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ヘタリア大帝国

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TURN85 日本の奮起その五

「あの場所ならと思いますが」
「チリか」
「どうやら航路がある様です」
「航路?まさか」
「はい、ニュージーランドからチリへの航路がある様です」
 これまたこれまで発見されていなかった航路である。
「チリ星域のイースター星からニュージーランド星域にです」
「航路があるか」
「それを使えば」
 太平洋から補給物資を届けられるというのだ。
「チリはかなりいい補給拠点になるかと」
「なら修理工場も設けるか」
「それが宜しいかと」
「よし、ではチリを攻略しそこをアステカ深部侵攻への拠点とする」
 東郷はこのことを決めた。
「そしてアステカとの外交だが」
「講和しようとはしません」
 秋山はこのことは難しい顔で述べた。
「徹底抗戦の構えです」
「向こうの皇帝さんはか」
「皇帝と呼ぶべきでしょうか」
 秋山はあの白いハニワを脳裏に思い浮かべて東郷に返した。
「あれは」
「ケツアル=ハニーか」
「はい、どういった種族かもよくわかっていませんし」
「栄養の摂取の方法や寿命もだな」
「そうしたことは全くわかりません」
「考えてみれば不思議な種族だな」
 東郷も腕を組んで考える顔になった。
「一切が謎だ」
「割れる、これは他の種族では死ですが」
「そうなってもすぐに元に戻るからな」
「それもまた不思議です」
 奇妙だというのだ。
「非常に」
「そしてそのハニワ族の皇帝さんはか」
「徹底抗戦です、そしてです」 
 秋山はここで東郷にこのことも話した。
「アルゼンチンにエアザウナの巣があるとのことです」
「あそこにあったのか」
「そうでした」
「ではアルゼンチンではエアザウナとも戦うな」
「そうなります」
「大怪獣との戦いか」
 東郷は難しい顔になっていた。
「厄介だろうな」
「そしてチリには台風も来ています」
 宇宙台風である。
「やはり中南米は災厄の宝庫ですね」
「そうだな、厄介なことは予想していたがな」
 それでもだというのだ、そしてこうした話をした次の日にだった。
 彼等が今いるペルーに宇宙イナゴの大群が来た、枢軸軍は彼等を退治する為に出撃することになった。
 銀河に展開するイナゴの大軍団を見てキャロルが言った。
「噂以上ね、中南米は」
「あんま災害と怪獣が多くてしかもや」
 それに加えてだと、スペインがそのキャロルに話す。
「ハニワやからな」
「だからスペインさんも進出しなかったのね」
「その頃もうアステカあったしな」
 そして確かな勢力だったというのだ。
「そやからな」
「中南米とは貿易だけだったのね」
「こっちからはそうしたゲームや本輸出してな」
 スペインはその貿易の話もする。
「向こうは色々輸出してくれたわ」
「資源とかよね」
「そや、中南米の豊富な資源をな」
「そうしたゲームとかだけで資源が手に入るって割のいい貿易ね」
 キャロルはスペインの話を聞いて素直な感想を出した。
「それって」
「俺もそう思うわ」
「そうよね、まあそうしたゲームとか本を好きっていうのは」
 このことには眉を顰めさせるキャロルだった、その言葉も。 
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