オタクなハッカーの日常
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策士だな、山崎!
前書き
ピザの宅配員である多田が帰ってから一週間。
山崎は、多田の存在を忘れかけていた。
『カチカチカチカチ―――』
『カリカリカリカリ―――』
「そおいえば、あれから今日で一週間やなー、、、」
あれからは多田から一度も連絡が無く、家にも来なかった。
もちろん、登録されていたメアドに、メールを送る気なんてないのだが。
「ってなんで俺が、待ち焦がれる乙女みたいになってんねんっ!!」
べつにぃ~、来て欲しいとかやないしぃー?
逆に来なくて安心しとるくらいやし?
「あー、、、、ちょっと疲れたわー、、、」
休憩しようとソファーに向かうと―――
『ピーンポーン』
「あ?誰や、こんな時に?」
どうせ、またいつもの通販で買ったやつだろう。
疲れた体に、ムチを打ちドアを開けると―――
「ヤッホーッ!!」
・ ・ ・
『バタンッ』
「あれ、、、疲れ過ぎてついに幻覚まで見えるようになってもうたんかなー、、、やっぱし、少し寝んとな」
今、目の前に、一番会いたくないやつがいた幻覚を見ていた。
『ガンガンガン!!』
今度はドアを叩く音がする。
「あっれぇー?遂に幻聴まで?」
しかし、あまりにしつこいため、しょうがなく最後の力を振り絞って巨体を動かす。
今にも倒れるんじゃないかと思うくらい疲れていたが、なんとか一歩づつ踏み締め、
何時間かかるかもわからない道のりを、頑張ってものの数秒で駆け抜け、
マウスやキーボードで疲れ果てて、握力が10も残っていないんじゃないかと思う手でノブをにぎりしめ、
今なら地球も回転させられるんじゃないかというくらいの力を込め、
ゆっくりと鋼鉄でできた、ドアという人生の壁をこじ開けるかの如く、半分だけ開ける。
「、、なんや?」
「よお、来てみたぜ」
やはり幻覚、幻聴の類いではなかった。
「帰れ」
「酷っ!!この前来るって言ったじゃん!?」
「あれは、お前が一方的にした約束やろ!」
「あれ、そうだっけ?まあいいじゃん、上がるよー」
そのまま上がろうとする多田を止める。
「待てや!許可しとらんやろ!?」
「大丈夫、大丈夫、なんとかなるさ」
「ならへんっ!!」
なんてフリーダムなやつ!!
はあー、しかし引く気もないらしい。
どおしよ、、、
「じゃあ、上がってもええから。パソコンいじりたいねんやろ?」
「おっ!やっと娘さんを僕にくれる決心がついた!?」
「娘にグレードアップしてる!?」
「えっ?何かいけないことでもあった?」
「ありありやろ、、、」
多田を上がらせた後、パソコンにロックをかけて寝ることにした。
しかし、標準搭載されているロックではなく、山崎が独自に作り上げた、セキュリティ強化型だ。
キーボードの施錠用に振り分けたキーを、さりげなく押し混む。
どうやら多田はそれに気付いてないようだ。
さすがに、こんなやつには解除されないだろうと考え、ソファーに横になってから言う。
「じゃあ、俺は疲れたから寝るわ」
「おおー、わかった」
ロックかけてるし、大丈夫やろ。
ああー、、、眠い、、、
俺はそのまま夢の世界に落ちたのであった―――
さぁーて、うるさいやつ(山沢だか山木だっけ?)も寝たところだし、さっそくパソコンの中身を見てみようか。
そうして、パソコンのディスプレイを見て驚愕した。
「ばっ、ばかなっ!?ロックがかかっているだとっ!!」
後書き
ようやく、本編開始!って感じですね。
まだまだ続きます。
ちなみに、これからは毎週月曜日、夜9時に定期的に投稿していこうと思っています。
ちなみに、このあとがきを打ってる時点で、ちゃっかり来週の月曜日の分も予約投稿が済んでます。
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