久遠の神話
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第四十八話 会食その十五
「その海軍の食事を」
「では」
スペンサーは手でも指し示し彼等を案内した。そして彼等は赤い絨毯の上にテーブルが幾つもある部屋に入った。そこに入ると。
上城達が入った扉から見て左側の三分の一程度のスペースにそれがあった。様々な料理が幾つものテーブルの上に置かれている。
上城はそのメニューを見てまずはこう言った。
「お肉が多いですね」
「俺の言った通りだな」
「はい、やっぱり」
こう工藤にも返す。
「その辺りはアメリカですね」
「そういうことだ」
ステーキにべ^-コンを炒めたもの、ハンバーグ等がある。ハンバーガーもあるが中にあるのはハンバーグのものだけではない。
スパムバーガーやカツバーガーもある。そしてサンドイッチも多くある。
ボイルドベジタブルやサラダもありパンやスープも揃っている。そしてその他にもだった。
「パスタもありますね」
「そうだな」
マカロニやペンネがトマトや茄子、ベーコンのソースで絡められて置かれていた。その横にはフライドポテトにマッシュポテトがある。
フライやカツも豊富だ。そして。
「中華料理もあるんですね」
「餃子等ですね」
「はい、それもあるんですね」
「アメリカなので」
スペンサーは己の隣にいる上城に微笑んで答えた。
「ですから」
「あっ、そうでしたね」
「はい、我が国は移民の国です」
「そうでしたね。だから」
「中国系もいます」
中国系アメリカ人はアメリカ人の中でも有名な部類に入る。アメリカの主要都市にはよくチャイナタウンがあり観光地にもなっている。
「そしてパスタですが」
「それはイタリアですね」
「それにソーセージもです」
見れば茹でられた大きなソーセージもあった。
「あれはドイツですね」
「そうですよね」
「それにタコスはメキシコです」
「あっ、タコスもあるんですか」
「はい」
確かにタコスもあった。アメリカの隣国でもあるメキシコを代表する料理だ。
「あちらに」
「本当に色々ありますね」
「和食もありますよ」
スープのコーナーにその味噌汁もあった。豆腐や玉葱も見える。
「あの様に」
「ううん、それでなんですか」
「そうです。これがアメリカです」
スペンサーは誇らしげな微笑みで上城に語る。
「様々な国の様々な料理を美味しく食べられるのです」
「美味しくですか」
「そうです、美味しくです」
スペンサーは胸を張って上城に述べる。
「アメリカの料理はまずいと思われますか?」
「それは」
「最早それは過去の話ですから」
アメリカ人である彼もこう言うのだった。
「イギリスとは違います」
「イギリスにも行かれたことがあるんですね」
「いや、聞きしに勝る酷さでした」
スペンサーはわざと首を大げさに横に振って言う。
「あれは最早料理への冒涜です」
「そこまで酷いんですね」
「料理とは何か」
そんな話もするスペンサーだった。
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