ソードアート・オンライン~神話と勇者と聖剣と~
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DAO:~神々の饗宴~
第十話
前書き
お久しぶりでっす!Askaでございま~すww
さぁて、いよいよ《縛鎖の城》も終わりですね。
「さて、いよいよ今日で最奥部に到達すると目されているが……どうだ」
「そうですね。この調子で行けば、夕暮前には到着できるでしょう。コクトさんもいるので、もっと早く着くかもしれません」
「ふっ……さすがの分析力だな、ハクガ……では、俺は今日は後方支援としよう。お前たちが前線で戦え」
コクトはセモンを見ると、笑いかけた。
「セモン、お前の実力も見せてもらうぞ」
「はいっ」
いつの間にか、セモンも敬語になってしまう。
「それでは、出発だ!」
「よっしゃぁ!師匠にいいとこ見せるんだ~」
「……行くか」
「急がば回れですが、善は急げですよ」
「よし、一丁やるか!」
上からコクト、カズ、リーリュウ、ハクガ、セモン。
このミッションが終われば、一度現実世界に戻れるらしい。セモンは、心の中で現実世界で小波に問わなければならないことを思い返した。
「(……まず、この世界にソードスキルがある理由。《ザ・シード》システムを使っているのだろうが、あのシステムの共通データにはソードスキルのデータはない。恐らく何らかの形でSAOデータを保管しているのだろうが、どうやっているのか、そしてそれはなんなのか。問い詰めないと)」
もしかしたら、セモン達の物語は、あの鋼鉄の浮遊城で止まったままなのかもしれないのだから。
「(次に、わざわざ俺を呼んだ理由。俺じゃなくても、これだけ優秀な人材が集まってるんだ。今更俺を呼んで何の意味があったんだ?……俺の幸せを奪うため?冗談じゃない。……小波は外道ではあるが人間はまだやめてなかったはずだ)」
鬼畜ではあっても、彼女もまた人間のはしくれだ。完璧に人間をやめているわけではないはずだから。
「(そして……)」
小波が言った言葉。それが、まだセモンは気になっていた。
「本物の、シャノン、か……」
「ん?どうした、セモン」
「ああ、いや……何でもないよ」
「そうか?ボーっとしてっと手柄取り忘れるぞ?何せ今日は俺が全部かっぱらってくつもりだからな」
「何を言いますか。MVPは僕です」
「何だと?俺に決まっているだろう」
「MVP?」
たしか最優秀とかそういった類の意味だったはずだ。
リーリュウまでもが反応するということは、何か彼らにとって意味のある言葉なのだろう。
ああ、セモンさんに言ってませんでしたね、とハクガが言って、説明が始まる。
「MVPというのは、そのダイブの時にどれだけの功績をたてたかというランキングのようなものです。高かった者には何かアイテムが送られたり、ボーナスがあったりします」
「へぇ……なんか興味そそられるな」
「でしょう?特にリーリュウなんてあんな顔して結構MVP狙ってる所ありますから。下手すると手柄を全部取られますよ」
「それは嫌だな」
セモンは苦笑する。少しは自分も手柄が立ててみたい。
「そういえば、コクトさんは第何階位なんだ?」
セモンも男たるもの、強さの階級という物に興味がある。あれほど強かったのだ。一体何階位なのだろう。
「コクトさんは第五階位。恐らく並みの六門神が辿り着ける最高レベルです」
「な……!?」
「セモンさんはSAO生還者ですから、当然レベル上げがどういう物か知っていますよね?」
もちろんだ。レベルを上げるためには、モンスターを狩らなければならない。SAOではPKによってレベルを上げることは基本的にできなかったが、スキル上げのためにそれらを活用するオレンジプレイヤーもいたと聞いたことが有る。
レベルが上がれば上がるほど、レベルは上がりにくくなってくる。少数の経験値ではレベルが合がRないからだ。レベル上限のなかったSAOでは、それが特に顕著だった。セモンも最終的にはレベルが117で終わったが、それは隠しボスを討伐して手に入れた経験値によるものだと言ってもいい。
「この世界のレベルアップは少し異なっています。《六門魔術》に関する説明をまだしていませんでしたよね?」
「ああ。名前だけ聞いて、確認はしたけど。詳しいことは聞いてない」
「ではこの機会に説明します。六門魔術の元になっているのは、もちろん《六門神話》です。この世界は《六門神話》をモデルにしているため、我々はみな《六門神》となって冒険しているわけです」
「ふむふむ」
《六門神話》は、クトゥルフ神話などと同じ創作物だ。誰が書いたのかはよく知らないが、セモンも小さい頃よく読んだ。……内容はよくわからなかったが。
「それら《六門神》には、六門属性という属性が与えられています。この六門属性が複数組み合わさることによって強力な術に変わる、という方式です。で、この六門魔術には階梯があります。この六門魔術階梯が上がれば上がるほど、その術者の術式は強くなる……ちなみに、この階梯で操れる《魔術レベル》というのが、実際のところこの世界における《レベル》システムなのです」
セモンの今のレベルは12。階梯は第一階位だったはずだ。
