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ヘタリア大帝国

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TURN85 日本の奮起その四

「祖国さんなら細かいところまでわかると思うが」
「はい、不安が日に日に高まっています」
 日本も東郷にこう答える。
「秋山さんの仰る通り」
「やはりそうですか」
「はい、海軍が陸軍を吸収合併するのかと」
「そうなっていますか」
「ただ、山下長官については」
 彼女の件はどうかというと。
「不満は少ないです」
「完全でなくともか」
「はい、それは少ないです」 
 そうだというのだ。
「他に適任者もなくまた長官も指導力は確かですので」
「それならいいがな」
 東郷はこのことはまずは安心した。
「利古里ちゃんの下でまとまっているのならな」
「しかし問題はです」
 日本はさらに話す。
「その不安がまことしやかに囁かれていまして」
「それだな」
「このことをどうするかですが」
「それなら少し考えがある」
 ここで言う東郷だった。
「とはいっても俺は海軍だ」
「だからですか」
「俺は直接言うことも出来ない」
 所属する組織が違えばだ、それはとてもなのだ。
「だからここで呟くが」
「はい」
「祖国さんだな」
 日本に直接言わず呟いているだけだ。
「祖国さんがどうするかだ」
「私がですね」
「そういうことだ、祖国さんが陸軍さんにどうするかだ」
「私が判断しそしてですか」
「帝ちゃんと話をしてもいい」
 国家元首である彼女と、そしてだった。
「伊藤首相ともな」
「御二人と」
「これでいいだろうな」
 やはり呟くだけだ、よく見れば日本の方も見てはいない。
「俺は呟いただけだ」
「有り難うございます」
「いや、そこで礼を言ったら駄目だろう」
 東郷はこの場でも律儀な日本に苦笑いを浮かべた。
「呟いているだけだからな」
「だからですか」
「ああ、俺は呟いただけでだ」
 そしてだった。
「祖国さんはたまたま聞いた」
「だからですね」
「礼を言う状況じゃない」
「わかりました、それでは」
「さて、それではだ」  
 東郷は話題を変えた、そのうえで秋山に問うた。
「さて、チリへの侵攻だが」
「そのことですね」
「補給は大丈夫か」
「はい、テキサスを拠点にしてメキシコからのルートは固めています」
「ならそちらは大丈夫か」
「ただチリまではいいのですが」
 それまでjはというのだ。
「今度は補給ラインが伸びます」
「それが問題だな」
「はい、チリ以降アルゼンチン、ブラジルと攻め込んでいきますが」
 補給線が伸びることが問題だというのだ。
「それをどうするかです」
「拠点を築くことだな」
 ここで東郷は一つの解決案を出した。
「問題はそこだが」
「チリがいいかと」
 これから攻め込むその星域、秋山が出したその候補地はそこだった。 
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