リリカルなのは 仮面の男
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第五話 すれ違い
第五話 すれ違い
現在一向は温泉に向かっていた。高町家の恒例行事で全員車移動だったが二人だけバイク移動だった。
「どうだい?バイクの乗り心地は?」
「風が気持ちいです!」
「車も良いけどたまにはバイクも良いだろう?」
高町家の旅行に招待された一文字。現在一文字の後部座席にはすずかが乗っている。最初はなのはが乗っていたがバイクにも乗ってみたいというアリサとすずかのお願いで交代でバイクに乗ることになった。
「おっ先に!」
一文字がなのはたちが乗っている車を追い越し先に温泉宿にたどり着いた。その後でなのは達が到着し適当にくつろいでいると温泉に入るということになった。
「一文字さん。風呂行きましょうよ」
「俺は後で・・・話し相手居ないからこのフェレット君置いてってくれ」
「わかりました」
恭也は先に温泉に向かった。部屋には一文字とユーノの二人だけが残った。
「一文字さん温泉に行かないんですか?」
「ああ、これを見られるわけにはな・・・」
一文字はユーノに変身ベルトを見せた。
「それ外せないんですか?」
「まぁ外せないんだな」
「前から聞きたかったんですけど・・・一文字さんは何者なんでですか?あの力は」
「俺はしがないカメラマンさ」
「カメラマンの人があんな力持ってるなんて・・・おかしいです」
「やれやれ・・・そこまで言われちゃ言うしかねえか?」
ユーノの質問に一文字は覚悟を決めた。
「俺は・・・改造人間だ」
「改造人間!!」
ユーノも聞いたことはあるがまさかと思った。
「俺は人間じゃないんだ・・・だけど・・・人間じゃない実感なんてわかったつもりでもどっかではわかないんだよな」
一文字の言葉にユーノは絶句した。
(身体を改造されて心は人間のままでこの人は今までどんな気持ちで・・・)
「・・・怖いか?俺のこと」
その時一文字とユーノは何かを感じ取った。
「なんだこれは?」
「一文字さん!!こっちです!!」
一文字とユーノは気配のした方向に向かうと女性陣のいる場所だった。そしてオレンジの髪の女性がそこに立っていた。
「なのはちゃ・・・」
一文字がなのはに話しかけようした途端頭に声が響いた。
(これは?)
(おや?思念通話も知らないのかい?)
念話の相手は目の前の女性だった。
(誰だあんた?)
(随分なこと言ってくれるじゃない?この間はよくも感電させてくれたね)
一文字は茂が戦ったアルフと呼ばれた狼を思い出した。
(ほぅ~この間の狼さんがこんな美人さんだったとはね)
(随分軽いわね)
(お前さんがここにいるって事は・・・ジュエルシードもこの辺にあるってことか)
(あたり)
(ここで騒ぎを起こしてもお互いのためにならんぜ)
(じゃあもう一風呂あびるかね)
それだけ言うと一文字はなのは達を連れてアルフから去った。
夜
一文字はジュエルシードの鼓動を感じ取り近くを散策していた。すると目の前を金髪の少女が横切った。
(・・・誰だ?こんな時間に・・・・それにしてもなんて悲しい目だ)
すると今度は魔力反応を感じ取りその方向へ走った。そこには。
「あれは!なのはちゃん!それにあの子は!!」
一文字が見たのはなのはと先ほどの金髪の少女の姿だった。すぐに一文字はなのはの元に向かうが。
「おっと!フェイトの邪魔はさせないよ!!」
「ぐ!」
アルフが狼形態で一文字に襲い掛かった。受け止める一文字。すると何処かの場所まで転移されてしまった。
「ここは・・・テレポーテーション?」
「お前のジュエルシード・・・貰うよ!!フェイトのためにね!!」
「フェイト・・・それがあの子の名前か?」
一文字は変身ポーズをとった。
「変身!」
ベルトの風車が回り一文字は仮面ライダーに姿を変えた。
「トオ!!」
一文字とアルフは構えた。
「はああ!!」
アルフの攻撃を一文字は受け止めた。そして一文字も殴りかかった。
「この!!」
「ライダーパンチ!!」
一文字のライダーパンチのカウンターがアルフを襲った。悶絶するアルフ。
「・・・心配するな・・・手加減はした」
「・・・くっ・・・強い」
アルフの言葉に一文字は冷徹に答えた。
「へっ・・・俺が今まで何人の改造人間を殺してきたと思う?」
「なっ」
言葉を失うアルフ。今の一文字の姿に恐怖すら感じる。ショッカー、ゲルショッカー、デストロン、GOD、デルザー軍団、ネオショッカー、ドグマ、バダン、クライシス帝国。数々の組織と激戦を繰り広げてきた一文字。そして何より『殺してきた』のキーワードに反応したアルフ。
「お前をこのまま倒してもいいんだがな・・・今あの子の支えになっているのはお前みたいだからな・・・」
「・・・なに?」
「たしか・・・プレシア・テスタロッサだったか?お前たちのボスは?」
(この男なんでこんなことまで知っている?)
アルフは混乱した。目の前にいる男はジュエルシードをただ集めているだけの男かと思っていた。だが自分たちの素性を知っている。
「何で俺がそんな事知ってるかって顔だな・・・言い忘れたが仮面ライダーは俺だけじゃない・・・」
「!!!」
アルフは恐れた。目の前にいる男のような人物がまだいるという事実に。
「そこまで知ってて何で来ないんだい?」
「生憎・・・俺が知ってたのはジュエルシードの事だけでね・・・ジュエルシードを探っていたら黒幕が現れると思ってたが・・・どうやら他のみんなも動いていたみたいでな」
「まさか城茂も・・・」
「ああ、仮面ライダーだぜ」
あの男が変身してたらどういうことになっていたか再びアルフは恐怖した。その時だった。
「!!なのはちゃん!!」
一文字が空を見上げるとそこにはフェイトに首を狩られそうな、なのはの姿だった。一文字はすぐに助けに入ろうとするがアルフに止められてしまう。
「逃がさないよ!」
「く!!」
するとなのはのレイジングハートからジュエルシードが一粒出た。フェイトはジュエルシードを回収するとその場を去った。
「じゃあね・・・一文字隼人・・・あんたのジュエルシードも必ず貰うからね」
アルフはそれだけ言うと一文字の前を去った。
「大丈夫か!?なのはちゃん」
「一文字さん・・・私・・・」
「・・・何も言わなくていい」
一文字となのはは変身を解除すると旅館まで戻った。
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