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DQ4 導かれちゃった者達…(リュカ伝その3)

作者:あちゃ
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第5章:導かれし者達…トラブルを抱える
  第65話:夜の宿屋の夜は明ける

 
前書き
長い一日が終わり翌朝……
一体何人の胃がやられてしまったのだろうか?
作者として冥福を祈ろう。 

 
(サラン)
ライアンSIDE

昨晩の騒動が嘘の様に静かな朝……
私は皆が集まる食堂へとホイミンと共に赴く。
少し恥ずかしかったが、彼女(ホイミン)が腕に抱き付いた状態で……

いい加減で無責任だと思ってたリュカ殿が、愛し合う者達について語った昨晩……
私とホイミンは部屋へと戻ると、冷静な態度で話し合いを行った。
まだ人間になりたてのホイミンに、人間の事について詳しく説明し、彼女が行おうとしている行動の意味を解らせる。

すると……行動の意味を理解したホイミンは、私への想いを告白してきた!
つまりそれは男女の事柄であり、私への愛の告白に相違なかった。
正直言えば大変困った事態だ……私は今までホイミンを男だと思ってきたし、色恋事を想定して人間になる手助けをした訳ではないから。

だが真剣な瞳で私を見詰め、自身の想いをさらけ出す彼女に対し、これまでの思い違いを理由に拒絶する事など私には出来ない!
気付いた時には口吻をしており、昨晩は互いに燃え上がってしまった。

食堂に現れた我々を見て、周囲の者達も理解したのだろう……
リュカ殿を筆頭に落ち着いた声で「おはよう」と言うだけで、誰も囃し立てたりはしてこなかった。
その点に関しては、昨晩貴重な話をしてくれたリュカ殿に感謝です。何より飲めない酒をブライ殿と飲み交わし、体調が悪そうだったから……

だが私は、リュカ殿に近付いて小声で言いました……
「言っておきますが、私は昨晩より以前から童貞ではなかったですぞ!」
と、この点だけは強めに言っておきましたよ!

ライアンSIDE END



(サラン)
アローSIDE

ライアンがホイミンと腕を組んで食堂に現れた。
だけどオイラ達も負けてない。
今朝はリューラと一緒に手を繋いで現れたんだからね!

昨晩は、リュカさんの話を聞いて、色々な事を考えながらリューラと共に部屋に戻った。
そしてリュカさんが言ってた様に冷静に話し合いをして、リューラとの関係を進めて行く。
何よりリューラが人間の行動について、一生懸命説明してくれたので、オイラも自分の間違いに気付く事が出来たよ。

狐の時の感覚でリューラに迫ってたオイラは、凄く恥ずかしい事を沢山言ってたんだなぁ……
あんな事を言ったり迫ったりしてたオイラに対し、リューラはキライにはならず丁寧に説明して解らせてくれたんだ。

だから昨晩は、ある程度お互いの事を語った後、各々の部屋に戻って睡眠を取ったんだ。
しかし少しでも一緒に居たい気持ちのあるオイラは、早朝に彼女の部屋の前で待機!
リューラが目覚めて部屋を出てきて一緒に食堂へ行ったんだ。

部屋の前で待ってたオイラを見たリューラは、最初は驚いてたけども直ぐに嬉しそうな笑顔になってくれた。
「おはようリューラ……大好きです」
って言ったら、黙って頷いてくれた……勿論笑顔で!

アローSIDE END



(サラン)
ウルフSIDE

3Pはキツい……
昨晩は取り敢えず二人を満足させる事で、一応の解決を迎えたのだが……
今後毎晩3Pになるのだとすれば、正直俺の体力が保たないだろう。

1日ずつの交互にしてもらえないか相談したいのだが、双方共に幸せにするとの約束なので、マリーは絶対に納得しないだろう。
この納得を得るのだって凄く苦労したのだから……

リュカさんが語ってくれた人間の青年ノイルと、エルフの女王の娘アンの、悲しい愛の物語。
俺も詳しく知っている事だったので、冷静さを取り戻したマリーに対し、納得してもらえる様に話をし続ける事が出来た。

何より俺の二股(言い方が悪いが他に言い様がない)を認めなければ、俺は二人の前から消え二度と姿を現さないと言ったのが効果的だったのだろう。
『それだけは絶対にヤダ!』と言い、俺にキスをしてきた所から3Pの開始になったよ。

(やつ)れきった俺が食堂に姿を現したのは一番最後だった……
そんな俺を見ても、誰も何も言わないでいてくれるのは、昨晩の騒動が多大なる迷惑をもたらした事を理解しているからだろう。
取り敢えずとは言え、巧く事が進んでいるのを阻害しない様しているのだ。

それとも、まだ幾分不機嫌な表情のマリーに気を遣ってるのかもしれない……

ウルフSIDE END



(サラン)
ブライSIDE

夜も明け、冷静さを取り戻したワシは食堂でコーヒーを飲んでいる。
昨晩リュカに連れられて、酒を飲みながら語り合った同じ席で、手を繋ぎ気恥ずかしそうに現れた姫様とクリフトを見て、ブラックコーヒーを口に含む。

顰め面をしてしまうのはコーヒーの所為だけではないだろう。
今は解っている……納得は完全には出来てないが、姫様とクリフトの仲を邪魔してはいけない事は理解しているのだ。

酒は不得意なのに、ワシに付き合って飲み交わしてくれたリュカが、昨晩語ってくれた事……
本来は閉店の食堂を、『何も盗まねーから、酒飲むのに使わせろ!』と、脅しまがいで使用した食堂での語り合いは、ワシの心に大きな何かを凭せてくれた。

