ。本当に、浮かれるのも大概にしろ。
俺には基礎的なことが足りていない。

「ホント、まだまだね」

女口調が完全に板についた。意識しないと男口調を表に出せなくなっている。
これも、俺がここで生きた証なんだな。
よくよく考えてみれば、戦闘経験、これで四度目。少ないにも程がある。そりゃあ、妖怪賢者八雲紫みたいにはなれねえよな。
俺はまだ、心が平和な日本人だ。ここ日本だけど。

「紫」

「紫さん」

幽々子と籃が呼び掛けてくる。「紫様」じゃなくて「紫さん」なのが、俺と籃の関係を表している。「式と主」ではなく、「家族」という関係性を。

「大丈夫だった?紫」

「ええ、無傷で帰って来たわよ。服は汚しちゃったけど」

無傷で帰って来たってのは本当だ。ただ、体力が尽きていただけだ。血やらで汚れた服は過去と現在の境界による時間逆流クリーニング。これぞ能力の無駄遣い。

「無理しないでください。内面はボロボロなんですから」

・・・・・・ははっ。やっぱ隠せなかったよ。そう。空元気だ。
疲労も抜けきってないし、精神的にもボロボロだ。
何だろう。能力を手に入れて粋がっていたガキだ。

「・・・そうね・・・もう少し休ませてもらうわ」

お言葉に甘えますか。


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Said籃


「・・・幽々子さん、紫さんのこと、どう思いますか?」

「も~まださん付けで呼ぶ。幽々子でいいわよ~」

頬っぺたプニプニしながら言う。羨ましい。

「でも、そうね、無理しすぎだと思うわ」

「やっぱり、幽々子さ・・・」

「(ジト~)」

「・・・幽々子もそう思いますか」

細かい幽々様。いつもポワポワしているくせに。だが、そのジト目も(以下省略)

「単刀直入に言えば、一人で背負い過ぎなのよね」

「何故あそこまで一人で背負おうとするかわかりません」

「えっ?なんでわからないの?単純じゃない」

「・・・何故なんですか?」

幽々子に頭で負けた?九尾。紫と一緒に高校通っているから、当然テスト勉強も一緒にやっている。だからたぶん、原作より頭いい。

「私たちが頼りないからよ。もっと言えば、私たちが弱いからよ」

「・・・・・・」

思わず口を閉ざしてしまう。幽々子は分かっていた。自分が弱い事を、庇護下にあることを。

「ねえ、籃」

「・・・なんですか?」

「私は、守られるだけはイヤ」

「・・・・・・」

「思えば、紫からは与えられてばっかりだった。私のために、死にかける事もあった」

「・・・私も、紫さんの力になれたとは、言い難いかもしれませんね」

確かに、人間と一緒に暮らせるようになったのも、紫さんのお陰。名前も付けてくれた。
だからこそ、一人で背負わないでほしい。いつか、壊れそうで怖い。

「私は強くなる。籃は?」

「強くなります」

「ええ、紫を支えられるように、強くなりましょう」

「はい!」

二人は決意する。動くことを、強くなることを。
その思いに呼応するように、


   神器、墨染死桜扇(ディーナーガイズブロッサム)は完全に目覚めた。


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二度寝をして疲労も殆ど抜けた。
あーダル。

「うぅ~ん」

伸びをして固まった筋肉をほぐす。
何だろう。すごく清々しい。
幽々子と籃はまだ寝ている。ふふふ、美女二人のあどけない寝顔が見れるのは役得だな。可愛い。

台所に立って料理を開始する。料理をしながら、今後のトレーニングメニューを思案する。霊力の総量ってどうすれば増える?体力とともに増えてくれたらいいが、その体力をどう効率的に増やす?
武術やら弾幕はこの際後回しだ。基礎を固めよう。よくある高所トレーニング、超回復、ついでに時間操作で修行時間の増加、回復速度の上昇、問題は山積みだな。
俺は安定感が無さすぎる。ん?

「おはよう、幽々子、籃」

「おはよ~」

「おはようございます」

起きたか。あ~。癒されるなぁ、我が家。いつも通り、ご飯を食べて、学校に行く・・・・・・のだが、都合の良いことに祝日。ちょうどいい。一日三十時間修行だ。時間を遅延して一日の時間を多くする。これでなんとかできる。

「ねえ、紫」

「何?幽々子」

「私たちを強くして」

・・・・・・へっ?なんつった?強くしろ?幻聴か?今まで食べ物以外でねだることがなかった幽々子が今回ねだったのは修行?俺はまだ疲れてんのか?

