万華鏡
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第四十八話 文化祭の準備その六
「寝る時は先生達も一緒だっていうから」
「一緒に飲んでもだよな」
「そう、それでもね」
目は光らせているのだ、そうしたところは。
「ちゃんとな」
「だといいけれどね、二年の人達ってl綺麗な人とか可愛い人達ばかりだから」
「というかうちの学園って美人度高いぜ」
「確かに、相当よね」
百を最高値としれば九十を超えているだろうか、八条学園は保育園から大学院、先生や職員の人達まで美人が多い、琴乃達も自覚していないが結構だ。
その自覚していない一人である琴乃が先輩達のことはこう言うのだった。
「宇野先輩も高見先輩も」
「お二人普通に美人だろ」
「それぞれタイプは違うけれどな」
「あと長野先輩もな」
「あの人も相当よね」
美人だというのだ。
「橋口先輩や飯田先輩も」
「部長さんは・・・・・・可愛いよな」
「小柄でね」
小柄であることはポイントである、これがわからない輩もいるがこれは世の中を生きることにおいて不幸なことである。
「そう思うと」
「下手すればお持ち帰りとかな」
「あるわよね」
「だから男女両方で先生達が目を光らせてるんだな」
「見回りも厳しいらしいから」
そこまで徹底させているのだ、男女交際は健全にというのが八条学園だ。
そうした話をしてだ、ここでだった。
里香が二人のところに来た、そのうえでこう尋ねてきた。
「二人のクラスの文化祭の準備どうなの?」
「結構ね」
琴乃が里香に答えた。
「妖怪とか順調に出来てるわ」
「よかったわね、それは」
「うん、最初何を出すかで揉めに揉めたけれど」
「将軍様とか奈良県のマスコットにならなくてよかったわね」
「あれはね、確かにね」
里香も将軍様やマスコットを想像してから暗い顔になって答えた。その顔に暗いカーテンが差し込んでいる。
「有り得ないわよね」
「お父さんにさりげなくお話したらショック死する人が出るって言われたわ」
「実際に出るよな」
美優も想像をしてから言う。
「あたしも部屋に入っていきなりそんなの出て来たら心臓が飛び出るよ」
「そうなるよね、やっぱり」
「どっちも凶悪だからな」
想像しただけで嘔吐しそうになるまで、であろうか。
「幾ら何でもな」
「それで結局の普通の妖怪にしたのよ」
「そういえばうちの学園って何か」
ここでだ、このことを話す里香だった。
「そうしたお話が多いのよね」
「ああ、怪談わね」
「うちの学園のな」
「二十や三十では効かないまでにね」
七不思議どころではない、とにかくそうした話が多いのが八条学園だ。ただ里香はその話が実際のものばかりということは知らない。
それでだ、こう二人に話すのだった。
「図書館に行っても妖怪とか幽霊に関する本多いし」
「でしょ?それで図書館でも調べてね」
そして書いているというのだ。
「造詣していってるのよ」
「徹底してるのね」
「そうでしょ、まあ楽しみにしておいてね」
「怖いのね」
「今はなきあやめ池とか奈良ドリームランドのそれを主に参考にして作ってるから」
怖いと評判のそれをだというのだ。
「凄くなると思うわ」
「うちのクラスも急がないとな」
美優は琴乃の言葉を聞いて自分のクラスのことを思って述べた。
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