「レベルが上がれば階梯も上がります。そして、この階梯がいわゆるMMOにおけるレベルの働きをします。そのため、この世界では3レベルも15レベルも、30レベルを越えて第二階位に至るまで、第一階位という域を出ない……すなわち、ほとんど同じ強さのままというわけです」
「なるほどなぁ……」
「そして当然、階梯は上がれば上がるほど強力になり、レベル上げも苦労することになります。コクトさんの魔術レベルは現在74。僕の知っている限り最強の魔術レベルを誇る人でも76が限界です」
「そんなに?」
「はい。六門魔術を習得するのは難しいんです。さて、六門魔術には先ほども言った通り《属性》があります。火、水、風、土、闇、光。多くの人はこのうち二つを所持します。一つだけのものは《純正》と言って非常に珍しく、また、逆に全属性を有する者は《全数属性:極》と呼ばれます。闇属性と光属性は基本的に《矛盾属性》と言って共存しないんですがね……」
基本的に、ということは例外がいるのだろうか。セモンはハクガに問うた。
「はい。僕も会った事はないんですが、キーシェロさんという六門神が矛盾属性の持ち主です。彼を含めて、この世界には三人しか矛盾属性の六門神がいません」
「三人!?」
「はい。非常に貴重なんです。……この六門属性は、魔術のタイプにも影響を及ぼします。六門魔術は基本的に《有形》《無形》、《付与》《攻撃》《錬成》の合計5タイプに分かれます。パターンは人によりけり。因みに有形・無形は選択制というかランダムでどちらかです。有形は文字通り形があるもの、無形は形がないもの。《付与》は自身の強化などですね。《攻撃》が、魔術を攻撃に生かすこと。最後の錬成が……まぁ、回復などですね」
「へぇ……な、なんか複雑だな」
学校の授業を聞いているようで頭が痛くなりそうだ。しかしハクガは大丈夫ですよ、と涼やかに笑う。
「すぐに慣れます。使っていると意識しない物です――――で、六門属性にはこれらの得意・不得意があるわけです。たとえば火属性は《攻撃》、特に《無形》のものが得意ですし、水は《錬成》、土は《攻撃》それも《有形》の、などと得意分野がかわってきます。それがいくつか混じり合うことで、それぞれの利点を生かした魔術が使えるようになるんです」
たとえば、とハクガが右手を広げる。二言、三言ハクガが何かつぶやくと、その手に青色の光の矢が現れた。
「おお、すげぇ……」
「これが《無形》《錬成》の術、《光線武器作成》です。実態がないビームのようなものなので、無形に分類されます。僕の属性は《水・光複合属性》。《無形》の《付与・錬成》が得意な属性。回復なんかは僕がよく担当させてもらってます。カズが《火・光複合属性》《無形》の《付与・攻撃》。彼が暴走に近い無双ができるのは、《闘気功》という身体強化の術が使えるからです。リーリュウは《風・光複合属性》で、得意なのは《攻撃・付与》ですね。風属性の攻撃とか、バフ・デバフが得意です」
「コクトさんは?」
「コクトさんの属性は《土・闇複合属性》。それも相当に純度の高い《有形》の《攻撃》です。具体的には《切断》。まぁ、あの人のすごい所はそれだけではないんですがね」
もっとすごいところがあるのだろうか。興味をひかれる。
「なぁ、教えてくれよ」
「いいですよ。……六門属性は、確かに『得意な属性』を決めますが、別に自分の六門属性ではない属性の術を取得してもいいわけです。まぁ、自分の階梯より下の階梯と決まっているのですが……。リーリュウは風属性の使い手ですが、土属性の有形魔術も得意です。しかし、コクトさんはそれだけではない。……彼の属性は完全に物理に傾いているのにもかかわらず、水属性と風属性の複合属性……すなわちは《吹雪属性》をほぼ完ぺきに操ります。彼は前衛だけでなく、後衛まで果たせてしまうんですよ」
「すげぇ……あ、だからさっき『後方支援』って言ってたのか」
「そうですね。……そろそろ終点です。残念。特に何も起こりませんでしたね」
見れば、恐らく《縛鎖の城》最奥部と思われる建造物の遺跡が見えてきた。
「畜生め……今回のMVPはカズか……」
「うわ、リーリュウ!?」
いつの間にかセモンの横にリーリュウ。
「おーい、みんな、おいてくぞ――――!」
「待ってくださーい!」
カズに答えるハクガ。
「さて、急ぎましょうか」
「おう!」
「不本意だがな」
セモン達は先行するカズとコクトの元へと足を速めた。
後書き
次回は少しリアルワールドの話が入ります。
さて、質問はまだまだ受け付けています!!非会員の方の読者の方も、ぜひご質問ください!一応感想板でも受け付けておりますが、会員の方はできればメッセージ欄にお願いします。
ウェルカム質問!!
グ「ウザいです作者」
うぉ!?グリヴィネ!久しいな!
グ「全くです。私たちの出番はないのですか?」
大丈夫大丈夫。その中ふえる。
あ、グリヴィネとかハクガみたいなどっちかっていうとサブキャラなキャラクターに対する質問も受け付けています!
さぁ、皆さん振るってご質問ください!!
それでは
グ「次回もお楽しみに」
セリフとられた!?
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