「ねえ、幽々子。もう一回いって頂戴。上手く聞き取れなくて・・・」

「私たちを強くして。紫の隣に立てるぐらい」

注文が増えた。しかも幻聴じゃなかったらしい。マジカル、あ!間違えた、マジかよ。
いや、別に強くなろうとするのはいいんだ。むしろ自分からやろうとする意欲も出ている。だけど、
目が真剣(マジ)だ。最早反論すら許さないような、覚悟をもった、決意をもった目。
何があった?ここまで豹変といってもいいほどの変わりようの原因はなんだ?

「強くなりたいのはわかったけど、どうしたの?突然」

「昨日籃と話し合って決めたの。私たちも強くなろうって」

「・・・籃。昨日何話したの?」

「何故、紫さんが一人で背負いこもうとするかです。その理由は、私たちが弱いからと、結論付けました。だから、私たちは荷物にならないように強くなろうと決めたのです」

・・・・・・そんな風に考えてたのか。俺は大切な家族兼友人だと思っていたから、守るのは苦だとは思わなかったが、この二人は、俺にとっての荷物だと思っていたのか。
俺が強い訳じゃない。ただ、持っている力が、強いだけだ。
でも、嬉しいな。
なら、俺も答えよう。

「わかったわ。でも、無理はしないでね」

精々全力で魔改造してやんよ。


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俺は境界を操り、ぶっ壊れてもいい空間を作る。もちろん、目玉とかは無しで。幽々子と籃は、別の場所で弾幕の練習中。幽々子め、体力かなりあった。多飯喰らいなだけある。そうじゃないとわりに合わん。
さて、空間製作は完了。次は中の時間の遅延だな。精○と○の部屋みたいなもんだ。
ただ、霊力が結構減る。時間停止じゃない分、まだマシだが。
霊力がほしいなぁ。ぶっちゃけ少なすぎ。そう思うと、何故、俺は妖怪になれない?以前は俺の力不足だと思っていたが、なにか根本的に違う気がする。なにか引っ掛かるんだよな。

そういえば、レーティングゲームが終わった約三日後に結婚式だっけ。殴り込みに行く一誠を見に行こうかな?
・・・・・・何故だろう、寒気がしてきた。
正直言うと、面倒なのでいきたくないが、イレギュラーの可能性もあるから行く。


    時間経過・・・・・・


結構時間がたった。現実時間は一時間ぐらいたった。こっちでは三時間たった。三倍修行。
離れている場所で弾幕の練習をしている幽々子と籃を見ているが、もう弾幕ごっこしている。

・・・・・・ちょっと待て!もうコツつかんだのかよ!あいつらも素質チートか!
百歩譲って籃は分かる!元々妖怪だから妖力弾簡単に作れるのは分かる。
だが幽々子!開始三時間で弾幕張れるなんてどんだけ天才肌なんだよ!センスか!センスなのか!!
チキショー!悔しくなんかねえんだからなー!

因みに、紫は三日で張れるようになった。あんたも充分チートだよ。


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さらに時間経過。今はスペカ、つまりは必殺技を作っている。必要無いかも知れないが、俺のをみたら自分も作りたいとか。
幽々子のスペルカード開発中、俺と籃は組手をしていた。重力強くして。
キッツイ。肉体スペックも高えな九尾!
うわっ!尻尾まで来た!強えよ!さすが九尾、いや、籃!俺の方が鍛えられてるよ!
とりあえず小休憩。

「紫さんって・・・強化の才能まるっきりないですね」

「そう・・・最初から・・・言っているじゃない・・・!」

俺は結界に才能が片寄ってるんだよ!それを隠すためにスキマとかを使って弾幕撃ってんだよ!
組手は強化を使っているのだが、籃に全然勝てない。(強化無しかつ人間で妖怪最高峰の九尾に重力強くしてついていっている時点で化け物である)

「攻撃は兎も角、防御はなんとかなると思いますよ?」

「と、言うと?」

「防御する箇所に結界を張ればいいかと」

ああ、確かにその手があったな。以前やったことがあったが、消費が結構早かった。全身に常に纏っていたせいで。
局所的に張ったら燃費がいいな。防御面は一応解決。攻撃は作用と反作用の境界か?今までザコばっかりだったから強化いらなかったんだよな。そう考えると、傘を武器にするのも考えないとな。打撃は向かん。

ゆかりんが刀持っても大丈夫かな?俺は似合うと思うが。どこかで調達するか。
武闘派ゆかりん、家庭的ゆかりん、突っ込むゆかりん。ゆかりんのキャラが崩れていく。いまさらか。

組手を再開する。

籃の攻撃を結界を腕に小さく張って、受け止める。かなり楽になった。作用と反作用の境界による疑似、一方通行(アクセラレータ)もあるが、例に漏れず消費が多い。強いのは消耗が多い。

「難しいわね。自然にできるようになるには時間がいるわ」

「そうですか(普通はいったそばからできる訳がないのですが・・・)」

比較対象がいないからこうなった。
スペカの改造もするか。『八雲「夢想封印」』みたいに改造してみるか。やりたい放題はゆかりんの特権だ。
俺は真正のゆかりんではないが。主に年齢。ババアではないのだよ!

