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リリカルなのは 仮面の男

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第四話 決意を込めて


なのはの初めての魔法少女としての失敗。何か知らないが恭也たちも、なのはの様子に気づき元気付けようとしたがなのはは落ち込んだままだった。そこに追い討ちをかけるようにもう一人の魔法少女やジュエルシードの捕獲失敗。さらになのはは落ち込んでいた。


第四話 決意を込めて


なのはは一文字に連れられとある猟師町に来ていた。

「一文字さん!どこまで行くんですか?」

「もうちょっとで着くよ!ユーノもしっかり掴まってろよ!」

「は!はい!!」

必死になのはにしがみつくユーノ。海沿いの道をバイクで走っているため風が気持ちよい。

「なのはちゃん!帰りに釣りでもしていくか?」

「え!遠慮しておきます~!!」

しばらく街道沿いを行くと一文字はバイクを止めた。

「着いた」

なのはが一文字のバイクから降りると一軒のバイク屋が立っていた

立花レーシングクラブ

一文字が中に入ると中にバイクを修理している中年の男が居た。

「立花藤兵衛さんですか?」

「・・・隼人?」

藤兵衛は加えていたパイプを落とした。

「ども・オヤッさん。お久しぶりです!!」

「この馬鹿たれ!!連絡のひとつもよこさねえで!!・・・元気だったか!!?この野郎!!」

説教が終わった途端笑顔で一文字を迎え入れる藤兵衛。

「え?立花のおじさん」

「ん?なのはちゃん・なのはちゃんじゃないか!?」

「知り合いなんですか?」

一文字は二人の面識があったことに驚いていた。

「昔ちょっとな・・・なのはちゃん。士郎君や桃子さんは元気にしているかな?」

「はい!!」

なのはが笑顔で答えると藤兵衛はキッチンからポットを持ってきた。

「ふぅ~。久しぶりのオヤッさんのコーヒーはやっぱりうまい」

一文字は懐かしい気持ちになっていた。

「なのはちゃんはジュースかな?」

「は・はい?」

「君はこれ」

「キュ!」

藤兵衛はなのはにジュースをユーノにミルクを出した。

「ところで隼人。今日はどうした?」

「いえ。色々ありましてね。そういえばあいつは?」

「ああ、いつものところにな・・・ん?」

藤兵衛はなのはの様子を見ると表情が変わった。

「・・・隼人・・・悪いが外してくれないか?」

「へいへい」

一文字はそれだけ言うとなのはを藤兵衛に預けた。そして藤兵衛はなのはに向いた。

「なのはちゃんどうかしたのか?」

「え?いや・・・なんでも」

「無理に話す必要は無い・・君は昔からそうだったからな辛い事があっても一人で抱え込んでしまう・・・だけどな。君の周りには隼人や士郎君だって居る。それだけは忘れないで欲しい・・・ジュースもう一杯飲むかい?」

藤兵衛がなのはのグラスを提げようとしたその時。

「・・・聞いてもらっていいですか?」

「ん?」

口を開いた、なのはに藤兵衛はグラスを片付けるのを止め、なのはの話を聞いた。なのはは藤兵衛に自分が魔法少女であること、そして失敗したこと、もう一人の魔法少女のことも話した。

