古の鉄の巨人を駆る他世界への介入者
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次の仕事先
「入るぞエクナ」
「あっ、おかえりなさいキョウスケ様」
キョウスケがエクナの部屋に入るとエクナは真面目に書類と向きあっていた。エクナの周囲には天井まで届くまで積み上げられた書類が目に付く。また書類を仕事をサボっていたのかと呆れてしまう。キョウスケは困った妻だと呟きながらソファに腰掛けた。エクナもキョウスケと同じソファーに座ろうするがどうやら強力な拘束術式が組まれているようで机から離れられないようだ。どうやらエクナの部下が十数人体制で組んだもののようだ。
「ううう…それより今度の世界はどうした?」
「ああ、魔術のある世界。管理対象世界、1862。運命(FATE)の世界だったな」
キョウスケはコーヒーを啜りながら疲れを癒していた。キョウスケはエヴァの世界から帰還してから少ししてからまた仕事が入って先程帰ってきたところなのだ。断罪と粛清、修正を司る為に多忙なのは容認しているが、出来ればもう少し間を空けて欲しかったのは事実なそうだ。その世界に転生した馬鹿は『王の財宝』を望んで転生好き勝手に暴れまわっていた。そして美しく鮮麗な女性だけを集めたハーレムを作って自分だけの国を作ろうとしてので呆れた。キョウスケは直ぐにも輪廻の輪に戻そうとしたがエクナの提案で聖杯戦争に参加する事とした。その転生者は聖杯を使って更なる力を手に入れようと考え、バゼット・フラガ・マクレミッツを殺害しを令呪奪い取って自らマスターとして戦争に参加。キョウスケは神の特権、FATEのスキル的にいうのであれば『準最高神権限』ランク:EXを使用して8人目のマスターとしてサーヴァントを召喚した。が、そのサーヴァントがとんでもないものだった。
「サーヴァント・ファニーヴァンプ。召喚に応えてやって来たよ、えっとこういえばいいんだっけ?」
「………」
英霊召喚の為の陣も呪文も問題なく成功したキョウスケは召喚に成功した。成功はしたが…。出て来た英霊は白いタートルネックに紫のロングスカートという当世風の衣装を着た、金髪紅眼の白人女性。どっからどう見ても一般人だ、だがキョウスケは自分に酷く呆れ、呼び出した相手がとんでもない者だと実感していた。
「問おう、あなたが私を呼んだマスターなのかな? えっと、こんな感じで良いんだっけ?どうかな?」
「………ああ、合ってる。俺がお前のマスター、キョウスケ・ナンブだ」
「そっか!これから宜しくね!アルクって呼んでねキョウスケ!!」
差し出せる手をキョウスケはああっと答えながら握り返した。目の前の女性は明るく、男性を魅了する美貌を振りまいてこちらを見る。が神性がEXを突破してしまっているキョウスケは平常心を保っている。が一瞬で相手の真名に心当たりが付いてしまって疲れていた。
「(どうして触媒無しでやったら真祖なんぞを呼び出すんだ俺は…)」
そう、キョウスケが呼び出したのは真祖。もうキョウスケが何処まで規格外なのが良く解る。幾ら神だからってこんな事になった神は今の今までいなかった。しかもキョウスケの神力が彼女に流れ込んで異常強化されている。一応人間体となっているので神力は極力抑えている積りだったかそれでも強化されるには十分すぎたようだ。
【パラメータ】
筋力:A++ 耐久:A 敏捷:A+ 魔力:B+ 幸運:B 宝具:EX
唯一低いのが幸運Bっというとんでも性能となっている。クラス内で最優とされる『騎士』、スペックではセイバーにも劣る事が無い『狂戦士』にも劣らないとんでもサーヴァントとなっている。
そしてキョウスケはサーヴァント・ファニーヴァンプ、真名アルクェイド・ブリュンスタッドと共に聖杯戦争に参加して目的の転生者と討伐、その世界での目的を達成した。
「アルク、すまなかったな。俺の私情に付き合わせてしまって」
「ううん、結構楽しかったよ?現代の楽しみも覚えたし。楽しい6日間だったよ」
「そうか、では何か褒美をやりたい所だが…。何かあるか、神として許せる範囲であれば褒美をやる」
「う~ん…あっそれじゃあねぇ!」
「あれ、くれてやったのは失敗だったかな」
アルクの望んだ褒美、それは自分が別次元の存在への昇華だった。その為に渡したのが『ゼロイージス』という神具。これを持った者はキョウスケの力の一部分を手にした事を意味しその者が望むまで生き続け、別次元への移動を可能とする神具である。キョウスケの所持している神具の中でもランクはBと高めのもの。まだ上位互換の神具はあるとはいえ、やはり神具を与えたのはやりすぎたか?と思ったキョウスケであった。
「んで今度はしっかりと休暇を取れるんであろうな?」
「あっ~…えっ~とその~…」
エクナは罰悪そうな顔をしながら顔を背ける。キョウスケはどうやら休暇はまだまだ先のようだと悟って溜息を漏らす。
「す、すいません…。また下級神の馬鹿がまた勝手に…」
「その下級神は馬鹿かアホかマヌケか。転生させるには上級の転生管理局の手続きを取らなければ転生させてはいけないっという掟を知らんのか?」
「どうやら同僚から来るストレスで忘れていたそうで…「今すぐ地獄へ左遷しろ。ハデスに扱かせろ」ですよね~…」
キョウスケは一瞬で下級神の処分を決定した、流石は断罪の神である。決して、断じて、絶対に、誓って、まるっきり、全然、私情は無い。別に折角休暇を取れると思ってたら妻に夜這い掛けられたり、休暇を楽しもうとしていたら仕事が舞い込んできたり、戻ってきた早々に仕事が入ったとかでイライラしているわけではない。
「それで、次は何処の世界だ」
「あっはい、管理対象世界、412。インフィニット・ストラトスの世界です」
「確か、女しか使えない兵器がある世界だったか」
キョウスケは管理対象の世界の名前に覚えがあった。娯楽室の資料にも紛れているのを覚えている。妙にインパクトが合ったので何とか覚えていた、まあ言葉で表すのが大変な程の管理対象世界があるのだから名前だけでも覚えているだけで十分凄いのであるが。
「それでなんだ、今度はその世界か」
「はい!もう設定だって組んでるですよ!!」
「…早すぎるだろ」
キョウスケはエクナから受け取った自らの設定を受け取って自室でゆっくり読む事にした。
「あいつ何時も思うが、何故婚約者の設定が好きなのだ?」
キョウスケの設定の重要なところを上げると
・織斑 千冬の婚約者
・飛行機事故に合って生死不明。
・実は無傷で生きていて、今はひっそりと生活
・それと妹が一人居る
っという事らしい。キョウスケは毎回毎回こんな設定を好むので自分に浮気でもして欲しいのかと疑った事があるが、キョウスケを心から愛している事と単純にこういう設定が好きなだけだった。
「…。まだ面倒な事になりそうだ」
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