ソードアートオンライン VIRUS
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尾行者
ショーケースの前に張り付いて十分ほど経っている。だがどういう装備が良くてどういう装備が悪いのかなんて自分にはまったくわからない。少しでも銃に関しての知識は勉強したが自分にはどれも種類が違うだけでよく分からない状態が続いていたため、実際にゲームで見て決めようと思ったのだがこの長いショーケースの中から自分のあっている武器を探すなんて一苦労だ。
ショーケースの中にある武器はアサルトライフルにハンドガンにショットガンそれにマシンガンといろいろな種類あるが自分は片手で扱えるようなものがいいのか両手で扱えるものがいいのか使ってみないとわからない。それだったら一回ベレッタを扱ってから考えてもいいかもしれない。
しかもここで時間を消費していくごとに人目が集まってきている気がする。少し時間を置いてからまた顔出すことにしようと店を出ることにした。
実際、銃の持ったときの感触、撃ったときの感触も知っておいたほうがいいだろう。武器を選ぶのはその後からでも遅くはないだろう。だから店を出た。
店を出て街を見回ることにする。まだ来てまもないしこうやって少しは街の様子を確認するのもいい機会だろう。それにこうやって街を一人で見回るのも懐かしい気がする。
SAOと違い、武器が剣ではなく銃がちらちらとちらついているのを見るとどうも落ち着けない雰囲気だが慣れていないだけだろう。あっちもあっちで毎日のように武器がちらちら見えていたし。
「なかなかの感じだな。武器が慣れてないから少し違和感があるけどこんなのすぐに慣れてくるだろ」
しかし周りを見ていると自分もさっきの店でせめて防具だけでも買っていたほうが良かったような気もする。最初の初期装備ではどうも心もとないし買っておいたほうが良かったかもしれない。
そんなことを考えながら街を見る。ほとんど見たことないような街並みに商品に目を奪われる。
しかし、先ほどから一つ違和感を感じる。
(……店を出てからつけられてるのか?)
店を出てから自分と一定の距離を保ちながらついてきている奴がいる。最初はたまたま同じなのかと思い曲がったり止まったりしながら確認したが同じような行動をしていたことから自分をつけていると確定する。
すごくたまたま同じ行動をしている可能性もあるがその時はその時だ。すぐに尾行をしているやつを調べるために細い路地に入り込んだのはいいがそこは行き止まりだった。
「どうすっかな……」
しばらく考えている時間にも徐々につけているやつはどんどんとこちらに迫ってきているだろう。別に街の中では倒されないが尾行されるのは正直いい気になれないし、こういうことをされるのは不愉快だ。
そういえば、昔の映画にこういうシーンの時に壁を登って相手に気付かれずに後ろに降り立つものがあったようなきがする。どうせならそういうシーンを再現してみるのもいいだろうと思い実行する。数秒で下から見えないあたりまで登りきると少し進んで入り口付近にスタンバイする。
下を見ると丁度、一人の人影が路地に入ってくる。しかし、行き止まりの路地に入ったはずのつけていた人物が消えたことにキョロキョロとしていた。そしてその瞬間に音も無く地面に着地すると太もものホルスターにある銃を取り出して後頭部に押し付けた。
「お前が俺をつけてたやつだな?何で俺をつけていた?」
「……」
しかし、その人物は何も答えない。
その人物を確認する。自分とは違い初心者ではないことを象徴するような装備、それに肩にしょっているのはスナイパーライフルと思われる武器。そして他の特徴は自分の胸元より少し低いくらいの身長に鮮やかな金髪をツインテールにまとめているくらいだ。
「何の目的があったんだ?俺みたいな初心者をつけて」
「……一つ」
アルトぐらいの高さの声でその人物はそう言って頭に銃口を押し付けれている状態から腕を背後に回して銃を掴んだ。
「野郎っ!」
すぐにトリガーを引こうとする。どうせ、この世界でもアンチクリミナルコードがあってダメージを食らわないだろうがノックバックはするため、それをつかえば離れることが出来るだろう。
しかし、トリガーに力を込めるがそのトリガーは動かない。
「なっ!?」
トリガーの後ろにその人物の指が入りハンマーも親指で押さえられているため銃が撃てなくなっている。そしてその人物はその状態から腹に蹴りをかましてきた。
そのせいで若干だが銃を握っている手の握力が弱まってする抜ける。