「・・・そんなことがあったのか・・・だから隼人が・・・ジュエルシードか・・・」

「・・・・・信じて・・・・くれるんですか?」

「信じるとも・・・他でもない、なのはちゃんの言葉だからな」

藤兵衛の笑顔になのはも自然と笑顔になった。だが、その笑顔も束の間だった。

「あの子が来たら・・・あの子とも戦わなくちゃいけない」

「本当にそれだけかい?」

「え?」

「なのはちゃん。君は優しい子だ本当は戦いたくないんじゃないのか?」

「でも・・・」

「なら簡単なことじゃないか・・・君の気持ちをその子にぶつけてみればいい。悩むのはそのあとからでも遅くない。それに隼人だっている」

その時なのはが何かを感じた。前に取り逃がしたジュエルシードの鼓動だった。

「立花のおじさん!行かなきゃ!!」

「気をつけて行ってくるんだ・・・」

藤兵衛はやさしい笑みを向けてなのはを送り出した。

「あの子・・・あいつ等に似てるな」

すると一文字が入ってきた。

「オヤッさん。なのはちゃんは」

「行っちまったよ」

「いけね!」

一文字も慌ててなのはを追いかけた。






「あれは!?ジュエルシード!!」

なのはが見たのはこの前取り逃がしたジュエルシードだった。そしてそこには赤い狼がいた。

「ぐぅぅぅぅぅぅ!!!」

狼はなのはに狙いを定めるとなのはに襲い掛かった。なのはがバリアジャケットに変身しレイジングハートを構えるが赤い狼は接近型のようでなのはに向かって飛び掛った。

「きゃあ!!」

狼の牙がなのはに向いた瞬間結界が繰り広げられた。ユーノだった。

「ユーノ君!!」

「なのは!!懐に入られちゃ駄目だ!!」

距離を置こうとする、なのはだが狼は食らいついてきた。振り切れないそう思ったその時。


ブゥゥゥゥゥゥゥゥン!!!!

凄まじいバイクの爆音が響き、なのはと狼の間を割って入った。なのはは一文字だと思ったが違う人物だった。背中には薔薇のマーク、胸には巨大なSのマークのシャツを着た男だった。

「えい!やあ!!」

男は狼に一撃入れるとなのはを保護した。

「あなたは?」

「ご存知・・城茂よ!」

城茂と名乗った男はなのはを介抱した。

「なんでこんなところに!?」

「答えは一つだ!悪党の現れるとこ、必ず俺も現れるって事よ!!」

「グゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!」

赤い狼は茂に向かって吼えた。

「確かアルフさんといったな・・・お手並み拝見と行くぜ!!えい!!!」

茂はアルフと呼んだ狼に飛び掛った。なのはも追いかけようとしたが追いついた一文字に止められてしまった。
茂はアルフの牙を掻い潜りながら拳を入れアルフにジャンパーを外されてしまいよろけた。

「へ!噛みたけりゃ噛んでみろぅ!!」

自分の腕を差し出す茂。正気かと思ったなのは。アルフが茂の腕に噛み付くとアルフが感電した。

「ぐ!うううう!!!」

流石に口内の衝撃は厳しいらしい。もがいているアルフ。

「へっへへへ!今のはほんの小手調べだ・・・さぁていよいよ本腰を入れるか・・・・驚いて目を回すなよ!!!!」

茂が力を引き出す動きに入ろうとした瞬間。無数の光が茂を襲った。

「なに!?」

茂が振り向くとそこには金髪の少女が立っていた。

「子供?」

驚いている茂に少女は杖から光を放つ。相手が子供ということもあり茂は手を出せない。

「ぐあああああああ!!!」

膝をつく茂。そしてジュエルシードは少女が回収してしまった。少女が茂にトドメを刺そうとした時。

「エレクトロファイヤー!!」

茂が手袋を外し高電流をながしその場を撤退した。

おやっさんの元へ帰還した一文字たち。

「すまねえ一文字さん俺のせいで・・・」

「気にするな・・・相手が子供じゃ俺も戦えなかっただろう。それにお前が着てくれなかったらなのはちゃんが危なかった」

「やっぱり一文字さん達も同じことを?」

「まぁな・・・・」

一文字はなのはとユーノを乗せかえる準備をした。見送りに藤兵衛と茂もいた。

「それじゃあオヤッさんまた今度」

「ああ、またな。なのはちゃんいつでも遊びにおいで」

「はい!」

「なんかあったら俺もすぐに駆けつける」

「茂さん・・・ありがとうございます!!」

「じゃあ行くぞ!!」

そう言うとなのは達は立花レーシングクラブを後にした。

 
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