オタクなハッカーの日常
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多田の実力
前書き
山崎が寝たのをいいことに、多田は早速パソコンを物色し始めるが、ロックが立ち塞がり、、、
それは、山崎が寝る前にかけたロックだった。
これで、山崎は自分が起きるまで安全だろうと思い、安心したまま夢の世界へ落ちたのだ。
案の定、多田もしばらくは棒立ちだった。
しかし、しばらくすると多田は、挑戦的な表情で満ちていた。
「HAHAHA☆こういうこともあろうかと、、、準備万端なのだっ!!」
リュックからフラッシュメモリーを取り出すと、それをパソコンの端子に差し込む。
「今こそ、日頃の成果が実りし時だっ!!」
すると、ディスプレイにソースファイルが表示され、驚くようなスピードでロードが開始される。
それも、ものの数秒で終わり、最後に
『Start? y/n』
と簡単な質問が表示された。
多田は迷うことなく『y』キーを押し、最後に―――
「そぉーれっ、ポ~チッとなっ」
『カチッ』
Enterキーを押すと、今までとは比べものにならない程の凄まじい速度で、英数字が表示され始める。
『ピッ』
今度はしばらくかかったが、短い電子音がして「UNLOCKED」と表示された。
「よっしゃあー!!」
俺は小さくガッツポーズをとる。
今まで勉強してきた甲斐があったな、と歓喜に浸る。
「それでは失礼します―――」
俺は、丁寧にお辞儀をしてから、マイドキュメントのファイルを物色し始めたのであった。
『カチカチカチカチカチ―――』
俺は、キーボードを打つ大音量で目がさめた。
そう、ただキーボードを打っているだけなのに、大音量なのだ。
もう、打っているというより叩いているような音―――
「、、、あれ?なんでキーボードの音が?」
おもむろにパソコンを見ると―――
やつがいた。
そこまでは、予想していたため、安心して二度寝でもしようかと考え始める。
がしかし、意識が覚醒していくにつれて、恐ろしい事実を目の当たりにした。
パソコンの前に鎮座し、何かをしている。
「まさかっ!!」
それは、山崎にとっては悪夢のような光景だった。
ディスプレイには、ソースファイルが表示されており、いつの間にかロックは解除されていた。
「多田っ!!」
すると多田は振り返り
「よお、やっと起きたか」
と爽やかに言い返してきたのだった。
そして最後に、こう付け足した―――
やっと俺のこと、名前で呼んでくれたな。
後書き
いやぁ〜、思っていたより皆さん読んで下さるみたいで、感謝感激デス!!(嬉し涙)
まだ、今の所は物語の始まりに過ぎませんが、今後ともどうかよろしくお願いします。
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