「まだやりますか?」

「暫く待ってくれるかしら。すぐに回復するから」

十倍に薄めたフェニックスの涙。結構回復するんだよな。完全には回復しないが。ないよりかなりマシだ。
飲んだ先から疲労が取れていく。あ、一誠のブーステッド・ギアで回復力倍加したらかなりいいんじゃ?さすが神滅器(ロンギヌス)
立ち上がる。

「さて、やりましょう」

「いきますよ!」

再度組手をする。今日は長いぞ?


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さらに時間経過。幽々子がスペルカードを完成させた。最も、原作にあるやつ全てではないが。何が出来たかは聞いていない。ちらっとみたらスケーターもビックリな回転を披露していた。クルクルクルクルよく目が回らなかったな。

ここで幽々子と籃は交代。幽々子に非想天則風の弾幕勝負、まあ、つまりは実戦形式で鍛える。物理攻撃は基本無しで。怪我させたくない。

「じゃあ、始めるわよ。危なくなったらすぐにその水飲むのよ!絶対よ!」

「わかったわよぉ」

過保護。さすがユユコン。因みにフェニックスの水だが、幽々子のだけ若干濃い。
とりあえず、本題に入ろうか。

「いくわよ~」

そんなふわふわした台詞とは裏腹に、ふざけた密度の弾幕が来た。俺の弾幕なんて弾幕(笑)とか言われそう。これで通常弾幕って、そりゃないだろ!俺が一番弱いみたいじゃねえか!
なんでこんなに強いの!?・・・・・・あ。

原作幽々子の最強期=白玉楼の亡霊

亡霊=霊力を使う

人間も霊力を使う

幽々子の霊力は最早最強レベル

・・・・・・そりゃ強いわけだ。勝負(笑)かもしれん。
・・・って!そんなこと考えてる暇ねえ!二重結界で防ぐ!

ドゴゴゴゴゴゴ!!

ちょ、数多い!二重にしてよかった!なんなの?この差はなんなの!?幽々子マジ強え!なめてスンマセン!
しかも一発一発の威力も予想以上に高い!完全に予想外だよ!
通常弾幕の中に蝶型のスピードは遅いが軌道が読みにくい弾幕まで混ぜてくる。俺も工夫はしているが。
どんな工夫か?卍型の回転するやつやら墓石やら道路標識やら槍型のやら。

それはともかく・・・・・・、俺が教える意味無くね?
ちらっと幽々子の顔を見たら、スッゴい真面目な顔して弾幕撃ってくる。
・・・俺も頑張りますか!

『境巣「幻想蟲ネスト」』

『幻巣「飛光虫ネスト」』の強化版。俺の後ろにスキマを開き、そこから散弾をばら蒔くオリジナルを、散弾ではなく枝分かれするレーザーに変えて貫通力と速度を上げたスペルカード。
さて、幽々子はどうくる?

『蝶符「鳳蝶紋(あげはもん)の死槍」』

自分の背後に俺に対抗するかのように、扇子の模様を展開して、そこから槍型と蝶型の弾幕を乱射してきた。
うわぁ。密度が違いすぎる。しかも綺麗だなぁ。見とれるよ。因みに、幽々子が霊力球を作ったらピンク色でした。イメージカラーだもんな。

撃ち合いは続く。貫通力のおかげでまだたもっているが、いずれ物量に負けるな、こりゃぁ。基本スペックは幽々子の方が圧倒的に上だ。まずは弾き飛ばすか!

『結界「四重結界」』

結界を張る勢いで弾幕を弾き飛ばす。
一旦仕切り直し、と思ったら、今度はレーザーに戦法を変えてきた。ああ、非殺傷設定がほしい。
ある程度を結界で防ぐが、固定砲台みたいにドンドン撃ってくる。バランスを崩すために、鋭い一撃を撃ち込む。

『境目「知能と脚の境界」』

水平に一閃するような、レーザーを放つ。だが、以外にも幽々子は早く反応してその場から動いた。

空を飛んで。

・・・・・・もう飛べるんですか!?何?いつの間にそこまで成長したの!?嬉しい反面、悔しいよ!三日で飛べるようになった俺と違って十時間で飛べるようになるなんて理不尽だ!(紫の場合講師が霊夢でその説明はアテにならなかったため、三日かかった。幽々子の場合、講師が紫で分かりやすく、正確だったため、コツをさっさとつかんだ。独学で三日で飛べるようになったゆかりんはマジで化け物級。まあ、妖怪なら化け物なんだが)

