ソードアートオンライン VIRUS
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鍋
前書き
そろそろ一周年
下とつぶやきに一応やろうと思ってることがあるのでもしよければ回答よろしくお願いします。
書くところはメッセ、つぶやき、感想板のどこでもいいです。
少女に着いて行きながら街を見回す。その少女はどんどん町の中央から離れて行き、スラムと言ったほうがいいような感じの場所にどんどん歩いている。もちろん、こんなところにはモンスターも出ないしそこらへんのMPKの心配は無い。
こんなところに本当に鍋があるのだろうか?いや、それ以前にこんなところに店があるかも疑わしい。この目の前を歩いている少女に何度も聞いているのだが同じように、「来る」とたった二文字のこの言葉をいうだけであった。どうせならもっと口数を増やして欲しいものだ。この沈黙はなんとなく自分にはあっていない。
そして少女は壊れかけのビルの前に来るとようやく足を止めた。
「着いたのか?」
そう言うと少女はこくんと頷く。
着いたといわれてもどこに店があるというのだろうか。周りにはそれなりにNPC入るがほとんどプレイヤーの姿は見えない。周りの建物も倒壊しかけか壊れているものばかりで店を出せそうなところなんて、倒壊した柱などに布をかけて出来た露店ぐらいだ。しかし、それは武器系統、食事のようなものは置いておらずほとんどがポーションなどの回復道具の類だ。
「……その店はどこにあるんだ?」
周りを見回しても露天ぐらいしかないため、その少女に話すが少女は相変わらず何も答えない。しかし、答えはしないがジェスチャーでその店の場所を教えてくれた。店の位置は目の前にある倒壊しかけのビルで何のためらいも無く少女はそのビルの中に入っていった。自分もその後についていく。
ビルの中は外側から見た感じと同じで所々皹が入り壊れそうである。だが、ここはゲームの世界、そんなことは起こることは無い。建物の構造を把握しているのかずかずかと置くに進んでいく少女。その後を追いかけていくと地下に下りていく階段があり、下は上とは違いしっかりとした作りになっていた。
「こんなところもあるのか」
少女の後を歩きながらその階段を下りていく。そして奥のほうには赤い灯りが見えている。そしてそれが何かの店だって言うことはわかる。最後まで降りて行くと現実世界にでもあるような感じの居酒屋のような店になっていた。
「ここ」
「そうだろうな。ここ意外に店ないし」
そして少女は何のためらいも無くがらがらとドアをスライドさせて中に入った。その後に自分もその中に入る。中も完全な居酒屋の感じでカウンターにおっさんのNPCが立っていた。
「らっしゃい」
「鍋」
「わかりやした」
そして少女はカウンター席に座ると同時に目の前にできたての鍋が出てくる。すぐにどこからか取り出したかわからないが小皿と箸を持って鍋を食べ始めた。
その光景を溜め息を吐いてから自分も一つ離れたところに座って飲み物を注文する。すぐに目の前に出てくると少しづつ飲んでいく。本当にどうしてこうなったのだろうと悩みながら飲んだ。まずはログインして、武器を買うための資金を集めるために金稼ぎをしてそして武器を選ぼうとしたが特に自分に合ってるような武器を見つけることも出来ず、その場になんとなく居づらくなったので店を出た。
そしてしばらく自分の後を着いてきているこの横で鍋を美味しそうに食べている少女と一戦してから自分が戦況を圧していたのだが逆に脅されてこのような状況になってしまった。
「はー……」
本当に何度溜め息を吐いただろうか。再び席を一つ空けて隣に座る少女を見ると一つの鍋を食べ終えてから、新しい鍋を追加していた。
(まだ食うのかよ……。現実でも食った感覚はあるから大丈夫なのか?しかも今は結構遅い時間じゃねえか)
そんなことを思いながら自分の飲んでいる飲み物を飲み干して机に置いた。
「じゃあ、お金は俺が払ったからもうこれで終わりだろ。俺は帰らせてもらうぞ」
そう言って席を立って店から出た。少女にあれだけ奢ってやったんだから十分だろう。鍋二杯って以外に高いんだなと思いながらビルを出てから街へと戻ることにする。少し痛い出費だったが少し高いくらいの武器はまだ買えるだろう。どうせだったら一度試し撃ちで確認するのもいい気がする。
「街に戻る前に一度外で敵を倒してみるか……」
そうと決めればすぐに移動を開始する。街に向けていた足を外に向けて歩き始めた。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
