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ソードアートオンライン VIRUS

作者:暗黒少年
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金稼ぎ

「おーい、優。お前はもう上がっていいぞ。こっからはバーだからお前には任せられないからな」

「わかった。じゃあ、今の注文が終わったら上がらせてもらうよ」

「OK。じゃあ、ちゃっちゃと終わらせてくれ」

「了解」

 そして今作っているステーキを焼き上げてトッピングを終了させるとカウンターに座る客に出す。

「お待たせしました。アメリカンステーキ、和風ソース添えです」

「待ってました。しかし、料理が上手いねー。何かそういう専門の人なのかな?」

「いやいや、自分はまだ高校生っすよ。そんな専門的なことはあまりしてないし、独学ですから。じゃあ、自分は上がるんでごゆっくりどうぞ」

 客の対応をした後、店の奥に着替えに行く。その時にエギルの奥さんとあった。

「あら、優君。今日はもう上がりなの?」

「あ、はい。今日はそろそろバーに移行するらしいからって」

「そうよねー。まだ高校生だから酒を扱うことはあまりさせられないわよねー。でも、優君のおかげで新しい常連さんや女性客が増えたから本当に助かるわ。ありがとね」

「いやー、こっちは雇ってもらってるんですから、最低限のことをやってるだけですよ。女性客が増えるのは自分は知りませんけど」

「ああ、彼女以外の女性の感情は鈍いのね」

 すこし残念そうな表情を浮かべるエギルの奥さん。実際、女性の感情がわからないのは事実だがそこまでなのか?

「まあ、頑張ってくれていれば別にいいんだけどね。お疲れ様」

「お疲れ様でした」

 そして優は着替えを終えて家へと帰る。こういうときバイト先が家から近いと結構便利だ。

 数分後、家があるマンションに入り、自分が部屋がある三階へと上がり部屋に入るとすぐに風呂や明日の弁当の下ごしらえを終わらせてベットに向かった。

「今日からALOにそこまでログインできなくなるなら美奈と純と弘人にも連絡入れとかなきゃいけないな。あいつらにはウィルスについての定期連絡してもらうことになってるし、しばらくは携帯でしてもらうか」

 スマホで素早くメールを打って三人に一斉送信する。数秒後には美奈からメールが入ってきていた。

【Re:なんで?】

いきなり、しばらくログインできないからって定期連絡はメールでよろしくってなんで?ログインできない理由を教えてよ

とメールが返ってきた。すぐにしばらく他のゲームを調査と書いてその後にプレイするゲーム、GGOと書いて送る。

 またすぐにメールが帰ってくる。

【Re:わかった】

わかった、じゃあこっちの調査は三人って言っても私は分からないから事実的に二人に任せておいて。そっちも何かわかったりしたらこっちにメールを送ってね

 その後、了解とメールを送りアミュスフィアを被る。

「…さてと、行くとしますか……リンクスタート」

 そして仮想世界にまた潜り始めた。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


 今回はコンバートのため、アイテムは買っている家に全て詰め込んできている。なので損失することは無い。しばらくして、ロードのマークが消えるとGGOの街に降り立った。

 そこはSAOやALO、それにBFOのどれにも似つかない風景をした場所であった。SAOやALOと言ったファンタジー系の街並みでなく、かといってBFOやのようにどこかの歴史を感じさせるものでもない。

 何層にもフロアが重なり、ところどころにエレベータやエスカレータの光がちらちらと見えてとても未来的な街並みに圧倒される。

「すげーな……こんな未来的な街並みか……今までやってきたゲームとはまったく違う世界観だな。まあ、してたのがSAOとALOとBFOだけだしな」

 あたりは今までと違った感じで好奇心が沸いて来る。近未来的な街並みを歩きは始めた。

 時間が時間のため結構なプレイヤーがおり、街もなかなかにぎやかな状態である。それにこの猥雑した感じがSAOにもあったアルゲードにも似ていて懐かしい。キリトなら喜びそうなところだろう。

「そういえば初期装備ってどんなのなんだ?」

 さすがに自分のことはある程度は知っておいたほうがいいと考え、ウィンドウを開き初期装備を確認する。

「えっと……ベレッタM92……名前は聞いたことあるけど性能はよく知らん…それとバタフライナイフか。これがGGOでの初期装備なのか……まあ銃の種類なんて俺にはわからないからこれから知っていけばいいか」

 ウィンドウを閉じて顔を上げるとちょうど目の前にあるショーケースに自分の顔が映る。現実とは多少似ているような感じの容姿だ。別に変わるようなことがなかったのはいいことだろう。顔が違う自分というのはどこか違和感を覚えるため、このほうがいいだろう。

「あんま変わらないのはいいんだけど、現実でも近いから間違われたりするんじゃないのか、普通?まあ、別に関係ないか。それよりも銃の扱い方をしっかりと知っといたほうがいいからマニュアル開いてっと」

 マニュアルを開き、ついてのことを暗記する。しかし、実際に見た程度だとどういう感じかは理論的にわかるが実際にやってみないと分からないこともある。

 だが、実戦をやるなら外に行くのがいいだろうが、まだ初期装備の状態で他のプレイヤー、一人なら何とかやれるかもしれないが、複数、もしくは遠距離からの狙撃となるとたぶん勝てる可能性は低いだろう。

「それに武器がこれだけじゃな……」

 太もものホルスターとポケットにしまってあるベレッタとバタフライナイフだけじゃどうも心許ない気がする。それに自分にはどちらかというとこういう軽い武装よりも重い武装のほうがいい。