平面から立体的になった戦闘。斜め上から弾幕撃ってくる幽々子。斜め上からの攻撃は避けにくい。しかし!俺は八雲紫である!スキマがあるじゃない!スキマで後ろに離脱する。

真正面に幽々子がいた。

『舞踏「天衣無縫」』

あっはっは、予想外もここまで来ると感心するよ。

まさか扇子で殴りかかって来るとは思わなんだ。泣きたい。お姉さんはそんな風に育てた覚えはありませんよ!
にしても天衣無縫か。まさしく幽々子を表したスペカだな。ただそれが回転しながら蹴りと扇子の打撃と、〆に霊弾の爆発まで当てて来るとは。合計8コンボ。そんな動きできたのかよ。だけどね、

そっちが殴りかかってくるなら、俺も防御するんだよ。スピードはあるが、一発一発はそこまで重くないな。ゆうかりんに修行つけてもらえ。この子もキャラ崩壊が。全て防がれたとわかったのか、幽々子は後ろに滑るように、下がる。若干浮いていた。すごいな。そしてかなり離れてから、クルクル回り始めた。何してるんだ?

ーーっ!?

『桜符「センスオブチェリーブロッサム」』

幽々子が扇子を上に持ち上げると同時に、桜の花弁を模した弾が、波のように襲い掛かった。一発の威力も結構ある。四重程度じゃあっさり潰されるな。なら、俺の今放てる最高の結界を張ろう。

『境符「千二十四重結界」』

四重結界の256倍の結界。いまの俺の張れる最高の結界。幽々子の桜吹雪を抑えるには充分な量だった。

防ぎきったあと、俺は倒れかけた。当たり前だ。俺の霊力は幽々子に比べればかなり少ない。単純に霊力切れだ。
負けたな、と、思ったら、幽々子も肩で息をしていた。お互い限界だったらしい。

こうして、俺と幽々子の初勝負は、引き分けで幕を閉じた。


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最後の仕上げ。俺の妖怪化だ。これが出来れば、俺はかなり強くなれる。因みに、幽々子と籃は休んでいる。筋肉痛だとさ。散々やったからな。幽々子までやるとは思わなかったが。今日みたいな修行を続ければ、強くなれるな。

さて、本題に入ろう。
まず、なんで俺は妖怪になれない?何か条件があるのか?
それとも俺の力不足か?
そもそもに、妖怪とは何か?人の念が凝り固まって形をなした存在。人の思いから出来た存在。東方では、存在を認知されること。それができなくなったから、楽園を作った。つまりは、人の思いがないからなのか?
いや、籃がいる。つまりは、人の思い、畏れもあるのだろう。
それが俺に向けられればいいのだが、八雲紫は妖怪で言えば唯一種だ。いわゆる原初の一体。だから、鬼とか吸血鬼とかならいられるが、認知されていない俺が妖怪になることはできない?
それを踏まえて、とある方法を思い付いた。が、誉められた行為ではない。外道といっていい。

どうすればいい?・・・・・・ああ、ちょうどいい機会があるじゃないか。

リアスの結婚式。そこにいこう。


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その後時間は過ぎ、結婚式当日になった。俺はグレイフィアにまだ会っていない。だから、会場に行くために、俺は一誠の家に向かっている。幽々子と籃は仲良く眠っている。筋肉痛とかはフェニックスの水を使い、回復させた。

一誠の家についた。

「お邪魔します」

断って家の中に入っていく。一誠の部屋の前で、ノックをする。ドアを開けたのはグレイフィアだった。
質問もせず、無言で一礼して、すぐに一誠の隣にいった。暫くして、一誠が起きた。
勝負に負けたことや、結婚式のことを言っている。
まあ、思うことはあるだろうが、俺の目的は人が大勢いる空間に行って、妖怪になるための布石、というより、実験するだけだ。
お、一誠がアーシアに聖水つくってもらっている。

