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ドラクエⅤ主人公に転生したのでモテモテ☆イケメンライフを満喫できるかと思ったら女でした。中の人?女ですが、なにか?

作者:あさつき
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二部:絶世傾世イケメン美女青年期
  百二十五話:踊り子さんの贈り物

 
前書き
 毎回モモちゃんの発声と心の声を書くのが大変に面倒なので、ご都合により書いたり書かなかったりすることにしました。
 スラリンも同様です。
 ご了承ください。 

 
 お風呂から上がって自分の体を軽く拭いたら、先にモモをよく拭いて、魔法で乾かして。

『こんな魔法もあるんだー!すごい、便利だねー!』
「でしょー!モモもあっという間に、またフカフカだね!」


 自分の体の手入れも済ませて、髪を乾かしたところで。

「モモ。……どっちがいいと思う?」

 いつもの質素な寝間着か、踊り子さんにもらったネグリジェか。

 いつものヤツのほうが落ち着くのは間違いないが、踊り子さんにやたら強く推されたからなあ。
 もらっておいて使わないというのもなんだし。
 ほとんど、押し付けられたようなものだとは言え。

『え?なになに?……あ、可愛いー!絶対こっち!こっちがいいよ、ドーラちゃん!』

 モモは、ネグリジェ推しですか。
 さすがの乙女か。

「……ちょっと、可愛すぎない?」
『え、そんなことないよー!ドーラちゃんが可愛いんだから、これくらいじゃないとー!』
「うーん……」

 ドーラちゃんが可愛いのは確かだし、実際似合ってたと思うけど。
 中の人の精神年齢的な抵抗感が、如何ともし難く。

『外に出る時は、戦うからあんまり可愛いカッコできないと思うけど!寝るときくらい、こういう可愛いの着ていいと思う!あたし、こっちがいい!こっち着たドーラちゃんが見たい!』

 そうか、モモが見たいのか。
 私もビアンカちゃんあたりが可愛くしてるのは是非とも見たいし、気持ちはわかる。

「……うん。なら、わかった。こっちにする」
『ほんと!?わーい、ドーラちゃん大好きー!』


 モモの希望に則ってネグリジェを着て、散々褒められながら惜しまれつつガウンを羽織って。


『うん、可愛すぎて、そのまま外に出たらあぶないもんね。変な人に変な目でドーラちゃんを見られたくないし、仕方ないもんね』
「そうだね。じゃ、行こうか」
『うん!お部屋に戻ったら、また見せてね!』
「うん、わかった」


 廊下に出て、待ってた仲間たちと合流します。

「お待たせ。ごめんね、遅くなって」
「いや。モモもいるし、こんなもんだろ。……服、いつもと違うな。ガウンと、その下もか」
「うん。踊り子さんに貰ったの」
「そうか。……とりあえず、戻るか」
「うん」


 部屋に戻って、ガウンを脱いで。

「フニャー!ゴロゴロゴロ……!」
『わー!ドーラちゃん、やっぱり可愛いー!』
「お、ほんとだー!なんか、お姫様みたいじゃーん!」
「ピキー!」
『ドーラ、かわいい!』

 盛り上がる、可愛い担当のみなさん。
 そんなみなさんが可愛いです。

 対して、そんな騒ぎを聞いてこちらにチラリと目をやったヘンリーは、目を見開いた後にすぐ逸らします。

「……おい、ドーラ。……それ」
「え、変?やっぱり可愛すぎたかな、私には」

 そんな、正視に耐えないほどに?

