マジカル☆ウィッチルフェイちゃん!
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マジカル☆ウィッチルフェイちゃん大人になる!
皆と出会ってから数年が経ちました。私、ルフェイ・ペンドラゴンは今日で12歳になりました。この頃、魔力爆発を起こしても三週間くらい魔力が増えません。お母様曰く、増えるのは後1回で、今日だけだそうです。12歳になると急激な魔力増加は起きないようです。
「今日は……やった、増えてるのです!」
最後の日だから、助かりました。しかし、そのせいか……身体が凄くだるいですし、なんだか熱っぽい。それにお腹が痛いです。
「今日はベル(ウィルベル)ちゃんと久しぶりに合う約束がありましたね……」
頭を押さえながらベルちゃんと会う為に無理に身体を起こして、起き上がると布団が床に落ちました。そして、見た光景に私は悲鳴を上げてしまいました。
「あわわわ、血がいっぱい……」
シーツには真っ赤な血がいっぱい出ていました。姿見を見ると、映し出された私の裸……股間部分から血が出ています。
「こ、これが生理……ですか……?」
毎月女の子はこんな苦しい思いをしていたのですか……これなら休むのも納得です。って、それよりもメイドさんを呼ばないといけません。裸で寝てしまったのが原因でシーツが凄い事になっています。テーブルに置かれている緊急用のベルを押して、メイドさんを呼び出します。というか、力が入らないので、そのまま床に座り込んでいます。
「お嬢様、如何なされましたか!?」
すると、直ぐに私付きのメイドさん達が入ってきました。そして、私に近づいて、身体をしっかりと見られます。
「おめでとうございます」
おめでとうと言われても喜ばしい事では無いです。元男の記憶がある私には男性とセックスして子供なんて、今のところは考えられません。
「私は奥様と旦那様に知らせてきますね」
「念のため、お医者様を呼んだ方が良いですね。連絡してきます」
「鎮痛剤とお水を隣の部屋に持ってきて! 私はお嬢様を連れて行きます」
メイドさんの1人に抱き上げられて、身体に布団を巻かれた後、遠い隣の部屋へと運んでいただきました。転移術なので直ぐに到着し、私はベットに寝かされました。その後、お湯で濡らしたタオルで綺麗拭かれました。全身ですが。
「ルフェイは無事かっ!? あがっ!!」
「ルフェイは無事ですか?」
2人が入ってこようとしたようですが、お父様はお母様に弾き出されました。
「奥様、旦那様。大丈夫かと思いますが、一応お医者様を手配しました」
「そうですか。では、アナタは各方面に連絡をお願いします。ルフェイが緊急の方を押したようなので、それの解除をお願いしますね。後、入るな」
「だ、だが、わ、私もルフェイが心配で……」
「娘の裸がみたい変態なのですか? どうやらお仕置きが必要みたいですね」
「い、いや、そんなことは無いぞ! ただ、心配なだけだ! る、ルフェイはお前にま、任せたぞ! 私は色々と準備してくる!」
「ええ、お願いします」
お母様が扉を閉めて中に入ってきました。
「お母様……」
「気にしなくていいわ。ゆっくり休みなさい。それより、薬ですね……そうね、丁度良い錬金術師がいるわね」
お母様は口調が荒い時は怒ったり、家族の時だけです。ただ、基本的に礼儀正しくしていますけど。
「少し待っていてね。直ぐに薬を用意するわ」
そう言った後、お母様は空間を捻じ曲げて誰かに連絡をしているようです。
「ウィルベルさんが何時もお世話になっております。突然ですが、依頼をしたいのですが、よろしいですか?」
『はい、大丈夫ですよ。丁度、アトリエにいますから』
優しげな若い女性の声が響いて来ました。
「依頼は生理に良く効くお薬を至急用意してください。報酬は欲しい素材を差し上げましょう。それと、困っているようですから、娘にもウィルベルさん同様に妹さんを助ける手伝いをさせましょう」
『それは嬉しいのですが、困った時はお互い様なので、気になさらないでください。それと生理は重いですか? できれば年齢や体重なども教えてください。合わせた薬を用意しますから』
「それは……」
どんどん私の個人情報が漏れています。でも、相手は女性なので気にしません。それから1時間ちょっとでお薬を貰いました。そのお薬を飲むと直ぐに効いて、非常に楽になりました。
「あの、お母様……今日はベルちゃんと会う約束がありまして……」
「駄目ですと言いたい所ですが、家の中だけなら問題無いでしょう。私から連絡しておきます」
「は~い」
それから、しばらくすると、部屋の中にベルちゃんが入ってきました。
「やっふぉー。生理なんだって? アタシも来た時は面倒だったわ」
「ベルちゃん……ごめんね?」
「気にしなくていいよ。それに、大婆様がパーティーに参加していいって、言ってくれたし」
「ぱ、パーティー?」
「うん。なんでも、ルフェイのお父さんが張り切って準備しているみたいだよ」
お赤飯とか、そんな感じなのかな。恥ずかしいから止めて欲しいんですけど。
「それより、大婆様から聞いたけど、ルフェイもあっちに行くんだよね」
「?」
「あれ、聞いてない? 大婆様がアタシの課題を変更して、あ……アンタを助けた錬金術師をアタシ達で助けてあげろって言ってたわよ。生理の薬もいっぱい貰っておけって。素材調達からお手伝いしろって、大婆様に言われたよ」
確か、ベルちゃんの修行先はこことは別の世界でしたよね。そこで新しい本に出会えるかも知れません。既に黄金の夜明け団が所有する図書館は全て読み終えましたし、分身の術にいい方法が分かるかも知れません。
「わかりました。じゃあ、明日か明後日から行きましょうか」
「うん。アタシもそれで準備しておくね。いやーそれにしてもきな臭くなってきたから助かるよ。アンタ、魔力は桁違いだしね」
「任せてください。私の魔力は39溝まで有りますから」
「ちょっと待ちなさい。どんだけ増えてんのよ!」
39,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000くらいですね。千無量大数には全然遠いです。残念無念です。
「くっ、アタシ……1,250,000しかないんだけど。あっちじゃ、125だよ! なのにアンタは……あっちでも39穣あるとか……チートじゃん」
「ふふ、継続戦闘は任せてください。蹴散らしてあげます」
「はいはい、雑魚は任せたわよ。というか、ルフェイと一緒なら好きに戻ってこれるわね。大婆様同様、空間くらいは捻じ曲げられるんでしょ?」
「効率は悪いですが、魔力任せで捻じ曲げちゃう事は可能です」
「じゃあ、あっちには精霊も居るし、契約したりもしましょうか」
「そうですね。大魔術師の究極の目的の中で比較的簡単である風を捕らえる事、影を喰らうこと、星を砕く事の内、風を狙うんですね」
「そうよ。アタシは風を捕まえる事にしようと思ってる」
「そうですね。私も星を砕く事は出来るとは思えますけど、試す気は無いですからね」
「出来るの……」
がっくりしているベルちゃん。こっちはデモンベインの武装がありますから、結構簡単ですよ。影を喰らうは影を無くす事ですから、恒星規模の光を生み出せれば可能でしょう。
「まあいいや。それじゃあ、後で遊ぼう」
「うん」
それから、私は夕方まで眠ってから、晩御飯を食べました。むしろ、パーティーは凄く恥ずかしかったです。これから男性に狙われる事もあるでしょうし。いっそ、痛そうですが縫ってしまいますか。いや、止めておきましょう。でも、警戒は大事です。
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