「紫さんも来るんですか?」

「ええ、私にも目的があるから」

そして、俺はグレイフィアの魔方陣で転移した一誠を目印に、スキマを開くのだった。


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スキマを通って見た景色は、果てしなく広い廊下、数えるのもめんどくさい数の蝋燭。どでかい肖像画もある。
着いた。そうして俺は、三字経感情の境界を操る。
三字経の感情は、喜、怒、哀、畏れ、(いとしみ)(にくしみ)、欲の七つの感情が人間にあるとされている。
俺を見た存在の感情を畏れに特化させる。簡単に言えば、強制的に畏れを俺に向けさせる。まあでも、そこまでうまくは行かねえだろうな。実害がある正体不明は脅威だが、大して実績もない俺は全員、恐るべき相手とは認識しないだろう。だからこその、フェニックスだ。
不死身を一撃で再起不能にすれば、それは神クラスの一撃だ。ハッタリでも効かせて一撃で昏倒させれば、根本的なところに、俺に対する畏れが植え付けられる。最も、戦うかは分からんが。
強いものの恐怖があれば、かなりいい。そう言う意味でも、このパーティーはうってつけだ。

「紫さん、紫さん!行きますよ!」

「えっ?あ、ええ、行きましょう」

考え事してて気づかなかった。暫く歩いていると、大きな扉が開かれていた。中を窺うと、いかにも貴族って感じの着飾った悪魔が大勢いた。さて、リアスはどこにいるのかねえ。
って目立つな、おい。
紅髪をアップして紅いドレスって。紅魔館に負けず劣らずな赤っぷり。

「部長ォォォォォッッ!」

いきなり叫ぶなよ。一斉にこっち見るじゃねえか。でも、この程度で怯んでなんかいられない。常に不敵に堂々と。
俺は強い、俺は強い、俺は強い、俺は強い、俺は強い(自己暗示)

「ここにいる上級悪魔の皆さん!それに部長のお兄さんの魔王様!俺は駒王学園オカルト研究部の兵藤一誠です!部長のリアス・グレモリー様を取り戻しに来ました!」

会場が煩くなった。全く、わからんでもないが、一誠、当たり前のようにリアスと焼き鳥のところに向かうな、ほら、衛兵が来たじゃないか。

「おい、貴様ら!ここがどこだとーー」

俺と一誠を止めようとする衛兵だが、邪魔をされていた。

「イッセー君!ここは僕たちに任せて」

「・・・・・・遅いです」

「あらあら、やっと来たんですね」

「みんな・・・ありがとう!」

と言って、一誠は堂々と一直線にリアスの元に向かった、が、

「おい、貴様、今すぐにこの場から出ていけ。貴様のような下級悪魔がいていい場所じゃない」

そんなことをほざく衛兵の頭を掴んで、一言言いながら叩きつける。

「私は一応、グレモリー眷属よ」

バキィ!床が若干割れた。作用と反作用の境界は操っていない。俺の基礎が強化されて悪魔の俺も強くなったか?
ともかく、弱いにも程がある。俺程度で突破される衛兵なんて、俺ならクビだ。

「おい、リアス殿、これはいったい?」
「どういうことだ?ライザー」

身内が困惑するなか、魔王が来る。

「私が用意した余興ですよ」

「お兄様」

初の魔王との対面。やっぱり、他の悪魔とは別次元だな。問答無用で対象を消す滅びの魔力、恐ろしい、のだが・・・・・・正直に言うと、幽々子の方が怖い。いや、だって問答無用で殺すんだぞ?一回殺されかけたようなものだし。

「ドラゴンの力が見たくて、ついグレイフィアに頼んでしまいましてね」

「サ、サーゼクス様!そ、そのような勝手は!」

「いいではないですか。この間の『レーティングゲーム』、実に楽しかった。しかしながら、ゲーム経験もない妹が、フェニックス家の才児であるライザー君と戦うには少々分が悪かったかなと」

「・・・・・・サーゼクス様は、この間の戦いが解せないと?」

「いえいえ、そのようなことは。魔王の私があれこれ言ってしまったら、旧家の顔が立ちますまい。上級悪魔同士の交流は大切なものですからね」

「では、サーゼクス、お主はどうしたいのかな?」

「父上。私は可愛い妹の婚約パーティは派手にやりたいと思うのですよ。ドラゴン対フェニックス。最高の催しだとは思いませんか?伝説の生物同士で会場を盛り上げる。これに勝る演出はないでしょう」

知るか。お前らの存在事態、俺からしたらファンタジーだ。もっと言えば、俺が生きていること事態ファンタジーだ。

「良いでしょう。サーゼクス様に頼まれたのなら断れるわけもない。このライザー、身を固める最後の炎をお見せしましょう!」

「ドラゴン使い君、君が勝った場合の代価は何がいい?」

「サーゼクス様!?」
「なんということを!?」

「悪魔なのですから、何かをさせる以上、こちらも相応のものを払わねばならないでしょう。さあ、君。なんでもあげるよ。爵位かい?それとも絶世の美女かな?」

「リアス・グレモリー様を返して下さい」

「分かった。君が勝ったら、リアスをつれていけばいい」

「ありがとうございます!」

「待ってください」

あ?丁度いい感じに事が進んでいるのに、何横槍さしてんだ焼き鳥?