「……いや。そんなことは無いが」
「無いが?」
「その……薄すぎないか?生地が」
「うん、まあ、薄いけど。でも、透けるわけじゃないし。別にいいかと思ったんだけど、まずかった?」
「まずいってか……困るってか……」
「困る?なんで?」
「なんでって……本気で言ってるのか?それ」

 割と本気ですが。

 言いたいことはわかるような気もしなくも無いが、正直基準はよくわからないというか。
 チラリズム的に見えるのがいいなら、薄くても着てるから見えはしないこれだって、いいんじゃないかと思うんですが。

「……ダメだった?見たくなかった?着ないほうがいい?」

 踊り子さんには、着て見せてやれとか言われたけれども。
 なんだかわからないが肝心の本人が嫌がるなら、しないほうがいいよね、やっぱり。

「……いいのか?見ても」
「もう見たじゃない。さっき」

 一瞬だったけど。

「……いいんだな?」
「……うん」

 別にいいから着てるのに、何度も聞かれると不安になるんですが。
 引っ張るのも面倒なので、そのまま答えるけれども。

 私の返答を受けて、ヘンリーが改めて意を決したようにこちらを見ます。

「……」
「……」

 無言で見詰められるので、私もなんとなく無言で反応を待ってみます。

 と、ヘンリーの視線が胸元で止まります。

「……ドーラ。……着けてない、のか?」
「うん。寝る前だし」

 いつもそうだということに気付いてたかどうかは知らないが、添い寝でしっかり感触を確認していた以上、予想はできてたはずだけど。
 ずっと同じ部屋で寝起きしてたのに、何を今さら。

 と、ヘンリーの顔が瞬時に真っ赤になります。

「ヘンリー?どうし」
「……風呂!!行ってくる!!」
「……いってらっしゃい」

 着替えその他を引っ掴み、猛然と部屋を出ていくヘンリーを呆然と見送ります。

「……あれ?おいらたち、置いてかれた」
「……ピキー」
「……スラリン殿、コドラン。今宵は、拙者がお二方を洗い申すゆえ。ヘンリー殿のことは、暫しお一人にして差し上げ申そう」
「んー。まー、一人になりたいときってあるし?なんでかわかんねーけど、わかった」
「ピキー」

 よくわかってない二人を、なんかわかった感じのピエールが宥めてますが。

「……ピエール。……やっぱり、ダメだったのかな?」
「……ひとまず、ドーラ様はガウンを身に着けられるが宜しいかと」
「……わかった」

 何がダメだったのかわからないが、上に着てれば大丈夫だろうし。
 その状態で、帰ってきたら本人に聞いてみよう。

『えー?ドーラちゃん、また着ちゃうのー?』
「うん、まあ、ひとまずは。このままだと、ヘンリーが困るみたいだし。聞いてみないとわからないけど、明日からはもうこれ、着ないかも」
『ええー。可愛いのにー。もったいないー』
「うーん。まあ、話してみてからね」

 よく考えたらモモがいるんだから、そろそろ男女別室でもいい気がするし。
 六人泊まれる大部屋が、いつも空いてるとも限らないわけだし。
 モモと二人だけならヘンリーが困ることも無いから、それなら着てもいいし。


 仲間たちと雑談しながら、待つことしばし。

 一人で入ったにしてはいつもより長湯だったヘンリーが、戻ってきました。


「あ、お帰りー」
「……ただいま。……着てる、のか」
「うん。ひとまず」

 また意を決したような、気合いの入った様子で部屋に入ってきたヘンリーが、ガウンを着た私を見て気の抜けたような顔をします。

「あれ?着てないほうが良かった?」
「いや、いい。そのままで」
「では、拙者らも風呂に行って参ります」
「よし、行こーぜー」
「ピキー」
『いってらっしゃい、みんなー』

 お風呂に向かう三人を、見送って。

「とりあえず、髪。乾かすね」
「お、おう……」

 なんだかヘンリーが挙動不審ですが。
 拒否はされてないし風邪引かれても困るし、話もあるし。
 さっさとやってしまおう。


 椅子に座るヘンリーの後ろに立って髪を乾かしながら、さっきのことを聞いてみます。

「ヘンリー。やっぱりこのネグリジェ、着ないほうが良かったかな?」
「それは……良かったかと言われると……」

 耳が少し赤くなってきました。
 思い出して赤くなるような感じなのか。

「踊り子さんには、ヘンリーに見せろって言われたんだけど」
「……また、アイツらか……」
「でも、ヘンリーが嫌なら」
「いや。嫌じゃない」
「え?そうなの?」
「……ああ」