姫様の幸せを考えるのなら、姫様自身が選んだ男を信じ、そして応援して行かねばならないのだ。
しかも相手はクリフト……人柄も能力もよく知っており、姫様を悲しませる事だけはしないと確信出来る男。

確かに(クリフト)以上の相手は見つけるのが難しいだろう。
だから本当は二人の事を手放しで祝福しなければならないのだ……
だが、それが出来ないのは姫様を幼い頃より育ててきた、ワシの我が儘なのだろう。

リュカが酒を飲み交わしながら語ってくれた、自身の娘達の事……
既に結婚してる娘もいれば、ウルフの彼女……マリーの事だが、決まった相手がいながらも、修羅場を迎えてしまった娘の事……
極度のファザコンから、結婚出来るのか不安が残る娘の事など……様々な事を語ってくれた。

リュカや娘達3人を見る限り、将来に不安が残る娘もそれなりに美人なのだろうが、だからと言って安心出来ないのも世の中の不条理なのだろう。
それを考えると、姫様は幸せを手にしている……現在進行形ではあるのだが、大きな幸せに向けて歩んでいるのだ。

ワシが味方にならないでどうするというのだ!?
ただ少し……あと少しだけ、時間を頂きたい。
もう少しでワシも心から姫様の幸せを祝福する事が出来るのだ。

リュカに感謝せねばならんな……苦手な酒を飲んでまで、ワシの心を説き伏せてくれたのだから。二日酔いで大変そうな状態になってまでも、あの二人の事を気遣ってくれたのだから。
それから、今までリュカに感じてた一方的な感情も払拭せねばならないだろう……
ただこっちは、普段の素行が問題だらけだから、割と難しいと今から思う!

ブライSIDE END



(サラン)
リュカSIDE

ジジイを酒で酔わせ、全てを有耶無耶にする作戦は概ね成功を収めた。
ただ俺自身も酒を飲まねばならなくなったのは不愉快だった。
でも、俺も娘達の事で少しは苦労してるんだぞって愚痴る事で、多少は発散出来たので良しとしよう!

部屋に戻ると、美女3人が幸せな未来の事を語り合い、笑顔で俺の事を迎え入れてくれた。
遂に念願の4P開始かと胸を高鳴らせたのだが、夜も大分遅く俺が酔っ払ってると言う事で話は纏まり、3人とも自分の部屋(シスター・パメラは教会の部屋)に帰ってしまった。

色々と大変な事が盛りだくさんで、いざハッスルハッスルって感じだったのに、肩透かしを食らったみたいでションボリックシンドロームだよ!
『何だよ“ションボリックシンドローム”って!?』って感じに誰かツッコめよ!

まぁ無意味なボケツッコミを心の中で行ってもしょうがないので、俺はウサギを求めエンドールまでルーラする。
お陰で今朝は、寝不足が酷くテンションだだ落ち!

ブライが開口一番「済まんな……酒が苦手なのに付き合わせてしまって」って謝ってきた……
真実は違うのだけど、説明が面倒臭いし女を求めてエンドールまで行ったと聞けば、また激怒されそうなので黙っておく事にする。
知らなくて良い事ってあるよね(笑)

その後も、昨晩騒動を巻き起こした連中が俺に目で挨拶をしてきた。
きっと俺のテンションの低さが、飲めない酒の所為なのだと思ってるのだろう……
それの証拠に、ライアンが「言っておきますが、私は昨晩より以前から童貞ではなかったですぞ!」と昨晩のクレームを付けてきたが、それ以上言うのは控えてくれたし……

でも、そういう所が童貞クサイって解ってんのかな?

リュカSIDE END



(サラン)
シンSIDE

昨晩はサランの町に多大な迷惑をかけてしまった……
宿屋の方々を筆頭に、集まってきてしまった周辺の住民方に事情を説明し深く謝罪した所で、町から出て行くリュカさんを発見する。

どうやら珍しく酔っ払ってる様子で、考えてる事が口から漏れ出ていた……
『んだよ……ブライを黙らせて、折角これから4Pだったのに、シスターも双子も部屋に帰っちゃってやんの! もう収まり付かないからエンドールでバニーちゃん狩りしちゃお!』

最悪だ……
今回の騒動の全てに拘わっていた唯一の人物なのに、その事に関し何も思ってないらしく、自身の欲求を満たす為だけに、高位魔法を駆使して遠方に出かけるみたいだ!

夜が明けて、食堂に皆が集まりリュカさんの不調に驚いてる。
そりゃぁ夜を徹して女遊びをしていれば、明くる朝は体調不良に陥るだろう。
だけど誰もが昨晩の騒動を取り纏めたと思い、敬意をもって挨拶している。

正直言えば事後処理をしたのは俺であり、あの人は騒動の中心人物でしかなかったのだ!
だけど今ここでその事を言っても、また騒ぎが再発しそうなので俺の心に留めておこうと思う。
リュカさんは尊敬出来る部分もあるのだろうが、トータルするとどうなのか?

今度ウルフさんに相談してみよう……
でもなぁ……ウルフさんはリュカさんの信奉者だから、何を言っても無駄な気がする……
俺は一体誰に相談すれば良いのか……?

俺を導いてくれる頼りになる先輩は居ないものかなぁ……

シンSIDE END



 
 

 
後書き
誰か大至急ティミーを召喚してやってくれ!
このままではシン君が……
あ、出来る事ならチェリー時代のティミーが良いかもね。 
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