「今の条件だと俺が勝った時に得がありません」

「フム、確かにそうだな。では、君は何を求める?」

無言で俺を指差して来た。

「その悪魔を、トレードしていただきます」

はあぁぁぁぁぁぁ!?トレード!?つまりは焼き鳥の眷属になれと!?ふざけんな!お断りだ!

「お言葉ですが、私の意思も尊重しずに勝手に景品にされては困ります」

「・・・それもそうだね。では、君は何を求める?」

「別に、何もいりません。ただ、これから行われる龍と不死鳥の催しに、私も参加させてください」

こうして俺は、当初の目的だけでなく、このふざけた焼き鳥を潰すことになった。


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会場の中央に空間が作られ、その周囲を悪魔が見ている。好奇の視線。そのなかに混じった陰湿な視線。気持ち悪い。
俺と一誠、ライザーはお互い対面していた。
事前に一誠と作戦は決めていた。一誠ができるだけやって、危なくなったら俺が介入する。複数で襲い掛かるなんてことはしない。
それよりも、俺は俺を見る視線の感情を調べる。どいつもこいつも軽く見ているのか、畏れはそこまで多くない。
やっぱりインパクトが必要だな。そう考えると、このチャンスは逃さん。

「開始してください!」

さて、始まったか。

「お前たちの能力はすでに割れている。自分の能力を倍にしていく神器(セイクリッドギア)、『赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)』。で、倍増した力を仲間や武器に譲渡する新しい能力も発現したそうだな。そっちの神器は空間移動系。不意打ちしても、倒せなかったら意味がない」

随分と余裕だな。不死身だからか?不死身を殺す方法は、神クラスの一撃か、精神が壊れるまで殺し続ける。用は根比べ。

「部長、十秒でケリをつけます」

「・・・・・・イッセー?」

「十秒とは大きく出たな。ならば、俺はお前を五秒で片付けよう。以前のようにはいかないぞ、リアスの『兵士(ポーン)』ども!」

「プロモーション!『女王(クイーン)』!部長!俺は木場みたいな剣の才能はありません!朱乃さんみたいな魔力の天才でもありません!子猫ちゃんみたいなバカ力もないし、アーシアの治癒の力もないし、紫さんみたいに頭も良くありません!それでも最強の『兵士』になりますっ!あなたのためなら、俺は神様だってぶっ倒して見せます!このブーステッド・ギアで!俺の唯一の武器で!俺はあなたを守って見せます!
輝きやがれぇぇぇぇぇぇぇ!オーバーブーストォ!」
『Welsh Dragon over booster!!!!』

赤い、紅い鎧を身に纏う。鋭角で、龍の凶暴さを全面に出したような鎧。

「鎧!?赤龍帝の力を鎧に具現化させたのか!?」

「これが龍帝の力!禁手(バランスブレイカー)、『赤龍帝の鎧(ブーステッド・ギア・スケイルメイル)』ーー俺を止めたきゃ魔王様に頼み込め!何しろ、『禁じられた忌々しい外法』らしいからな!」

そう言ってすぐに戦闘体制に入った一誠。
両手の平を少し開けるように合わせ、魔力の塊を生み出し、それをライザーに向けて打ち出した。

「デカイ!」

うん、会場の半分ぐらいの大きさ。俺にもとばっちりが来た。

「二重結界」

ただの二重結界で十分だ。被害を受けるであろう全ての場所を守るのに、二重結界で十分だ。

一誠は猛スピードでライザーに迫り・・・・・・壁に激突してどでかい大穴を開けた。
バカだなぁ。色々な意味で。

「赤龍帝のクソガキ!悪いが手加減はしないぜ!認めたくないが、今のお前は化け物だ!主であるリアスの前で散れぇぇぇぇ!」

咆哮をあげ、巨大な炎の両翼を生み出し、全身に炎が渦巻く。全く。そんなに肌にダメージを与えるのが好きか。
効かんがな。

「火の鳥と鳳凰!そして不死鳥フェニックスと称えられた我が一族の業火!その身で受けて燃え尽きろッッ!」

炎を纏った体当たり。フ○アド○イブ?