 嫌じゃないって、即答ですか。

「でも、困るんでしょ?」
「…………ああ」
「……結局、見たいの?見たくないの?」
「……いや、見たいよ。それは」

 見たいのか。
 そこは断言なのか。

「……でも、困るんだよね?」
「……困るな」
「なんで、困るの?」
「……」

 あ、真っ赤になった。

 ……これは、答えてもらえなさそう。

「……結局、着るのと着ないのと、どっちがいいの?」
「…………」

 返事が無いが。

 これは答えたくないというより、葛藤して答えに迷ってる感じか。
 そんな、葛藤するようなことなのか。

「…………試しに、もう一回。見せてくれるか」
「うん。わかった」

 ガウンを脱いで、ヘンリーの正面に回ります。

 髪は乾かし終わりましたがヘンリーは座ったままなので、胸の高さにあるヘンリーの顔を見下ろすような形になりますが。

「……!!」
「どう……って、ヘンリー?」

 硬直して目の前を数秒間凝視した後に思いっきり顔を背けて口元を押さえるという、激しい反応を示されました。

「……え?……そんな、感じ?」
「……ダメだ!!やっぱ、それはダメだ!!着てくれ、ガウン!!」
「う、うん。わかった」


 ガウンを着てもヘンリーの動揺は収まらず、目が合いそうになってはすごい勢いで逸らされるということが、しばらく続きましたが。


「……ドーラ。それ、他の男には見せるなよ。絶対」
「……そんなに、まずかった?」

 ようやく落ち着いてきたヘンリーに、諭すように言われます。
 顔はまだ若干赤いですが。

「……生地が、薄すぎて。はっきりわかるから。形が」
「……それって、まずいの?」
「……まずいだろ、それは。……形もだし、動くのもはっきりわかるし。……ある意味、脱いでるよりまずい」

 また思い出したのか、説明しながら顔の赤みが増してきます。

 脱いでるよりって、それはさすがに大袈裟な気がするが。
 他の男性に間違っても見せるべきじゃないってことはわかった。
 元々、そんな気は無いけど。
 耐性があるし、血迷って襲ってくることも無さそうなヘンリーだから、別にいいと思ったんであって。

 しかしこの反応だと、ヘンリーでも無理か。
 耐性でカバーできる範囲を超えるのか。
 やっぱり基準がよくわからないが、ともかく。

「……なら、やっぱり。もう着ないほうがいいね」
「………………そう、だな」

 なんか、間が長かったが。
 毎晩こんな反応されてたら、またヘンリーが寝不足になりそうだし。
 ヘンリーがどう言っても、これは無理だろう。

『……ドーラちゃん。ほんとに、もう着ないの?』
「ヘンリーがいる時はね。モモと二人部屋になる時があるかもしれないし、その時は着るね」
『ほんと!?じゃあ、楽しみにしてるね!』
「……おい。二人部屋って」
「いつもこんな大部屋が空いてるとは限らないでしょ。宿によっては、空いてない以前に無いかもしれないし。分かれるなら、男女別でしょ」
「……俺たちがいない時にそんな格好して、また妙なヤツに狙われでもしたら」
「大丈夫だよ。モモがいるし」
『そうだよ!変な人が近寄ってきても、入ってこられる前に気が付くから大丈夫!』
「ほら、モモも大丈夫だって」
「だから、そういう油断がだな」
「だって、モモが見たいって言うから」
『そうだよ!あたしが見たいんだから、ヘンリーさんは黙ってて!ドーラちゃんは、あたしがちゃんと守るから!』
「モモが私を守ってくれるって。ヘンリーは黙っててって」
「……」