「……でも、武装なんて整えれる資金もないし……どうすっかな……」

 今の状態じゃ本当にそうしようも無いと思ったため、それなら少しでも装備か何かで可能性を減らしたほうがいいと思い、武器屋に行くことにした。

 ここから近いショップとなると初心者用の店が少し近くにある。そこに行ってとりあえず今ある金を使ってちょっとした装備を整えるだけでもしておいたほうがいいだろう。

「ちょっと行ってみるか」

 装備を整えるために店へと向かった。

 店に入って早速装備を整えるために商品棚を見る。しかし、どれも初心者用の武器といってほとんどが初期金額で買えるようなものではなく、買えたとしても自分を守る程度の防具だけだ。

 しかし、防具を買うにしてもどれにするか迷う。それに白を選ぼうにもこの世界では完全に浮くために装備することはなるべく控えたい。

「どうするかな……」

 商品の棚を眺めながら考えていると結構近くから銃声が聞こえてくる。最初は誰かが試しうちでもしてるのかと思えば、違う。普通ならちゃんとした場所で撃つだろうし、西部劇みたいな決闘をするなら室内ではなく屋外を選ぶだろう。

 何があるのか気になってそっちに視線を移すとそこには人だかりが出来ていて間から見えるのは何か柵のようなもので囲まれた場所があった。

 それだけじゃわからないため、そっちに行って何があるかを確認する。

 そこにあったのは西部劇にでも出てくるような格好をしたガンマンのNPCが立っている。そして上のほうにはいままで何で気付かなかったのだろうと思うほどの大きなネオンがぴかぴか光っていた。

「……アンタッチャブル……か……」

 看板を見た後、視界を下げて今の銃撃の音を発しているガンマンを見る。ガンマンは近づいてくるプレイヤーに弾丸を打ち続けている。プレイヤーもその弾丸を弾丸予測線という銃口から出ている線を何とかいくぐって先に進んでいる

 しかし八メートルほど進んだあたりになるとガンマンのリボルバーでのリロード速度などがありえないような速さになるとプレイヤーは避けることが出来ずに当たって終わった。

「八メートルラインからはあんなふうになるのか……」

 見た感じ自分でも出来そうな気がしたし、それに一回五百クレジット、そしてキャリーオーバーは現在は十万をすこし超えたあたりだった。

 これでもしあのガンマンに触れることが出来ればいい装備はそろえられるだろう。そう思い挑戦することにした。

 キャッシャーに右手を置いて、金額を払うと柵の中に入る。そしてガンマンから、『てめぇのケツを月まですっ飛ばしてやるぜ』と訳せる英語の言葉を言ってきたのでこっちも親指で首をきるように動かす。

 それを合図と受け取ったのかガンマンは自分に向けて銃を構えた。それと同時に自分も前に歩き出す。見るのは相手の目。どの世界でも狙いをつけるのは目であって目の動きを見ておけばあらかた攻撃の予測は出来る。

 ガンマンの目から視線を外さずに走り始める。ガンマンはすぐに迎撃するために弾丸を放つ。しかしそこには自分の体はもう無く、前へ突き進んでいく。

 そして八メートルラインを越すとガンマンのリロード速度が早くなりすぐに弾丸を放ってくる。だがガンマンの目を離さずに見ておけばある程度は避けられる。

 さらに二メートル前進して十メートルラインを超えると完全にリボルバーでの速射できるかわからないぐらいの速さで三発もの弾丸を一気に撃ちだしてくる。

 体を左右に揺らして避けて更に前進していく。そして残り五メートルもの距離まで詰めると急にガンマンの口元が歪んだような気がした。そしてテンガロハットの下で目が自分の頭、肩、腹、太ももを順に見たような感じがした。

 そこに撃ってくるだろうと予測した時には体勢を低くしてスライディングをする。すぐ後に先ほどまで、自分の頭の数センチ上辺りの場所に弾丸が通り過ぎた。予想が当たり、攻撃を避けることに成功した。

 立ち上がってガンマンをタッチして終わりだな、そう思ったときにガンマンの表情がにやりと笑っているような気がする。すぐさまその場から離れるために前方にジャンプした。

 瞬間、先ほどと同じように自分のいた場所は撃ち抜かれていた。しかもノーリロードからのレザーを六連発。

「どんだけおかしな速度してるんだよ、おい……」

 避けてる自分が言うのもなんだが、これはさすがにプレイヤーがクリアするのは無理歌も知れないレベルだろう。そして地面に足を付けるのと同時に胸の部分に拳を当てた。

「オーマイ、ガーッ!!」

 ガンマンは頭を両手で抱え悔しそうに地面に膝を付いた。それと同時にガンマンの後ろにあったレンガの壁が爆発したように吹き飛んでその中から大量のコインが自分の足元までなだれ込んでくる。

 ネオンの看板に映っているキャリーオーバーの金額がゼロになると同時に先ほどまで悔しそうにしていたガンマンが銃を得意げに回して腰のホルスターに戻すと再び挑発的な言葉を発するが、今となってはただの負け惜しみのようにしか聞こえない。

 クレジットが自分のウィンドウに収納されるのを確認すると柵から出た。その時にいろいろと周りがざわついていたがどうせそこまで大きな騒ぎになることはないだろうと思い武器を選びに再びショーウィンドウとにらめっこすることになった。

 
 

 
後書き
装備ここで決まるんだったらこんなストーリ飛ばしちまえ!
と思いの方がいるかもしれませんがまだ完全に揃ってるわけではないので飛ばせません。
装備の内容は正直、思いついているんですがまだどうやってゲットするかは考え中です。
しばらくはこの調子で行くんでよろしくお願いします。 
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