外に出るとかなり荒廃しているような場所に出た。しかし、このような場所に出ても特に思うことはもうない。しかし、その分今まで街にいたときよりも感覚がどんどんと鋭くなる感じがする。
「本当に設定どおりのフィールドだな……」
見た感じの感想を述べるとすぐにその荒廃したフィールドを歩き始める。しかし、結構広大なフィールドゆえに自分の足だと一日でいける距離が普通のプレイヤーよりも短い気がする。少し遠出をするならある程度の日にちを決めたりしたほうがいいだろう。
あたりを見回してモンスターなどを探しながら警戒する。ここはもうすでに外だからいつ攻撃されてもおかしくない。狙撃の可能性もあるためかなり警戒しないといけないのが少し辛いが、自分のような初心者を狙うようなやつはそこまでいないだろう。
とか考えているとすぐ後ろから身の危険を感じたため伏せる。伏せると同時に今まで自分の頭があった場所に何かが高速で通過した。その時に髪の毛の先っぽ辺りに掠ったような気がする。
「初心者が狙われないって思ったのが馬鹿だったな……どのゲームだって初心者狩りを楽しむようなプレイヤーがいるんだよな……」
そう呟いて後ろを振り向くと先ほど店で別れたはずの少女がいた。
「外した……」
「お前かよ……尾行とかじゃないから完全に気付かなかったけど、初心者狩りでもしたいのか?」
その少女に向けてそう言うと少女は首を振る。それなら何故この少女は自分の頭に向けて弾丸を放ったのだろうか。
「じゃあなんで俺の頭を後ろから狙ったんだよ」
「あなたが急にいなくなるから」
「別に鍋を奢ったんだから特に関わる理由もなくなったからはなれただけじゃねえか。それのどこが悪いんだよ」
「悪い。まだ食べたり無い」
「おい、どんだけ食い意地張ってるんだよ。つうか女なら少しぐらいは遠慮と言うものをしたらどうなんだ。まだ食いたいとか言うならお断りだぜ。あれは案外高かったからもう一杯でも頼まれちゃ本当に困るんだよ」
「問題ない」
「俺にはかなりの問題があるんだよ」
溜め息を吐いてその少女に言った。
「何でお前がいるんだ」
「あなたが居なくなったからもう鍋を食べれない。お金も今は少ないから自分でも買えない。だからお金を貯めるのとあなたが勝手に居なくなったいかりをぶつけに来たときに丁度姿が見えたから撃った」
「おい、ちょっと待て。俺は勝手に居なくなってないぞ。ちゃんと店を出る前にお前に一言言ってから出たはずだ」
「聞こえなかった。だから知らない」
再び溜め息を吐く。本当にこの女にあってから溜め息ばかり吐いているなと感じながら少女に言った。
「わかった、それなら取引しようじゃねえか。俺に合うと思う武器をお前が選ぶのを手伝う。それで金が残ったなら今度もう一回奢ってやるよ。ただし、俺に扱いづらい武器、もしくは威力の弱いやつなんて選ばないこと。これが出来れば、後何杯かは奢ってやる」
そう言うと少女の口元は嬉しそうに緩んだ。そして鍋の想像をしたのか口の端から若干よだれも垂れている。しかし、他人のスペックも知らないで銃を選ぶことなんてほぼ不可能だ。だけど自分の金でこれ以上奢りたくないし、これぐらい言っておかなければ相手は引き下がらないだろう。しかし、
「わかった。それくらいなら問題ない」
「なら……え?今なんて言った?」
「問題ない」
「……」
まさか、本当に選ぶつもりのようだ。
「それならいい場所知ってる。ついてくる」
「おいちょっと待て。ほんとに選ぶつもりかよ」
「鍋のため」
この少女はどうやら鍋を食べたいだけであろう。まあとにかく自分よりも銃が詳しそうだから任せてもいいかもしれない。しかし、鍋が食いたくて銃を選んでもらうのは少し気が進まないが、このまま迷うよりはこの少女に選んでもらったほうがいいかもしれない。
「はあ。まあ俺の扱いやすいならだけどな。それじゃあ、よろしく」
そして、再びその少女の後についていき、自分に合う武器を探すため武器屋へと向かった。
後書き
さてとようやく武器を選ぶところまできました。まあこの後に後数話入れてようやく本編ですがね。
それとそろそろ一周年のため、何かしたいと思ったのでここにも一応書いておきます。
1.コラボ
2.番外編
3.そんなことしないでさっさと進める
ですかね。今回はいろいろと考えてやっていくのでもしよければ回答お願いします。
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