 言葉は通じないなりに、訳した以上に不満そうなモモの様子を感じ取ったのか、ヘンリーが黙ります。

「なら、それはそれでいいとして。……今も、着替えたほうがいいかな」
『ええー!?今夜くらい、いいでしょー!?そのまま、あたしと一緒に寝ようよー!』
「……モモは、このままがいいって言ってるけど。ヘンリーはどう思う?」
「…………いいよ、そのままで。ガウン脱ぐのも、寝る時だけだろ」
「そうだね。ならいいか、今日くらいはこのままで。要るなら、ラリホーかけるし」
「…………おう」
「あ。あと、そうだ」

 踊り子さんにもらった荷物の包みを、再び開きます。

「明日着る服を決めときたいんだけど。その時になってダメって言われても困るし、ヘンリーも一緒に見てよ」
「……わかった」

 普通の服なら、そうダメなのがあるとも思えないが。
 私基準ではこれも別にいいはずだったし、確認しとくに越したことはないよね。

 一枚ずつ取り出すのも面倒なので、ひとまずごっそりとまとめて取り出して、ベッドの上に置きます。

「……多いな」
「……そうだね。改めて見ると」
『わー!お洋服いっぱいだー!』
「……全部、確認するのか?」
「良さそうなの一つ選んでくれればいいよ。大丈夫そうなのとか、見たいのとか、そんなの」
「……見たいの、か」
「うん。これも、ヘンリーに見せろって言われたし」
「……」
「あ。別に見たくなかったら、とにかく大丈夫そうなので」
「いや。見たいよ。それは」
「……そう?」

 まだ選んでも無いのに。
 それって、どれだ。

「貰い物で、サイズとか大丈夫なのか?」
「うん。試着して、大丈夫だったのだけ入れてくれてるはずだから」

 積んである上から手に取って、広げて確認しながら聞いてくるヘンリーに、私も同じく確認しながら答えます。

 モモも興味津々に眺めてはいますが、広げようと思ったら爪を使わなければならないからか、手を出すつもりは無いようです。

 ……これは、ゴスロリ的なフリフリのヤツか。
 見たいって言われてもこれはちょっと……。
 ……言われないとは思うが、先に避けとくか。

 と、手元の服を然り気無く隠そうとしたところで、モモが声を上げます。

『あ、ドーラちゃん!それ』
「いや、さすがにこれは」
『……そうだよねー。すごく可愛いけど、町で着るのは勇気いるかもね。二人でお泊まりのときがあったら、それも着て見せてね!』
「……わかった」

 部屋の中でだって、進んで着たいものでは無いが。
 モモのこの様子なら笑うということは無いだろうし、見たいって言うなら、それくらいはまあいいか。

 次の服を手に取ったところで、今度はヘンリーから声がかかります。

「……おい、ドーラ。……これ」
「ん?いいのあった?」

 何気なくそちらに目をやると、ヒラヒラした布というか、レースの塊のようなものを手にして固まるヘンリーの姿が。

「……」
「……」

 どう見ても普通の服では無いが、あれはなんだろう。
 と、じっと眺めることしばし。

 ……ベビードールだ!

「……!」

 気付いたところで、バッとヘンリーの手からモノを奪い取ります。

 そのまま背後に隠してヘンリーの様子を見ると、また顔が赤くなってきており。

「……それも、試着。……したのか?」
「してないから!!」

 何を想像してるんだ!!

「……着るのか?それ」
「着ないから!!勝手に入れられてただけです!!」
「そ、そうだよな。着るわけ無いよな、そんなの」

 動揺を抑えながらまた何かを手に取って、広げてみたヘンリーが再び固まります。

「……」
「……!!」

 ……踊り子さんたちめ!!

 今度は瞬時に正体を認識して、すぐさま奪い取る私。

 ベビードールに続き、着用を拒否したやたら面積の少ないセクシーな下着も紛れ込まされていました。

「……それ」
「着てないし!!着ないから!!」
「……そうか」

 さらに動揺を深めながらまたヘンリーが手に取って広げたものが、また。

「……」
「……ヘンリー!!わざとやってない!?」
「……そんなわけ無いだろ!」

 踊り子さんたちめ!!
 一体、何枚入れたんだ!!

