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インフィニット・ストラトス 復讐を誓った血継限界の転生者

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共同契約

「それで焔、本当に『奴ら』は此処に来るのか?」

俺達は今、焔と一緒に港のコンテナ置き場に二人でいる。こんな夜中に子供二人で何をやってるんだと、見ず知らずの人は言うかもしれないが幸いにも人はいない。

「もちろん。今日此処で会合しようって言ってきたのはあっちだよ」

「罠の可能性は無いのか?」

「さぁ。確かに私達みたいにあんまり活動してない組織の話にわざわざ乗るほうもおかしいしね」

「おめぇらか?『暁』とか言うヤツらは?」

俺達が話てる最中にコンテナの物陰から出てきたのは、スーツ姿の女性二人だった。1人はさっき俺達に問い掛けてきた口の悪い奴。そしてもう一人はブロンドヘアーの女性だ。

「オータム、そう喧嘩腰にならないの。あなた達が『暁』ね。私は…あら、あなたは」

金髪の女性は俺を見るなり、言葉を止めた。

「初めましてだな。知ってると思うが、俺の名前は紅原燐。暁の隊長だ。今日はあんた達と話があると聞いてここに来た」

「これはビックリね。まさか二人目の男性IS操縦者が暁の隊長だったなんて…私はスコール・ミュ一ゼルよ」

そう言ってスコールは手をこちらに出し、握手を求めて来たので俺も手を出し握手をした。

「それであなた達の目的は何かしら?なぜ、私達『亡国機業』と組みたいのかしら?」

「我々は人数が少ない組織だ。だからどうしても人材が欲しくてな。あんた達には人材の情報提供をお願いしたいと思っている」

「それで、私達にはどんなメリットのあることをしてくれるのかしら?まさか私達が無料であなた達のような正体不明の組織に協力するとは思ってないでしょ」

「当たりまえだ、こちらからは労働力を提供しよう。今あんた達が各国でISの強奪を計画しているのは知っている。だから俺達はその協力をしよう」

「意外と耳が早いのね」

「学生だからな。いろんなことを知っておかなきゃ損だろ?」

実際こんなこと知ってる高校生のほうが損しているのかも知れないけど。

「あなた面白いわね。そっちの女の子はあなたの妹かしら?」

スコールは焔のほうを見ながら訪ねてきた。

「ああそうだが?」

「あんまりこっちに気を取られていると、人質に取られるわよ」

「なに?…」

「きゃ!」

後ろにいた焔が急に叫ぶので後ろを見ると焔がヤツらの仲間に捕まって、首もとにはナイフを突きつけられていた。

「……何のまねだ、スコール・ミュ一ゼル?」

「あら、妹が人質に取られたのに最初に出す言葉かしら。冷たいお兄さんね」

「家族を人質に取って俺達、暁を手駒にしようって算段か…」

「そうよ。イマイチあなた達が信用出来ないから、こうゆう手段に出させてもらったわ。そうすればあなたも…」

「焔、いつまで遊ぶつもりだ?」

「なんだと?」

焔を捕らえていた女が不可解そうに焔を見ると、焔は捕まっているのに笑っていた。

「だってお兄ちゃん、この人いい香りがするんだもん!」

「おっさんかお前は……さっさと拘束を解いてこっちに来い」

「ハーイ!」

焔は元気よく返事した途端にポンッ!!と煙になって消えてしまった。

「なに!消えただと!?」

「残念!後ろでした~」

拘束していた奴の後ろからいきなり現れた焔はそいつを地面に叩きつけたあと、自身のISの右手を展開して、首もとにナイフ型の近接武装に突きつけた。

「ハイこれで形成逆転ね!」

「だ、そうだ。これ以上やるなら俺を戦うが…どうする?」

「合格よ、紅原燐君。あなた達、暁を信用しましょう」

「試していたのか、俺達のこと?」

「ええ、もしあの程度の拘束を解けないような組織と組んでもこちらが危険になるだけだもの。ならいっそ、こちらの手駒にしたほうがいいもの。けど、あの煙みたいに消えたのは驚きだったわ」

「手品だと思ってくれてもかまわない…あんたの答え、今度は信じていいんだな?」

「もちろん」

俺がたずねると、スコールは微笑みながら答えた。俺は焔の拘束を外させ女の拘束を解かせてやった。そのあとにスコールに連絡するための通信機を受け取った。

「そう言えば、あなた達に頼まれた人材の情報提供だけど、欲しい人材の絞り込みはあるかしら?」

「別に無い。死人だろうが生きてようが関係ないから気にするな」

「……そう、分かったわ」

そう言ってスコール達はどこかに行ってしまった。

「けど、何で通信機なんか渡すんだろう?別にメールとかでも言いような気がするけど…」

「メールとかは、一度ケータイ会社のメールセンターってとこに集められる。俺達みたいに政府から監視されてるヤツのメールセンターに秘密結社からのメールが届いたらまずいだろ」

「あ、そっか」

「そうだ、じゃあ帰るか」

俺は神威を発動して、焔を送り届けたあと俺達の機体を作った『槙原技研』に戻って眠りついた。









 
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