そして今度は少し離れたところでこちらに向けて銃を構える人物がいた。
「銃を向けるなら相手の攻撃が当たらない、尚且つ、自分が確実に当てられる距離で構える……銃を扱うならこれを覚えてくるべき……」
「そうかよ……」
まさかの銃をあんな方法で奪われるなんて思わなかった。剣とは違い銃にはこんな対処方法があるなんて思わなかった。だが、
「……ご忠告どうも。でも、一つだけお前もミスをしたぜ」
「?」
その人物は首を傾げる。
「それは俺の間合いその程度だとを見誤ったことだ」
そういうと一瞬で相手との距離を詰めると胸倉を掴んでそのまま壁へと叩きつけた。このときに自分に向けていた銃も掴んで叩き付けて落とすのも忘れない。
「残念だったな。近接系統の技は嫌というほど経験してきたし、こういう対処の仕方も受けてるんだよ」
「……ッ」
相変わらず口数の少ないやつだ。そして再び問いただす。
「何で俺をつけていた?」
だが、それでも答えない。もういいやと思い、手を離そうとすると同時に相手の付近でウィンドウが開く音がする。そして目の前にはウィンドウが展開されている。しかし、自分が出したわけではないので内容は分からない。
「早く離す……じゃないと押す」
その声はどう聞いても確実に女性のものだろう。この世界に女性がいるなんて珍しいなとか思っていると先ほどの押すと行った言葉に引っかかった。
(押す?このウィンドウのボタンのことか?指も振ってないで出たウィンドウなんて警告ぐらいしかないだろ。脅すようなことなんて……)
その瞬間、自分の頭の中であることを思い出す。それはSAOはもちろん、どのVRMMOにも設定されているはずの警告だ。それは男性が女性に対してハラスメントを働いた場合に出てくるものだ。
最初はそこまで気にせずに戦っていなかったため気付かなかったが先ほどなどの声でこの人物が女性と言うことが分かっている。そして自分の目の前にあり、尚且つそれに指を伸ばして自分には見えないボタンを押そうとしている少女は確実に自分をこの世界にいるための存亡を賭けたものを押そうとしている。
その瞬間、素早く手を離して一定の距離離れた。
「おい、もしかしてそれ……ハラスメントコードとか?」
そう言うと首を盾に振った。その言葉を聞いて背中に冷や汗が滝のように流れ始めたような感覚を覚える。そして、その少女はそのウィンドウのボタンを押そうとする手を止めない。
「ちょ、ちょっとまて!何でつけられていた俺がこんな仕打ちを受けなきゃなんないんだよ!?」
さすがにこの状況はおかしい。自分は尾行されてたからその人物を少し説教のつもりである程度痛めつけようとしただけなのに、その人物が女性でハラスメントコードを押さそうになっている。そして押されてこっちがバンされたことをキリトたちが聞いたら笑い転げるだろう。だが、自分はまったく笑えない。
「一回話し合おう。さっきのことは俺が全部悪かったから、な?それでも駄目なら何か奢るからそれでチャラにしてくんない?」
ここはもう交渉するしかない。ここに来てまだ一時間も経っていないのにこれでアバターをバンされたらALOで今まで頑張ってきたことも無駄になる。最近、ようやく魔法の熟練度がMAXになりそうなのにここでやられたら終わりだ。
少女はしばらく考えた結果ウィンドウのボタンを押した。その瞬間ビクッとしたが特に何も起こらなかったのでホッとする。何とか許してもらえたことに胸を撫で下ろした。
「……鍋」
「ん?」
「鍋を奢る」
なぜ、この少女は鍋を頼む?というよりもこの世界に鍋というものは存在するかが分からない。だが、それで許されるなら安いものだと思い了承する。
「わかった。それで許してくれるなら。で、この世界に鍋はあるのか?」
「……」
そしてその少女は何も言わずに自分の横を通り過ぎて行った。その光景を唖然としながら見続ける。そして道を出たあたりで少女はこちらを向いてからもう一回言った。
「来る」
「……わかった、着いて行けばいいんだろ」
溜め息を吐いてから少女が奪い取ってから落とさせた銃を拾うとその少女の後に着いて行った。
後書き
ここでGGO編ヒロインにしようと思った人物を登場させる。
そしてALOが終わって正ヒロインユキの出番ェー。
「そうだよ、駄作者。いい加減私の出番を増やしてもいいと思うな!」
とか言っても正直GGOもあんま出番はないです。はい
「そんな!」
というわけでまた今度。小中高生の方々最後の日ですし宿題が終わってない方々は徹夜してでも宿題を終わらせるように
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