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ヘタリア大帝国

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TURN85 日本の奮起その三

「そのことを述べさせて頂きます」
「それではです」
 日本妹の話が一段落したところでここでだった。
 上座にいた帝が微笑み緊張したままの一同に話した。
「それでは次はです」
「まだあるんだな」 
 ドワイトが彼の場を見て言った。
「中々深いパーティーみたいだな」
「そうみたいだね。流石は歴史ある国だな」
 キャヌホークもドワイトに応えて述べる。
「じゃあ次は何か」
「それも見せてもらうか」
「能を行います」
 今度はこれだった。
「暫く場を換えますのでお待ち下さい」
「場が動いた?」
 イザベラは間の中央の部分の畳が下がりそこから舞台が出るのを見た、そしてその場においてであった。
 今度は能役者達が演じる、その間に主催である山下はというと。
「あれ、長官さん何処行ったの?」
「今度は日舞あるからな」
 中国妹がハニートラップに話す。
「その用意に着替えに行ったあるよ」
「そうなのね。けれどね」 
 ここでまた言うハニートラップだった。
「さっきの日本妹さんの言葉はね」
「あれあるな」
「きついわね、核心衝いてたわね」
「まさにそれだったあるな」
「山下長官って真面目で立派だけれどね」
「余裕がないある」
 人間としてのそれがない、山下の問題点はそれだった。
「アステカとの戦いではそれが出ているあるよ」
「そうなのよね。イタちゃん達みたいな余裕もあったら」
「あれは余裕じゃなくて適当あるよ」
 それになるというのだ。
「まああれだけリラックス出来ているならいいあるが」
「その半分でもね」
「全くある」
 こうした話もしたのだった、そして。
 能の後でまた山下が華やかな着物姿で出て来て今度は舞う、その舞も見事だったがそれでも余裕は感じられなかった。
 山下のあらゆることが見えた宴になった、その後で。
 陸軍の者達は難しい顔で話をしていた。
「このままでは吸収か?」
「陸軍は海軍に吸収されるか」
「そのうえで軍の統一か」
「そうなるのだろうか」
「妹殿まで長官を注意されたぞ」
 宴のことは彼等の耳にも入っている、それで話すのだった。
「決定的ではないのか」
「我々は海軍に入れられるのか」
「この戦いでは海軍の活躍が特に目立つ」
「それでそうなるのか」
「まずいぞ、これは」
「どうすればいいのだ」
 彼等は陸軍の行く末に深い憂いを感じていた、そして。
 その話を聞いた秋山が東郷と日本に話すのだった。
「あの宴の後ですが」
「陸軍さんの間で不安が渦巻いているな」
「そうなっていますね」
「はい、軍が統一されるのではと」
「それだな」
 東郷も言う。
「海軍が陸軍を吸収してな」
「そうなるのではないかと言われていいます」
「このことについては俺は何も言えない」
 東郷は自分の立場からまずはこう言った。
「海軍からはな」
「そうなりますね」
「伊東首相か五藤内相かだがな」
「そして帝か」
「私ですね」
 ここで日本が言って来た。
「そうなりますね」
「陸軍さんは今どうなっているんだ?」
 東郷は日本にこのことを尋ねた。 
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