「てめぇのチンケな炎で俺が消えるわけねえだろォォォォォ!」

一誠も突っ込み、お互いの拳がお互いの顔面にぶつかり合う。その衝撃波が飛んできた。最も、さっきから張っている二重結界で十分だが。

そして、二人中央でインファイト。壮絶な殴りあいだ。一誠から恐怖が生まれた。そりゃ怖いよな。だが、その恐怖は俺に向けてもらうぜ。

「怖いか!俺が怖いか!当たり前だ!お前はブーステッド・ギアが無ければただのクズだ!その鎧が無ければ、俺の拳が届く以前に業火の熱でお前は消失している!そう!お前からその籠手を取ったら、お前はなんの価値もない!」

「うるせえよ。怖くなんかねえよ!お前の拳なんかより!・・・・・・紫さんのアイアンクローの方が怖いわぁぁぁぁ!!」

はあぁぁぁぁぁ!?バカの発現だぁぁぁ!心の中は大絶叫!表はポーカーフェイス!
今の発言で一部の悪魔がポカンとしているし、さらに、俺を恐ろしげに見ているやつもいるよ!良く見たらレーティングゲームで一撃で沈めたシーリスとか爆破魔(ユーベルーナ)もだった!

ゴバァ!

そのとき、ライター、間違えた、ライザーが大量の血を吐き出した。一誠の手のひらには十字架。悪魔祓いに十字架は鉄板だね!

「十字架の効果を神器(セイクリッドギア)で増大させて、あんたを殴った。高めに高めた聖なる攻撃は上級悪魔にだって効果テキメンなわけさ。たとえ不死身のフェニックスでもこのダメージはそうそう癒せないんじゃないか?」

「バカな!十字架は悪魔の身を激しく痛め付ける!いかにドラゴンの鎧を身に付けようと手にすること自体愚の骨頂ーー・・・まさか・・・籠手に宿るドラゴンに・・・自分の腕を支払ったのか・・・?それがその馬鹿げた力の理由か・・・ッ!」

「ああ、そうだ。俺はこの力を一時的にでも得るために、左腕を代価にくれてやった。俺の左腕は本物のドラゴンの腕だ。だから、十字架は効かない」

「そんなことをすれば二度と元の腕には戻らない!お前はそれがわかっているのか!?」

いえ、俺は治せますが。

「それがどうした。俺みたいな奴の腕一本で部長が戻ってこられるんだぜ?こんなに安い取引はないだろう?」

「イカレているな・・・。だからこそ、迷いのない一撃を放てるのか・・・。怖いな。初めて俺はお前に心底畏怖した。だから!俺は全力でお前を倒す!」

「うおおおおおおおおおおおおおッッ!!」

二人の拳が、重なり合った、が、俺は唐突にわかった。すぐさまスキマを開いて鎧が消えた一誠をこちらに引き戻す。一誠は、俺が引き戻したこと、制限時間がまだあるのに鎧が消えたこと等で軽く処理落ちしている。

「何をしている」

「選手交代よ。一誠はもう限界だから、私がやるの」

「・・・『兵士(ポーン)』の力で良くやったと誉めてやろう。本当に良くやったよ。正直、ここまでやれるとは思わなかった。ドラゴン使いの力、この身で十分に体験できた。お前さんがあと一年・・・いや、あと半年、ドラゴンの力になれていたら俺は負けていただろうな。で、今度はお前がやるのか?」

「ええ、待っているから速くして」

「・・・何を待つと言うのだ?」

「あなたがフェニックスの涙を使うまでよ」

「ッッ!?・・・後悔するなよ・・・!」

怒りながら小瓶に入った水を飲み干す。すると、十字架やらで与えられたダメージが回復していく。

「さて、じゃあ始めようか」

「ええ」

そう言いながら、俺は一誠の手から十字架を取った。

『『へっ?』』

勿論、俺の種族は人間だ。十字架になんの抵抗もない。ここにいる殆どが信じられないものを見ているが、例外はいる。アーシアだ。以前使ったからな。

「な、な、な、な、なんなんだ!お前は」

ふふふ、良いわね、その畏れ。でも、まだ足りないわ。
有限と無限の境界を操作。無限の再生力を有限に。
適当な場所に十字架を置いて、幻覚ではないと再認識させる。
まだ足りないわ。では、

『境目「知能と脚の境界」』

技名は出さずに、右腕をもぎ取る。
勿論、再生などしない。

「がぁぁぁぁっ!何故再生しない!貴様!何をした!」

「それを私が教えるとでも?とにかく、あなたから不死性を取ったら何が残るのかしらね?」

妖艶に、妖しく、怪しく微笑む。ライザーだけでなく、周りの悪魔からも恐怖が流れ込んで来る。

これなら、至れる。

人類と人外の境界

種族を妖怪に。

かくして、幻想の境界は顕現した。


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やっとだ。やっと至れた。妖怪に。今までとは比べ物にならない圧倒的な力。
だが、妖怪になったらなったで、また俺の未熟さをしった。大きすぎる力をてにいれると、人は溺れる。今なら凄いわかるよ。今までできなかった事ができるようになるってのは、恐ろしく甘い毒だ。
ならば、俺はなんのために力を手に入れた?ありきたりな理由だが、守るためだ。俺自信を、幽々子を籃を。
(わたし)(おれ)
俺が八雲紫という別人になりかけている。
いや、俺は俺だ。それだけだ。
何も変わらない。変われない。俺(私)は、何者にも変えられない、ちゃんとした存在だ!

