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DQ4 導かれちゃった者達…(リュカ伝その3)

作者:あちゃ
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第5章:導かれし者達…トラブルを抱える
  第62話:夜の宿屋で大修羅場

 
前書き
大騒ぎ序章の第3話
60・61・62話同時掲載! 

 
(サラン)
ウルフSIDE

「うわぁ~ん! 裏切り者~!」
俺の目の前では大声で泣き叫ぶ美女が一人……
勿論それはマリーの事なのだが、その音量がハンパじゃない!

俺とマリーの部屋にリューノを呼び、意を決して話し出したのだが、こんなに厄介な事柄だとは……
い、いや……予測はしてたのんだけど、いざ体感すると……
あぁ……リュカさんにも同席してもらえば良かった。

尤も、宿屋にチャックインした時に、リュカさんには『これからマリーに話します』って報告したんだ。
そうしたら『大変な事になるだろうから、大惨事だけは回避しろよ』と言って、キングレオでがめてきた“静寂の玉”を渡してくれた。

そう言えば人間に戻ったキングレオを一発ブン殴り、懐にしまおうとしてたコレを取り上げたたっけなぁ……
だから俺はマリーに話し始める前に、静寂の玉を作動させ万全な状態にした。
俺がマホカンタを唱えても、マリーにイオナズンを唱えられたら、俺以外全て吹き飛んでしまうから、大惨事になってしまうんだよね。

俺もマホトーンを唱えられるが、突然 魔法(マホトーン)を使われたら、マリーも驚くだろう……
その点で静寂の玉は、マリーに気付かれる事無くコッソリと魔法を封じる事が出来る。
この場合、俺の魔法が封じられても問題ないし、リュカさんの配慮は完璧だと思うよ。

「落ち着いてマリー……私は「うるさい泥棒猫! 私の彼氏を寝取ってんじゃない!」
いかん……過去を思い出し現実逃避をしている場合ではなかった。
マリーを説得しなければ、俺達に幸せは訪れないんだ。

「マリー……聞いてくれマリー!」
「うぇ~ん」
俺は泣くマリーの両肩を掴み、しっかりと両目を見詰め話しかける。

「さっきも説明したが、この三角関係を認めてくれないのであれば、俺は二人の前から姿を消す。マリーの事が嫌いになったから、リューノと付き合ってるのでは無い……マリーも心から愛しており、同じようにリューノの事も愛してしまったんだ! だから俺は、同時に二人を愛し幸せにする……どちらか一人を選ぶ事なんて出来ない。どちらか一人を不幸にするくらいなら、二人と別れて俺も不幸になる選択をする」

“二股を認めろ”なんて非常識な論理だが、今の俺にはこの方法しか思いつかない。
マリーも大好きだし、リューノも愛してる……どちらも絶対に幸せにしたい!
どうにかマリーには納得してもらいたい。

「(ひっく)こ、この事を……(ひっく)お、お父さんは(ひっく)知ってるの?」
まだ涙が止まらない状況で、辿々しく尋ねるマリー……
リュカさんもこの状況を知ってて納得していると言えば、もう少し落ち着いて会話が出来る様になるだろう。

「勿論知っている……俺達の事(リューノと付き合いだした事)を説明する前に、リュカさんにはバレてしまったからね。俺の想いは伝わっているよ」
君のお父さんは凄いんだよ……一瞬で俺達の事を看破しやがったんだから。ちょっと勘弁してほしいレベルなんだよマリー。

「やっぱりあのクソ親父が絡んでるのね!?」
え!?
尊敬する義父の事を話題に出し、落ち着いた大人の話し合いを期待したのだが、突如マリーは大激怒し部屋から飛び出してしまった!

ヤバいよ……この部屋の中だけしか、静寂の玉の効力は無いんだ。
俺も急いでマリーを追わないと……
多分リュカさんの部屋に怒鳴り込みに行ったのだろうけど、気負い余ってイオナズンを使われたら、この町が消し飛んじゃうよ!

きっとリュカさんだけは無傷で生き残るだろうけど、他の人々は絶対無事じゃ済まない……
マリー……兎も角落ち着いて下さい!

ウルフSIDE END



 
 

 
後書き
遂に始まった大騒動。
ウルフ・マリー・リューノの三角関係だけでなく、ライアン・ホイミンやリューラ・アローの問題も勃発。
勿論騒動はこれだけに止まらない。
まだまだ続くよ夜の宿屋は…… 
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