「と、とにかく!ちょっと確認するから、あっち向いてて!」
「……わかった」


 真っ赤になって後ろを向くヘンリーの背後で、涙目になりながら選別を済ませ、思ったより大量だったセクシーランジェリーの数々を選り分けて。


「……ヘンリー。もう、いいよ……」
「……おう」

 色んな意味でぐったりしながら、ヘンリーに声をかけます。

 ヘンリーには見えないようにひとまず背後に隠したそれらを、また興味津々でモモが眺めていますが。

『……うわー。なんか、オトナって感じー。でも、ドーラちゃんならこんなのも、似合っちゃいそうー』
「……」
『……ねー、ドーラちゃん』
「着ないから」
『……二人だけのときでもー?』
「着ません」
『……ちぇー』

 ……モモは、私をどうしたいんだ!


 などという疑問を覚えつつ、気まずい感じを誤魔化すように淡々と服の確認を続け。

 対バネッサさんの時のものよりはカジュアルで動きやすい、丈が短めで胸元の露出もやや多目ながらも、風でふんわりと巻き上がる事故は起こりにくそうなタイト気味な造りのワンピースという、前回の反省を生かした無難なチョイスに収まりました。


「……ヘンリー。私、もう疲れたから。もう、寝たいんだけど」
「……いいよ。寝ろよ、もう」
「……ラリホー、要る?」
「……大丈夫だ」
「……ほんとに?」
「……多分」
「……やっぱり、起きて待ってようかな。みんなを」
「……いや、大丈夫だ。だから、寝ろ」
「……でも」
「大丈夫だ。寝るから、俺も。ちゃんと。気合いで」

 気合いでなんとかなるものなのか。

「……じゃあ。寝るね。おやすみ、ヘンリー」
「ああ。おやすみ、ドーラ。モモも」
『うん、おやすみなさい、ヘンリーさん!ドーラちゃん、早く早くー!』
「うん……今、行く……」


 大喜びでベッドに飛び乗って待ち構えるモモによろよろと近付いて、ヘンリーの様子を気にする余裕も無くガウンを脱いで、ベッドに入って。
 モモに抱き付いたらやはり疲れていたのか、あっという間に眠りに落ちました。

 ……モモに会えて嬉しかったけど、なんだか酷く消耗する一日だった……。
 明日はきっと、絶対に、こんなことは無いはず!
 明日は一日、楽しく過ごそう!

 なんてことを思いながら。 
 

 
後書き
 その頃の踊り子さんたち。

「ドーラちゃんとヘンリーさん、どうなったかしら?」
「あれを着て迫れば、もう間違い無いでしょ!ただでさえ惚れてるのに、あんな姿を見せられて、まだ我慢するだなんて!あの年頃の男には、絶対無理よ!」
「……ドーラちゃんの意思はどうなってるのよ。何を、けしかけたのよ。ぶち壊すだけじゃないの……?」
「大丈夫よー。なんだかんだ言って、押し倒されちゃえばその気になるって!ヘンリーさん、いい男だし」
「だから、ならなかったらどうするのよ」
「下着も、使ってくれちゃってたり」
「……聞いてないわね」
「そこまで行くー?さすがに、まだ早くないー?」
「わかんないわよー?我慢してた反動で、振り切れちゃうかもしれないし」
「だけど。それでなくてもベタ惚れみたいなのに、あんなの使ったら……」
「……ああ」
「……ドーラちゃん、大変かもね……」
「……まずかったかしら……」
「………………」
「…………ま、まあ!なるようになるわよ!」
「……そうね!なるようにしかならないわよね!」
「そうそう!あんなのは、きっかけに過ぎないんだから!あたしたちのせいじゃないって!!」
「……無責任過ぎるでしょ、あんたたち……」


 踊り子さんたちは確信犯(元々の、悪いことで無いと確信してやるという意味のほう)ですが、後先はあまり考えてません。 
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