途端に、俺にまとわりついていた気配が消えた。俺は妖怪のままだ。

私は八雲紫、境界を操る妖怪。俺は八雲紫、境界を操る人間。

俺の物語だ。


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目を開く。そして、俺自信を確かめる。変わっていない。細い腕も、綺麗な金髪も、白い肌も、ふくよかな・・・胸部も、美脚も、全部俺のままだ。八雲紫のものだ。安心した。
目の前には、片腕を失ったライザー。不死性を返す。すると、傷口が炎に覆われ、すぐに五体満足に回復した。
仕切り直しだ。

困惑しているライザー。だが、俺が傘を構えると、臨戦体制に入った。
そして、静寂が包み・・・・・・。

「・・・いつになったら開始の合図をくれるのかしら?」

「あ!すいません!始めてください!」

テンパった声と共に火蓋を切って落とされた。
同時に、両者から力の波動が広がる。
ライザーは巨大な炎の翼。俺からは、妖力がゆっくりとでる。
はた目から見ると、どう見てもライザーの方が強そうだろう。しかし、さっきまでの行動がそれを否定する。なにかかくし球を持っているんじゃないか?そんな警戒心を抱かせる。

「いくぞ!」

かなりの量の炎を纏い、突進してくる。それに対して俺は、手のひらから焔の球体を作り出す。それを見て、ライザーは勝ち誇ったような笑みを浮かべた。

「愚かだな!炎を司る俺に炎をぶつけるとは!無駄以外の何者でもない!」

残念だったな。俺の焔の本質は、その、桁違いのエネルギー量だ!

『核熱「アビスフレア」!!』

融合と分裂の境界で作り上げた核融合の焔!今は手のひらぐらいの大きさしか作れない。近くにあるから、無茶苦茶熱い!だが、それに身合った威力はある!

「ぐあぁぁぁぁッッ!!なんだ!この炎は!」

フェニックスが燃えるというふざけた光景。だが、決定打には足りない。回復していく。
俺は追い討ちをかける!

『廃線「ぶらり廃駅下車の旅」』

かなり大きめのスキマを開き、そこからガラスにヒビがはいっていたり、くすみがある廃棄されそうな電車を召喚して、ライザーにぶつける!

ドガァァァァァァン!

『『ええええええええええっっ!!??』』

この場にいる悪魔たちがとっても驚愕した。えっ?なんかおかしいことした!?
電車召喚するなんて普通ですよね!?(違います)

「くそがぁぁぁぁぁっっ!!」

ワオ。電車に潰されたと思ったけどなぁ。炎も強いし、結構頑張るな。

「俺はフェニックス家のライザー・フェニックスだっ!フェニックスの名にかけて!絶対に負けん!」

膨大な量の炎をかき集め、球状にして放ってきた!

「燃え尽きろォォォォっ!」

渾身の一撃。ならば、俺は、真正面から撃ち破ろう。妖怪の俺が撃てる、最強の結界。


『境界「那由多結界」!!』


突然だが、那由多とはどれだけの量か?短くいえば10の60乗である。
10000000000000000000000000000000000000000000000000000である。
俺は那由多と言ったら、ちゃんとそれだけ結界を張るからな!

音はならなかった。とんでもない光量が当たりを包む。

終わって見えたのは、ギリギリ生きているライザー。だが、もう動かない。

そして、俺はこの場から、消え去った。


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あのあと、一誠とリアスは無事婚約の破棄をできたらしい。俺?俺はそのとき、

ぐったりと眠っていた。

理由は単純。初めてで感覚がわからず、過剰に妖力を消耗したからだ。あ、因みに普段は人間。オカルト研究部や悪魔関係の時は悪魔。戦闘時は妖怪。

とりあえず、一段落したから、次、エクスカリバーまでは平穏が続くだろう。
勿論修行は続けるが。

そして、一誠宅は毎日賑やかだった。

まあいいか。また日常が始まる。みんながいる、誰一人欠けていない日常が。



俺はそう思いながら、再び襲ってきた睡魔に身を任せるのだった。









またすぐに苦労するとも知らずに。





 
 

 
後書き
夢小説特有の設定もあります。
ユユコン(シスコンみたいなもんだ。) 
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